新世代の波・雪組『ROBIN THE HERO』新人公演感想

 

雪組『ROBIN THE HERO』新人公演、

今回も無事ライブ配信で見ることができました。

さっくり感想を書いていこうと思います。

 

主要キャスト感想

 

まず、主演を張った108期生の苑利香輝。さすが次期スーパー御曹司に選ばれるだけあって、初めての主演とは思えぬ安定した舞台運びでした。特に後半にいくにつれ、具体的にはウルトラソウッ!!から女演技あたりからググっと良くなり、芝居ごごろが感じられる。輪郭と目の形と口の大きさが朝夏まなとっぽくもあり、北翔海莉っぽくもあり、個人的には、本公演でもよく見せているニコニコ顔よりも、ウルトラソウッ!!の場面で魅せた眉間に皺とか三白眼系の表情の方が彼女を生かせるような気がするなと思いました。…ま、まだ伸びしろはたくさんある気がしますが、これからじっくりスターへの階段を登って行っても欲しいと思います。

ヒロインは105期生の愛空みなみ。キラキラ感もあるし、上手いし、可愛い。前半のヒロイン芸も良かったですが、後半の魂入れ替わった後の方が生き生きと楽しそうに演じているなぁと思いました。やはり研7ヒロだと別格風な上手さが漂うというか、姉御感が強くなるなと思いましたが、ただそれが今回の役と合っていた気がするので、結果オーライかな?

そして2番手格・ガイ・ギズボーンを演じた105期生の紀城ゆりや。もともと上手い人でしたし、だからこそ新人公演でもオモロ枠を取りがちでしたけど、悪役ど真ん中もガッツリ出来るだなと感心しました。セリフ回しから表情筋の使い方まで本当に完璧で、まさに悪役。これは別格枠として重用される未来が見えましたね…。

3番手格・ウィル・スタートレイを演じたのが109期生の律希奏。期待の新人、鮮烈のデビュー!!凄く上手いし、それ以上に顔が美形!!西洋人形のような静謐な顔立ちは、どこか未涼亜希を思わせる雰囲気。そして男役との並びに、なんか萌えを生むオーラがあるなと思いました。こりゃ人気が出そうだな…ポスト月城かなとあたりを狙って頑張って欲しいです。

 

その他キャスト感想

 

悪役・カーク(本役:諏訪さき)を演じたのは皆さまご存知106期生の華世京。すごく楽しそうだった!!笑。メイクもいつもより黒めでヒゲも似合い、単純にカッコ良かったです。早くから正路線候補として猛抜擢されてきたからこそ、こういう別格役を演じる彼女を見るのは新鮮だし、本人にとっても良い経験だろうなと思いました。

その本役:華世京の役・デイビットを演じたのが、108期生の水月胡蝶。入団当初から(朝美絢系の)美形で気になっていた存在なのですが、やっぱり綺麗な顔やわーーーーー好きだわーーーーーー。しかも想像以上に、普通に上手い。色んな意味でイケるやん。…ただ、雪担歴が長いので薄々気付いているのですが、彼女はたぶん雪組お得意の強別格路線に乗りそうだなと思ったり。なんせ苑利香輝の同期ですからね。ま、残り3年でどうなるか、今後が楽しみです。

娘役を見ていくと、まずは本役:音彩唯のエメットを演じたのが107期生の白綺華。彼女もやっぱり上手いんですけど、彼女の凄さはふと発する一台詞、ふと歌うワンフレーズが「さりげなく」上手いこと。これは本公演でも感じていたことですけど、こういう実力者はぜひ大切にしたい。あと、なんか垢抜けたというか、ナチュラルな雰囲気で可愛らしくなって素敵だなと感じました。やはり経験がスターを生むのですね。

続いて本役:華純沙那のスカーレットを演じたのが108期生の星沢ありさ。スラっとしたスタイルと首長小顔、実に現代的で美しい。一人だけ作画が違う雰囲気なのが、集団の中で目立っていて良かったです。

そして本役:白綺華のクインシーを演じたのが109期生の音綺みあ。入団当初からめっちゃ期待されていたわりに、イマイチ抜擢されていない彼女がついに目立つ役をゲット。前情報に違わず上手い!!…んだけれども、持ち味がクラシカルというか、ぶっちゃけ別格感があるような…これは早く抜擢せんと、と思ってしまいました。頼むぜ雪組P。

 

新世代の波

 

そして麻花すわんが愛すみれ演じたオフィーリア役、愛陽みちが妃華ゆきの演じるエレノア役と、ヒロインを逃した104期2人は新人公演を支える柱としてしっかり活躍していました。…本当、惜しいなぁ。これからそれぞれカワイ子ちゃん枠、実力者枠として本公演でもバリバリ活躍して欲しい。

また、新公ヒロ経験者の音彩唯華純沙那が完全脇に回ってるあたり、男役も娘役もしっかり新世代へ渡してますね。各組が強烈な105期プッシュモードの中、順調に下を育てているな、という印象です。

また、新人公演ならではのフレッシュさが、今作のファミリー劇場感にマッチしていて良かったと思います。新世代をバッチリ顔見世出来た本新人公演、この経験を生かし、若手たちにはさらなる飛躍を期待したいです。

 

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コメント

  1. アライグマ より:

    私も配信を観ました。

    苑利さんは、華がありますね。真ん中にいるのがとても自然で、明るく元気。とても魅力的でした。
    愛空さんは、可愛くて安定している印象。実力は十分。

    私が一番、印象に残ったのが紀城さんのガイです。オスカルなどもみて、かわいらしい方だとは思っていましたが、正直申し上げて、それどまりだったのです。
    が、今回のガイは良い。瀬央さんとは異なる役作りで、もう一度観たいと思わせてくれました。
    こういう魅力的な役を本公演でやってほしい。

    全体に出演者の皆さんが活き活き楽しんで演じていて、観ている方も楽しかったです。

    以下、今回の新人公演とは直接関係はない雑感です。

    大劇場公演については、花のエンジェリックライや、月のゴールデンリバティ、そして、今回の作品もファンタジー系なので、新人公演にぴったりのような気がします。
    月組の鳳月さんのお役は、大人の味でしたが、作品全体はファンタジーぽいので、全体的にあまり考えずにみられる作品というか。

    一方で、現在、全国ツワーでのお芝居の業平などは、大人の男を演じる力が必要、また、他のお役も、政治的な暗躍の物語のリアリティが求められるように思います。
    もし、これを新人公演でするとなった場合には相当な力がいるような気がしますが。最近、そういう作品を観ない気がします。
    新人公演の問題ではないのですが、本格的なお芝居はバウにいってしまっているのか?
    どの組でもよいので、本格的な芝居力を必要とし、観ている者をうならせるような作品を作ってほしいと感じてしまっています。

  2. こころ夫人 より:

    いつも楽しく興味深く、拝見しております。
    なんてわかりやすい解説の記事、ありがとうございます。
    雪組は次世代の育成に、まちがいなく、さくさくと進まれているな、と感心するばかりです。
    今も、これからも、楽しみでなりません。