前回の雪組『Fire Fever!』感想編に続き、
本日は『CITY HUNTER』感想編に参ります。
雪組『CITY HUNTER』初見感想
まず、大前提で言いますと、
私は『CITY HUNTER』を読んだことがなく、
本作品に関する知識がなーんにもありません。
で、今回は敢えて事前予習せず観に行きました。
なぜなら今までの経験上、事前予習をすると「なんでこうしたんだ!!」と
我ながら勝手に怒り狂うことが多かったから。笑
その結果、普通に面白かったです、けど、
私が雪組贔屓で全組子をきちんと認識出来るから面白かった、
という部分も正直あるかもしれません…。(小声)
話は、大女優・宇都宮乙の息子である小林豊の捜索と、
日本に亡命したグジャマラ王国の王女・アルマの護衛、
という2つの依頼を縦軸に、実はこれらが複雑に絡み合っていて…という感じ。
正直、どこまでが原作準拠の話なのか分かっていないのですが、
大風呂敷を広げ切ったまま話がまとまらないこともなく、
複雑過ぎて観客置いてけぼりにすることもなく、綺麗に収まっていたと思います。
味方の裏切りや敵が味方で、というのも少年漫画的で面白かったですし、
育ての父との別離、親子の再生、亡き兄の復讐、本当の相棒とは?などなど、
家族の絆が裏テーマ的に匂わせる展開も良かった。
ヒロインが全くヒロインしてませんけど、笑
最後は「俺の相棒はお前だけだ」的なオチでしたし、
お披露目公演としての役割も充分果たしてたんじゃないかな。
要は軽快なワチャワチャコメディ
…と、小難しいことを書きましたが、
この作品はあまり深く考えちゃいけないものかなと思ったり。
たくさんの登場人物による軽快なワチャワチャコメディ、それだけ。
あとは一種のコスチューム作品なので、
冴羽が、香が、ミックが、槇村が、海坊主が、
それぞれ「らしく」かつ「カッコ良く」そこに居たらオッケー、みたいな?
確かに、昭和と平成の狭間の空気感が上滑りしている雰囲気もありましたが、
要はそんなノリが楽しめるかどうかかな、と思います。
ハンマーも、セクハラも、都合の良い自白剤も、実に昭和的だし、
話の筋もツッコミどころが多い。
けど深く考えちゃいけない、だってギャク作品だから!!(真顔)
特に前任・望海風斗のキャラ的に重苦しい世界観の作品が続いていましたから、
こういう軽快な、俗世に近い作品だってやっちゃうんですよ、
という意味では実に有意義な公演だと思います。
なので今からご覧になられるという方には、
とりあえずノリを楽しんでください、と言いたいですね。笑
ツッコミどころを書き出してみる
とはいえ、やはり話の筋的に「ん?」と思うところや、
「これは原作ファン的にアリなのかな?」と思う点もありました。
一番は、やっぱり香が銃を撃ったところかなぁ。
原作だと冴羽は香に人殺しをさせないよう、
終始気を遣ってたんですよね?(ということだけ他の方の感想を読んで知っていた。)
私は特に思い入れもなく見ていたので、
「なるほどー、復讐を果たす感じね」と見流してましたが、
原作に思い入れがあったら超激怒するだろうな、と思いました。
そういう意味では予習しなくて我ながら正解だったのかもしれません…。
むしろ私は、一般人が銃を撃って始末して、
その後その死体はどうするんだ?というのが気になりましたけどね。笑
しかも警察に囲まれてるわけだし?捕まりません?っていう。
他にも、育ての父である海原を見限る理由が薄いな、とか、
冴羽が香にブチ切れるの唐突だな、とか、
そもそも香はクリスマスの日までどこで何してたの?とか、
よーーーく考えてみるとツッコミどころが多い。
けど深く考えちゃいけない、だってギャク作品だから!!(2度目)
そ ん な こ と よ り も 。
私は齋藤先生に物申したいことがあります。
それは映像演出における静止画がダサ過ぎません?ってこと。
なんであんなマネキンみたいな、躍動感の無いものばっかり選ぶかな!!
意図的に昭和っぽさを演出した?
嘘つけ!!『I AM FROM AUSTRIA』もダサかったぞ!!笑
映像を凝って使うのも齋藤作品の特徴のようなので、
そのあたりのセンスをもう少し磨いて欲しいなと思ったのでした。
あ、オープニングは超カッコ良かったですけどね。
原作絵とキャストが疾走感溢れる感じでパパパと紹介されるヤツ、
アニメみたいでテンション爆上がり!!
