愛が燃える夜・星組『阿修羅城の瞳』感想

 

礼真琴の退団公演『阿修羅城の瞳』を無事見届けることができました。

 

 

しかもなんと、一・桁・列・目!!

いやー、持つべきものはファンのツテですね。

星ファンである管理人様様でございます。←

まずは『阿修羅城の瞳』から、さっくり感想を書いていきます。

 

愛が燃える夜

 

まず大前提として、今回は日程の都合上、新人公演のライブ配信を先に観てからの観劇となりました。そして私は原作を観ておりませんし、内容も知りません。

そのうえで観た感想としては、これは宝塚の座付き演出家では絶対に生み出せない作品だろうな、ということです。wikiによると「いのうえ歌舞伎」と呼ばれるシリーズの演目のようで、まさしく日本古来の歌舞伎的な世界観。テーマは「女は男を愛すると阿修羅になる」、そして愛憎の果ての心中…。原作はとても長い作品のようですが、それを話の破綻なく、それでいて多くのキャストに役を振りながら1時間半にまとめた小柳先生の手腕は、さすがの一言。最初から最後まで、全力全開集中して観劇が出来ました。

…が。素晴らしい作品だったからこそツッコミたいところがあって、それは結局のところ、なんで闇のつばきを暁千星にやらせたんだろう?ということです。男女の愛憎がストーリーの肝なのに、私には出門とつばきに宿命のような愛が芽生えているように見えなかった。というか、そんなエピソードありました?特に今回はトップコンビなのではなく、トップと2番手という男役同士が紡ぐ物語だからこそ、もっとエピソードを積む必要があったんじゃないかと感じてしまったのです。

もっと言えば、別に男役だからこそ魅せる場面も特になかったわけで、単純に舞空瞳で良かったよね?トップコンビであればわざわざ恋模様を描かなくとも男女の仲に見えるし、心中というラストにピッタリな展開だし、そもそも名前が舞空「瞳」だし、色んな意味でピッタリじゃないですか。だけどそうしなかったのは、本作は男女の愛憎劇が趣旨ではなく、令和のトップオブトップ・礼真琴のサヨナラ公演であることの方が100倍大切だからなんでしょうね、きっと。

ま、私は若干しっくりきていないのは、先に新人公演を見てしまったからかもしれません。つばきを娘役が演じるだけで、自然と男女の愛憎が見えましたから。そして詩ちづるって結構頑張ってたんだな、と今更ながら評価を改めました。ごめんね、別格風味とか思ってしまって。←

ストーリーとしての説得力より、トップ退団公演という興行としての名誉を取った。男女の愛ではなく、礼真琴への愛の方が燃えている作品なのだな、というのが私の評価なんですけど、どうやら原作はもっとコメディ寄りなようですね…?じゃあこれでもだいぶ宝塚ナイズトしたというのであれば、小柳先生の手腕はやはり素晴らしいものなのかなと思います。

 

キャスト別さっくり感想

 

そんな主役の礼真琴は、もうこれでもかっ!!というくらいキレッキレで、本当に凄かったです。下手側の席だったんですけど、冒頭、せり上がりで出てきた礼真琴の美しいことよ…!!そして全体的にセリフがかった言い回しも、シリアスとコメディをいったりきたり出来る緩急のつけ方も、ふと見せるキメの表情やポーズも、とんでもない身体能力を生かした殺陣も、何もかもが素晴らしい!!これが最後だと覚悟している者だからこそ紡げる表現が、そしてそれを過不足無く表現出来る実力があるからこそ構築出来る舞台だなと思いました。ありがとう、礼真琴。

ヒロイン…なのか?闇のつばきを演じた暁千星、男役ですがよう頑張りました。特にビジュアル、もともと目が大きいタヌキ顔ですが、小顔&スタイルの影響もあり、シュッとした和装美女に大変身。特に阿修羅化したあとの姿は、神々しさすらありましたね。ただ、声がなぁ…まんま男役の発声で、え?みたいな戸惑いが正直ありまして。悪夢にうなされていやーーーーーーー!!みたいなところも、あー無理してるなぁみたいな気持ちが先に勝ってしまいました。とはいえ、次期トップの2番手男役が直前でヒロイン役をやるという劇団都合の配役なので致し方なし。

