98期生はスター人生の岐路に立っている

 

昨日の綾凰華退団の報は、

私が想像しているよりはるかに大きな衝撃だった模様。

 

確かに和希そらが来て、縣千に抜かれそうで、

そう遠くない未来に退団してしまうかも…と思いつつも、

あと数作は居てくれるかなぁと油断していた中での発表だったので、

多くの方が驚いたんじゃないかと思います。

 

とはいえ彼女も研10。

そろそろ今後について夢と現実の狭間で考える学年でもあります。

 

98期娘役に見る、スター集団の光と影。

 

柚香光と礼真琴が率いる花の95期生、

聖乃あすかと風間柚乃が率いる新世代スター集団の100期生。

 

その間の96期~99期は狭間の学年、というわけでもなく、

実は意外とパイが多かったのが98期生。

 

新公主演主演者は、飛龍つかさ、暁千星、綾凰華、天華えま、瑠風輝の、

綺麗に5組5名、合計14回を飾り、

ヒロイン経験者も紫乃小雪、真彩希帆、星南のぞみ、有沙瞳、遥羽らら

こちらも顔ぶれ豊かなメンバーが揃っています。

 

このうち、早々に退団してしまったのが

朝美絢主演『A-EN』のバウヒロインを務めた月組の紫乃小雪ですが、

その後は特に退団者もなく続いていました。

 

が、昨年2021年に真彩希帆、星南のぞみ、遥羽らら相次いで退団。

まさにスター人生の岐路に立った頃合いなのでしょう。

 

こと98期の娘役に関して言えば、

望海風斗の相手役戦争の渦中のメンバーだったことが印象深いですね。

 

研3なりたての『一夢庵風流記 前田慶次』で新公ヒロインを務めた有沙瞳、

続く『ルパン三世』で新公ヒロインを務めた星南のぞみ、

次のバウ公演『銀二貫』でヒロインを務めたのは有沙瞳。

 

そうこうしているうちに、花組から星組を経由して

新公ヒロイン1回、バウヒロイン2回の真彩希帆が雪組に襲来し、

トップ娘役への就任が決定、同時に有沙瞳は星組へと異動となりました。

 

当初の推され度で言えば、

どう考えても有沙>星南>真彩という感じだったのに、

蓋を開けてみたらトップになれたのは、現段階では真彩希帆のみ。

同期内で路線バトルを繰り広げるって、よくある話とはいえやっぱり過酷。

 

そんな真彩希帆は望海風斗とのゴールデンコンビを描き、ともに退団。

結果的に雪組のカワイ子ちゃん枠で収まった星南のぞみも、

役目を全うしたのか退団を選びます。

 

また、宙組で伶美うららと星風まどかに挟まれながら、

独自のポジションを確立していた遥羽ららも

「惜しまれるうちに辞めたい」との思いから昨年退団を決意。

 

残るは星組で池銀ガールとして娘2ポジションとして君臨中、

乳母の次はアムネリス様になる有沙瞳ただ一人が、残ることになりました。

 

彼女があとどれくらい在籍して、

海乃美月のように「待てば官軍」をするのか、

あるいは最強の娘2として役目を終えるのかは正直分かりません。

 

彼女の中のゴールめがけ、

路線娘役最後の一人として活躍し続けることを祈るばかりです。

 

研10スターが立つ、スター人生の岐路。

 

そして男役に目を向けてみれば。

和希そらと縣千に挟まれた綾凰華が退団を発表した、その1日前、

暁千星が月組生として最後の宝塚大劇場の舞台を踏んでいました。

 

退団という道を選ぶ人もいれば、

古巣を離れ新たな戦場へ向かう人も居る。

人生の岐路をまざまざと見せつけられた気分です。

 

暁千星は月組のままでも良かったのに、

わざわざ星組へ行くということは、

もちろん次期トップ候補生としての組替えでしょう。

 

トップコース確約とはいえ、

礼真琴の後任なんて、とんでも無いプレッシャー。

新天地で、新たなる戦いの火蓋が切っておとされることになります。

 

そんな暁千星と同じくらい若手時代に推されていた瑠風輝は、

和希そらの異動により、やっと4番手昇格が見えてきた位置にいます。

 

正月ポートに載り、フォトブック選抜にも選ばれ、と、

なんとか首の皮一枚で繋がっている感ですが、

とはいえ学年を考えると、結構な背水の陣です。

100期の波に飲み込まれずにすむか、まさに今が正念場と言えます。

 