もしかしてそこがピーク?というのは禁句ですよ、えぇ。
普通に面白かったですよ、って話。
あとは、槇村よりも海坊主よりも、
実は彩海せら演じる小林豊のが出番が多くめちゃめちゃ美味しいし、
ヒロイン差し置いて冴羽とキスしちゃう
夢白あや演じるアルマのがヒロインっぽいという事態が発生していましたね。
とはいえこの2人は、ドラマで言うところのゲスト出演ですので、
出番が多くて美味しいのは仕方なく、
槇村、海坊主、野上冴子、ついでに政と冬野葉子の出番を必死に膨らまして
番手的にバランスを上手に取ろうとしてるなと感心したのでした。
そういえば幽霊槇村をスケバン高校生・竜神さやか(花束)だけが見えてる、
という小芝居が面白かったですね。
全編通して「光源氏作戦」って繰り返し言われてたので、
もしかして何かのフラグなの…?!とドキドキしたのは秘密です。笑
また、今回はSHISHAMOの宮崎朝子氏の楽曲提供があったのですが、
宝塚らしからぬ雰囲気が良い意味で異質で素敵でした。
そんなわけで雪組『CITY HUNTER』は、
私は普通に楽しめましたよ、という感想でした。
今のご時世、こういう頭空っぽに楽しむ作品も良いかな、という感じ。
キャラものなのでキャスト別感想をガッツリ書きたいのですが、
はてさて、何人になることやら…。ってことで続く!!
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コメント
蒼汰さん
大劇場で観ました。想像以上にバタバタ騒々しく、女性陣はケンカ口調だしドンパチ多すぎな印象でしたが、旗揚げ公演はこれくらいドーン‼️で良いと思いました。彩風さんイケメンでカッコイイ!僚ちゃん女の子触りまくるの巻のノリが良かった。トップがトップらしく見え、芝居もショーもトップの求心力があって、あーさも負けないぞ!新生雪組超熱くて見ていて元気になります。
私も原作まったく知らず、シティハンターって聞いたことなかったので原作の世界観は無視して、宝塚版のみで楽しみました。世代的に昭和感もツボでしたが、ひとつだけ言えば沙月さん、最後の公演でずっとこんなん出ましたばかりはちょっと酷いなと。
蒼汰様
雪組は雪だけど熱い!蒼汰さんの感想レポを楽しく拝読中。キャスト別を楽しみにしているのですが、齋藤先生の漫画的映像演出に、あーわかる!と、コメント参入しました。
IAFA の時は、待ち時間もマンガちっくな二人がお茶してる絵があと何分とお知らせ‥‥違うことにお金かけてほしい‥‥心の声。
望海さんのコンサートもスターをアップにして映してくれるのはありがたい。しかし、コメディを漫画的映像にて演出。。舞台を普段のショーとは180度変えるならない仕方ないか、と受け入れたけど、嘘だー、前にも、やってたじゃん、と全く同じセルフ突っ込みをしてました。
観劇スケジュールを演出の先生で考えるという傾向は、最近あるあるです。
実を言うと、雪組のルパン3世や、伯爵令嬢、好きでした〜。あの頃は行きたくても行かれず、何度もDVD でリピートしてました。あの頃、なんでこうなるのストレス知らずでした。
蒼汰様
いつも楽しみに拝読しております。光源氏と言えばアイドルの光GENJIがローラースケートで走りながら「ようこそ♪ここへ 遊ぼよ パラダイス」を思い出す世代の地方民です(笑)
個人的に喫茶キャッツアイで、海坊主と美樹の関係を唐突に「光源氏作戦」と言い出すのは、当時の流行の反映か、
あるいは、冴羽リョウは南米のジャングルでゲリラ部隊に育てられた成育歴なのに、日本の古典文学の光源氏と若紫の関係を知っているほどの教養があるって何者!とリョウの底知れなさを示すシーンなのかな?と思ったり。
原作のシティハンターは子供の頃リアルタイムでアニメを見ていましたが、育ての親との対峙云々はたぶん原作連載の打ち切りが決まって、急遽連載したのかな?アニメ化はされていないエピソードらしいので、今回そこを取り上げてくれたのは興味深かったです。
そして最近、私の趣味趣向(ガタイのいい男が好きなところとか、個人ブログ上で出てくる某人格が香っぽいところとか)を振り返るに、
シティハンターは私の人格形成に多大な影響を及ぼした作品だったのかも、と思います。
いつも楽しく拝見しております。
主人公がカッコよくて、仲間も個性的で、とにかく楽しい作品ですね。
80年代のギャル(?)を、雪娘達が皆、可愛らしく再現していて、その頃のファッションなど、つい思い出してしまって(笑)。
望海さんと真綾さんが、トップ就任当初に、常に雪組らしさを心がけているかのようで、ご自身のカラーが埋もれてしまうかと心配な時もありました。
今回、御曹司の彩風さんが時組でと主演男役に就任し、元々根っこにある雪カラーと、歴代トップさんから吸収してきたものを、いかんなく発揮されるんだろう、と思います。
とにかく、カッコいい!彩風さん、朝美さん、縣さん、外してはならない、まなはるさん‼️劔会の面々も。別の角度から、叶さんも。
CITY・HUNTERの空気感を、楽曲に救われているようなところもありましたが、新生雪組は、とにかくカッコいいんです!
