どうなる瑠風輝?・宙組『カジノ・ロワイヤル』階段降りに思う

 

真風涼帆&潤花のサヨナラ公演『カジノ・ロワイヤル』が無事開幕。

 

私は運良くSS席が一枚当たっており、それはそれは楽しみなのですが、

公演最後の階段降りが、人事的に非常に意味深だったご様子…。

本日はその件について触れたいと思います。

 

葉咲うらら(エトワール)

亜音有星・山吹ひばり・風色日向

鷹翔千空・天彩峰里・紫藤りゅう

瑠風輝・春乃さくら

桜木みなと

芹香斗亜

潤花

真風涼帆

 

一進一退な瑠風輝

 

結論から申し上げると、瑠風輝が階段一人降りから降格し、

春乃さくらと一緒に降りてきたご様子。

 

そして、これは「役の都合上仕方の無いこと」ではなく、

超路線であれば絶対に起こり得ない事態です。

 

しかも彼女の場合はこれが初めてではなく、

宙組『アナスタシア』において、

ル・サンク掲載メンバーからも一時的に外れております。

 

東上主演が決まった矢先のこの扱いを見るに、

なんともまぁ「気が抜けない」状態なんだなと思いますね。

 

ただ、これは瑠風自身だけの問題でなく、

いびつな娘役戦線の影響も大いに有るように見えます。

そう、春乃さくらVS天彩峰里の番手バトルですね。

 

格的に次期トップの春乃さくらより天彩峰里の方が強く、

露骨に「抜いた」様を観客に見せる必要があった。

となるとこの2人のどちらかをエトワールにして誤魔化すわけにいかず、

結果的に瑠風と春乃が一緒に降りることになった、という次第。

 

じゃあ山吹ひばりを階段降りさせず、

亜音・天彩・風色→鷹翔・春乃・紫藤にすれば良かったのに、

宙組Pは瑠風輝を1人降りさせるよりも

山吹ひばりを階段メンに入れるほうを優先させた、と言えるんですよね…。

 

なお、階段一人降りになった後に2人降りに戻されたパターンは、

前例だと愛月ひかるがそれに該当する(『王家』からの『HOT EYES』)わけですが、

当時、彼女はまだ東上主演決定前の話ですし、

最終的に行きついた先を見ると…うーむ、路線的には不穏ですね。

 

アンチテーゼ95期の最後の砦

 

とはいえ、ですよ。

今回の階段降りで一人おりから降格しようとも、

芹香斗亜のトップ就任が確定、桜木みなとの正2番手昇格もほぼ確。

その流れで瑠風輝もすんなり3番手「格」には上がれると、私は思っています。

 

ただし、問題はその後の話。

以前、彼女がトップになれるかなれないかの最終試験こそが、

次の東上公演『大逆転裁判』だと書きましたが、

裏を返すと、相当に跳ねないと厳しいのが現状なんですよね…。

 

宙組は今まで、トップ代替わりの時に、

他組の御曹司が2番手枠にやって来るという歴史を繰り返してきましたが、

それを桜木みなとで断とうと全力を注いでいますし、

その思惑はたぶん成功する(つまり桜木みなとはトップになれる)ように思います。

 

が、それが瑠風輝にも適応されるかは、別の話。

芹香斗亜から桜木みなとに代替わりする少し先の未来、

すなわちアンバサ任期が切れた頃に、

誰かが上に降ってくる可能性は大いに有り得るでしょう。

 

なお、アンダー95期の正路線メンバーを見ると、

和希そらは雪組、永久輝せあは花組、暁千星は星組に、と、

全員が新天地を求め、そして番手を上げるために組替えしたわけで、

瑠風もそれに倣うことも出来たはずです。

 

そもそも私は基本的に組替え肯定派であるからして、

随分前から「瑠風輝は組替えして一皮むけた方が良いのでは?」

と書いてきましたが、そのタイミングを既に失っているような…。

 

今更、雪組の和希そら、花組の永久輝せあ、

そして星組の暁千星の下に行くことはすなわち「路線落ち」であり、

唯一理論上可能なのが月組の風間柚乃の上ですけど、

果たしてそんな人事が本当に起きますかね?

