みな輝いて眩しい・花組『アルカンシェル』キャスト別感想

 

キャストの体調不良により公演が止まっていた花組『アルカンシェル』、

無事再開出来るようで良かったですねー。

 

ってことでキャスト別感想編、書いていきます。

 

【全体感想はコチラ】

 

主要キャスト感想

 

主人公・マルセル役の柚香光。彼女を見るといつだって「今が一番美しい」と思ってしまうのですが、今回もまさに「今が一番美しい」でした。遠目で見たら、シュッとしててシャープなイケメン男性そのもの。顔立ちも、スラっとした体躯も、表情やその動きも、主人公たるイケメンダンサーを演ずるに相応しい、逆に言うとそんな彼女だからこそ、当て書きされた役がこのマルセルであると納得してしまう、そんな役どころでした。青い炎のような情熱を内に秘める繊細な芝居はもちろん、しなやかでスタイリッシュなダンス、そして歌も「聞き苦しくない」程度に成長し、まさに集大成といった感じ。様々な格好で登場させて貰えるのも、小池先生のファンサービスでしょう。とにかく見惚れる2時間半でした。

ヒロイン・カトリーヌを演じた星風まどか。いつの間にやら幼女から淑女に成長し、大人で自立した一人の女性を見事に演じ切っていました。柚香光がダンサー役なら、星風まどかはシンガー(厳密には違うけど)役として、様々なソロ歌唱を披露。それがどれも素晴らしく、こちらもまさしく集大成といった感じ。愛するものを守るため、一人異国の地へと旅立つ姿には胸打たれましたし、朗らかな笑顔も、緊迫した表情も、どれも的確で引き込まれました。姿かたち含め、まさに宝塚トップ娘役の理想美ではないでしょうか?

2番手・フリードリッヒを演じた永久輝せあ。彼女もまた手堅い役作り、なんですけど…このフリードリッヒって結構ドイヒーですよね。自分のエゴでマルセルたちアルカンシェルを騒動に巻き込みながら、自分はダンサーと恋にうつつを抜かしている感じが、なんとも。そして貴重な2番手(大劇場)作品が、前回の馬鹿殿様に続いてこのノーテンキで情けないな役って、うーーーーーん?と思ってしまいましたが、それをギリセーフに見せられていたのが、永久輝の器量といったところでしょう。

 

その他キャスト感想

 

その相手役・アネットを演じた星空美咲、スターとしての押し出しや風格を身に着け、スター然として輝いていましたね。やはり天性のヒロインオーラは見事で、群衆に紛れず目立てるのだから凄いです。歌も芝居も高安定、次期が非常に楽しみになりました!!

3番手・イヴ・ゴーシェを演じたのは聖乃あすか。物語のストーリテラー、パリジェンルキーニとして舞台を引っ張り続けます。とにかくビジュアルが良い。本当に良い。もともと彫が深いうえ顔立ちがシャープになり、イケメン金髪男性そのものでした。

ジョルジュを演じた綺城ひか理。彼女の持ち味は憑依型ではなく、何も演じても綺城ひか理に見えるパターンのスターだと思いますが、今までイイヤツ系あるいは情熱系を演じることが多かったですけど、こんな当て馬役もちゃんと似合っていて面白いなと思いました。ジョルジュはまさに別格男役っぽい登場人物ですし、ポスト瀬戸かずやとして活躍していく未来が見える役どころでした。

コンラート演じる輝月ゆうまはさすがの安定感。すごみ方といい間の取り方といい、なんでこんなに上手いんだろう、と改めて感心してしまいました。

 

若手チームの感想

 

そ、し、て。今回は中堅&若手の輝きも凄かったのですよ!!

これで退団となる帆純まひろはラストシャイニングが眩し過ぎて、目がくらむ程のカッコ良さでした。笑。一之瀬航季もシャープな顔立ちになり、花男感が増してきましたね。侑輝大弥は髪型も相まって常にウェットでセクシーな印象、とにかくカッコ良くて目を惹きました。そしてスター候補生として他の3人と衣装の差別化もされている希波らいと、メイクがだいぶ上達したのか相当仕上がっていました。ぶっちゃけ、彼女の顔立ちって私の好みではないんですけれど、それでも「カッコ良い」と思わせる何かを会得した様子で、これからもますます楽しみになりました。

そして104期生の期待の星、天城れいんがとにかくカッコ良かったですねぇ。普段はどちらかというと可愛い系(暁千星の系譜)なのに、ナチスチームの兵士として憎々しげな表情、けだるげなオーラを見事に魅せていました。返す刀でレビューだと元の姿に戻るのも面白かったです。そんな憑依系である彼女が、新人公演でそんなマルセルを見えてくれるのかとても楽しみになりました!!この流れで美空真瑠が休演だったのが実に惜しい…。

あと、106期の次席入団でありながらなかなかチャンスが掴めなかった湖春ひめ花が、ついに少年役で陽の目を浴びたのも良かったなと思いましたね。

スター不在と言われながらも着実に成長している花組若手陣のこれからが、実に楽しみです。

 

一人でも多くの人が観られますように

 

以上、花組『アルカンシェル』の感想でした。

私はあと1回観られる予定なので、

柚香政権花組の輝きを余すことなく堪能してきたいと思います。

 

そして繰り返しになりますが、

一人でも多くの人が本作を観られますように、

アンド無事新人公演が行われることを祈って、記事を〆ます。

 

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コメント

  1. YK より:

    いつも記事を楽しみに拝見しております。
    アルカンシェルのキャスト評ありがとうござます。今回は(も?)キャストの力で楽しく見られる出来になっていましたね。柚香光、星風まどか退団後も花組は当面安泰だと感じました。
    永久輝せあの演じるフリッツは数々のナチへの明らかな背信行為で劇中で処刑されるか心配しましたが、宝塚御曹司特性により生き延びて何よりでした(笑)あと星空美咲は仕上がってましたね、安定してます。
    中堅若手では明らかに希波らいとが一つ抜けて目立っていたと感じました、花組の正路線の真ん中を走るのは彼女になるのではないでしょうか。
    最後に、永久輝せあは2番手でブレイクしきれずにトップ就任なのでこれから相当頑張らないといけないのではと思います。このままだと次世代のトップオブトップの座は暁千星のものになりそうですが、ひとこちゃんも好きなのでVISAガールとして頑張って欲しいです!
    これからも楽しい記事をお待ちしております。