礼華はる主演のバウ公演『雨にじむ渤海』をライブ配信で拝見しました。
いやぁ、面白い作品でしたねぇ。
さっくり感想を書いていきます。
BLがゆえに際立つ王道王朝絵巻
個人的にこの作品で一番評価したいなと思ったのは、安易に┌(┌^o^)┐ホモォ…萌えに振り切るのではなく、きちんとセリフと出来事の積み重ねで人間模様を描き、役者にしっかり「芝居」をさせていたところです。王朝同士の駆け引き、夫婦愛や親子愛、そしてブロマンス。豪華絢爛な衣装や舞台美術も相まって、まるで中華ドラマや韓流時代劇を観ているような感覚になりました。それでいて「国のために死んで良い人などいない」という強烈なメッセージまで込めるのですから驚きです。
過去と現在が交錯する時間軸も、舞台の左右を巧みに使い分けることで直感的に理解できるよう工夫されていたし、舞台上に地図を置いて常にどこの国の話なのかを視覚的に示す演出も秀逸でした。あぶり出し文字のトリックも単純に感心してしまいましたし…。ここまで多くの要素を盛り込みながら、少しもゴチャゴチャせず、美しい物語として成立させた手腕に感服です。平松結有氏、恐ろしい。
しかし、セウォン(彩海せら)を男にする意味はあったんでしょうかねぇ?別にこのキャラが女性でも物語として普通に成り立つような…。けど、そうすると宝塚として「ありきたりな話」になってしまうんでしょうね。ここが男同士のブロマンスだからこそ、ウンビン(乃々れいあ)とクムラン(白河りり)の存在がより鮮やかに浮かび上がり、瑠皇りあ→乃々れいあ→礼華はる⇔彩海せら←白河りりという一歩通行過ぎる恋愛ドラマが際立つという。ま、企画のスタートは「ぱるあみで何か」でしょうから、この制約の中でここまで物語を紡いだのですから、満点花丸でしょう!!
キャスト感想よりも書きたいこと
しっかし、王妃・ウンビン(乃々れいあ)が良い役過ぎました。政略結婚でありながら心を閉ざした王を愛してしまったこと。王が姿を消したあともただ一人必死に国を守り続けたこと。そして策略に嵌められ、帰還した夫に命を奪われるのではないかという極限の状況の中で逆に守られたこと。国の危機に逃がして貰ったものの愛する人のために戻ってきたこと、そして最後の名乗り…。2幕冒頭の「確かに私は寂しかったけれど…一番寂しかったのは、陛下でしょう?」というのは、あまりにも名ゼリフ過ぎる。普通だとセウォンが女性で、この役が娘2番手格に据え置かれるところ、敢えて若手の正ヒロインがこの役をやることで、ウンビンのドラマティックな運命がより際立って見えました。乃々れいあの体当たりな演技も相まって、強く印象に残る役になっていたと思います。
そして主役の礼華はる。今さら言わずもがな、その素晴らしいスタイルとビジュアルも相まって、歴史絵巻のような衣装が本当によく似合っていました。冷徹な王の姿も、セウォンと出会い戸惑いながら人間らしい心を取り戻していく過程も、そして再び王として誇り高く最後まで生きる姿も、どの局面を切り取ってもとにかく格好良かったです。
今回は悪役に振り切った夢奈瑠音の安定感もさすがでしたし、白河りり&七城雅の当て馬コンビのひたむきな芝居もとても良かった。そして瑠皇りあが思いのほか美味しい役どころだったのも印象的でした。脇別格寄りになるかと思いきや、意外と重用されてますよね…、今後の活躍にも期待したくなります。あと、期待の若手・翔ゆり愛がまさかのヒゲ姿というのも強烈なインパクトがありました。
だけど彩海せらにとっては…?
一方で、セウォン(彩海せら)については、そこまで美味しい役でもなかったな、というのが正直な感想です。そりゃぱるあみ萌え、BL的な関係性に惹かれるライト層への訴求力は非常に強かったと思いますが、ただ、男役として、あるいは男役・彩海せらを真に応援しているファンにとって、どれほどの収穫があったのかと言われると、うっすら疑問です。そんな中でも彼女の心をうつ芝居力は見事で、プロとして輝かしい姿を見せてくれていました。
総じて『雨にじむ渤海』は、芝居の力で物語を立ち上げる月組らしさと、組全体の層の厚さを改めて実感させてくれる一作でした。中堅・若手それぞれが確かな存在感を示し、物語に厚みを与えていたのも印象的です。…ま、「バウ」公演であることは今は突っ込まないでおきます。←
ここから彼女たちがどのように飛躍していくのか、今後の月組がますます楽しみです。
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