残酷な現実だけれども、人には「旬」というものが有ります。
それは舞台人やアイドルだけでなく、
学者にもスポーツ選手にも、そして一般人である私たちにも。
その中で、宝塚におけるスターの旬とはいつ頃を指すのでしょう?
人によって見解が分かれると思うのですが、
あくまで私が思うタカラジェンヌの旬論について語りたいと思います。
娘役スターの旬はいつ頃か
まず先に、娘役のスターの旬について。
結論から言うと、私は研5~研7くらいだと思っています。
男役10年という言葉がある通り、
娘役10年という言葉があっても良いのではないか。
最近の中堅&上級生娘役抜擢ブームの中で、
そんな価値観についてもとてもよく分かるのですが、
個人的にはあまり賛同していません。
なぜなら、研7を過ぎると娘役としてよりも、
女性としての舞台技術が極まることで、
キラキラヒロインを演じるには薹が立っているように見えるからです。
(スミレコードですが演ずるヒロイン像と実年齢が離れていくという問題も…。)
例えば100期生の星風まどか。
就任時はおぼこい娘っ子という印象がありましたが、
『アクアヴィーテ!!』あたりから貫禄が出てきましたよね。
(もちろん舞台人としては頼もしい限りですが。)
それは同期である音くり寿のオクタヴィアや、天彩峰里の礼奈&他万喜も同様。
娘役として確かな技術で素晴らしかったけれども、
ヒロイン属性からは少しばかり外れたところでの活躍だと思います。
同じ大人な女性を演じても、今だと研6・潤花のニーナ、
研5・夢白あやオリンピア(ヒロインじゃないけど)の方が、
キラキラヒロイン感が出てるように感じます。
ですから、過去の宝塚人事においても、
トップ就任後に旬が来るよう調整されていると考えれば、
研4~研6にトップ娘役の就任が多い理由がよく分かります。
同時に、学年が低いからこそ表現出来るキラキラ感と、
学年が上がることで表現出来るようになる娘役芸の、
バランスを調整するのが難しいんだろうなぁとも思います。
例えば仙名彩世は、ある程度の任期を経て、
円熟期を迎えた明日海りおが相手役だからこそ成り立った芸風であって、
いかに芸達者な彼女にも、純情可憐なヒロインを演じるのは無理でしたし、
劇団側もはなから求めることをしなかった。(からこそメリーベルは華優希になった。)
そんなわけで、学年が上がってしまうと薹が立つけれども、
若くして就任すると「なんでお前が」と叩かれるという矛盾…。
もちろん就任時から実力がしっかりしている娘役が
トップに立てれば良いのですが、
残念ながら世の中そう上手くはいきません。
相手役であり舞台人の先輩であるトップスターが、
教え導き成長する、という体で、
娘役としての旬を迎えるのがトップ娘役の理想型かなと私は思います。
男役スターの旬はいつ頃か
続いて、男役スターの旬について。
こちらも結論から言うと、私は研12~研15くらいだと思っています。
男役10年という言葉が指す通り、
舞台人として性差を超える技巧を極めるには、一定の年月が必要です。
ピチピチだった年ごろの女性たちが
男役として顔つきがぐっとシャープになるのは、
やはり芸歴10年を超えてくるあたり。
それは同時に、新公学年を卒業しても劇団を卒業しないという覚悟を決め、
舞台人としての壁にぶつかりながら長所と短所を知り、
自身が思い描く男役像を少しずつ体現出来てくるのが、
研12を過ぎてからあたりかな、と思うのです。
逆に、研16を過ぎると、タカラジェンヌらしいキラキラよりも
萎れた魅力が全面に出てくる印象があります。
アダルティな男役として、これはこれで魅力的ですけれど、
フレッシュな若い男性像が演じられなくなるのが難しいところ。
なのでトップとしては研14あたりまでに就任し、
前半はキラキラな芸風で売って
後半にかけて大人な魅力で勝負していくというコースが理想かなと思います。
ちなみに2021年時点で研12~研15と言えば、93期~96期あたり。
この学年は今がまさに花盛り期ですよね。
そして以前、トップスターとトップ娘役の学年差で
7学年~9学年差が多いと書きましたが、
男役の旬が研12~研15くらいで
娘役の旬が研5~研7くらいだと考えたら、まさにピッタリ。
最近はトップ娘役の就任学年が上がっている関係で、
学年差が近いトップコンビが増えましたけれども、
個人的には礼&舞空くらいの学年差が理想です。
旬を逃さずにトップの座に立てるか
とは言うものの。
スターの中には、早熟な人もいれば晩成型も居ますし、