今回、一番の儲け役は、邪空を演じた極美慎でしょう。歌は確かにアレレでしたが許容範囲内で問題なし、それ以上に芝居が板についていて良かったし、一人のスターとして舞台を掌握するパワーがありました。「俺を見ろ!!!!!」という出門への歪んだ愛が、もうなんというブロマンス、婦女子はみんな大好きですよねこういうキャラ。これをまた出ていく極美慎に当ててあげるのが星組の優しさだよなぁ。飛躍前の当たり役を無事ゲットできて良かったですね。

娘2格は桜姫である詩ちづる。新公の乙華菜乃が特濃キャラで素晴らしかったですけど、本公演ではもっとヒロインっぽい役作りだったんですね。宝塚の娘役らしく、これはこれで正解だなと感じました。そして今回もガッツリ悪役・美惨役の小桜ほのか。今回は娘役らしさを完全封印。声も悪役っぽく作っていて、素晴らしいですなぁ…。専科に行っても大活躍してくれることでしょう。

あとは小柳先生が頑張って役を捻出してはいるものの、とはいえ出番が少なく…。印象的なのは輝咲玲央のまさかのコウメ太夫と、ひろ香祐が安倍晴明で95期見送り係をやっていたのが印象に残ったくらいでしょうか?あとは稀惺かずとがちゃっかり4番手格の扱いなあたりに、さすが星組だなと感心したくらいです。

 

礼真琴よフォーエバー

 

とまぁ、色々と書きましたけれど、

令和のスーパースター・礼真琴最後の公演に相応しい内容だったんじゃないでしょうか?←

このまま何事もなく千秋楽を迎えられることを祈っております。

 

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コメント

  1. トムヤムクン より:

    蒼太さん、素晴らしい席観劇感想ありがとうございます!
    私は7月末にもう一度観劇予定ですが2階の後列でして、新しい双眼鏡10倍買いました笑笑
    ところで暁さんのつばき嬢。詩ちゃんみますと娘役演じるつばきありだな、と思いますが。
    劇団が暁さんに求めたのは 天海祐希さんリバイバル かな、と思ったんですよー。ダイナミックなつばきを見たくて(させたくて)暁さんにつばきさせたかったんかな、と思います。発声は男役まんまですけどビジュアルはつばきの理想像と思ってます。阿修羅城、宮沢りえつばき映画版、天海祐希つばきゲキシネを映像でみてまして、つばきは男役がやるのがいいなあと思いますー。。
    礼真琴様はビジュアル、お芝居、歌、たて全て最高です!
    卒業後劇団新感線含め舞台の真ん中で輝いて下さるといいなあって思います!!

  2. スター より:

    舞空瞳さんは既に退団されていますが、舞空瞳でよかったよね?とはどういうことでしょうか?
    先に退団することを選んだのは他でもない彼女なのだから決断を尊重しては。
    どうも舞空さんのファンの中には退団を受け入れていない方が多いように感じます。博多でミーマイをされていたときの彼女の表情を見た時にこれは先に退団するだろうなと思いました。礼さんとの芝居で感じていた息苦しさを全く感じませんでした。ナウオンステージでもとても明るい表情で、礼さんといるときの神経質な対応とはまるで違いました。1789のステージドアなどはご覧になりましたか?礼さんに芝居を指摘された時の彼女の表情は明らかに萎縮してしまっていました。
    彼女の退団理由を考察するに礼さんの相手役として強く認識されて終わるのが嫌だったのではと思います。だから自分が単独で輝けるよう添い遂げなかった。退団会見でもミーマイへの想いが礼さんとの作品より思い出に残っていると取れる風に語っていますしね。せめてものプライドですかね。もちろん長年組んだ相手役だし偉大なトップさんなので敬愛していたとは思いますよ。でも色々限界だったと思います。
    まあ「あなたの感想ですよね」と切り捨てられてしまえばそれまでの意見ですが。長々と失礼しました。

    • masa 蒼汰 より:

      はい、あなたの感想ですよね、と切り捨てたいところですけど私も結局感想でしかないのですが…。大前提としてトップはコンビであるべき、ましてちえねねをフォロワーにしていたことなこですから、スター人生的に添い遂げはマストだったと思います。結果的に舞空さん退団後に決まっていた舞台作品があったわけでもないから、華さんのような理由でもない。ってことは結局逃げられたんですよね、劇団(と礼さん)は。私は舞空さんが萎縮し過ぎて可哀想、自分だけが輝きたかった、色々と限界だった、とは感じてませんけど、もしそうだったなら劇団(と礼さん)はきちんとフォローすべきでした。
      長期を張ったのに相手役不在でたった一人の卒業って、やはり寂しいですもの…。

