宙組『カルト・ワイン』キャスト別感想

 

さてさて、現在公演中の桜木みなと主演『カルト・ワイン』、

勢いでキャスト別感想も書いていこうと思います。

 

【全体感想はコチラ】

宙組『カルト・ワイン』キャスト別感想

シエロ・アスール/桜木みなと

 

ホンジュラス出身のマフィアあがりの青年で、

後に一大詐欺事件を巻き起こす張本人。

 

シエロは『相続人の肖像』から続く、

いわゆる鬱屈青年系の延長線上に居そうな人物であり、

一言では言い表せない複雑な人間味が良く表現されていたと思います。

 

不法移民したけれど、特にその先の夢があるわけでなく、

成り上がりたい、のかと思いきやどこか冷めていて、

裁判所での大演説には胸を打つものがありましたし、

かと思いきや最後の小オチでちゃっかり感も有り、と、実に多面的。

 

けれど、これこそがリアルであり、実在的な青年像だと言えます。

それを仰々しくなく、さりげなく演じ切ってみせるのが、

桜木みなとのスター性なのでしょう。

 

そんな彼女の強さは、やはり安定感だと思います。

何一つ破綻無く、顔良し、歌良し、芝居良し、雰囲気作りも良し、で、

カンパニーの主役としてメンバーを全力で引っ張っていました。

 

白いスーツもばっちし決まっていて

宙男らしいスタイリッシュさ全開で良かったです!!

 

フリオ・マラディエガ/瑠風輝

 

シエロの友人にして、まっとうな料理人。

 

ワルの街の一般人感が良かったですね。笑

2番手らしい役どころですが、

瑠風自身の実直さが役とよくハマっていた印象です。

 

物語としては、好きな人にはフラれるわ、

友人にいいように使われるわで散々なポジションですが、

…ま、きっといいことあるよ!!と肩を叩いて挙げたくなるような人物でした。

 

爽やかな歌声が良く響いていて、舞台技術の高さも感じられました。

本作が大いなる飛躍に繋がると良いですね。

 

アマンダ・フェンテス/春乃さくら

 

フリオに愛され、でもシエロに少し気の有る料理人。

 

スチールが出たのでヒロインポジションなんでしょうけれど、

果たして彼女はヒロインだったのかと言われると、出番が少なすぎるような?

(最初フリオの妹がヒロインと勘違いしていたのは秘密です。)

 

NOSによると「フリオとシエロより少しお姉さんの設定」とのことで、

ワルガキに色んなことを教えてあげるお姉さん感が良く出ていたと思います。

 

美しい発声、そして歌声もグット。

芝居も全体的にチャーミングで良かったです。

 

蛇足ですがNOSの彼女が、衣装と髪型と立ち振る舞いから

アイドル時代の松田聖子みが感じられるんですが、私だけ?笑

 

チャポ・エルナンデス/留依蒔世

 

元ギャングの実業家。

 

宙組の、まさにスーパー別格である留依蒔世。

ネバセイは娘役でしたので、溜めていた男役エネルギーが大爆発!!

といった感じの、まさに真骨頂のような役どころでした。

本人もノリノリで演じている様子が分かって、見ていて楽しかったです。

 

ただの流れ者の青年であるシエロを、稀代の詐欺師へと見い出したのは、

自分の手駒として使えると思ったから…だけでなく、

もしかしたらかつての自分を見ていたのかもしれない、

と思ったら、少し萌えません?笑

 

そして結局何一つ失うことなく、一人勝ちの男なのですから、

この話はチャボの手の平の上で転がされた物語、と言えるかもしれません。

 

悪人なはずなのに、少し愛嬌のある感じが、

実に憎たらしくて可愛かったです。

 

オークショニア/風色日向

 

役どころは、そのままオークショニア。

綺麗な恰好をして、幕開き一番に解説する役どころ。

 

スラリとした高身長が実に映える抜擢の仕方、

なんですが、いかんせん出番が…。

(NOSに出ていない!!とお怒りのファンが居るようですが、こりゃ仕方ない…出番少ないもん。)

 

いやいや、栗田先生もめちゃめちゃ気を遣って、

群衆芝居の場面では際立つポジションに立たせているんです。

 

けど、それがかえって一番目立つモブ、

みたいになってしまったなぁというのが正直な感想です。

むむむ、単純に役不足。

 

冒頭の客席と絡むあたりが見せ場なんでしょうけれど、

自分が見た日がまだ幕開き直後だったからか、緊張感が物凄かったので

もう少し慣れてくると、より良くなるかもしれません。

 

ミゲル・ペレス/真白悠希

 

シエロに絡みがちな、チャポの子分の一人。

 

いやー、美味しいポジションですね。

あまりに出番的に美味し過ぎて、番手的に風色日向と逆の方が良かったのでは?

