綾凰華・ラッキーチャンスを掴んだのか

 

98期のラッキーボーイ、綾凰華。

宝塚市出身の雪組男役スターとして、活躍中の彼女。

 

「運が良いだけ」と言って切り捨てるなかれ、

チャンスを掴むのも立派な才能です。

本日はそんな綾凰華について、語ります。

 

98期のラッキーボーイ・綾凰華

 

98期生と言えば、男役娘役どちらも95期なみに抜擢者が多い学年。

その男役路線組の中で唯一組替えを経験しているのが、綾凰華です。

 

そもそも彼女は星組出身。

同組には同期で成績が上の天華えまが在籍していました。

 

若手時代は華華コンビと呼ばれていた(by管理人)二人、

先に新公2番手がついたのは『こうもり』で綾の方でしたが、

主演を果たしたのは『桜華に舞え』の天華でした。

 

その後、綾は天華に押し出されるかたちで雪組に組替え。

これは星組が天華を取ったとも取れるし、

綾は路線スターとして逃がして貰えたとも取れるわけですが、

実はそれだけではありません。

 

綾が向かった雪組には、同期の真彩希帆がいました。

花組出身、星組を経由し雪組でトップ娘役になる瞬間だったわけですが、

彼女が唯一新公ヒロを務めたのが『こうもり』。

つまり、真彩の同期支えとして指名されたという意味合いもあるわけです。

 

トップ娘役の同期支えとして呼ばれ、

かつ路線スターとして『ひかりふる路』で新公初主演をゲット。

ここから彼女にツキが巡ってきます。

 

まず、同じタイミングで朝美絢が組替えして来たのをきっかけに、

彩凪翔VS朝美絢VS永久輝せあの仁義なき路線バトルが勃発。

当時新公学年であった彼女は、この熾烈な戦いに関わらずに済みます。

 

その代わり、同じ頃に路線として頭角を表し始めた

縣千の風除けポジションになるのだろうと

多くの人が予測していたはずです。

 

ところが、一人っ子政策名高い雪組が、突然の路線変更。

綾が『ファントム』で2度目の主演を果たした後、

諏訪さき、彩海せらと新公主演者を増やしていきます。

 

そして『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』の頃、

縣、諏訪、彩海の若手は三すくみ状態に。

永久輝せあはVISAを背負って花組に組替えし、彩凪翔は退団を選びます。

 

気付けば、目の前の雪組路線ロードは見晴らし良好。

『ヴェネチアの紋章』の全ツ2番手格の座はほぼ決定項となり、

雪組3番「目」の座まで射程圏内に収めることになりました。

 

98期のダークホースになるのか?

 

98期生は現在研10。

路線スターとしての今後を左右する大事な頃合いのはずなのに、

全体的に停滞モードが漂っています。

 

早い段階で完全別格コースに移行した花組の飛龍つかさ、

間もなく正3番手の座が迫る月組の暁千星はまだしも、

ともに組替え生が降ってきた瑠風輝、天華えまは、

完っ全に95期プッシュ体制の煽りを食らってステイしている現状です。

 

そんな中、綾凰華はするりと雪組で番手昇格中で、

彩風お披露目公演『CITY HUNTER』では波線上&ポスターに掲載。

 

ほとんどの人が別格路線だと思っていたはずなのに、

このままいけば、路線としての一つの関門である

研10でのバウ単独主演を果たしてしまうかもしれません。

 

というわけで鍵は、次の雪組バウ主演は誰が果たすのか、です。

綾凰華が取るか、縣千が取るか、あるいは誤魔化しが入るのか。

 

最近の若手をとっとと上げよう傾向を見ると、

縣千に主演させる気配がしますが、実は雪組は「意外と」年功序列。

直近例では彩凪→彩風→月城→朝美→永久輝と、

ちゃんと学年順にバウ単独主演させてるんですよね。

 

というわけでここで綾がバウ単独を取ると、

彼女は98期のダークホースと化すわけですね。これは面白い。

 

95期組が路線過多状態なのはご承知の通りですが、

そこから100期生までの間の4つの学年中、

トップ当確と思われるのは97期・永久輝せあと98期・暁千星のみ。

 

100期以下にとっとと引き継ぐ可能性もあるとはいえ、

トップスターの頭数が足りない可能性もあり、

別格路線として重宝されることはもちろん、

もしかしたらスペア枠に指名される可能性も出てくるわけです。

 

被ってそうで被っていないキャラ

 

ところで。

彩風新政権雪組の売りが、たぶんダンスである可能性が高いわけですから、

ダンサー属性である彼女が重用される可能性も自ずと高くなります。

 

また、彩風以下の番手格スターたちが、

ジャニ顔の朝美絢、可愛らしい甘顔の綾凰華、ザ・男役顔らしい縣千と、

上手い具合に分かれているのも面白いですね。

 

これもラッキーなのでしょうか?

