各組の別格男役スターを語る

今日は個人的に応援している

別格上級生・中堅男役スターについて語りたいと思います。

 

宝塚の魅力として、路線スターの活躍や

若手スターのこれからの成長などが語られがちですが

 

上級生として舞台を「支える」スターたちの円熟芸を見る、

というのも楽しみの1つだと思います。

 

今回は、各組から1名ずつスターさんをピックアップし

個人的に気になるポイントを紹介していこうと思います。

 

各組の別格男役スターたちをご紹介‼

花組:瀬戸かずや

 

まずは花男の代名詞的存在であり、

別格男役としてその魅力をいかんなく発揮中である、瀬戸かずやから。

 

【略歴】

2004年:90期生として入団。

2010年:『麗しのサブリナ』で、新人公演初主演。

2011年:スカステの第1期スカイ・ナビゲーターズを務める。

2016年:研13にして『アイラブアインシュタイン』でバウ単独初主演。

 

瀬戸といえば、鳳月杏とともに

別格男役コンビの片翼として現在の花組を支えているのは

皆さんご存知の通りでしょう。

 

鳳月が安定した技術力と、

組替え経験者がゆえのマイルドさを持ち合わせているのに対し

瀬戸かずやは生粋の花男。

 

花男といえば、常にキザってる男臭い男役…という印象ですが

そういう男役スターって、昨今の男役トレンドを見るにつけ

もはや絶滅危惧種に近いと思うんです。

 

そんな極めて希少価値の高い男役芸を

現代でも演じ切って魅せている存在こそが、彼女なのです。

 

「歌唱力」「ダンス力」という個別の力というよりも

ダンディーな色香・所作という宝塚的魅力で魅せる、というのは

やはりある程度の上級生でないと出せない味わいだと思います。

 

『ポーの一族』フランク・ポーツネル男爵や、

『Santé!!』でのキザりあたりが、彼女の魅力の真骨頂かな?

 

宝塚の筆頭組である花組の魅力の結晶として

ぜひこれからも活躍して頂きたいと思います‼

 

月組:輝月ゆうま

 

上級生…と言うにはまだまだ若いですが、

別格スターの代名詞といえば、月組の輝月ゆうまでしょう。

 

【略歴】

2009年:95期生として入団。

2012年『ロミオとジュリエット』でヴェローナ大公に抜擢

2017年:スカステの第4期スカイ・ナビゲーターズを務める。

 

彼女は、基本的な芝居や歌の技術のレベルがぶっちぎりで高い上で、

正統派男役はもちろん、威厳ある役や爽やかなキャラ、宇宙人や変な声の女など…

とにかく演じられる役の幅が広いことが魅力だと思います。

 

そしてその演じ方は、決して彼女独自の色を出し過ぎることなく

物語全体に馴染み、結果として公演のレベルを底上げする、という

職人としての素晴らしさがあると個人的には思うのです。

 

というか、『雨に唄えば』リナ・ラモントの返す刀で

『エリザベート』マックスや『ON THE TOWN』ピットキンを演じ切るって

役幅が広い、なんてもんじゃありませんよね。笑

 

まさに、カメレオンのように変幻自在、かつ独自の存在感で舞台を彩り

現在の月組には欠かすことのできないポジションを確立したと言えるでしょう。

 

あと、個人的に「学校へ行こう」ドンピシャ世代だった身としては

当時見ていた「宝塚特番」に出演し、見事合格した受験生が

彼女だと知った時は、なんだか言いようのない感動がありました。笑

 

これからの月組には同系統の鳳月杏がやってくるわけですが、

別格の両翼として、組全体のレベルの向上を果たして頂きたいですね。

 

雪組:真那春人

 

雪組は誰を紹介しようか非常に悩んだのですが

個人的に雪組のお兄さんポジだと勝手思っている、真那春人をご紹介します。

 

【略歴】

2006年:92期生として入団

2013年:スカステの第2期スカイ・ナビゲーターズを務める。

2016年:『るろうに剣心』で彩凪翔の休演に伴い、武田観柳役を代役で務める。

 

雪組の同期・彩凪翔とともに組を支える上級生ですが、

彩凪がだいぶ路線寄りな立場であるのに対し

彼女は常に主役付近の脇で美味しい立ち位置にいることが多いです。

 

それは、上級生でありながら

可愛らしく爽やかなビジュアルと声質を持っているため

質実剛健な作風が多い雪組では、非常に貴重な存在だからかもしれません。

 

最近だと『琥珀色の雨にぬれて』ミッシェルや『義経妖狐夢幻桜』ベンケイなど

主役の近くで「ヤレヤレ…」と困りながらも

助けてあげるような役が多いことからも見て取れると思います。笑

 

また、そのサバけた性格と気の使えるキャラだからか、

スカステやイベント等では司会進行を任されることが多く、

常識人として上手に進行している様子が、個人的には好感◎です。

 

雪組の面倒見の良いお兄さんとして、

これからも組を上手にまとめながらも

雪組公演に爽やかな風を吹きかけ続けて頂きたいと思います。

 

星組:天寿光希

 

星組代表は、華々しい経歴の割に

なぜかブログやSNS等であまり語られるのを見ない天寿光希です。笑

 

【略歴】

2005年:91期生の首席として入団。

2006年:阪急阪神の初詣ポスターモデルに起用される。

2008年:スカステの第7期スカイ・フェアリーズを務める。

2013年:スカステの第2期スカイ・ナビゲーターズを務める。

2015年:スカステの第6期スカイ・レポーターズを務める。

 

星組といえば、技巧よりもギラギラ

舞台の安定よりも勢い、という印象がどうしても強いのですが

そんな中で、安定した舞台技術と男役芸を魅せてくれる貴重なスターさんです。

 

首席入団も頷けるスタイリッシュなビジュアルと男役らしいオーラ、

阪急阪神の初詣ポスターモデルにも起用されているのに

新公主演未経験というのが本当に驚きです…。

 

それでも星組の屋台骨として

様々な役を通して魅力を発揮しているのは間違いありません。

 

特に『ドクトル・ジバゴ』で魅せたコマロフスキーという役は、

彼女にしか出来なかったボジションだったと思います。

 

というか、普通に考えて

あの轟悠とハレる男役芸って凄くないですか?

