潤花・置かれた場所で咲くということ

 

先日、退団を発表した潤花。

 

少し身構えていたので「やっぱりか」とその時は処理出来ましたが、

時が経つにつれ、じわりじわりと寂しさがこみ上げてきます。

 

今、潤花について思うことは、

「置かれた場所で咲くということ」の大切さと、その美しく潔い覚悟です。

 

潤花の退団発表で思う「if」

 

雪組出身のトップ娘役の特徴、それは短命が多いということです。

過去の愛加あゆ、舞羽美海、愛原実花、紺野まひる、渚あき、純名里沙と、

揃いも揃って短期~普通就任ばかり。

 

潤花がトップ娘役に就任した際、

後任(芹香斗亜)まで引き継ぐ前提だと勝手に予想していたので、

ついに雪組出身で中~長期トップ娘役が誕生するのだと思っていました。

 

が、結果的に4作で退団することが決定。

彼女もまた、雪娘の運命をたどることになったのでした。

 

今回の退団劇で印象的なのは2つ。

1つは、現在のトップ娘役陣、

すなわち100期の星風、97期の海乃、96期の朝月、102期の舞空と比較して、

最下級生にも関わらずあっけなく退団を選んだということ。

 

そしてもう1つ、彼女は本来、彩風咲奈の相手役最有力候補として、

雪組でのトップ娘役就任が期待されていました。

 

結果的に宙組で就任となりましたが、

その代わりとなった6期も上の朝月希和が、現在退団公演中であること。

すなわち、たった半年しかタイミングが変わらないことに、驚きを隠せません。

 

裏を返せば、もし仮に想定通り彼女が彩風咲奈の相手役として就任していたら、

きっと同時就任の同時退団だったであろう、

つまり少なくとも6作くらいは在任出来たはず。

 

それを「勿体ない」と言うことも出来ますが、

彼女が宙組で満開の華を咲かせたことを見るにつけ、

いや、全くもってそんなことはないと、誇りを持って言えると思うのです。

 

置かれた場所で咲くということ

 

宙組での潤花の活躍は、いやはや本当に凄かった。

コロナ禍の中、誰もお付きを伴わずたった一人組替えし、

当初は歌唱力の低さで叩かれることも多かった彼女。

 

それを圧倒的な陽性パワーとダイナミックなダンス、

そして華やかかつゴージャスなビジュアルとスター性、

何よりも持ち前の明るさで、ファンを納得させていきます。

 

また、現在の宙組路線陣はアダルトでシックな色合いであり、

かつダンスがずば抜けて得意なスターが居ないからこそ、

彼女の持ち味がそこで一気に開花したように見受けられます。

 

個人的に一番印象に残っているのは、スカステ20周年特番の生放送でしょう。

その場でクイズ等に体当たりで挑戦しなければいけない流れの時に、

率先して手を上げ、しょーもないくだりでも全力投球する彼女の姿に、

気遣いや気立ての良さを感じ、人から愛される理由がよく分かったものです。

 

そしてこの彼女の魅力は、

真風涼帆の隣だったからこそより際立ったとも言えかもしれません。

 

ほぼ初めましての10期上の先輩と組むならば、普通委縮してしまうものなのに、

奔放「そう」で自由人「っぽい」潤花(けどメディア前で失言は絶対にしない)を、

真風涼帆が大きな懐と手の平で転がすことで、

伸び伸びとその魅力を開花することが出来たと思うのです。

 

逆に、潤花を自由にさせることで、

真風涼帆もより男らしく器量良しに見えるという相乗効果もあり、

2人は想像以上にお似合いのカップルだった、と評価出来ると思います。

 

ある意味で「最強娘役物語」

 

ところで、潤花は102期生として入団し、

早霧せいなと望海風斗という超人気スターを頂点とする雪組に配属。

新公と外箱ヒロインを総なめし、宙組へと組替え。

 

そのまま長期トップスター・真風涼帆の2人目の相手役として就任し、

たった4作で添い遂げし若いうちに外に出るって、

最強娘役物語の1つだなと思います。笑

 

また、あっけなく退団を選んだことは、もちろん彼女の美学でもありますが、

新体制をまっさらな新鮮なものにしたいという劇団の計算もあるだろうし、

その引き際により株(評価)が上がった典型例かもしれません。

けど、結果的に彼女が幸せそうなら、それでいっか、という感じ。

 

