いかにも宝塚らしい作品『異人たちのルネサンス』

 

現在公演中の『異人たちのルネサンス』ですが

非常に宝塚的な作品だと思いません?

 

私が思う「宝塚的な作品」の特徴といえば

・よく分からん群像劇

・その中で愛が芽生えたり友情が芽生えたり

・とにかくトップスターが格好良い役

・そしてそれより格好良く見えてしまう役得の悪役

・路線男役たちを目立たせるため男性の役が多い

・そしてそれに付随する本筋に関係無い無駄シーン(けどファンには大切)も多い

・唐突にカットインされるダンサーや歌馬の見せ場

・ストーリーは結構ご都合主義

 

などなど。

最近だと花組『MESSIAH』なんかもこれにあたりますよね。

 

実は私、こういういかにも宝塚的な作品、好きなんです。

 

というより、こんな頻度でオリジナル作品のミュージカルを

ハイクオリティで見られる劇団なんて、宝塚以外にあります?

 

そしてもう1つ。

私が思う宝塚、ひいては「宝塚歌劇」の素晴らしさって

細部に渡るクオリティの高さだと思うんです。

 

背景や小道具はもちろん、

いわゆるアンサンブル(という表現だと怒られるかな?)の皆さんの細かな動きや設定、

それから単純な人数の多さに、謎の説得力が生まれるというか。

 

つまりまぁ、ディズニーランド的な素晴らしさとでも言いましょうか。笑

 

で、それが一番端的に表れているのって

今作で言うと謝肉祭(カーニバル)のシーンだと思うんです。

 

今作の名シーン「謝肉祭」

 

謝肉祭のシーンといえば、

レオナルドがカテリーナと落ち合い、祭りに紛れて連れ出そうとする箇所です。

 

まず、画家チームに数少ないセリフのある場面を作り

路線メンバー(澄輝・蒼羽・和希・留依・瑠風)の出番を確保。

 

その後、とてつもない数のアンサンブルメンバーが歌って踊りながら登場。

陽気に歌いながら舞台を横切っていきます。

 

ここのよく分からない陽気さ、舞台クオリティの高さ、

そして中世の衣装の再現度が実に宝塚っぽい。

 

その後場面が転換し、ロレンツォ、カテリーナ、クラリーチェ、ジュリアーノと

主要メンバーの心の揺れ動きが表現されます。

(この時のクラリーチェの憮然とした演技がまた素晴らしい)

 

で、走り出すカテリーナと追うロレンツォ・ジュリアーノは

カーニバルの群れによって立ち切られ、彼女は逃げ出すことに成功します。

 

ここ凄く良いですよねー。

祭りの騒乱って感じがよく出てますし、かつ上手に舞台転換されます。

 

そして裏切ってしまったサライ登場。

哀れなカテリーナはダマされてしまうわけですが、

 

それを教会の上から、高みの見物決め込んでいる黒幕・グイド司教。

この時の愛月ひかるがめちゃめちゃ格好良いんです。

動きといい振り返り方といい、まさに絵になるスターの姿です。

 

その後、真っすぐな光の道を歩んでヒーロー・レオナルドが登場。

光はその後十字架の形となり、真風を照らします。

ここの照明効果が、またすげー綺麗なんだなこれが。

 

そしてその後、「モナ・リザ」の黒い衣装を着たカテリーナが登場し、

ここからラストスパート・大乱闘シーンが始まります…。

 

 

というわけで、キャスト右から左、前から後ろ、

カーニバルの人の群れや舞台装置の転換が上手になされ

息つく暇もなくあちこちからスターがやってくる演出になっています。

 

この作品のテンポの良さは、

こういう転換の上手さだと思いますので、今作は演出の勝ちかな、と。

(何様だという突っ込みは無しでお願いします。笑)

 

そして何より、カーニバルのシーンは、

出演するジェンヌがとにかく多く(というか全員?)華やかで、その人たち全てのクオリティが高いということ。

これが宝塚の良さだと私は思うのです。

 

そういう意味で、今作はまさに

宝塚ならではな作品なんじゃないかなーと思うわけです。

 

「オリジナル作品」の素晴らしさ

 

宝塚は、現在のミュージカルブームの後押しを受け

海外ミュージカルや再演物も増えています。

 

東京公演で数えると、今年は9作中2作(エリザ・凱旋門)

来年も2作(ファントム・オーシャンズ11)かな?