 

95期バブルとアンダー100期を繋ぐ狭間の世代の最後の砦として、

瑠風輝がどのような進退を取るのか、

宙組Pと劇団の采配の行方が気になるところです。

 

良くも悪くも「空気」な存在

 

ストレートに申し上げますと、

瑠風輝は良くも悪くも「空気」な存在ですよね。

 

超路線愛好家に推される程のプッシュモードは受けられず、

ギリ路線好きに認められる程のドラマチックな人事バトルもなく、

愛月ひかる程の強烈な個性で目立つような雰囲気もない。

 

その結果、すんなり3番手に上がりそうですけれど、

「別に嫌いじゃないしむしろ好きな方だけど、一番大好きってわけじゃない」

という感じで、一番肝心な熱心なファン層を取り込めていない印象が有ります。

 

意地悪な言い方をすれば、今、彼女に批評めいたことを言えば、

「可哀想だ」と多くの人から言われそうですけれど、

もし組替えして他組の路線を潰すとなった時に、

その組ファンからめちゃめちゃ文句を言われそうだな、と思ったり。

(そしてそれこそがスターの通過儀礼とも言えますが。)

 

貴重な長身歌ウマという、クラシカルファンにとっては逸材だったろうに、

うーむ、宙組Pと劇団は彼女を本当にどうするんでしょう…?

 

ま、瑠風輝当人はネバセイあたりから垢抜けモードが入ってますし、

背水の陣であることは本人が一番よく分かっている様子ですので、

色んな意味でのラストチャンスの成功を、ぜひその手で掴んで欲しいですね。

 

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コメント

  1. そも より:

    いつも楽しく拝読しております。
    『良くも悪くも空気な存在』。 うまい。座布団3枚進呈です。
    実は宝塚歴ウルトラライト歴の私、宙組の瑠風さんと星組の夢奈さんが頭の中でゴッチャなままです。
    それぞれの組を観劇後は、それぞれステキな役者さんだなぁと思うのですが。
    瑠風さんには次の東上で「ここだっ!」という決定打を見せてくださることを期待しております。

    • 宙組人事当たる確率高いヅカオタ より:

      星組の夢奈さんとは?月組ですよ。正路線と別格路線の違いを知っといてください。あとこのルネサンスブログのコメントに対する意見なのですが、天彩さんは東上波線上ヒロインをたくさんしていて、トップ以外の娘役で頂点にいるほど推されているいる人がなにがあろうと亜音さんと風色さんと一緒に降りてくるのは無理があると思います。また、瑠風さんが1人降りしなかったのは、紫藤さんの配慮だと思います。
      なぜなら、路線の順番的に階段降りは
      亜音山吹風色→紫藤天彩→鷹翔春乃→瑠風→桜木→芹香→潤→真風の順でも良かったけど紫藤さんが退団される時に鷹翔さんが紫藤さんをぬかすとみんなもやもやするから、紫藤さんと鷹翔さんと天彩さんを一緒にさせてその代わりに春乃さんを瑠風さんと階段降りをさせることで紫藤さんに配慮をしたのだと思います。

      • 蒼汰 蒼汰 より:

        うーん、つまり格を強くし過ぎた天彩さんや、最後だけ花を持たせようとした紫藤さんに配慮した結果として瑠風さんが2人降りになったのだとしたら、それって瑠風さんがめちゃめちゃ弱いか宙Pの人事が相変わらず下手くそって話に結局はなりません?

        • はとこ より:

          どういう理由付けだろうと、結論は変わらなそうですよね。
          天彩さん春乃さんにエトさせられないなら、山吹さんにやってもらって、娘役の順番を1つずつ下げるとかもできたはずなのに。

          シルクロードだと、次期トップ娘役決定していた朝月さんが、自身より3期&6期も下級生の諏訪さん彩海さんと一緒に降りてます。その後に降りた綾さん縣さんもバウ主演すらしてない下級生。
          次期トップ娘役でもない天彩さんが、亜音さん風色さんと一緒に降りても別に不思議じゃないと思いますが…。
          (まぁ当時の雪組パレードは娘役に厳しかったというのも多いにありますが)

          • 蒼汰 蒼汰 より:

            コメントありがとうございます。
            私もそう思います。シルクロード階段降りの面白い点は、真ん中を次期娘役トップの朝月さんしか降ろさなかった横で、管理職前にわざわざ彩&夢白さんを降ろしたこと。格的に強い彩さんの顔を立てながら、分かりやすく次期は夢白さん予定ですよーと示していて実に興味深いです。
            上がるべき時にすんなり上がらないとどうなるかは、最近だと水美さんや宙組時代の愛月さんがそうだったわけで…。何をどう論じても結末は変わりませんよね。

        • 宙組人事当たる確率高いヅカオタ より:

          ほぼ連日、宙組通いしていますが、今作では天彩さんはトップコンビに次ぐほどの出番の多さです。その天彩さんをそこまで下げられないかと。

          では、瑠風さんがそこまで弱いか?と言ったら決してそうではないと思います。暁さんや和希さんのような他組ファンを引き込む程の強さはないとは思いますが、抜群のスタイルと確かな実力で宙ファンには絶大な支持を得ています。

          瑠風さんは東上も決まり、このまま行けば次作は三番手で1人降りに戻るので、宙ファンの間では今回の階段降りを気にしている人は少ないです。むしろ、カルトワインで結ばれなかった2人が作品でも階段降りでも成就したかのようで喜んでいる人が多いです。

