礼真琴の退団公演『阿修羅城の瞳』を無事見届けることができました。
しかもなんと、一・桁・列・目!!
いやー、持つべきものはファンのツテですね。
星ファンである管理人様様でございます。←
まずは『阿修羅城の瞳』から、さっくり感想を書いていきます。
愛が燃える夜
まず大前提として、今回は日程の都合上、新人公演のライブ配信を先に観てからの観劇となりました。そして私は原作を観ておりませんし、内容も知りません。
そのうえで観た感想としては、これは宝塚の座付き演出家では絶対に生み出せない作品だろうな、ということです。wikiによると「いのうえ歌舞伎」と呼ばれるシリーズの演目のようで、まさしく日本古来の歌舞伎的な世界観。テーマは「女は男を愛すると阿修羅になる」、そして愛憎の果ての心中…。原作はとても長い作品のようですが、それを話の破綻なく、それでいて多くのキャストに役を振りながら1時間半にまとめた小柳先生の手腕は、さすがの一言。最初から最後まで、全力全開集中して観劇が出来ました。
…が。素晴らしい作品だったからこそツッコミたいところがあって、それは結局のところ、なんで闇のつばきを暁千星にやらせたんだろう?ということです。男女の愛憎がストーリーの肝なのに、私には出門とつばきに宿命のような愛が芽生えているように見えなかった。というか、そんなエピソードありました?特に今回はトップコンビなのではなく、トップと2番手という男役同士が紡ぐ物語だからこそ、もっとエピソードを積む必要があったんじゃないかと感じてしまったのです。
もっと言えば、別に男役だからこそ魅せる場面も特になかったわけで、単純に舞空瞳で良かったよね?トップコンビであればわざわざ恋模様を描かなくとも男女の仲に見えるし、心中というラストにピッタリな展開だし、そもそも名前が舞空「瞳」だし、色んな意味でピッタリじゃないですか。だけどそうしなかったのは、本作は男女の愛憎劇が趣旨ではなく、令和のトップオブトップ・礼真琴のサヨナラ公演であることの方が100倍大切だからなんでしょうね、きっと。
ま、私は若干しっくりきていないのは、先に新人公演を見てしまったからかもしれません。つばきを娘役が演じるだけで、自然と男女の愛憎が見えましたから。そして詩ちづるって結構頑張ってたんだな、と今更ながら評価を改めました。ごめんね、別格風味とか思ってしまって。←
ストーリーとしての説得力より、トップ退団公演という興行としての名誉を取った。男女の愛ではなく、礼真琴への愛の方が燃えている作品なのだな、というのが私の評価なんですけど、どうやら原作はもっとコメディ寄りなようですね…?じゃあこれでもだいぶ宝塚ナイズトしたというのであれば、小柳先生の手腕はやはり素晴らしいものなのかなと思います。
キャスト別さっくり感想
そんな主役の礼真琴は、もうこれでもかっ!!というくらいキレッキレで、本当に凄かったです。下手側の席だったんですけど、冒頭、せり上がりで出てきた礼真琴の美しいことよ…!!そして全体的にセリフがかった言い回しも、シリアスとコメディをいったりきたり出来る緩急のつけ方も、ふと見せるキメの表情やポーズも、とんでもない身体能力を生かした殺陣も、何もかもが素晴らしい!!これが最後だと覚悟している者だからこそ紡げる表現が、そしてそれを過不足無く表現出来る実力があるからこそ構築出来る舞台だなと思いました。ありがとう、礼真琴。
ヒロイン…なのか?闇のつばきを演じた暁千星、男役ですがよう頑張りました。特にビジュアル、もともと目が大きいタヌキ顔ですが、小顔&スタイルの影響もあり、シュッとした和装美女に大変身。特に阿修羅化したあとの姿は、神々しさすらありましたね。ただ、声がなぁ…まんま男役の発声で、え?みたいな戸惑いが正直ありまして。悪夢にうなされていやーーーーーーー!!みたいなところも、あー無理してるなぁみたいな気持ちが先に勝ってしまいました。とはいえ、次期トップの2番手男役が直前でヒロイン役をやるという劇団都合の配役なので致し方なし。
今回、一番の儲け役は、邪空を演じた極美慎でしょう。歌は確かにアレレでしたが許容範囲内で問題なし、それ以上に芝居が板についていて良かったし、一人のスターとして舞台を掌握するパワーがありました。「俺を見ろ!!!!!」という出門への歪んだ愛が、もうなんというブロマンス、婦女子はみんな大好きですよねこういうキャラ。これをまた出ていく極美慎に当ててあげるのが星組の優しさだよなぁ。飛躍前の当たり役を無事ゲットできて良かったですね。
娘2格は桜姫である詩ちづる。新公の乙華菜乃が特濃キャラで素晴らしかったですけど、本公演ではもっとヒロインっぽい役作りだったんですね。宝塚の娘役らしく、これはこれで正解だなと感じました。そして今回もガッツリ悪役・美惨役の小桜ほのか。今回は娘役らしさを完全封印。声も悪役っぽく作っていて、素晴らしいですなぁ…。専科に行っても大活躍してくれることでしょう。
あとは小柳先生が頑張って役を捻出してはいるものの、とはいえ出番が少なく…。印象的なのは輝咲玲央のまさかのコウメ太夫と、ひろ香祐が安倍晴明で95期見送り係をやっていたのが印象に残ったくらいでしょうか?あとは稀惺かずとがちゃっかり4番手格の扱いなあたりに、さすが星組だなと感心したくらいです。
礼真琴よフォーエバー
とまぁ、色々と書きましたけれど、
令和のスーパースター・礼真琴最後の公演に相応しい内容だったんじゃないでしょうか?←
このまま何事もなく千秋楽を迎えられることを祈っております。
☆★☆★☆
ランキング参加始めました!!