 

もちろん、話題作は集客が見込めますので

そういう公演もバンバンやったら良いと思います。

 

けれど、やはり宝塚のスターが最も輝けるのは

当て書きが出来て、演出も自由にできるオリジナル作品だとも言えるわけでして。

 

 

今作『異人たちのルネサンス』は、

きっと数年後にはみんなに忘れられてしまうような

箸にも棒にも引っかからなかった作品なのかもしれません。

 

けれどやはり、そこには宝塚らしさが息づき

こういうオリジナル作品が上演され、タカラジェンヌが全力で演じるからこそ、

これまでのように歴史が続いていくのかなぁと個人的には思います。

 

そんなわけで、

これからもぜひ、こういうオリジナル作品を生み出し、

上演していって欲しいなぁと思う、蒼汰なのでした。

 

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コメント

  1. めー より:

    はじめまして。以前のブログから時々おじゃましております。
    今回の宙組公演について、周りの友人からは良い評価はなく淋しく思っております。なので、宝塚らしさがあるとの感想を拝読し、嬉しく思いコメントさせていただきました。

    不評の一つには、何故ダヴィンチ?と言うはじめの取っ付きで、既に引かれてしまいました。
    私は面白い!と感じたのですが。
    もちろん人それぞれの感想があります。ただ、ココが良いよね?など、語れる人がいなくて残念。

    ボティチェリだ!など思いながら観るのも楽しく。

    トップさんにあった役か?と言われると否ですが、幅を広げる、と言う点では決して悪くないと思うのですが。

    あ、私は100周年の時から見始めたので、ニワカです。
    ファン歴が浅い人とそうでないと人では、宝塚の知識量も違うので、致し方ないこととはいえ、友人からは、以前、観たことあるようなことの寄せ集め!とか言われます(涙)

    また、来ます。
    ありがとうございました。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      確かに真風さんにまさしくぴったりな役かと言われれば、そうではないと思います。笑
      個人的には自分のキャラじゃない役であっても観客を楽しませること、
      というのはスターに求められる大切な資質の一つだと思いますし、
      それをきちっと演じきってくれたと個人的には思うんですけどねー。

      まぁ100年も続いてますから、ネタ被りは仕方ないですよね。笑
      今後ともよろしくお願い致します!!

  2. みー より:

    先日宙組観劇してきました。移転前のアメブロを拝見してから観劇に臨み、おかげさまでお芝居をしっかり楽しむことができました。ありがとうございます。おっしゃる通りカーニバルのシーンいいですね。最高です。

    むしろ、白鷺の城が理解できないところが多くなんだかスッキリしません。
    いつもなら分からなくても華麗にスルーですが今回は気になって仕方ないんです。

    何でいつの間に(トップの演じる)二人は恋に発展してるのかな?と思いました。関係性の変化に付いていけず、後追い自刃するシーンにびっくり!そんなに玉藻前を愛していたのかと。けど、その直前の真風さんの台詞は単に争いを終わらせる目的だけな気がするし・・と。
    これは自分の理解力の問題かな(笑)
    もし、また宙組観劇されたら是非解説もお願いしたいなと思います。初コメントなのに長々と失礼しました。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      カーニバルのシーン最高ですよね!!そこを楽しみにもう1回見たいくらいです。笑
      正直レビューに関しては「因果のような恋」的な、
      なんとなく雰囲気だけを楽しむものと割り切る方が良いのかもしれません。笑

      実は観劇感想・解説的なのって苦手意識があったものですから、そう言っていただけて嬉しいです!!
      今後ともよろしくお願い致します。

  3. みけ より:

    白鷺の城 異人たちのルネサンス、私も期待していなかったのに、どちらも楽しめた一人です。
    異人〜は、マスケラータの夜に〜♫と時々歌ってしまいます(笑)
    最後の方で1234番手が全員床に転がってる(死んだり死にかけてたりする)シーンは私的にはツボな演出でした。二階席でしたのでよく見えましたが滅多にない絵面でしたので(笑)。

    私はトップスターの責任は、あて書きじゃなくても与えられた役をにこなし、演出家の期待を上回りってファンを喜ばせること、なんじゃないかなぁと思っています。
    なので、真風さんの、その存在だけでねじ伏せるようなパワーは好きです。

    私も、にわかファンですが、蒼汰さんのブログはどれも共感できる記事ばかりで楽しく読ませていただいております。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!あそこの曲良いですよねー!!
      確かに全員倒れている・・・そう言われると面白い。笑
      あそこの倒れているシーンは、突然起き上がる芹香を含め結構トンチキ感ありますよね。

      トップスターの責任に関して、私も一文字一句全くの同意です。
      確かに「なぜレオナルド?」って感じは最後まで抜けませんでしたけど
      それでもハイクオリティな1つの作品として届けてくれたわけですから、さすが真風さんということでしょう!!
      これからもよろしくお願い致します!!