  3. 匿名 より:

    つばきを2番手男役がやる必要があったというよりも、もし舞空さんがつばきをやったとしたら暁さんが邪空役となり、極美くんの役が毘沙門になるでしょうけどそこまで役を小さくできなかったのかなと思いました。天飛くん、ショーでは活躍してましたが阿修羅城では常に稀惺くんとニコイチでしたし、ここに極美くんを当てるのは厳しいだろうなあと。だからといって、安倍晴明役をやらせるのも違うでしょうし。コロナや事件や礼さんのコンディション調整などで予定されてたラインナップが変更された可能性も高いと感じています。大人の事情で話し合いでこうなったのかなと。

    • masa 蒼汰 より:

      はい、全く同じことを思ってましたが、けどそれは結果論な気がします。

  4. 超超ライトファン より:

     自分も、単なるわたくし的な感想ですが、舞空さんで良かったんじゃない?と思いました。役は一人分足りなくなりますが、元ネタでかなりの時間を取っていたけれどナシになった役や、安倍晴明や座長はもっとエピソードがあったので(※予習派です)、それならそれで何とかしたと思います。
     劇団側としては10作添い遂げ(か最低でも舞空9作・礼10作)の予定だったでしょうね。9作目阿修羅城の次、お約束のあて書き作品で退団と。そうでなければ異例の「休養」を認めた理由がわかりません。
     あの事件のため公演間隔が伸び、礼さんの別箱1回+本劇場1回の莫大な売り上げを逃したのは、事件が起こる前に対策できなかった劇団側の大ミスだと思います。
     礼さんは根本的にかなり正直な人という印象で、それ故、歌・ダンスと比べて演技が?という人もいると思うのです。宝塚というのは基本自分が自分らしくいることが許されない団体であるので、正直な人には苦しいでしょう。
     舞空さんに逃げられ、礼さんにも逃げられて、劇団側はもうちょっとうまくできなかったのかしらね、と思う今現在です。

  5. こむぎ より:

    舞空さんのサヨナラショーと礼さんのサヨナラショーをそれぞれ配信にて拝見しましたが、「こういう終わりもアリだよね」と素直に感じました。
    この二人に限らず朝月さんと彩風さん、そして夢白さんと添い遂げでなく一人ずつ旅立ってゆく組もあれば、異例の添い遂げ退団となった柚香さんと星風さんの例もありますし、生徒さんたちがそれぞれ固定観念(ファンからの願望なども含む)にとらわれずに卒業してゆかれる時代になったのかなぁと解釈していました……(ビジネスなので実際には契約期間などもおありでしょうが)

    かく言うわたしも礼さんと舞空さんは添い遂げなさると思っていましたが、それぞれのサヨナラショーを拝見して「あぁこの二人はこれで良かったんだ」と納得できたので、逃げられた、捨てられたという表現がちょっとしっくりこないのは感じ方の違いなんだろうなと思います。
    舞台に立つだけが人生ではないので、あのタイミングで卒業されることが舞空さんのベストであり、111周年を見届けて卒業されることが礼さんのベストなのだと思います。

    暁さんのつばきについては、タカニュの小柳先生と新感線の中島さん・いのうえさんとの対談を拝見した際に「次期トップスターの男役さんがやることでカタルシスが生まれる」というようなことを新感線側のお二人のどちらかがおっしゃっていたような……?
    ながら見だったのではっきりと覚えていないのが申し訳ないのですが、暁さんから礼さんへの熱視線は画面越しからでも伝わってきたので「阿修羅城の瞳」は今の星組で演れる素晴らしい布陣だったのではないかと個人的には感じました。
    (大劇場楽のお花渡しの際、暁さんが礼さんに「愛してます」と囁いたのがまだ目に焼きついているので、暁つばきと礼出門が良い仲なのもそのあたりで納得しちゃってるのかもしれませんが……)

  6. ちるちる より:

