花組『うたかたの恋』新人公演感想

 

年度末繁忙期の全ての仕事をかなぐり捨て、

花組『うたかたの恋』新人公演のライブ配信、なんとか間に合いました。笑

 

本人たちも話していましたが、

東京大劇場で新人公演をするのは約3年ぶり!!

そしてライブ配信も初!!上演出来て本当に良かったですね。

 

改めて、花組下級生が全く分からん状態の私たち。

おとめ片手に管理人と確認しながら見た感想を書いていきます。

 

主人公コンビ感想

 

主人公・ルドルフを演じたのが103期生の希波らいと。スーパー抜擢だった『花より男子』から早4年、本当に大きく成長し、そしてシュッとしましたね。

個人的に彼女はスターとして全然趣味じゃないんですけれど、その圧倒的なスタイルとオーラに、劇団から推される理由がやっと分かりました。そう、彼女の持ち味はずばり「ハッタリ芸」。歌や芝居やダンスがずば抜けて上手いわけではないけれど、ただそこに立っているだけでスター然としてしまう、そのクラシカルな迫力こそが大いなる武器なのでしょう。顔立ちや芸風は芹香斗亜に似ていて、芝居の仕方はまんま柚香光、だけど目指す到達点は真風涼帆の系譜かもしれません。そしてそれは、102期や同期の亜音有星には無い持ち味であるからこそ際立ち、オールドファンに好かれそうなスター性だなと思いました。

ヒロイン・マリーを演じたのは107期生の七彩はづき。最近の劇団の娘役抜擢理由に「声質」が有るんじゃないかと思うくらい、分かりやすい美人声でした。なんとなく実咲凜音を彷彿とさせるような安定感のある芝居と歌は、まさに花組超路線候補といった感じ。持ち味が少し大人っぽいのも良いですね。

で、この2人の組み合わせが、笑っちゃうほど健康的。柚香光×星風まどかのお耽美感とは全く違う、若さゆえの反抗期的な『うたかたの恋』だったなという印象です。それが正解なのかは果たして分かりませんが、新公学年でしか出せない持ち味だと思いますし、私は素直に楽しめました。見栄えの良い身長差もGOOD、実に華やかな組み合わせです。

 

その他キャスト感想

 

2番手・ジャン役を演じたのが、ついに来た、104期生の天城れいん。想像以上に良かったです!!癖の無い顔立ち、癖の無い芝居、癖の無い歌、だけどしっかり芝居を引っ張り、爽やかな存在感を放っていました。これでギリ路線として新公リーチに至ったことでしょう!!

3番手・フェルディナンド大公を演じたのは、106期生の鏡星珠。学年を考えると安定した芝居運びでしたが、うーんゴメン、個人的には全然趣味じゃないんだな。もうちょっと垢抜けを期待。

4番手・ブラットフィッシュを演じたのが、花の105期生の1人である美空真瑠。発声が綺麗で言葉が届くし、何より芝居が普通に上手い。そして個人的に彼女からは「路線になりたい」という強いギラが感じられて好きなのですが、うーーーーーん、もう少し化粧を研究した方が良いのでは?『冬霞の巴里』から思ってましたけど、素顔の方がよっぽど美形な気がします…。ただでさえ男役として身長が低く、顔立ちも相当可愛らしい系なので、ショタ路線も面白いですが化粧で男役増し増しにした方が良いのでは?と思ってしまいました。好みだからこそなんとなく惜しい‼︎

それ以外のスターについてですが、ポケーッと見ていてもやはり美羽愛星空美咲の2人は本当に目を惹きますね。美羽愛は年増役のはずなのにキュートさが滲み出てくるあたりが強く、星空美咲は娘役としてもはや完成形、『神々の土地』新人公演の星風まどかを思わせる風格がありました。

また、同じく新公ヒロ経験者である都姫ここもやっぱり上手かったですね。そんな中で個人的に娘役で一番印象に残ったのは、エリザベート役の朝葉ことの。残念ながらバウ『殉情』を見ていないのですが、Wとはいえヒロイン経験で自信を得たのか圧倒的な存在感でした。これからの花組を支える立派な中堅別格として活躍して欲しいと思います。

男役だとスカステでちょくちょく見かけるフリードリヒ公爵役の海叶あさひがカッコ良かったかなぁ。あと、現時点で105期生7人に選ばれていないクロード役の夏希真斗が、相当垢抜けていてビックリしました。105期は路線過多なので難しいかもしれませんが、彼女も今後使われて欲しいぞ…!!

 

今回の経験を生かして

 

宝塚はオールフォーワン、全員が平等に苦楽を共にしていますが、とはいえやっぱりコロナの悪影響を最も受けているのは花組若手陣だと思います。度重なる公演中止に新人公演もままならず約3年、ようやっと日の出を迎えることが出来ました。

で、正直なところ、今回はクオリティ的に「ザ・新人公演」って感じだったと思います。ほぼ全員が本役のコピーという感じで本人の持ち味が強く出るわけでもなく、フリ一つとってもバランバラン(これは花組の今の主要路線陣がダンサー揃いなのも有りますけどね)。声が割れたりハーモニーが上手くいかなかったりと、気になる点が多々あった気がします。

そして何より、緊張感が物凄くて本来の実力を発揮出来なかった生徒が多かったかもしれません。もっと上手かったはずでは…?と思ってしまった若手が正直多数。だけど「もっとこうすれば」「こんなはずじゃなかった」、人はそうやって成長していくわけで、だからこそ今回やっと上演出来たことが大いなる財産になるはずです。

この経験を活かしさらなる飛躍を遂げ、花組新時代に向け研鑽を積んで欲しいと思います。これからの花組若手陣の成長っぷりが実に楽しみです‼︎

 

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コメント

  1. ジャスミン より:

    花組新公、すごく気になっていたので記事をありがとうございます!

    やはり、場数って重要ですよね。
    新人公演、本当に休止が多かっただけに、無事に上演できて、とても意味があったと思われます!

    朝葉さんは、私、彼女の歌が大好きなのです。どこか妃海さんを思い出させるところもあって。
    是非今後も実力派として頑張ってほしい方です。

    星空さん及び美羽さんは、もうお嫁入りOKではないでしょうか。詳細時期や順はわかりませんが(席が空くタイミング及び相手役さんとの相性もあるので)、お二人ともがトップ就任されるのではないかと感じますが、どうなるでしょうか。

    楽しみな一方、都姫さんの退団のような寂しい話もあります。

    それだけに、愛蘭さんや初音さんなどにも、もう少しチャンスが巡ってきたらなぁと感じます。

  2. 都姫さんの退団は惜しい!!!!

  3. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    宝塚大劇場での新公が中止になり、東京はどうなるか、と思っていたので、まずは開催されて安堵しました。
    希波さんへの評・「ハッタリ芸」!まさに、納得でニンマリしてしまいました。
    存在がスターなんでしょうか。
    102と105の狭間の、103(亜音さんは既にキラキラ)と104から(特に104期)、是非、未来のスターが出てきてほしい!
    これからを楽しみにしています。