ぜひポチっとお願いします↓↓
コメント
蒼太さん、素晴らしい席観劇感想ありがとうございます!
私は7月末にもう一度観劇予定ですが2階の後列でして、新しい双眼鏡10倍買いました笑笑
ところで暁さんのつばき嬢。詩ちゃんみますと娘役演じるつばきありだな、と思いますが。
劇団が暁さんに求めたのは 天海祐希さんリバイバル かな、と思ったんですよー。ダイナミックなつばきを見たくて(させたくて)暁さんにつばきさせたかったんかな、と思います。発声は男役まんまですけどビジュアルはつばきの理想像と思ってます。阿修羅城、宮沢りえつばき映画版、天海祐希つばきゲキシネを映像でみてまして、つばきは男役がやるのがいいなあと思いますー。。
礼真琴様はビジュアル、お芝居、歌、たて全て最高です!
卒業後劇団新感線含め舞台の真ん中で輝いて下さるといいなあって思います!!
舞空瞳さんは既に退団されていますが、舞空瞳でよかったよね?とはどういうことでしょうか?
先に退団することを選んだのは他でもない彼女なのだから決断を尊重しては。
どうも舞空さんのファンの中には退団を受け入れていない方が多いように感じます。博多でミーマイをされていたときの彼女の表情を見た時にこれは先に退団するだろうなと思いました。礼さんとの芝居で感じていた息苦しさを全く感じませんでした。ナウオンステージでもとても明るい表情で、礼さんといるときの神経質な対応とはまるで違いました。1789のステージドアなどはご覧になりましたか?礼さんに芝居を指摘された時の彼女の表情は明らかに萎縮してしまっていました。
彼女の退団理由を考察するに礼さんの相手役として強く認識されて終わるのが嫌だったのではと思います。だから自分が単独で輝けるよう添い遂げなかった。退団会見でもミーマイへの想いが礼さんとの作品より思い出に残っていると取れる風に語っていますしね。せめてものプライドですかね。もちろん長年組んだ相手役だし偉大なトップさんなので敬愛していたとは思いますよ。でも色々限界だったと思います。
まあ「あなたの感想ですよね」と切り捨てられてしまえばそれまでの意見ですが。長々と失礼しました。
はい、あなたの感想ですよね、と切り捨てたいところですけど私も結局感想でしかないのですが…。大前提としてトップはコンビであるべき、ましてちえねねをフォロワーにしていたことなこですから、スター人生的に添い遂げはマストだったと思います。結果的に舞空さん退団後に決まっていた舞台作品があったわけでもないから、華さんのような理由でもない。ってことは結局逃げられたんですよね、劇団(と礼さん)は。私は舞空さんが萎縮し過ぎて可哀想、自分だけが輝きたかった、色々と限界だった、とは感じてませんけど、もしそうだったなら劇団(と礼さん)はきちんとフォローすべきでした。
長期を張ったのに相手役不在でたった一人の卒業って、やはり寂しいですもの…。
つばきを2番手男役がやる必要があったというよりも、もし舞空さんがつばきをやったとしたら暁さんが邪空役となり、極美くんの役が毘沙門になるでしょうけどそこまで役を小さくできなかったのかなと思いました。天飛くん、ショーでは活躍してましたが阿修羅城では常に稀惺くんとニコイチでしたし、ここに極美くんを当てるのは厳しいだろうなあと。だからといって、安倍晴明役をやらせるのも違うでしょうし。コロナや事件や礼さんのコンディション調整などで予定されてたラインナップが変更された可能性も高いと感じています。大人の事情で話し合いでこうなったのかなと。
はい、全く同じことを思ってましたが、けどそれは結果論な気がします。