          私は東上の切符を手に、月組風間さんの上に組替えするのでは?と見ています。

          • 蒼汰 蒼汰 より:

            次で普通に一人降りに戻るのはおっしゃる通りだと思いますし、いまいち伸び切らない風間さんをブロック出来るのが瑠風さんなので、上に降れる可能性も確かにあると思います。
            おっしゃるような宙ファンに だ け ある絶大な支持が全組ファン、ライトファンにも広まると良いですね…。

  2. リピーター より:

    ずんちゃんに良いお役をあてていて、それが最近ずっと当たってると思うだけに(ベネディクトの時は「紅さん望海さんと比べるとインパクトなくない?」と思っていましたが、アギラール、カルトワイン、スモーキーで私完全にやられましたw)もえこちゃん…厳しいなぁ……と思います。バウ主演も木村先生で、期待はされてたと思うんですが…… 夢白あやちゃんとの関係も良好だったようで、もう何作か組んでたらコンビでもう少しハネたかも?とも思いますが、早々に組替えされていきましたし。結局ずんそらが持っていきましたかね。
    あとはご本人のあんまりガツガツしていない雰囲気も原因なのかな?これは宙組の特徴なのかもしれませんが。こってぃ以下の路線の皆さんもどう育つか、楽しみ半分、心配半分で見ています。

  3. Key より:

     蒼汰さま いつも楽しく拝見しておりますが、、、 
    先日大劇場に参りまして、1人降りでないのは確かに気になりました。
     けれど、出番がずいぶん増え、それも真風さんと2人で向かい合って芝居をする場面が増えて、スーツもビシッとカッコよく見栄えがして立派でした。それと今回は次期娘役春乃さんの売り出しのサポート、エスコートの役割もあるようで、以前夢白さんの時にも思っていましたが、若い娘役をさらに美しく見せることができる人ですね。劇団は美形男役以外に大きくて優しそうな男役が好きだと思っていますので、真風さん退団後はそういう役が回ってくるのではと期待しているのです。
     歌うまとしても上位にある人と思いますので宙組に置いておかなくてはもったいないし、是非とも頑張って上にあがってほしいです。

  4. ずんだもち より:

    もえこちゃん東上主演取れてよかったね、とは思うのですけど。
    路線上級生が2人抜けてようやっとですか。形だけは暁千星を追いかけていますが、重みは遠く及ばず。既に遅きに逸した感じ。
    真面目で慎重(に見える)な持ち味がうまく活かされれば良いですが。
    先輩の愛月・桜木・和希・瑠依には「間違ってるかもだけど、とりあえず行っちゃえ!」くらいの勢いを感じました。だから目立つし、熱烈なファンも強アンチもつくのでしょう。
    組内だけで見た場合、桜木みなとが
    2期上の愛月ひかるも1期下の和希そらも組外に弾き出して、頂点極めようとしていますが、そのくらいの勢いと圧と覚悟がなければトップには立てないということですね。
    瑠風の風は今日も穏やか から疾風になれるかな。

  5. こけし より:

    階段降り、色々と謎だったんですよね。春乃さんに1番足りないのは知名度だと個人的に思っていたので、就任直前の舞空さん星風さんのようにエトワールやるのが、手っ取り早く顔見せできる方法なのにな〜、歌上手いのになんでやらせなかったんだろう?とずっと首を傾げていました。なるほど、天彩さんを抜いたと見せる必要がありますね。そこまで考えてなかったです。笑

    今回の瑠風さんは、まだ舞台を直接見ていないので、ふわっと聞いた話ですが、「彼女の武器である歌(ソロ歌唱)を封印しているが、そのかわり出番がいつもより増えている」ようなので、また観劇されましたらその辺りの感想も是非お聞かせください。
    彼女はスーツがとても似合うので、カジノ・ロワイヤルで沢山の人の目に留まるといいな〜と心の中で応援しております。こう書きながらも、「1番のご贔屓」というわけではないので、本当に記事通りの人が自分も含め結構いるかと思います…

  6. ジャスミン より:

    久々にやって参りました!
    はい、今回の階段降り、私も気になっていました。

    葉咲さんエト、山吹さん階段降りは喜ばしいものの、退団公演の紫藤さんは3人降り、バウ主演を果たした鷹翔さんも3人降り、おまけに瑠風さんも単独から2人降りって…。という思いも正直あります。
    山吹さんを「上げたい」意向の表れとも感じます。

    そして、瑠風さんは、本当は“ここから”なんでしょうけれどね。折角の初主演後のコロナ禍などがあり、なんだかこう、タイミングがずれた、という感じが。
    最近、ますますカッコよくなられてきたし、実力面は言うことなし!なわけですし…これで“ずんらら”“そらじゅり”のようにコンビ推しできる娘役さんが隣に並んでくれたら言うことないのですけれど。
    (リピーター様のおっしゃるように、夢白さんとはお似合いだったと私も感じます。)

    どちらにせよ「本当はここから」と書きつつも、のんびりしている場合ではないのは確かで、今後含めて状況的に蒼汰様のおっしゃる通りだと感じます。次の東上、また新たなカッコ良さを見せて、新たなファンを掴んでくれると祈ります!