 

上級生男役としての色香・所作というのはもちろんなのですが

あの存在感は、もはや宝塚という枠を越えちゃってた気がします…笑

 

普段の公演でも、ある時は悪役として

ショーでは星組らしいキラキラを湛えながらも安定した実力を魅せてくれます。

 

ちなみに、彼女はあの紅5の1人。

如月蓮とともにリーダー・紅を見送ることになるのでしょうか…。

今後のさらなる活躍に期待したいですね‼

 

宙組:寿つかさ

 

皆さん、オチだと思わないで下さいね。笑

もはや彼女のことを書きたいがために

この記事をはじめたと言っても過言ではありません‼

 

【略歴】

1990年:76期生として入団。雪組へ配属。

1998年:宙組創設に伴う発足メンバーとして、宙組へ組替え。

2005年:宙組副組長に就任。

2008年:宙組組長に昇格。

 

宙組発足から所属し、そのまま現在組長として活躍中。

彼女はまさに宙組の生きる証人と言えるでしょう‼

 

さて、管理職しての彼女といえば

公演での挨拶等が一番目にする機会が多いのですが

個人的に彼女の仕切り、凄く好きなんですよね。

 

よどみ無くハキハキと挨拶をする、という当たり前のことだけでなく、

なんでしょう、発足から在籍している立場だからこその安定感というか

組子全員からの「この人なら任せられる」感が凄いというか…。

 

組長としての威厳と優しさの両面のバランスが非常に良さそう、

というのが超個人的な主観です。

 

そして舞台上での彼女で言うと、

管理職スターというのは、得てしてそのバランスが難しいところなのですが

彼女はもはや職人の域にいると思います。

 

『異人たちのルネサンス』ローマ教皇のような威厳ある役はもちろん

『神々の土地』皇太后マリアや『王妃の館』下田浩治など

専科ポジションの役を、魅力あふれるキャラとして色付けし魅せてくれるのは

彼女の技術力あってこそだと思うのですよね。

 

そして『シトラスの風-Sunrise-』のMr. Bojanglesシーンは必見です。

あの悲哀と威厳が入り混じる姿に、

彼女のスターとしての歴史と感動の波が押し寄せると同時に

「私もまだまだ現役でっせ」という熱い思いも感じることができます。

 

ちなみに、彼女の名前は

実家がお寿司屋さんだったことから寿司(つかさ)とつけた

というエピソードも好きです。笑

 

別格男役スターたちにも要注目‼

 

ということで、別格上級生たちをご紹介してきました。

やはり学年を重ねたからこそ見せられる技巧というのがありますので

そういうのを感じるのも、宝塚の楽しみの1つだと思います。

 

これから舞台をご覧になるときは

ぜひその点も注目していただきたいと思います‼

 

…というか、寿つかさ以外の4名全員が

スカステ関連の仕事をしているの、非常に興味深いですよね。

 

別格の登竜門だからなのかな、と思ったのですが

ただ私が「場を上手にし切ったり、回せる人が好き」という

超個人的な好みの問題なのかもしれません。笑

 

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コメント

  1. ともちん より:

    蒼汰さん、初めてコメントさせていただきます。
    別格スターさんたちについての的確かつ鋭くも温かい記事に感動しました。
    各組の別格の方々、彼ら(彼女たち)がいるからこそ「全組まんべんなく観る」楽しみにひたれるのだと思います。中でも輝月ゆうまさん、瀬戸かずやさんは大好きです!
    これからも記事の更新を楽しみにしています!

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通り、各組の舞台の質の向上はまさに別格の方々がいるからこそですよね。
      私もその2人大好きです‼これからも活躍する姿を見ていたですよねー。
      これからもどうぞよろしくお願いいたします‼

  2. ぽん より:

    ステキな記事をありがとうございます!

    私も別格スターさんが大好きです。真ん中の方だけでは舞台は成り立たないですものね。

    今回あげてくださったスターさん、皆さん素敵ですが、特に瀬戸かずやさん、寿つかささんのファンなので、とっても嬉しいです。

    特に、管理職になってから長いすっしーさんがこうして取り上げられるのもなかなか無いように思いますので彼女の「現役感」に着目していただけて、「そうそうそう!!」と読みながらついつい声に出してしまうほどでした(笑)

    これからも、大人の魅力の上級生別格スターさんを拝見するのも楽しみに観劇していきたいと思います。

    これからも記事、日々楽しみにしています^ ^

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      寿さんはどんな役でも重鎮感を醸しながらも、でもきっちりスターとして輝いているように見えるのが素敵ですよね。
      上級生スターさんは蓋と呼ばれることもありますが、舞台を支える貴重な存在としてこれからも応援していきたいです。
      これからもよろしくお願いいたします‼