    いつも楽しみに拝読しております。
    大劇場で観劇しましたが感じていた違和感?を言葉にしてくださっていて膝を打ちました。
    まぁ、大劇場の観劇時芸能事務所の方と思しき方が大勢いらしてたので礼さんのプロモーション的な意味合いも今作にはあるのかもしれません。
    礼さんの相手役は正直どなたでも難しかったろうな、と思います。舞空さんは必死に頑張ってよく務められたと思います。ただ舞空さんから見ると他のトップさんと組めば舞空さんの希望される宝塚的な作品のヒロインがもっとできたかなぁとファンとしては思いますし、そのことは礼さんも認めておられますね。
    話が逸れましたが東京千秋楽まで完走されることを祈っております。

  7. もんこ より:

    こんにちは。いつも楽しく読ませていただいています。
    私も、大人な事情がありながら?も、礼さんと舞空さんが添い遂げ退団でないことを残念に思っています。
    今公演をムラで1回観劇、素晴らしい出来であるのは認めながらも、だいぶ原作から短縮されているせいなのか、主役2人の恋の盛り上がりの必然性があまり感じられず、東京公演前に上映されたゲキシネ版の原作を観て、もっと肉感的で、激しく哀しい物語であることに感じ入るとともに、宝塚版に焼き直すには娘役さんがつばきを演じるのは厳しそう(新人公演の詩さんは拝見してないのですが)と思いました。
    ゲキシネ版のラストシーンでの幻のつばきは赤子を抱いていますし、阿修羅城での決戦前の出門セリフ「手練手管でいかせてやらぁ、あの世へな」の「あの世へな」は宝塚オリジナルの付け足し、つばきが出門の膝に乗るのはそういう姿勢で死ぬ前に仰け反る という男女の愛憎がもっと深くて切ない感じで。
    東京公演もなんとか1回観劇し、暁さんにはもっとお芝居を深めてほしい気もしますし、敬愛する礼さんへの気持ちがリンクしたような今の阿修羅と出門の描かれ方も、礼さん退団公演には相応しいのかなとも思い。
    舞空さんの先の退団の理由にはちっともなりませんが、宝塚版のこの配役にしっくりきている私です。

  8. マーガレット より:

    あまりにも意外でしたので、とてもお久しぶりにコメントさせていただきます。
    蒼汰さん、実際に観劇なされば、つばきは舞空瞳さんで良かったとか、逃げられたとか、今まで言っていらした発言は全面撤回なさるだろうと思っていたので、ご覧になってもまだそう思われたということにただ驚いています。
    私は実際に観劇してみて(劇団☆新感線の天海祐希バージョンは映像で観ました)、つばき/阿修羅役は男役が正解、今回はありちゃんで大正解だと思いました。観劇した友人達も口を揃えてそう言っていますよ。
    阿修羅という鬼の王に転生した時の迫力、娘役では全く出せないです。
    新公は配信での視聴だったということで、印象が違うのかもしれませんが、詩ちづるのつばきは町娘の時は可憐でしたが、阿修羅としては華奢でちっちゃすぎて、大階段での決戦は小さな女の子が刀を振り回しているだけという感じで、「鬼の王」と「鬼殺しの出門」との決戦の見せ場としての迫力ゼロ。コレじゃない感満載でした。演技は頑張っていましたが、物理的インパクトが弱すぎて、鬼の王にはまるで見えませんでした。
    この物語はフツーの人間の生身の男女の愛の物語ではなく、人と鬼の壮絶な恋なのであって、娘役がつばきをやると、ただの人間の男女の恋の物語になっちゃうんですよ。宮沢りえがつばきをやった映画版はまさにそれでした。やっぱり鬼になるつばきは男役で正解なのだと思います。ありちゃんつばき、天海祐希に劣らぬ迫力があって、天晴れだと思います。私は舞台を観て、劇団はつばきはありちゃんにやらせると最初から決めていたのだと思いました。相手役ができないのだから、舞空瞳は先に辞めたねと納得しかなかったです。

    • masa 蒼汰 より:

      「娘役がつばきをやると、ただの人間の男女の恋の物語になっちゃう」に、なるほどと凄くしっくりきました。そして、宝塚とは基本的に男女の愛憎劇が主たるものである、という固定観念が私にはどうしてもあって、それよりも『阿修羅城の瞳』の「ただの人間の男女の恋の物語ではない」を優先したがゆえの本作・本体制なのだな、ということを改めて認識しました。それが良い、悪いは人それぞれだと思いますが、私は礼真琴&舞空瞳であればただの人間の男女の恋の物語ではない、それ以上の『阿修羅城の瞳』を描けたと思っちゃうんですけどねぇ…。

