宝塚とコロナについて本気で考えてみた。

 

新型コロナウイルスが蔓延する直前の2020年1月、

私は初めて宝塚大劇場で『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』を観劇。

その数週間後に、私的旅行でロシアへと旅立ちました。

 

帰国した後に管理人と話していたのは、

「もしかしたら2年くらいは海外行けないかもね」ということ。

まさかあれから事態が改善するどころか、

日を追うごとに悪化するとは夢にも思いませんでした。

 

当ブログは、一つのエンタメとして読者の方々に楽しんで頂きたく、

これまで敢えて政治的な内容や思想について触れて来ませんでしたが、

本日は「宝塚とコロナ」について、本気出して考えていこうと思います。

 

宝塚と相性が悪すぎるコロナ

 

「まさかここまで事態が悪化するとは…」

と、宝塚歌劇団側も思っているのではないでしょうか?

 

2021年は大劇場での公演を年8回に絞り、

急な公演中止でも上演期間が取れるよう配慮していましたが、

今年2022年より年9回公演へと再調整済み。

 

さらに全国ツアー公演を今年後半に3本回し、

2年に1度の『宝塚舞踊会』も復活。

きっとタカラヅカスペシャルの上演も画策していたことでしょう。

 

ところが、いまだコロナで公演が止まるし『宝塚舞踊会』も中止。

このままでは海外ミュージカル公演なんて、夢のまた夢でしょう。

まさに誤算だったと言わざるを得ません。

 

そもそも、宝塚ほどコロナと相性の悪いエンタメ事業はありません。

1度に70人以上の人間が舞台に上がり歌い踊るだけでなく、

出演者の中には寮生、つまり組を跨いだ集団生活者が居るし、

若手は新人公演のために、先輩の所作を見つめ続けなければなりません。

 

もしかしたら上演出来ないかもしれない舞台のために、

必死に努力をし続けることの虚しさは、想像を絶するものがあります。

果たしてこの状況を改善する手立ては無いのでしょうか…?

 

難し過ぎるコロナ対策

 

あまりに相次ぐ舞台の上演中止に、

ファンからのリスケ要望論をSNSでたまに見かけますが、

現実的にそれは厳しいと思います。

 

宝塚は5つの組が代わる代わる上演するスケジュールで日程を組んでいますから、

どこかが潰れたからといってそれを再調整するのは、

コロナ改善の兆しが無い限り、ハッキリ言って無謀です。

 

そもそも、トップスターの任期や新人公演時代というのは限りあるもの。

それを後ろに倒すということは、いずれしわ寄せが来る、

すなわち誰かの任期や作品を削るということになり、

「今が良ければいいのか?」という話になりかねません。

 

そしてもう1つ過激な意見として、

国や事業団体が規定したルールを無視して上演してしまおう、

という声も聞こえますが…まぁ論外ですよね。

 

例えばこれが、個人が主催する小劇場、オケ、発表会などなら良いでしょう。

ですが宝塚歌劇団はオリンピックや大阪万博にもいっちょ噛みする、

すなわち国や自治体と密接に関わる興行団体です。

 

政府の指針を丸無視するコンプラインス違反なことを出来るわけもなく、

むしろ国を代表して品行方正にルールを守らねばならず、

それが結果的に首を絞めていることになったとしても、仕方の無いことなのです。

 

つまり、国がコロナに対する基準を変えなければ、

宝塚歌劇団が従来のかたちには戻ることは一生無いと断言出来るでしょう。

だからこそ劇団も、これまで低予算公演でやり過ごしてきましたが、

見る側の気持ちとしては、そろそろ限界かもしれません。

 

宝塚歌劇団が死守しているもの

 

じゃあ劇団は何もしていないのかと聞かれたら、そんなことはありません。

今、劇団が死守しているもの、それは千秋楽公演です。

 

その理由は2つ。

1つは現在の劇団の大きな収入源であるライブ配信事業のためです。

千秋楽公演1つで多大なる収益が出るならば、

企業側として絶対にここを死守するのは当然の行いでしょう。

 

また、2次的活用としてスカイステージでの放送や、

普段は日程の途中で行う円盤収録の、最悪な事態を想定しての確保など、

副次的なものに繋がっています。

 

そしてもう1つは、きちんと退団者を見送ること。

そしてトップスターが挨拶し、一つの公演が終了したと、

観客にきちんと飲み込ませる儀式的なものを行うためです。

 

感傷的な話だと思われるかもしれませんが、

けどこの一区切りがとても重要で、

これが無いとファンの哀しみは露頭に迷うことになります。

(例:『アウグストゥス』、夏の『ODYSSEY』、『カルト・ワイン』)

 

花組『巡礼の年』の東京公演は、千秋楽公演を除きほどんとが中止となりました。

逆に言えば、絶対に千秋楽公演を上演しなければと計画し、

無事その幕が開いたとも言え、おかげでなんとかライブ配信が行われ、

退団者たちも旅立つことが出来ました。

 

そして星組全国ツアー公演『モンテ・クリスト伯』では、

7名休演という多大なる犠牲を払いながらも千秋楽公演に辿り着きました。

これまでタカラジェンヌをすれみ色のヴェールで守ってきた劇団ですが、

これも一つの大きな決断でしょう。

 

私たちファンが出来ることは、仮に今後似たようなことが起きたとして、

誰が休演しようと「モラルが足りない」などと批判するような、

品位のカケラも無いようなことをするべきではない、ということです。

 

いつまで耐え忍べるか、宝塚。

 