キラキラが似合う人もいれば、アダルティな魅力が武器の人も居ます。
つまりスターの旬を学年という記号だけで一括りには出来ません。
よって事業企画の面から見た人事で最も重要なことは、
スターが旬を迎える頃にトップに立つこと、なわけですけれども、
これが本っ当に難しいんですよね。
トップの座は流動的にしか空きませんし、
様々な事情が勘案されて決まっていくもの。
ある人物が旬を迎える頃に、ちょうどトップの座が空くとは限らないのです。
なので今、私が思うのは、一人でも多くのスターが旬を逃さず、
トップの座に就いて欲しいということ。
そして最近は娘役にある程度の学年と技巧を求める風潮が高まってますが、
「若い娘役も好きだよ!!」ということです。笑
まぁ、トップの座に就けるだけでも凄いことなんですけどね。
劇団にはそのあたり上手い具合にやって欲しいなと思う、なんて、
そんな乱暴なまとめで記事を〆ます。
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コメント
激しく同意です(笑)
確かに、月組の海ちゃんがトップに決まった時は嬉しかったですし、今上演しているマノンの有沙瞳ちゃんなんか、裏のトップ娘役みたいな素晴らしさですが、現在大劇場上演中の宙組新トップ娘役の潤花ちゃん、もうキラキラしてて、歌なんてどうでもいいよと思ってしまいます。
舞空瞳ちゃんとはまた違ったキラキラですが、2人ともグングン上昇してる感じがいいですね。ショーでは出来るだけ真風さんと2人にならないように、キキちゃんと3人の場面を意図的に作っているように感じて、きっとキキちゃんのお嫁さんにもなるんだろうな、と思いながら観てます。
キキちゃんも、もう完全に頂上に上がりつつありますしね。モリアーティのサイコパス加減がたまりません。真風・芹香ツートップ体制のような宙組ですね。旬のトップスターが2人いるようなものです。
私は今の宙組のショーのショコラケーキの場面も全然許容範囲で、全場面楽しめますし、楽しく通っております。
いつも楽しく、興味深く拝見しております。
ズシリッと、きました。
「旬」って、そうですよね、あるのだと思います。
タイミングを逃さず、また開花するであろう人を逃さず、人事権のある方々の、大いなる決断に未来を委ねて、一ファンは、ひたむきに邁進するジェンヌさんたちを、見守り続けます。
どうか、儚く散ることのないように。これまでも、これからも。
蒼汰様
いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。
蒼汰様のおっしゃるとおり、芸能やスポーツ以外にも、学者にも一般人にも、旬ってありますね。自分の乗っかっているフォーマットが古くなってくるというか、時代の変化、若い世代の感覚が体感としてわからなくなってくる時期があるんですよね。自分もブロガーを初めて、語彙とか感覚が「昭和のオヤジ」だなあと思いますもん。
で、ピチピチした若い娘役と組んだ方が、男役も若返るよね。
私も、男役トップの旬って研12~研15くらいだと思います。不思議なのは、同期でも中卒と高卒で実年齢は最大3歳違うのだけれど、中卒は旬が遅いかというとそうでもなく、研16くらいになると萎れ…いぶし銀の魅力に移行していくんですよね。なんででしょうね。やはり若いうちから舞台に立っていると、溜まった疲弊が心身をすり減らすのでしょうか。
若いうちからいぶし銀系の男役が有利かというと、ファンの一般的人気がつきにくくて、路線として残りづらかったり。ほんと、難しいですね。
93期の残り2人の行く先はいかに。
蒼汰さん
若い娘役もいいですよね!!!分かります!!「娘役10年」というのも分かりますし、洗練され磨き上げられた上級生娘役も大好きですが、トップ娘役となるとまた違うんだなと思っています。
私は華さんから”キラキラ”と”多幸感”を貰っていたなと、昨日の配信をみて改めて感じました(真彩&美園は同じ女性として憧れがありました)。華さんが退団してしまう……と思っていたところ、宙組初日映像をみて「潤花がいるじゃないか!!」となりました笑。彼女の笑顔をみていると、よく分からないけど幸せな気持ちになります。
あとは夢白さんが旬を逃さずにトップになって欲しいです。
蒼汰様
旬、ありますよね。自分は、旬を過ぎている‥自覚してます。
キラキラ感、そう、宝塚ならではのキラキラ感、そこ、ポイントですね。
以前、太陽王の星組公演と、韓国で観た太陽王、比べて、星組の衣装のカラフルさ、背景も凝った作りではないけれど、明るい!