と思ったりしましたが、これは真白悠希の手腕で役どころを美味しくした、

というのが正しい表現でしょう。

 

全編通してギャグ・オチ担当なのですが、

それを一切のテレなく全力でやり切るから凄い。

けど男役としてのカッコ良さも残っているから、ずるいっす。

 

ネバセイ新人公演で、ミニマム芹香斗亜という印象が強く残った彼女。

今回の活躍っぷりに、ついに104期生から路線候補が出たー!!と思いましたが、

しかし宙組で上がるには身長がなぁ…。

 

ま、兎にも角にも本作では大活躍で、

本当は留依蒔世にあげたかったMVPを差し上げたいと思います!!

これからのさらなる活躍に期待です!!

 

その他、キャスト感想。

 

こっからはさっくりキャスト感想です。

 

まずは宙組の裏代名詞、組長の寿つかさですが、

珍しくモブに徹していてあまり目立っていなかった印象。

 

その代わり活躍していたのが、副組長の松風輝でしょう。

一幕では涙を誘う熱芝居、二幕ではイケオジと、

別格男役としての実力をいかんなく発揮していました。

 

地味に美味しかったのが、捜査官役の秋奈るい。

彼女の硬質な持ち味が役にピッタリで良かったです。

 

フリオの妹役の美星帆那は、単純に声がカワイイ。

最初ヒロインと勘違いしてしまった程の可憐さがありました。笑

まさかの花の105期生の一人なんですよねぇ…改めて人材の多さにビックリです。

 

雪組・一禾あおの双子の姉である有愛きいは、

フェスティバルの場面で歌いまくりで大活躍でした!!

 

そして専科よりミラ役の五峰亜季は、まさに美魔女枠でのご登板。

こんなガッツリ芝居で活躍する彼女を初めて見た気がしますが、

まさに年代物のワインのような味わいがあって良かったです(詩的表現)

 

キャストに役を振るという大役

 

感想を書いていて気付いたのは、

全キャストにしっかり役を振ることにより、意外と書き込みが少ないこと。

 

舞台を観ていた時は話の筋が面白くて気になりませんでしたし、

それを埋める宙組生の技量が楽しめて、逆に良かったのかもしれません。

 

本当はもう1回くらい見たいのですが、

残念ながらチケットは無く、配信も平日のため諦めモードです。悔しい!!

 

以上、感想編でしたー。

 

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コメント

  1. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、興味深く拝見しております。
    蒼汰さんに、もう一度観たいが観られなくて悔しい、といいしわめた作品であるとは、期待度を高めますね。早く観たい!
    桜木さんは、アクアヴィーテ(ウィスキー)ではなく、ワインが似合うのでしょう、きっと。花組の永久輝さんもですが、桜木さんも笑顔が素敵なんですが、なぜか眼は笑ってないですよね(主観いがいの何ものでもないですけど…)。そこが魅力でもあり…。
    それにしても、年代物のワインと評された五峰さん…。要注目ですね。
    DC公演が心から待ち遠しいです。

  2. ずんだもち より:

    はじめまして。いつも楽しく読ませていただいております 
    観劇されたのですね うらやましい(笑) 私は宙担桜木ファンですが チケットの神様に微笑んでもらず‥(泣) 日比谷のキャトルからプログラムとポストカードになったずんちゃんをおうちに連れ帰って自分を慰めています ずんちゃんの思いっきりの笑顔(特にパレードの時)が大好きです 前回の別箱のアクアビーテのずんちゃん 芹香仕様の衣装が大きいようで 胸もとがカパカパ‥肋骨浮いてるよ、痩せ過ぎじゃないか?大丈夫か? 初の生え抜きを期待され 凄まじいプレッシャーと闘ってるんだろうな(ま、私の場合200%贔屓目線ですが 笑)
    宙担の私が今気になっていること 次の別箱はバウが来ると思いますが 縣に続け101期鷹翔なのかアンバサメン最
    後の一人風色なのか 鷹翔かな このあたりも路線詰まりを感じますね