いえいえ、ここまでくると、

劇団(雪組)側がちゃんと計算して配したように思えてきます。

 

ラッキーチャンスは既に掴んでいるのか、あるいはこれから掴むのか。

綾凰華のスター物語は、実はまだ始まったばかりなのかもしれませんね。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. こころ夫人 より:

    こんばんは。
    いつも楽しく、また興味深く拝見しております。

    これからが、とても気になる98期生の一人、綾さんの記事、嬉しくてなりません。
    ありがとうございます。
    「fff」での軍服姿がお似合いで、素敵でした。
    全ツでの2番手格、次回本公演もトップコンビに絡む役どころで、勢いがあるのですね。
    正直なところ、「ひかりふる~」に続く、「ファントム」の新公主演は、少し意外でした。

    上級生の退団による需要に応え、次にくるであろう下級生の追随も受け、どうなんでしょう、綾さんは、似つかわしくない(?)粘りと根性を、みせてくれるのでしょうか。
    全ツ、楽しみにしています。

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    もしも雪組でロミジュリを再演するとして、朝美さんが「死」をやったら、西洋絵画で言えば、もしもエルグレコが堕天使を描いたらかくのごとくあらん、といった壮絶な凄みがありそう。

    綾凰華さん・・・番手を抜きにしたら、やっぱり「愛」。

    超個人的な印象は、スペインの女の子が、地元の教会の祭壇に描かれた天使の微笑みに惹かれて、お小遣いでその天使の絵葉書を買って、綺麗な額に入れて部屋に飾って、秘密のお祈りを捧げているような・・・そんな存在でいて欲しいの。あまり遠くへ行かないで、小さな女の子のそばにいて、的な(笑)

  3. MS より:

    あやなちゃんといえば、以前スカイステージの番組のダンサーハントという、宝塚のダンサーにスポットを当てた番組に出演していました。あやなちゃんのダンスの師匠は、KAZUMI-BOY先生。個人レッスンも受けていて、先生も高く評価していました。
    あやなちゃんは元々は娘役志望だっただけあって(波瀾爆笑⁉︎我が人生より)、可愛らしく、オラオラ感はありませんが、元雪組トップの朝海ひかるさんみたいな、華奢な感じもいいですよね。朝海さんもダンサーでした。そういえば朝海さんは新公主演はされませんでしたが、演出家の植田紳爾先生が、朝海にオスカルをやらせたいとおっしゃったと、何かで聞いた記憶があります。あやなちゃんは、オラオラより、中性的な色気をつけて、そっち路線にもっていったらどうでしょう。
    ベルばらも2015年以後上演されてませんよね。次の上演があるころには、永久輝せあ君がオスカルやりそうだなと思っているのですが、雪組でもオスカルを演れる人を作っておいてもいいかも。

  4. 静か より:

    蒼太様
    いつも楽しみに記事、コメントを読ませていただき有難うこざいます。
    あやなちゃん好きですが、飛龍つかさによると岩のような精神力だそうで外柔内剛根性の固まりというタイプなのでしょう。成績の話ですが入団時6番から3年目の試験で組内一位となり、瑠風も順位を下げて5年目最終成績は暁に次ぐ98期二位と推測出来るそうです。(某ブロガー様の記事)入団後に成績を上げるとは相当の努力家でしょうね。
    「光ふる…」の新公主演は生田先生の推薦だと以前こちらのコメント欄でしりましたが、星組は台湾こうえんで新公が一回減り、次の「ベルリン…」は極美学にさせたいという事情もあって手放したのでしょうね。(星でも大事にされて成果を見せていたと思います。)
    ラッキーもあり努力もあった、蒼太様おっしゃるように雪組もそれなりのプログラムで迎えてくれたのだと今では思います。

  5. より:

    綾凰華くん大好きです!ロイヤル感があって華やか。ファントムで軍服姿で出てきた瞬間、惹きつけられるような輝きを放っていました。これが新公主演者のオーラか…!と思いました。壬生義士伝の沖田もピュアなだけじゃない危うさもあって素敵でしたよね。
    今の路線にはいない王子様スターだと思いますので、ぜひ永久輝・暁に続いてほしいです!

  6. kobara より:

    蒼汰さんこんにちは。
    綾さんは線の細いフェアリー系のイメージなのですが、小柄だったりフェアリー系がトップになるために必須の歌唱力が少々弱いのがこの先スムーズに上がっていけるのか難しいとこかなと思います。
    タイプ的に近いフェアリー系のダンサーでトップというと朝海さんがいますが、歌うまとまではいかなくても十分歌えるレベルでした。
    ヴェネチアやルポワゾンが初演と大幅に変わらない限り、綾さんが歌う機会が多そうですね。新体制の雪組は真ん中付近の歌唱力がやや弱いので、綾さんは歌がレベルアップすれば、チャンスをものにできるかもしれないですね。

    最近の星組のロミジュリの盛り上がりを見ても、歌唱力の大事さをひしひしと感じてしまいました。