  9. より:

    人事的なことはよくわからないし、熱量も皆さんとはレベチ落ちですが…
    悪い印象を持たなかった舞台にあまりにも…と初コメします。
    (☆彡は、毎回直観劇するほど、推しではないですw)

    娘役を極めたお相手と最後を飾れなかったことは、トップさんとしてそんなに嘆く程でもない素晴らしい舞台だったと思います。むしろ、コレを見せる為には、運命的なマイナスだったのでは?と納得しました。

    憧れと評される古き良きカップル芸を踏襲しなかったからこそ、魅せつけられた完成図…令和へのアップデートに素直に拍手しましたよ。
    暑苦しくて苦手だな…と、今までは正直思っていたので、自分の感想に驚いたくらいです。
    ま!劇場でも、文句たらたらが耳に良く入りました!
    前娘役トップさんを惜しんでいるようで、最善を演じている目の前の生徒さんへの応援はどうしたよ?卒業された方の前途も、どうでもな方が多いのか…うすら寒っと、色々消去した残念な帰り道を思い出しました。
    『これで、正解。悔いなし』と、走り切って貰いたいです。

  10. 大雪 より:

    記憶、ティアラ、舞空サヨナラショーからの礼サヨナラショーと、「同時退団ではない添い遂げ退団」の理想形を見せてもらっているとは思いますが、やはり単独退団は寂しいという気持ちはなくせませんね。
    勝手な想像ですが、舞空の退団には例の悲劇が影響した気がしています。当事者とは1期違い、妹さんとは同期ですから。舞空自身、添い遂げ退団への理想があったにも関わらず、退団を決意したことにはそれだけ大きな理由があったのかと。
    タカラジェンヌ、しかもトップでいることのモチベーション維持は、やはり大変なことだと感じています。何か一つが欠けても、難しいのかと。
    今は、礼の退団公演を最後まで応援したいです。

  11. アライグマ より:

    観劇者によって、こんなにも異なるものかと、改めて驚いています。

    もっとも、私の友人で他の組のファンからは、4月に宝塚で観劇後、プロローグが一番素晴らしく、後はじり貧、暁さんは最後の二番手なのにもったいない、出番が少ない、存在感がないと言われました。

    一方で、舞台はよく見てるが宝塚にはあまり詳しくない人から、ダブル主演だとおもったというか、本当の主役は椿であり、阿修羅だと思うと言われ、さらに、つばきが次期トップの男役であると説明したら、驚いていました。すごいトップ娘役だと思ったとの感想。

    かくいう私は、大満足の感想です。

    暁さんのファンでありながら、ここまで自然体で、妖艶だけど儚い印象をも与える娘役を演じることができるとは想像していなかった。(暁さん、ごめんなさい。)当初は、邪空をやってほしかったのですが、観劇して、暁さんの当たり役だと感じています。

    そして、礼さんとの関係から言えば、正直に言って、(赤と黒は好きでしたが、)私は、これまで、礼さんの芝居に完全に魅了されたという経験がなかったのです。
    歌は異次元、ダンスにも魅了されたのですが、芝居では男役という範疇では、なんとなくワンパターンの印象。それが、この出門に関しては、礼さんの動きだけでなく、何よりセリフに、惚れてしまうという場面が多々。礼さんの男役の集大成だと思います(戦うシーンもですが、なにげないセリフのやりとり、「俺はここにいるよ。」ラストの「なんだ」なんて、なんとかっこいいことか。)
    そして、最後の戦いのシーンも含め、礼出門がめちゃくちゃ、格好いい、ほんとうに渋い、イイ男になっていることへ、暁つばきがかなり貢献したと感じています。

    舞空さんとの関係でいえば、ショーでは最高の組み合わせでした。これ以上のスキルの二人はいないと思います。ただ、お芝居について言えば、舞空さんのお芝居で一番好きなのはミーマイでした。のびのびしていたし、等身大の彼女だった。
    母親役とか、人妻役、女王という役は、少し、彼女のニンとは異なっていなのではないか。

    最後に、エスペラントについては、やはり、舞空さんの不在をとても寂しく感じました。いくら礼さんとは言え、一人だけでというのは、盛り上がりに欠ける。(退団公演だからという以上に、ショーとして。)