宙組への組替えとトップ娘役就任劇は、

彼女にとって急転直下の出来事だったのかもしれません。

 

けれどその置かれた場所で大きな華を咲かせたこと、

そして真風涼帆の2人目の相手役として宙組の、

宝塚の歴史に名を刻んだことは、ファンの心にいつまでも残ることでしょう。

 

正直、トップ娘役としての姿をもう少し見ていたかったけれど、

美しく咲き誇る最後のその瞬間まで、全力で応援したいと思います。

 

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コメント

  1. RO より:

    蒼汰様

    一昨日は花組バウ、昨日は花組全ツ、今日は宙組東京公演の幕が上がって、本当に嬉しいです。

    潤花さん。退団の会見で、居場所を作ってくださったと涙されてました。これが全ての答えだと思いました。真風さんの相手娘役のご縁、本当によかったね。

  2. いつまでもマチコファン より:

    潤花あっぱれ!
    コロナの中、シャーロックホームズを観ることができ、私は本当に救われました。いつもはゲットする事が出来ない大劇場のチケット!2階席の最前列のド真ん中で観ることが出来ました。宙組さん素晴らしかった。涙が止まりませんでした。そのなかでも潤花!彼女の麗しい声!そして漢・マカゼを想い続ける一途な思いをひしひしと感じて、それは且ての榛名由梨さんを慕う小松美保さんを何故か思い出させて、ますます涙があふれ出したのでした。勝手な感想ですが、潤花は雪組では完全燃焼出来なかったと思います。宙組に移ったからこそ報われたんだろうなと。記事に挙げて下さって本当にありがとうございました。潤花、外の世界でも貴方を見たいです。

  3. おさかな より:

    蒼汰さん

    組替え前はそこまで意識していなかった潤花でしたが、アナスタシア千秋楽での挨拶姿を見て「応援せねば!」という気持ちになり、1年半近く熱を入れて見てきました。
    気持ちの良い声質にピシッと決まるダンス、メイクも歌もどんどん上達し見ていて楽しい時間でした。ケラケラ笑い盛り上げながらも決して出しゃばらない姿。特に私が惹かれたのは歌劇「えと文」での丁寧な文章です。

    そして潤花の良さを最大限に引き出した真風氏はあっぱれだなと思いますし、より真風さんや宙組のことも大好きになりました。正直潤花をまだ宝塚で見ていたいのも本音ですが、彼女の「真風さんが居場所を作ってくれた」という言葉が全てだなと思えました。最後の別箱&退団公演、チケ難でしょうが勝ち取りたいです!!

  4. ずんだもち より:

    「シャーロック~」大劇場千秋楽をライビュで観た時、「私“まかまど”より“まかじゅん”の方が好きだワ!」と思いました。“まかまど”に不満は全く無かったのに。
    その後東京劇場で観劇した時も、ゴージャスカップルに圧倒されました。
    雪組時代は彩風はまだトップではなかったし、彩風が立てるべき上級生も多く在籍していました。宙組に来れば、真風はトップとしてすでに数年やっていて、全てが真風中心に回っていたでしょう。その真風の横に「あなたが次の相手役ね!」とポンと立たされれば、物怖じしない潤花といえども不安でいっぱいだったと思います。真風が大らかに、そして丁寧に接してくれたことに心から感謝したのでしょうね。組子も真風に従うでしょうし。
    添い遂げ退団が本当に潤花の意志か劇団の意向か知る由もないですが、誰がいつ真風には潤花と《発見》したのか教えて欲しいです。
    突然降って来たトップ娘役ですが、歌が苦手で、天彩峰里の株を奪うことが無かったのも、ファンからあまり嫌われなかった理由ではないでしょうか。もちろん人柄の良さあってのことです。歌苦手でも、「ネバセイ」で気が遠くなりながら歌う、“愛の真実”に涙が出ました。
    潤花ちゃん宙組に来てくれて本当にありがとう。本公演まだ1作ありますが、幸せな卒業を迎えられますように。その後の活躍も祈っています。(気が早いよ)

  5. コスモスハート より:

    蒼汰様

    潤花さんの、真風さんの前での、なんだかおとぼけ解答というか、スカステなどのやり取りに、こちらも笑顔になれたというか、結果、良かったのだと思いました。

    正直、歌唱力に?があったトップ就任前、ネバセイやる、となって、えー、できるの?と思ってました。
    しかし観劇して、よかったー!、色々努力されたのだろうなあと、実感。円盤も購入しました。