彩風さんの光源氏って、惹かれますね~。フラグかも?って、さすが、着眼点が凄いです。雪組~、どっせい‼️
作中にも何度か名前だけ出てきたエンジェルダストという麻薬。これは筋力増強的要素がありまして、銃で撃たれても動けるレベルの超人になれます。しかし中毒性が高く、だいたい廃人になっちゃうという代物。
傭兵時代、敗戦目前でとち狂った海原は少年兵の冴羽にこれを投与。その少年冴羽が壊滅させた相手が海坊主の部隊です。海坊主はサングラスをかけていますが、これは冴羽との戦闘により負傷し視力が落ちた(後に失明)からです。禁断症状に苦しむ冴羽を治療し救ったのが、当時は軍医をしていた教授です。冴羽が作中でもサラッと俺を救ってくれたとか言ってますね。
…という因縁が全部カットされてるので、割とあっさり海原撃つように見えちゃってるわけです。女優関連全部削ってこっち深掘りしたほうが、作品としてはまとまったでしょうね。
ちなみに眞ノ宮演じる北尾、原作では槇村そっくりという設定があります。新公ではその槇村を眞ノ宮が演じるという…原作を知っているとニヤリとするようなニクイ演出になっています。齋藤先生は本当にシティーハンターが大好きなのだなあと感じました。
はじめまして。
City Hunterの原作とテレビアニメの大ファンです。一方、宝塚は全くの初心者で前提知識ほぼゼロで公演を見てきました。(雪組公演だということしか知らずに観るという無謀)
原作とテレビアニメ版をうまく融合させて、バブル期の雰囲気を出しまくった演出だなと思いました。キャツアイまで出してきてたのには大笑い。ショルダーフォンにボディコン衣装、「こんなん出ましたけど〜」のセリフなどもなかなか笑えました。杜けあきさんが雪組公演のベルばらの主演だという看板が劇中のセット(というか映像)に出てきていたのも面白かったですよ。確かに、香にジェネラルを撃たせたのは違いましたが。
冴子役の彩みちるさんの美脚に平伏しそうになり、朝美絢さんのイケメンぶりに目を見張り、トップスターすごい!と手足の長〜い彩風咲奈さんに感動した舞台でした。
昨日のショー、本日のお芝居とどちらも楽しく拝読しました。
私も先日観劇してきましたが、席がこれでも友会か?と疑いたくなるような端っこだったせいか、セリフが聞き取りにくく(私の耳が悪いのか)でも開演前にプログラムを読んでいたので、なんとかストーリーは付いていけました(苦笑)
シティハンターは、名前だけは知っていましたが、読んだことはありませんでしたが、蒼汰さんがおっしゃるように深く考えないで楽しもう!と思いました^^
でも登場人物が多くても、なんだかんだ楽しめたのは、雪組生の役創りの賜物ではないかなと。ちなみに今回やっと彩海せらと夢白あやをしっかり確認できました。
トップが変わるとこうも雰囲気が変わるか!といい意味で思わせてくれました(雪組ファンなので)個人的には新生雪組の方が好みかも^^ あーさの2番手羽にも感涙でした。
CITY HUNTERをジャンプで読んで、アニメもリアルで視てました
ついでにいうとTMも好きでした
なので、割と初っ端でGetWildを咲ちゃんが歌い出して
えっ、もう終わり⁉︎と頭がバグりました(^_^;)
ほんの少しでしたけど、アニメ初期のOP曲『愛よ消えないで』や
GetWildの次だったでしょうか?ED曲『STILL LOVE HER』まで
サイトー先生のCITY HUNTER愛はよーく分かりました
しかし、ここまでやるなら、申し訳ないですが、
SHISHAMOの方からの曲提供は要らなかったんじゃ?
他の方も仰っておられるように、原作とアニメの要素をうまーく
宝塚に乗せたなあと思いました
気楽に楽しめました
私は宝塚で上演される事を知って3巻くらいを読んだ俄かなので普通に楽しめましたが(ちょっと詰め込み過ぎな気はしますが)、40代以上のお姉様方の評判が軒並み悪いのにはびっくりしました。バブルにいい思い出ばかりじゃないんですかね?
今回知り合いの知り合いの方が入っている会からチケット余ってて買いませんか?というような連絡が来て、こんな事8年くらい沼に浸かって以来初めてなのでびっくりしています。
蒼汰さん、こんにちは。本日のマチネを見てきました。
予習せずに見ましたが、結構面白かったですね。
ストーリーはドタバタでもちゃんと最後回収できてましたし、
何より役が多くて、「雪組は人財の宝庫です!」と言う、トップから若手に至るまでしっかり押し出しているなぁと言う印象を受けました。
路線はもちろん、眞ノ宮るい、星加梨杏の100期コンビも結構目立ってた気がします。
蒼汰さんも仰ってましたが、彩海せらくんが美味しい役どころでしたね。少年からの脱却と言う感じが役と演技と年次と相まってとても良かったです。
あーさの二番手も盤石、さききわあーさのサンコイチで売るのかな、いい組体制だなと思いました。
新生月組に力を入れようと思っていたのですが、雪も通い詰めたくなりました。