一方の花組の飛龍つかさは、文化祭主演経験者にも関わらず、

早々に別格コースへと回されたわけですが、

結果的に花組のアニキ枠へと順調にスッテプアップ中。

 

これまで辛酸を舐めたかもしれませんが、

優波慧の退団により今後は彼女の独壇場になると思いますから、

本人が納得出来ているなら最高のポジションなのかもしれません。

 

そして暁千星に降られた星組の天華えま。

彼女は逆に綾凰華を雪組に追い出した側のスターなわけですが、

綾凰華の退団が決まっているにも関わらず今回動かなかったということは、

まぁそういうことなのでしょう。

 

極美慎などの下に抜かれるのではなく、

同期に上から降られるというのは、娘役同様やっぱりキツイ。

彼女もまさに、スター人生の岐路に立つ瞬間を迎えそうです。

 

スター人生、悲喜こもごも。

 

すみれコードに抵触してしまうことをストレートに書くと、

研10って実年齢で言えば30歳手前くらい。

タカラジェンヌじゃなくても、今後について真剣に考えてしまう時期ですよね。

 

人生は宝塚だけではなく、世界は無限に広がっています。

家庭に入るも良し、別の舞台に生きるも良し、

この世は様々な価値観が有り、一概に「退団は惜しい」とは言えません。

 

もちろん宝塚に残って、

タカラジェンヌという険しい道のりに挑むのも人生。

 

スターとしてこれからどうしていくのか、

後悔の無い選択をして欲しいと思うと同時に、

これからの彼女たちの選択を、見守りたいと思います。

 

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コメント

  1. リリー より:

    土壇場?独壇場でしょうか?

  2. おさかな より:

    蒼汰さん

    今回想像もしてなかった退団でしたのでショックが大きく…彩風さん任期中は大丈夫かなと勝手に思っておりました…。
    でも、96~98期が節目を迎えているんだなというのは分かります。退団後の人生の方が長い人が殆どですし。好きなスターさんもいる世代ですので、今をしっかり応援していきたいと思います。

    個人的には、98期と99期は1学年しか違わないのに、99期にはまだまだこれから感があるんですよね。

    • 真風の女S より:

      こんばんは。今回もとてもうなづきながら読ませて頂きました。いつも洞察力が深くていらっしゃって、私の頭の中も整理させてもらっています。
      あやなちゃん、私も大好きでした。彼女にしかない色気、お姉さんな頼れる感じ、繊細な優しい性格、キラキラな笑顔。

      良いニュースが続かないばかりか、駄目押しされてしまった気分でしたので、蒼汰さんのブログに救われております。

      天華えまちゃんのことを思う時、同期に上から降られる、、、先日退団した愛ちゃんのことが頭をよぎりました。
      天華えまちゃんの舞台上の姿がもっともっと見られますように。
      花の命は短いことを私も肝に銘じて、これからも観られるだけ観て、彼女たちを応援したいと思います。

  3. 奥田 より:

    いつも楽しく拝読しております。
    このところスター男役の退団が少なかったので、綾さん退団に際して理由やきっかけを想像してしまうのも無理からぬことですが、人事ばかりが理由とは限らないですよね。

    かつて七帆ひかるさんはバウでブレイクしてこれから!というタイミングで退団しました。昨年東京宝塚劇場で娘さんを連れて観劇されている姿を見かけて、宙組初の生え抜きトップとなった可能性が高い(と思っているファンは多いかと)七帆さんの退団はファンとしては惜しかったけれども、ご自身の人生計画をお持ちだったのだなあ…としみじみしました。

    綾さんも次の夢に進まれるのだと思います。タカラジェンヌは時限の花、日々心残りなく応援したいとの思いを新たにしました。
    ODYSSEYが上演できていたら心残りがもっと少ないんですけどね……。

  4. マーガレット より:

    綾凰華の退団ニュースには意表を突かれました。惜しまれての卒業になりますし、ショーも見せ場を沢山作ってもらえそうです。

    天華えまは、まだ今後異動の可能性があると期待しています。花組なんてどうですか?永久輝の下、勢いがあるとはいえまだ未熟さが目立つ聖乃が育つまでの繋ぎの別格二番手に最適ではと思うのですが。バレエダンサーらしい品のあるダンス、花組に似合うと思いますよ。

  5. ふれんちとーすと より:

    瑠風さん贔屓としては、彼女が羽根を背負っている姿を観たい…。宙組は自組育ちをなかなか昇格させないから組替えしてほしいとも思ってしまいます。