王道こそ美しい・雪組『ODYSSEY』ACT2感想

 

書き始めたら想像以上に長くなってしまった、

雪組『ODYSSEY』感想編。

 

前回のACT1はジョニーテップ彩風咲奈率いる航海をモチーフに、

野口先生らしさ(つまり趣味全開)が全面に出ていましたが、

ACT2は宝塚的王道を全開に極めた演出だなと思いました。

 

ところで現在発売中の「TAKARAZUKA REVUE 2022」を読んだところ、

本作は「彩風咲奈のやりたいことを詰め込んだ」そうですから、

もしかしたら彼女自身の希望なのかもしれません。

 

そんな後半戦の感想編、さっくり参りたいと思います!!

前回同様、いつも以上にファン目線、かつ完全ネタバレなのでご注意下さい。

 

【ACT1編はコチラから】

雪組『ODYSSEY』ACT2感想

第1章:TRICOLORE WIND1 -ITALY-

 

ACT1と同じく、音彩唯の美し過ぎるソロからスタート。

彩風咲奈という芸名から「風の絵の具で絵(彩)を描こう」

からの「風の色は何色?」というテーマを打ち出すあたり、

野口先生って本当にポエミーね?(褒めてます)

 

そして幕開きから宝塚らしいレビュー感満載!!

星組『THE ENTERTAINER!』風の白と黒とゴールドの衣装で、

初っ端からテンション爆上がり!!

 

途中、中村B先生の銀橋祭りばりに、

若手から上級生まで3~6人組ずつくらいに分かれ歌いつなぐ場面があって

雪組ファンとしては胸アツでしたねー。

 

日和春磨率いるアンダー100期がフレッシュに歌ったかと思えば、

返す刀で久城&叶、透真&桜路が娘役を引き連れ上級生の圧を見せつけ、

トリはまさかの彩風咲奈のダルマ姿!!

 

すげええええええええええ足が長ぇぇぇぇぇえええええええええええ!!

出てきた瞬間、会場のほぼ全員がオペラグラスをスチャっと上げていて、

ファンの皆さんは正直だなと思った瞬間でした。笑

 

第2章:PURPLE WIND -VIENNA-

 

希々良うみ、有栖妃華、そして最下級生の白綺華(B日程は音彩唯)の、

歌唱選抜による夢々しいファンシーな舞台転換からスタートする、

岡田先生のモアダン風の軍服&ドレス祭り!!

 

やっぱり彩風咲奈には白軍服着せなきゃ!!

ってことで史上最強の着こなしを見せてくれています。

 

し、か、も。待ってました、朝美絢の軍服姿!!

やっと着せてくれて…ありがとう野口先生。(固い握手)

やっぱり似合う…最高過ぎる…。

 

そしてこのあたりで気付いたのですが、

今まで以上に朝月希和のビジュアルが極まってます。

いわゆる退団を決めた者が発光するアレですよ。

 

漫画に和物と、本公演で着せて貰えなかった、

ウエディング風の白い清楚ながらゴージャスなドレスを身にまとい、

彩風咲奈と踊る姿は感涙ものです。

 

あと、途中で華世京&野々花ひまりが組んで踊るのですが、

狭い足場と思えないダイナミックかつエレガントなダンスにも要注目です。

 

第3章:RED&WHITE WIND -JAPAN-

 

まず最初に言いましょう。

今回のベストアクトは音彩唯の「お祭りマンボ」です!!

 

これがたった4日間だけの代打登板なんて勿体な過ぎる!!

演歌をあそこまで宝塚風に歌いこなせる娘役が居ただろうか、いや、居る!!(反語)

 

しかもみんな、1番までだと思うでしょ?

違うんですよ上級生の寸劇従えてフルで歌っちゃうんですよ。

しかもしかも途中からどんどんテンポアップしていくの。

しかもしかもしかも後半、黒のシックなドレスに衣装替えして歌うもんだから、

私にゃあ八代亜紀の若い頃に見えてきたぜ??!!

 

ここだけで良いから映像化してくれ!!