しかし、あの役も、本公演のナポレオンも、円熟期のトップだから出る味があったと思う。
演目と、学年、いかにマッチするか、当たる役か、大切だなあ。
そういえば、宙組、和希そら君の今回の公演での役が40代ぐらいのようですが、動きが鈍い、しかも、ギラついてない。これを最初に見たら、和希そら君の実力もわからなくね?ていらぬ心配をする。
逆に芹香さんの教授という設定でも、若いサイコパス、ホント若く見えた‥‥
柴田先生の作品は、あの頃、トップと2番手の学年が逆転しておらず、上から順番であるからこそ、役の年齢も、そのような感じになる設定に見えた。
ずんちゃんの役が、主役より年上?!
2作連続は辛いな。、
取り止めなくなってきました。
用は、これぞとい時に、ハマり役に当たってほしい。
海乃さんも朝月さんも魅力的な娘役さんですが、成熟した上級生娘役トップさんは一人くらいで良い、という感覚は否めません。当然、このお二人、どちらも素晴らしい舞台人で、どっちかだけだったら良いというような話ではありません。
最近は若々しくドーリーで童顔なタイプの娘役の抜擢が多く見られましたが、若くても潤花さんのように色気ある大人の女性が似合うタイプも出てきて、大人っぽさというのは芸歴を重ねることのみで培われるものではないな、と思ったりします。
他の方も書いていた通り、夢白さんをしっかり旬の間にトップで見たい!細くて華奢な方なので、上級生就任は向かないと思いますし、完成されていると思うのだけどなあ…。願わくばあーさ氏と組んで美の暴力で圧倒してほしい(朝美×音彩も捨てがたいですが)朝美×夢白になったら俺得ならぬ蒼汰さま得すぎますね笑。
蒼汰様
娘役とヒロインの年齢って難しいですよね
全員女性だからこそだと思います
例えば若いトップスターと上級生のトップ娘役だと下手すると親子に見えてしまう可能性だってありますし、母親役の娘役の方が若く見えてしまったら演目も狭まりますし……
演じている役者の年齢層がそこまで広くない中で幅広い年齢(子供から老人まで)を演じるわけですから、演技でどうこうできるのも限度ってあるな、と…
男役同士ですが、事前知識を入れずに『ラストタイクーン』を見たときに蘭寿さんが明日海さんよりも年下にどうしても見えず、ストーリーを追うのに障害になってしまったのを思い出します
舞台のことを考えるとどうしても娘役が若くなってしまうのは仕方がないのかもしれませんし、それを乗り越えて上級生のトップ娘役になるには演技面での実力が伴っていないと厳しいなあと思いました
コロナ下で宝塚OGのインスタライブを見ていると、もう退団してかなりの年月が経ったのに、心の傷として残ってるな〜という方がちらほらおり、早期就任でもいいのですが、過度に叩かれないような上げ方、魅力をちゃんと見せて守ってくれればいいなーと思います
それが出来ないならある程度段階を踏んでトップになった方がいいのかな〜なんて思いました
最近トップに就任したヒラメちゃんと1年目でジュリエットに大抜擢された方への反応を見ているとなおそう思います
気になってトップ娘役の就任学年を調べてみました。
面白いことに2009年からトップ娘役の就任学年がグッと若くなってました。その前は大体皆さん研8くらいで就任されるのが平均的で退団時は研10を超えるのが一般的だったようです。ただ、それも遡ると1998年くらいを境にそれより前は若くしてトップ娘役就任する一方で在任期間が今より長めで研10以降での退団は当たり前のようでした。
そうなった時過去のトップ娘役さんを見た時に旬が過ぎていたかと思うかと問われると…?
観客側が「旬」と思っているのは実は劇団がそうなる様に見せているのかもしれないな、なんて思ったりもします。
1998年からの11年後の2009年、2009年からの11年後の2020年。去年は半年空白でしたし、もしかしたらまた劇団として娘役のトレンドの移り変わりの時期が来ているのかも知れないですね。
コメントありがとうございます‼
過去にトップ娘役就任学年についてまとめた記事がありまして。(https://demodori-zukablog.com/heroine-my-hypothesis/)※同時の技術のためスーパー見づらくて申し訳ないです。
2003年くらいからは花總女帝の在位が長すぎた弊害で、全体的に遅い学年で就任することが多かった事情があるように思います。
メンツを見ても研8以上のトップ就任メンバーは、スライド、玉突き、逆転ホームランが多く、
歌ウマやアダルティな芸風で売れる娘役たちは良いですけれど、ねぇ、というのが正直な感想です。
まぁ朝月、海乃ときて夢白温存モードですから、これからは大人っぽい芸風に舵を切るのかもしれませんね。