  7. ゆうまま より:

    こんにちは、いつも楽しく拝読しております。

    階段降り、確かに1人降りがなくなったのって結構な珍事件かもしれませんね…。ぱっとおもいつく限り大〜昔に雪組時代の和央ようかがありましたが…(エリザベートだけ星奈優里と2人降り)。

    バロンの末裔で姿月あさと顔負けの歌のうまさにびっくりしたので、是非上がって行ってほしいところですが…なかなか心配ですね。

  8. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    真風ボンド、観てきました。階段降りも…。
    おっしゃる通り、いびつな娘役戦線の影響が、一番の理由にもみえました。
    その上、山吹さんを加える、と。
    宙組の娘役事情が、男役路線よりも優先事項だったように思えます。
    98期~去る人残る人、魅力的な実力者が多々いる期だけに、この先を妄想するだけでも、気持ちが落ち着きません…。
    何とか頑張って、いえ、粘って、ほしいです。
    東上で、人気が跳ねますように!瑠風さん!

  9. みみ より:

    いつも楽しく拝見しております。

    私も「娘役戦線の結果を無理やりパレードで型にして見せたい」という組思惑をぷんぷん感じます。
    そして瑠風さんにその思惑をはねのけるだけのスター的パワーがまだ無かったのかなと…。

    正直行って宙組は体制のマンネリ化および上の面々がスターパワーが強すぎた(芹香愛月桜木和希留衣)弊害が、瑠風鷹翔に露骨に表れてる気がして…。
    イケイケゴーゴー(古い)な時期に跳ねる役に出会えてなかったり、大衆役でもキラリとするスターパワーを押せる強さが身に付かなかったり…。
    でも一社会人として考えると、新卒から数年経ってパワーを発揮する人なんてざらにいるし、実年齢を鑑みてもここから大勝負!なんて全然有りとは思うんですが、なんとも厳しい世界です。(当たり前なんですが…)

    そういう意味では、今風色亜音泉堂大路辺りがセリフ無くてもファンの中で話題になる勢いは、健全さがあって楽しかったり~~でも瑠風鷹翔も応援したかったり~~ですね。

  10. Lily より:

    蒼汰様

    いつも楽しく拝読しております。
    瑠風輝の階段降り、気になりました。

    ただ、天彩峰里を抜かさないとなんで春乃さくらがトップになったの?ってチクチク言われるから、が一番だと思いますが…

    今公演、色んな人に出番振る割には、全体的に歌唱メンバーが少ないんですよね。
    真風、芹香、潤花、桜木、天彩までは中心メンバーで、それ以外の人たちが均等、みたいな…だから一人降りも桜木まででいいでしょ?ってことなのか…いや宙Pさんさぁ…。

    瑠風輝は月を新天地に狙っても、風間にいずれ抜かされる気がしますので、目指せポスト凪七瑠海…?と思います。
    ただ1回組替えしたら、変わるところもあるでしょうから、1回動いてみたらいいですね。
    水美舞斗はそれこそ北翔海莉みたいに、どこかの組で棚ぼたでなれるかどうかなのではないでしょうか。

  11. 八栄 より:

    昨日、宙組大劇場公演を観てきました。
    このコメント、あまり、人の目に触れない可能性が高いと思いつつ、(WBCを観ながら。)

    HIGH and Lowと同じで、ショーっぽい。(一本ものでなくてよかったのでは、というどこかのご意見と同じ)

    真風さんはかっこいいです。思い入れのある方たちにはたまらない、演出がたくさんあるのでしょうねえ。

    個人的には、ツバイシュタインの若翔りつさんが、とても良かった、自由に演じていて魅力的でした。スチール写真はすごいですが。

    ライトファンからすれば、以上です。

    瑠風さんは、素敵です。ただ、遠慮がちに見えてしまいます。
    東上公演でどのようにはっちゃけていただけるか、チケットが取れれば観に行きたい。
    (カルトワインは、幸運にも生で観れたのですが、この作品では、遠慮がちなところが、とても魅力でした。)

    和希さんの東上すごいな、とか、月組の構成はどうなるの?、水美さんは、次にどの組の公演に出るの?とか、興味は尽きません。

    今後も楽しみにしております。