『ほんものの魔法使』を予習したよ・あらすじと感想編

 

朝美絢による東上主演が決まった『ほんものの魔法使』。

予習しようと思ったものの、この本どうやら入手困難なようで。

 

amazonでは30万円以上の値がついており、

もういいやーと予習を諦めていたところ、

コメント欄にて「図書館で借りられるようですよ」との助言が。

(アドバイスをくれた皆さんありがとうございます‼︎)

 

なるほど、その手があったか!!

ということでさっそく近所の図書館に行き調べたところ、

既に4人が予約待ちでした。すごいぜ宝塚ファン!!笑

 

そこから待つこと1ヶ月半、ようやく自分の手元に届きまして、

1週間かけてじっくり読ませて頂きました。

 

今日はそのあらすじと感想をまとめていきます。

 

『ほんものの魔法使』あらすじ

 

で、あらすじなんですけど。

うーん、これって最後までネタバレしちゃったらつまらないかなぁ?

 

『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』みたいに

アマプラ等ですぐに見られる映画と違って、

入手困難な本の内容だからこそ

秘密のヴェールに包んどきたいみたいな意図があるんですかね?

(まぁあらすじを検索したら出てきちゃう世の中なんですけど。笑)

 

というわけで、物語の核心には触れないよう

プログラムに載る程度プラスαのあらすじを自己流でまとめてみました。

 

とはいえガッツリネタバレしていますので、

読む方はそのあたり自己判断で以下のタブを押してください。

 

蒼汰流あらすじを読む

魔法の都・マジェイア。「魔法」とは、本当の魔法の使い手のことではなく、手品のことである。魔術師(手品師)たちは自分たちの技術が盗まれないよう、町に高い壁を作り部外者の出入りを禁じ、また魔術師名匠組合(ギルド)を作り、ごく限られた人にしかその称号を与えなかった。ある日、アダムと名乗る若者がマジェイアにやって来る。喋る犬・モプシーを連れた彼は、ギルドに加入したいと思い試験を受けにやって来たという。その日は年に一度行われる加入試験の予選日だったのだ。

アダムが町を歩いていると、ジェインという少女に出会う。彼女はこの町の市長にして、魔術師ギルドの統領であるロベールを父に持ち、自身も魔術師になることを夢見ていた。しかし女の子だからという理由で魔術師になることを許されず、父と母は出来の悪い兄・ピーターをえこひいきばかり。この日も兄の失敗を自分のせいにされ、部屋に閉じ込められ泣いていたのであった。アダムは杖から白いバラを出現させジェインに差し出し「自分の助手にならないか?」と声をかける。試験を受けるためには一人、女の子の助手をつけなければいけない決まりになっていたのだ。ジェインは承諾し、二人と一匹は試験会場へ向かった。

試験は13人の偉大なる魔術師の前で、一人一人「魔法」を披露しなければならなかった。1人3度しか受験が出来ず、最終試験に残れるのは8人。合格出来るのは3人と決まっていた。アダムたちは会場でニニアンという魔術師と知り合う。ニニアンは出来の悪い魔術師で、2年連続で試験に失敗。この日が試験を受けられるラストチャンスなのだが、プレッシャーに押しつぶされ、すっかりアガっていた。同情したアダムはニニアンの手品をこっそり手伝い、彼は最終試験に進むことが出来た。

アダム自身は卵を使った鮮やかな「魔法」を披露すると、その素晴らしさに皆あっけにとられてしまった。からくりを知りたがる魔術師たちに、アダムは「ただの魔法です」と繰り返すばかり。彼は本物の魔法使なのではないかと心の内で訝しむ腹黒い魔術師・マルヴォリオを制し、審査員最年長であるアレクサンダー教授はアダムを褒め称え、最終試験に進むことを認めた。

その夜、審査員の1人でもあったロベール市長は、アダムを自宅に招き晩餐会を開いた。試験で披露した魔術のからくりを自分にだけ教えてもらおうと目論んだのだ。しかしここでも、アダムはただの魔法だと答えるだけ。その夜、ロベール宅に泊まることになったアダムが部屋で寛いでいると、真上の部屋から糸電話が落ちてきた。持ち主は、ジェイン。晩餐会に現れなかった彼女の話を聞くと、父から魔術のカラクリを教えるよう言われるも答えられず、腹を立てた父にまた部屋に閉じ込められてしまったのだと言う。私にだけカラクリを教えて欲しいと懇願するも、アダムの答えは変わらないのであった。