と願っていたらスカステ初日映像で一瞬写ってて大歓喜!!笑

体感ですがこの公演で一番大きな拍手を貰っていた気がします。

 

さらにこれだけじゃ終わりません!!

後半戦は男役選抜メンバーによるアイドルごっこに続きます。

色合い含めボイメンにしか見えませんでしたが。笑

 

縣・眞ノ宮・華世のイツメンはもちろん、

背の高さとクールな雰囲気が光る星加、どんどんイケメン化する日和春磨、

実は顔イイよね稀羽りんと、リアルジャニーズ過ぎる聖海由侑、

この時だけ前髪変えてる?絢斗しおん、大抜擢ガムシャラ可愛い風雅奏、

みんな良いんだけど、何より叶ゆうりのパープル感が凄かったです。

意味が分からない?大丈夫、見 れ ば わ か り ま す 。

 

で、途中まで縣千センター?だと思ってたら、

後半からモーセの十戒ばりに中央から赤レンジャー・朝美絢の登場です。

そう、センターは遅れて最後に出るものですよね、分かります!!(圧)

 

第4章:YELLOW WIND -BRAZIL-

 

これまた宝塚でありがちなブラジリアンな場面なんです、が。

冒頭、見覚えが有るような無いようなな娘役が朗々と歌いだしてビックリ、

よく見ると久城あすやんけ!!君も女役やるんけ?!

 

からの、後光差す彩風咲奈のシルエットが浮かび上がるのですが、

スタイルが異次元過ぎて本気でバビるし、

「私も咲さんに負けてらんないわ!!」と言わんばかりに

朝月希和もゴージャスダルマ姿で登場。もうメチャクチャです。(褒めてます)

 

雪組のクンバンチェロという珍しい場面から、

次への転換を任されるのがACT2でも大活躍の眞ノ宮るい!!

笑っちゃうほどクサいわ、途中で白峰ゆりに踏んずけられるわで、

ある一定の性癖の人にめちゃめちゃ刺さる場面となっています。笑

 

第5章:TRICOLORE WIND2 -FRANCE-

 

フランスの俳優であるジェラール・フィリップの生涯になぞらえ、

彩風咲奈を色々といたぶろうのコーナー。(違)

 

元気で快活な『花咲ける騎士道』にはじまり、

メフィストフェレス朝美絢に誘惑される『悪魔の美しさ』

朝月希和と野々花ひまりの二股に揺れる『赤と黒』

女画家眞ノ宮るいと不遇の人生を送る『モンパルナスの灯』とまさに詰め合わせ。

 

なお、ストーリーテラーが縣千なのですが、こういう役回りをするあたり、

彼女もう立派な路線スターなんだなとしみじみしちゃいました。

 

第6章:SILVER WIND -CARIBBEAN-

 

さて、ここで突然アポロン様とセレネ様が再び登場し、

格好が相当ラフになったジョニーデップ彩風咲奈もご登板。

 

からの、突然のカリビアン場面が挿入。

内容から推察するに、どうやら御一考はカリブ海に漂着したらしい。

 

そう、ACT1のプログラムに海が6つしかなかったのって、

もしかして最後の海がこのカリブ海だからか、とようやく気付くわけです。

(公演解説を読んだら「カリブ海で消息を絶った」ってちゃんと書いてあったわ。)

 

そんな思い出の地にて、アポロン様とセレネ様も人間化し、

彩風ブルーム船長とともに帆先へ移動。

手を取りながら「これからの冒険、共に行こう!!」と誓い合うという、

胸アツシーンに繋がります。

 

あぁ、これがきちんとお披露目公演直後に上演されていたら、

まさに希望溢れる一場面になったんだろうなぁと思いを馳せずにはいられません。

 

第7章:GOLD WIND -FINAL-~第8章:ODYSSEY -GRAND PARADE-

 

そんな航海の果てにたどり着いたのが、

7つの風の絵の具で彩られた夢の園、宝塚!!