花の命は短い、同じくスター人生もまた短いです。

舞台人が限りある人生を悔いなく生きるためには、

あるいは関係者たちが安心して舞台製作に務められるようなるには、

国がコロナに対する基準を変えなければ、どうしようもありません。

 

よって私は、新型コロナウイルス感染症の

感染症法上の位置付けの一日も早い見直しを強く求めています。

 

そして宝塚歌劇団には、企業としての使命を限りなく果たしていると、

一定の評価をしたいと思っています、が、

ファンの心がついていけるかどうかは、また別の話です。

 

これまで、戦争が起ころうと、震災が起ころうと、

潰えることなく必ず復活してきた宝塚歌劇団。

先が見えぬ状況は本当に苦しいと思いますが、

それでも支え続けて来たファンがいることを信じて、

これからも走り続けて欲しいです。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. ずんだもち より:

    お考え、賛同します。
    ブロードウェイはマスクなし、ワクチン接種証明も必要なくなったようです。日本とは医療体制が違うのでしょうか。
    法令遵守するのは当然です。コロナ禍初期「ワンス~」を上演していたことで、宝塚は世間からフルボッコにされました。法令違反したと知れたら、劇団の存続に関わります。
    私だってつらいです。「カルト・ワイン」が私にとってまぼろしとなったと知ったときは、ショックでポスカレ以外のずんちゃんの写真は、全て見えないようにしてしまいました。
    でも!リスケして再演することで、後々、下級生にツケを回すことになるとしたら!それは絶対あってはならないことです。
     メッセージ動画、バウや新公の配信、3番手以下の生徒の主演作の円盤化等、劇団はファンの要求によく応えてくれていると思います。
    でもいつまで耐えられるのか?劇団が縮小されたりしないか不安です。
    “何があっても、もう時間は止めない”という劇団の方針も、私は支持します。

  2. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    劇場で過ごす4時間弱の空間は、昔も今もかわりなく私にとっては馴染みでもあり、夢の世界でもあります。

    この状況下で、限りあるタカラジェンヌさんの、このひと
    ときにかける情熱と緊迫感が以前にも増していて、胸に迫ると共に時には痛むこともあります。
    無観客での千秋楽配信で卒団された瀬戸さんの挨拶は、今も心に残っています。

    公演をやる、なら、行く、その為にチケットを取る、時間も作る、親族も連れていく、その姿勢でこれからも応援してゆくのみです。
    あと、祈願巡りも…(結局、他力本願となってる)。

  3. すいかの種 より:

    蒼太様
    勇気ある記事の公表ありがとうございました。
    今回松戸公演の後、代役による相模大野公演も観劇が叶いました。
    人数不足の印象はありましたが、代役とは思えない生徒さん達の技術、パワー全開、エネルギーみなぎる星組の舞台を観ることができ感激しました(涙)。

    私も国がコロナの基準を変えない限り、感染者が出れば歌劇団の休演は続くと思います。しかし「検討する」を繰り返し、挙句何もしない政府ですので、それはまだ難しいでしょう。

    歌劇団はどんな状況でも上手に舵取りをして100年以上継続してきました。
    今回もその舵取りのひとつなのでしょう。
    星組はかなり思い切った代役公演でしたが、元々急なケガや病気に備えて代役を立てての稽古もしているようです。

    「花の命は短く宝塚の生徒には期限がある」本当にその通りです。生徒はものすごい競争率の試験をくぐり抜け、劇団に入ってからも努力し続け、実力を身につけています。
    でも良い役にも恵まれず、実力を発揮できないまま卒業した生徒さんも沢山いますよね?
    代役システムにより、そういう生徒の救済にもなりますし、士気も上がるでしょう。

    命を削って初日に向かって稽古に励んでいるのに、舞台が上がらなければ落胆します。それが続けば早期卒業もあり得ます。劇団としては何としても阻止したいですよね。

    星組相模大野公演は「コロナが何だ!負けてたまるか!」と生徒が一丸となって息づいていました。舞台に立てている喜びを感じました。
    「舞台人は舞台に立ててなんぼ」です。だからこそ、今回の歌劇団の舵取りに大いにエールを送りたいと思います。

    この暗い時代に宝塚ファンで良かったと何度思った事でしょう。
    がんばれ、宝塚歌劇団!愛してるよ!

  4. はる より:

    同意します!
    2年前のように罹った人が全ての悪。みたいな捉え方ではなくなってきてます。代役を立てての公演再開に劇団は舵を切ったなと思いました。
    公演をやるリスクとやらないリスク。
    上手くバランスを取らないとこの長丁場、劇団は乗り切れないとなったら我々ファンも困ります。
    宝塚、頑張れ〜!!

  5. おかず より:

    こんにちは。
    今回の星組公演で、劇団の決意を感じたような気がしました。ずんだもちさんのコメントにもありましたが、ワンスの時に世間からたたかれていましたが、宝塚歌劇団は政府の要請に従って休演、公演再開と繰り返していたはずです。なんなら、宝塚以上にたたかれてもおかしくないような公演もあったかと思います。それだけ宝塚がメジャーなんだということなんでしょうが、とてもモヤモヤした気持ちでいた記憶があります。
    今は、どんなに対策をしてもコロナに罹るような感じです。個人的な話しですが、長男の入院していた病院でもクラスターが出ました。どんなに気を付けている医療従事者でも罹ってしまうのです。私はジェンヌさんに自覚が足りない。などの批判は絶対出来ません。私は地方住みでなかなか劇場で観劇はできません。いつか生観劇する日まで、劇団を信じて応援していきたいと思います。
    長文で、内容もとっちらかってしまい申し訳ないです。