翌朝、ジェインはアダム、モプシー、ニニアンを連れピクニックに出かける。ジェインはロベールから魔術について聞き出すよう指示されており、兄のピーターも後ろから追いかけていたのだが、彼はアダムの魔法によって蜂に襲われ帰宅してしまう。見晴らしの良い素敵な丘での昼食後、モプシーとニニアンが昼寝をしてしまうと、ジェインはまた魔術のからくりを教えるようアダムに迫った。ほんものの魔法使など存在しないと話すジェインに向かって、アダムはその「ほんものの魔法」の摂理について話し始める…。

一方その頃マジェイアでは、マルヴォリオが魔術師たちと密談をしていた。もしアダムがほんものの魔法使であれば、自分たちの仕事が無くなってしまう。マルヴォリオの腹心たちは、ニニアンとモプシーを拉致し、真実を話させようと画策する。そして町の公会堂には、一般公開される最終試験を楽しみにした町中の人たちが集まっていた。凄い魔術師が現れた、いやほんものの魔法使かもしれない、そんな噂を口々にして―――。

 

以上、蒼汰流解釈によるあらすじでした。

ここまででちょうど3/5くらいですかね?

 

『ほんものの魔法使』感想

 

感想:いい話でした。(語彙力)

 

推測するに、英単語の「magic」が

「魔法」という意味と、「手品」という意味があって、

その齟齬から生まれている物語なのでしょう。

 

ほんものの魔法の摂理、そしてそれを踏まえての結末は、

実に王道かつ普遍的なテーマ。

 

確かにありきたりかもしれませんけれど、

それが魔法使に出会った少女の価値観の変容を通して描かれ、

また全編通しての写実的な表現が実に見事で、

説教臭くなく、読了後の爽快感が非常に良かったです。

 

さながら少女期のひとときの夢(淡い初恋)のようでありながら、

人の欲の汚さみたいな部分もありありと描かれていて、

この塩梅が、さすが海外産のファンタジー小説って感じ。

 

久しくこういう「小説」を手に取っていなかったのですが、

楽しくサクサク読み進められました。

 

さてさて、この魔術師の設定において

宝塚とリンクしている点がちょこちょこあるんです。

 

まず魔術師の正装が燕尾服に白タイなんですって。

宝塚じゃん!!

 

そして魔術師ギルド試験は1人が人生で3回しか受けられないんですって。

宝塚じゃん!!

 

よくもまぁこんな宝塚映えしそうな演目を探してきたなと思うと同時に、

物語にたくさん登場する手品を、

どう演出するのかというのも気になるところ。

 

主人公アダムは「若い魔法使」という設定だけれども

どこか掴みどころがなく達観視していて、

巻き込まれ系ではなく、人々を教え諭す展開なので

研13の朝美絢が演じるのにぴったりな役どころだと思います。

 

魔法使とはいえ、恰好は冒険者風で

赤髪、鹿革の服がどうなるのだろうと思っていたら

先行画像ではいい具合に表現されてて楽しみ100倍って感じです。

 

ヒロインが野々花ひまりというのもこれまたピッタリで、

可哀想な少女が、一人の青年と出会うことで成長していく過程が

彼女だからこそ上手く表現出来るのではないかなと思います。

 

朝美絢×野々花ひまりがジャスト過ぎて、

この2人が演じているのを想像しながら読んでしまいました。笑

 

気になった方は原作を読んでみると同時に、

ぜひ東上公演をご覧ください!!(謎の宣伝)

 

キャスト予想もしちゃおうかな

 

で、本題はキャスト予想だったんですけれども、

ここまで長くなったしまったので、次回に。

 

東上公演、楽しみですね!!

 

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コメント

  1. lulukumiclayton より:

    蒼汰さん

    いつも素晴らしいコメントのブログをありがとうございます。

    「ほんものの魔法使」の内容を具体的に載せていただきありがとうございます! 少し全容が見えて来たような、、、
    でも3/5の内容で、2/5はどうなるんだろう!!と
    ワクワク感と知りたーいとの葛藤です。笑

    こちらでオリジナル版を購入して読めば良いのでしょうが、、笑
    そこまでintoしていません、、、。 
    でも蒼汰さんのブログを読んで、買ってみようかなあ、、、と考え中です。笑

    本当にいつも的を得ていて、分かり易く、
    そしてほとんど同意できる内容のものばかりで、
    楽しく全て読ませていただいています。

    新しいコメントが待ち遠しい日々です。
    感謝

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!
      いやー本は高いですし借りるなり舞台を楽しみにされたらどうでしょう…いや本人が買うと決めたなら良いことだと思いますが…笑
      そう言って頂けて嬉しいです!これからもどうぞよろしくお願い致します。

  2. まりまり より:

    いつも楽しく拝読しております。
    あらすじ解説ありがとうございます!