 

ってことでエトワールに見立てた音彩唯のソロ歌唱に始まり、

宝塚的なナンバーをみんなで順番に歌いながら、

プチ階段を降りていく演出がなされます。

 

なお、いわゆる階段降りメンバーは、

華世京&眞ノ宮るい→縣千&野々花ひまり→朝美絢→朝月希和→彩風咲奈

という感じ。まぁ妥当ですよね。

 

オーラスは朝美絢の歌唱に乗せ、改めて彩風咲奈&朝月希和のデュエダン。

これまでの中で最も夢々しい素敵なダンスだったと思います。

朝月希和が既に退団を発表していますから、余計に胸に来るものがありますね…。

 

見どころ盛りだくさんの『ODYSSEY』

 

いやー長かった、感想を書くのが。笑

2つの記事合わせ約6000文字、我ながら書き過ぎです。

 

総評としては、彩風咲奈率いる「ダンスの雪組」を全面に打ち出した、

最初から最後まで詰め込みまくりの特盛レビュー公演だったと思います。

外箱公演は下の学年が活躍するから、組ファンとしては面白く見られますね。

 

後半から合流する美穂圭子バージョンも、今から非常に楽しみです!!

そんなわけで皆さん、ライブ配信を見ましょう!!(宣伝)

 

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コメント

  1. あやこ より:

    あー、乗組員ソウタ氏、幸せそうに沈没していった笑。
    来月に美穂ver.観劇予定なので、この観劇記録を副音声で脳内再生しながら楽しんできます。
    野口ショーって、ちゃんとバカバカしい場面もありながら、品がいいですよね。ジェンヌへのリスペクト、ファンに対する配慮が感じられる。
    と、ソウタ氏が7つの海に忘れてきた、演出家と構成の考察で締めくくりたいと思います。笑

  2. さくら より:

    いつも楽しく拝読しております。
    この度も、長々と詳しい感想、ありがとうございます。
    とても楽しく読ませて頂きました。

    階段降りメンバーですが、私が観た時は、縣さんは一人で、その前に、華世さん、ひまりちゃん、はいちゃんが三人で降りて来たと思うのですが、変わっていないですよね?

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      階段降りって最後の挨拶じゃなくて、細い階段を大階段に見立て宝塚の曲を歌いながら順番に降りてくるやつを指してます。確か眞ノ宮&華世でハロー宝塚、縣&野々花でボンジュール宝塚?を歌っていたような?

  3. えふ より:

    熱い感想読んでいて楽しかったです!
    この記事を拝見して配信見ようと思いました。

  4. ROSE より:

    蒼汰さん 初めまして。いつも楽しくブログ拝見しています。私は宝塚ファン研2でまだ知識も経験も浅いのですが、蒼汰さんのブログでたくさんの事が知れて感謝です!
    いつも面白い記事が多いですが、今日のODYSSEYのACT2は特に冴え渡っておられましたね~。思わず笑ってしまう表現がたくさんでとても楽しめました。LIVE配信が益々楽しみになりました!ありがとうございました。

  5. まんだはん より:

    2幕頭のColors of the windはディズニーのポカホンタスの主題歌ですね!
    彩風の名前にピッタリすぎる選曲でまるで当て書きかのようでした
    10年前のコラボCDでは雪組の透水さらさが歌ってましたが音彩さんも甲乙つけがたいくらいよかったです!
    是非円盤化してほしいですね〜

  6. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    一度は難破しかけた白雪号の無事出航に、安堵と涙で、固形物
    暫くは記事が読み終えられまにせん…。
    どうか、これからも予期せぬ波涛を、乗り越え、やり過ごし、時に遠回りになろうとも、進んでゆかれますように。雪男と雪娘は、吹雪も何のその。
    どっせい、雪組!

  7. mi より:

    はじめまして。今日観て来ましたが感想を拝見して新たに場面が蘇ってきました。凄くよくわかり易くて感謝感謝です!ありがとうございました。

  8. わたがし より:

    叶ゆうりのパープル感…見れば分かりました、と言うかもうパープルすぎて目が離せませんでした(笑)
    当初観劇予定ではなかったのですが、ブログを拝見して見たくなり、急遽観劇へ。ブロックのおかげでとても楽しめました!ありがとうございました!!