    芹香さんが、組替えは、本当に大変なのよ、と、別箱千秋楽で、和希そらさんへの最後の挨拶で、泣きそうな顔で語られていました。
    それを思い出して、潤花さんもどんな努力と苦労をされたか、と想像しました。

    今は楽しませてくれてありがとう、そんな気持ちでいっぱいです。
    コロナ禍で、練習環境も大変であり、やりぬくパワーと、エネルギーを常に感じる姿に共感します。
    とにかく最後まで公演日が欠けることなく幕が上がることを祈るばかりです。

  6. 実音 より:

    かなり個人的な持論にしか過ぎないのですが、「男役をより輝かせるのは娘役であるなら、娘役をより幸せにする(見せる)のは男役である」と思ってます。
    真風さんと潤花さんはまさにそれを体現して見せてくれたなぁ、と今になって実感しております。

    実のところ、まかまど解散が悲しすぎて就任初期は潤花さんに対して否定的な感情を持っていました。
    が、観劇の際には並びの麗しさに圧倒され、宙組本などからも垣間見えるご本人の努力や、真風さん筆頭に組全体にある歓迎ムードから「これでよかったんだな」と素直に思えるようになりました。

    ネバセイフィナーレでのお二人の何気ない絡み(少し目を合わせてすれ違う程度)での潤花さんの幸せそうな笑顔が素晴らしく、幸せオーラに溢れたトップコンビ最高!と心の中で叫ぶほどでした笑

    お二人の宝塚での舞台を最後まで観続けたいと思います。(チケット運上がりますように)

  7. 12がつ より:

    潤花、大好きです!
    そして全文激しく同意です!
    そろそろ卒業も見えてきていた真風さんに、潤花とならまだまだ見たいと感じたりしたくらい、まかじゅんのコンビがめちゃくちゃ好きです。
    だから、もったいないと思っても、残って別の人と組むことをせず、ひたすら真風さんへの感謝と愛を貫いた潤花が、ますます好きすぎて、卒業おめでとうと祝福するしかありません。

    • ふぐ鍋 より:

      ANOTHER WORLDを当時小2の娘を連れて大劇場に観に行った夏休み。マカゼさんら、宙組一行の観劇に遭遇しました。
      終演後、出口が詰まり下級生が通路で立ち止まっていました。私は、娘に「タカラヅカの人たちだよ」と告げ、自分はどなたがいるのか見渡していました。ふと、隣を見ると娘が誰かに手を振っているではありませんか!私は仰天し視線の先を見ると、そして離れた場所でにっこり手を振り返してくれているキレイな娘役さんが・・・
      雪組、綾おうかさんと潤花ちゃんの新公主演コンビも観劇だったと、後で知りました。
      この娘役さんこそ、潤花ちゃんでした!娘は(自分から)手を振ってないと言っていたので、おそらく、目が合った瞬間に手を振ってくれたのは、潤花ちゃんの方でしょう。
      とっさのリアクション、さすが後のリアクション女王です。
      娘自身は覚えていないようですが、私のよき思い出です。

  8. はる より:

    潤花さん、雪組でトップ娘役になるんだと思ってました。陽キャラのイメージ。よく笑い、どこにいても目立つ存在で。まさかの組み替えからの宙組のトップ娘役、活躍っぷり、成長っぷりはお見事です。
    4作は勿体ないとは思いますが、蒼汰さんのおっしゃる通り彼女が幸せそうですもの。
    ナウオンなど真風さんが潤花さんの発言でいちいちウケて面白がってて見ているこちらも楽しかったです。萎縮などさせずにのびのびと成長させましたね。新規若手トップ娘役の成長っぷりはトップとしての器の大きさも感じさせます。

    余談ですが、嫁を生き生きさせられるのはまずは旦那さんなのだろうなと改めて思った次第です。笑
    公演中止などにならずに残りの公演も無事に務められます様に。。。

  9. N より:

    蒼太さんの愛ある文章に全文同意です。
    読んでて涙が出ました。

    潤花ちゃん、宝塚の舞台でもっと見ていたかったですが、
    真風以外のトップと組む姿は見たくないような、ファンとは勝手なものですね。

    残された舞台の幕が開き、全公演できることを祈るばかりです。
    そして、できることならミューサロの開催を望みます。