    …めっちゃ面白そうですね!!
    あまりにも気になって、ウキウキと地元の図書館サイトでネット予約しちゃいました。
    私の地元では現時点で同士(ライバル?)がおりませんたので、市内の在庫2点フリーでした笑
    朝美絢イメージの妄想読書、めちゃくちゃ楽しみです♪

    読んだら観に行きたくなっちゃうだろうなぁ…

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      わわわ、ご予約されたんですねー。在庫有りとは羨ましい。笑
      意外と文量がありますし一昔前風の訳し方で最初は大変かもですが、慣れるとサクサク読めて楽しいですよ!!
      そうですよね…最悪LVがあるといいんですが。

      • こころ夫人 より:

        こんにちは。

        いつも学びの場を下さり、ありがとうごさいます。楽しく、拝見しております。

        いつでしたか、FNS歌謡祭出演の雪組さん達の中で、黒髪アーサをみつけ、すっかり宝塚ファンになった姪の(祖母→私→姪と引き継がれ、笑)、まさかの女役・キャロルで、一度は下降ぎみだった思いが、蒼汰/masa様のブログで、今回学習し、俄然、バウ公演のチケットを!と、乙女らしからぬ気合いと、夢うつつの中で、その日を待ちわびております。

        魔法にかけられているって、幸せ…かも。私も、もれなくです。

        • 蒼汰 蒼汰 より:

          コメントありがとうございます!!学びの場だなんて…恐縮です。
          姪子さんが朝美絢さんのファンなんですね!!バウホールのチケット当選されるといいですね…。
          これからもぜひ一緒に応援していきましょうとお伝えください。笑

  3. めー より:

    はじめまして!いつも楽しく拝読してます!

    県内の図書館に一冊のみだったのですが、予約して近所まで取り寄せて貰い読むことができました。こんなシステムがあったとは、勉強になりました。

    私も宝塚らしい部分もあり、朝美野々花で置き換えて読んだ時ぴったりくる作品だなと思いました。ただ本当手品はどうするのだろう…笑

    配役予想楽しみにしております。
    私はモプシーは彩がぴったりくると思いましたが…今モーツァルトで次は犬はどうなのかなと初心者ながらに思いました。でも彼女なら上手く演じてくれそうだなと!

    次の投稿も楽しみにしております!

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!実は私もはじめて図書館予約をしました。笑
      花を出すレベルなら手品練習で出来るかもですけれど、最後の頭上から〇を降らせるとかどうすんのって感じですよねー。
      私も彩さんはモプシーだと予想します!!女性役が少なすぎるので、モブよりか主人公の相棒役の方が全然良いですよねきっと。

  4. 12がつ より:

    わかりやすくまとめてくださってありがとうございます!
    買おうと思ったら高値になっていたので、私も図書館で借りました。
    子供向けの物語かと思いきや、人生観やジェンダーなど現代にもつながるお話でもあるところは、義経妖狐夢幻桜とも共通するような気がします。
    先行画像は想像とは違っていてオリジナリティが垣間見え、どんな風に演出されるのかますます期待が高まります!
    みんなが気になる犬はどうなるのか?
    そして最大の問題はチケットです!!
    劇場で観たいですよね!
    でも念のために、配信もして欲しいと思っています。
    配役予想も楽しみにしていますね!

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      私も子供向けだと思って読んだら思いのほか大人な話で良い意味でビックリしました!!
      現代ではなくファンタジーな世界設定も義経と似てますね。
      配信放送があること祈ってますが、絶対に絶対にチケットをゲットしてみせます!!

  5. さくら より:

    蒼汰様

    初めてお便り(?)させていただきます。
    いつも楽しく拝読させて頂いております。
    独特の切り口で、スカッとする言葉のチョイス、言い回しに、そうそう、それが言いたかったの、といつも納得しながら拝見しております。
    私は読ませて頂いているだけで十分満足、と思っておりましたが、今回はどうしてもどうしても(2回言ってみました)お礼を申し上げたくてペン(?)を取りました。
    ほんものの魔法使、の本を探しておりましたが見つからず、原作を読まずに観るしかないな、と諦めていましたが、図書館という手があるとお教えいただき、早速図書館に電話しましたら、文庫本なら9人待ち(どんだけ人気なんだ)、ハードカバーなら2人待ち、ということで、すぐにハードカバーの方を予約させて頂きました。これでどうにか公演までには間に合いそうです。5分の3まで読ませて頂いたら、どうしても5分の2も読みたくなりました。
    本当にありがとうございました。

    これからも蒼汰様の、冷静沈着でいて熱いコメントを楽しみにしております。
    頑張ってください。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      初めてのコメントありがとうございます!!
      自分も図書館で借りられる情報が聞けたおかげで予習が出来たので良かったです!!そしてそれが他の方にも伝わって…ブログの書き甲斐があったんでもんです。笑
      9人待ちって凄いですね…皆さんきっとお仲間なのでしょう。笑
      これからもどうぞよろしくお願い致します!!