月組『グレート・ギャツビー』新人公演感想

 

月組『グレート・ギャツビー』新人公演をライブ配信で観ました!!

まずは無事、舞台の幕が開いて良かったです。

 

まだ本公演の感想を書いていないのですが(実はもう2回見てます)

先に新公から書いていこうと思います。

 

月組『グレート・ギャツビー』新人公演感想

ジェイ・ギャツビー:彩海せら

 

2度目にしてラスト、そして組替え後初の主演という、

とんでもないプレッシャーであっただろう、102期生の彩海せら。

 

彼女の凄いところは、本役コピー力だと思います。

『CITY HUNTER』新人公演ではまんま朝美絢だったし、

『壬生義士伝』新人公演では、あの学年で望海風斗感があった。

 

そして今回、乱痴気パーティーの階段での最初の登場から、

まんま月城かなとでした。…良くも悪くも。

そう、そこまで似させる必要有るのか?と言いたくなる程、まんま。

 

座った目をして、顎が少しシャクレ気味で、

正直、彩海せらの良さが出ていないのでは?と心配になったのですが、

中盤あたりから彩海らしさが出たギャツビーになり、少しホッとしました。

 

月城ギャツビーにくらべ、だいぶピュアといいますか、

「若いなぁ」「背伸びしてるなぁ」と微笑ましくなってしまう、

ワルに染まり切っていないギャツビー像で、面白かったです。

 

そして何より、一番凄かったのはその歌唱力でしょう!!

もともと歌が上手い方でしたが、

伸びやかで聞き心地が良くウットリしてしまうほど…相当練習しましたね。

これで次期トップ候補生の中の歌ウマ枠に、無事名乗りを挙げられそうです。

 

デイジー・ブキャナン:きよら羽龍

 

104期生筆頭にして2度目の新公ヒロインとなったきよら羽龍。

相変わらずの美声、まろやかな歌唱力が本当に素晴らしかったです。

 

以前に比べるとだいぶ芝居からクセが抜けてきましたが、

(美園さくらのDNAを感じますね)

それでもやっぱり少しクセ気味ですよね…むむむ。

 

とはいえ、滲み出てしまうヒロイン感はさすが!!

海乃デイジーとはまた違う、

本当の意味での気まぐれ箱入り娘感があって良かったです。

 

 

トム・ブキャナン:七城雅

 

スター揃いの105期生の中で、一番最初に2番手格を取った七城雅。

なるほどビックリ、これは上手い!!

 

最初はバチクソ緊張してましたけれど、

アメリカ貴族の歌を歌い終わったあたりから緊張感が抜けて来て、

声も通るし芝居もいける、歌もいける、ダンスもいける、なるほど逸材です。

 

鳳月トムとは全く違うカラーでしたが、

「ニックと大学の友人」という設定を今更ながら思い出させてくれる、

学年相応な役作りが逆に良かったと思います。

 

鳳月トムってギャツビーを裏社会の人間とディスっても

「お前の方が裏社会顔だろ!!」とツッコみたくなるのですが、笑

七城トムは、不動産営業2年目の元体育会系24歳みたいな、

そりゃ浮気もしますよね体力余ってますし?という謎のリアリティがありました。

 

ニック・キャラウェイ:瑠皇りあ

 

期待の103期生より瑠皇りあ。

彼女もなるほど上手い、し、隠しきれない美形感が凄い。笑

寝ぐせヘアーが逆に美形を際立たせるなんて思いもしませんでした。

 

カットの都合上、あまり歌っていなかった気がしますが、

やはり芝居は月組育ち、滑舌は前半甘かったですが中盤から調整してきて、

観客目線の一般人役として見事舞台を支えていたと思います。

 

103期ラスチャン組に名乗りを挙げている彼女、

たぶんこのまま主演は果たせるんじゃないかなーというキラキラ感でした。

次の新人公演に期待が高まります!!

 

その他キャスト感想

 

ここからはサックリいきます。

 

ジョーダン・ベイカー役は蘭世惠翔。

カットの都合上だーいぶ割りを食い、出番は少なめ。

相変わらずの美形ですが、年齢設定が少し上過ぎたような…?

 

マートル・ウィルソン役は白河りり。

逆にカットの都合上、完全なる娘2感がありましたね。

歌も上手いしやり過ぎアバズレ感もちょうど良かったです。

 

ジュディ・フェイ役は花妃舞音。

あの少ない出番できっちり「芝居上手」感を出してくるのが流石です。

可愛らしくてヒロイン感がありましたねー。

 

マイヤー・ウルフシェイム役は大楠てら。

スカステで意気込みを熱く語っていましたが、

雰囲気のある良い芝居でしたし、彩海&瑠皇との身長差にも萌えました。笑

地声が高いからか、歌は少し苦戦気味だったかなぁ。

 

ラウル役は107期の天つ風朱李。

え、上手いんですけど????!!!!

独特な顔立ちだから画面で見ていて一発で分かるし、芝居の口当たりも良い。

何より歌も上手くてビックリ!!おやおや新スターの誕生ですかね?

 

で、その同期にして初詣ポスターの一輝翔琉は、

今回モブ枠を回している感じで2度ビックリ。

おやおや、ここの107期路線レースは気になるところですぞ。

 

ジョージ・ウィルソン役は真弘蓮。

『Rain on Neptune』から気になっていた彼女、上級生枠で抜群に上手い!!