    難しいですねえ。
    まあ、いろいろな感想があるということで書かせていただきました。ご不快に思われる方もいるかと思いますがご容赦ください。

  12. May より:

    蒼汰様のご感想、お待ちしておりました!!
    色々なご意見がありますね。コメ欄も含め、大変興味深く、考えさせられます。
    舞空瞳さん退団後はめっきり足が遠のいてしまい、、、ですが、ここで、共感するご意見も多く拝読しました。
    礼さんは三拍子揃った素晴らしいミュージカルスターですが、歌と踊りが突出しすぎていて、演技力が過小評価される傾向にある気がします。ケチをつけられるのがそこくらいしかないとも言えますが。演技も破綻なくしっかりこなしていると思います。
    ビジュアル・作画の相性、ダンス、という長所に特化してマッチングした相手役でしたが、舞空さんのハマり役はハンナのお花屋さん、当たり役はミーマイのサリーなんですよね。ジュリエットはニンでしたしオランプも悪くなかったけれど、女海賊とか既婚者とかエチオピア王女とかは大変だったでしょうね。
    礼さんは宝塚の枠を超えた逸材であるからこそ、誰と組んでもベストマッチは難しかったんじゃないでしょうか。赤と黒だけだから有沙さんが生きたり、阿修羅だけだから暁さんが生きたりするのであって。望海さんと真彩さんのような化学反応がいつでもどこでも起きるわけではないし。礼さんと舞空さんの間には、部活の先輩後輩的な、チームメイトの絆がしっかりあったと感じています。
    娘役さんたちを楽しみに宝塚を見ている身としては、トップ娘役不在はやっぱり寂しいものです。
    礼さんも最終日まで元気にお怪我なく、悔いのない完全燃焼で駆け抜けていかれるよう願っています。

  13. ここなっつ より:

    劇団はあの天海祐希の役を次期トップスターであり、月組出身の暁千星がやる!というところを押し出したいのかなと思いました。
    私は暁ファンでありながら、舞空つばきも見たかったですけどね。暁さんの男役ならではの迫力はさすがとしか言いようがありませんが、舞空さんなら娘役さんと言えども、迫力あるつばきを見せていただけたと思いますし、何より出門との恋模様がもっともっと濃く見られただろうなと。
    礼さんと舞空さんのゴールはたしかに単独退団としてはこれ以上ないものを見せていただいていると思いますし、これで良かったんだなと思う反面、どうしてもここまできて添い遂げじゃないのは寂しさが残ります

  14. より:

    観劇のご感想記事をありがとうございます。人事予想もですが、蒼汰さんの感想もいつも楽しみです。

    記事もコメント欄も人それぞれ色々な感想があって、面白いと言っては不謹慎でしょうか?

    私は観劇後にこれは最初から暁さんにつばきをさせてトップ前に弾みをつける前提だったのだな、なのでこの演目が決まった時点で舞空さんがその一作前に辞めることは劇団が決めていたに違いない(従って単なるビジネスや契約の問題なので一部のファンの言う逃げたの見捨てたのという話ではない)と感じました。
    男女の情愛が主題ではないとも感じたので余計にでしょうか?

    ただ様々に感じられる方がいらっしゃるのは理解しますし、それだけ人気のあるスターや演目なのだとも思います。好きの反対は無関心ですから、議論を呼ぶだけの関心を集めている星組さんの人気がそれだけすごいということでしょう。

    元々新⭐︎感線がお好きだという礼さんにも、見せ場たっぷりでトップ就任に弾みをつけた暁さんにも、そして組替前に大きな役の餞をもらった極美さんにも、この先それぞれの場所で幸あれと願います。

  15. ピースメイカー より:

    こんにちは。

    前情報なく宝塚歌劇の公演として、新人公演(椿=娘役)の方を先に観ると、このような感想になるのかなあと思いました。

    舞空瞳先行単独退団&礼真琴やもめ退団の本人の心情&劇団の事情こそ、個人の感想や想像に各々の願望を投影してるに過ぎないので言い争っても不毛。

    ただ、宝塚史上男役を含めても最も高い身体能力を有するジェンヌの1人の舞空が闇の椿を演ったら、それはそれで面白い椿だったかもしれません。だってあのコンビ、恋愛沙汰よりダンスバトルが得意でしょ?

    • masa 蒼汰 より:

      おっしゃる通り。確かに、その抜群の身体能力を生かした闇のつばきって単純に観てみたいかもです。