ジョージの悲哀が良く出ていましたし、

年齢設定的にも白河マートルと相性良くて良かったです。

 

また、大楠マイヤー率いるスーツ男の場面では、

ここぞとばかりにバチバチにキメまくっていてカッコ良かったです!!

新公主演辿り着けると良いですねぇ…。

 

新人公演の演出に物申す

 

と こ ろ で 。

1本物の新人公演は時間の都合上、色々とカットされるわけですが、

今回の演出、全体的に酷くなかったですか???

 

ニックとジョーダンの関係やニックの楽屋訪問、「女の子はバカな方が良い」ソング、

最後の夫婦同士&ニックとギャツビーの会話のやりとりなど、

物語の格となる場面がことごとくカット。

(一番煽りを喰ったのは記者役の彩路ゆりかでしょう…同期は主演リーチなのに。)

これじゃあ「男の悲哀の物語」になってないぜよ…。

 

まぁ、新人公演が潰れまくっている関係で、

出演者が多い場面を極力残し経験を積ませたようにも感じられて、

それはそれで計算してるなとも思うのですが、

一応舞台作品ですからねぇ…うーん、もう少しどうにかならなかったものか。

 

演出的にはアレですが、月組生たちはさすがの芝居力、

そして主要4役が歌えるので実に見応えのある新人公演でした。

月組生たちのこれからのさらなる飛躍に期待です!!

 

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コメント

  1. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    彩海さんの完コピの才能、上手すぎて、かえって「これで路線確定だね!」とは確信しづらいのがなんとも・・・上手すぎると便利に使われ、美味しい別格路線になった方はたくさんいますね。

    田淵先生のカットは、個人的にゴルフのシーンが無駄に長かったように思います。ゴルフシーンを削って、事故後の夫婦のシーンと「君こそグレートだ」は入れてほしかったです。タイトルに関わりますし。

    「バカな女の子になってやる!」シーンは、海乃さんのギャッビーには必要ですが、羽龍さんの気まぐれ箱入り娘ディジーキャラ的に無くても良いかなと思いました。

  2. はる より:

    彩海さんのギャッビーが気になりすぎて配信見てしまいました。
    いや、あみちゃん凄い!少年役や年相応な役が多かった子がよくぞここまで、、。涙
    低い声もちゃんと出るし、あの安定感。
    経験を積んで更に磨きをかけて行って下さい。
    魅力的な男役になる事間違いなし!
    噂のきよらさんもデイジーって難しい役だと思うのにお上手でした〜。

    月組の若手は勉強不足で今一つわかってないのですが、ようやく新人公演がやれた喜びが伝わってきました。

    やれて本当によかった!!観られて良かったです!

    余談ですが、初演を観ていたので初演に近いのかなと感じました〜。

  3. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、興味深く拝見しております。
    上手でしたね~。そっくりに仕上げるって、研究と稽古の成果なんでしょうね。そうゆうところが、彩海さんらしいのかもしれないです。
    この先、バウ主演・オリジナル作品を担う事になれば、彩海さんの個性が押し出されるやもしれません。
    歌、良かったなぁ。

    瑠皇さんは、亜音さん・希波さんに続く103期第3の男なのかな…。
    全ツと別箱、何とか生観劇したいです(チケット確保に手を尽くす日々)。
    月組の未来もまた、楽しみでなりませんね。

  4. たんごろう より:

    本公演を見ていないのに、ラッキー友人のおかげで生まれて初めての新人公演を生で見て来ました。

    私の大好きななあみちゃんは、壬生義士伝といい、今回といい、ホントに模倣上手。
    一瞬、月城さんが舞台にいるのかと見まがうほど。

    でも私としては、
    だいもんや月城さんという、
    あんな素晴らしい方々の模倣ができるのだからやはり舞台技術は相当なものだと改めて思いました。

    何より蒼汰さんも仰っていましたが、歌の上達度が半端なく、
    人の心を揺さぶる揺らぎのある歌声が劇場を包んで、聞いているだけで涙が出てきました。
    挨拶も誠実で、私ももらい泣き。

    そして、月組下級生の皆さんの
    芝居上手&歌上手の多さに驚きましたー。

    昨年の博多座で初めて魅力に気づいた
    瑠皇りあさんもあんなにお芝居が上手だったとは!(美声なので歌ってほしかったー)

    きよらさん、真白さん、七城さんはじめ、お顔とお名前が印象的だった天ツ風さんもダンスも歌もホントに上手でびっくりでした。

    未来の月組を見るのがますます楽しみになってきました。

    劇場ロビーにはイケコ先生、理事長もいらして
    噂には聞いていましたが
    客席に月組上級生がゾロゾロ•••
    そしてその横の一般席に、ありちゃんまで登場!

    ありちゃん、月組生に笑顔で会釈しておられましたが、退場は一般客と一緒で
    あまりのカッコ良さに卒倒しそうでした。

    新人公演とは、改めて学びの場でもあることを痛感したのでした。

    それにしても•••

    新人公演のレベルを超えていると思えるような素晴らしい舞台でした。

    長々と失礼しました。

    蒼汰さんのリポート、ホントに楽しんでいます。これからもよろしくお願いいたします。