宙組『異人たちのルネサンス』感想と考察

昨日『異人たちのルネサンス』2回目を見に行きました!!

 

 

前身ブログにてうっすらと感想を書いたのですが

移転したことですし、ガッツリネタバレ込みでの感想と、

私なりの解釈を書こうと思います。

 

舞台というのは、人によって様々な解釈ができるからこそ面白いのだと思いますので

これはあくまで蒼汰の考えだと思って、お読みくださいませ。

私の『異人たちのルネサンス』解釈

 

「モナ・リザ」という絵画は、

世界で最も有名で、最も謎めき、最も多くの議論が巻き起こった肖像画です。

 

その絵のモデルが誰なのか、

なぜ微笑んでいる(ように見える)のか、など。

所説有りながらもいまだ多くの論争が巻き起こっています。

 

『異人たちのルネサンス』は、ロレンツォ(芹香)がレオナルド(真風)に

聖母マリアの肖像画を「和解の証」として依頼し、

レオナルドがそのモデルにカテリーナ(星風)を指名するところから、物語の本筋は始まります。

 

舞台は中世ヨーロッパ。

当時絶対的存在であったカトリック教会は、七つの大罪を諸悪の根源とし、

人間を罪に走らせる悪しき感情として、退治に努めるよう権力をふるいました。

 

即ち、傲慢、貪欲、色欲、憤怒、大食、嫉妬、怠惰。

 

カテリーナはその美しさから男の色欲を煽るため

原罪を持つ悪しき堕天使と、グイド司教(愛月)から強く罰せられてきました。

 

グイド司教はヴィンチ村で彼女の美しさに目をつけ、

彼女の天使の羽を折り(意味深)、手元に置いておき

その後、フィレンツェの実質的統治者であったメディチ家の当主に献上しました。

 

そこで、レオナルドとカテリーナは運命の再会を果たします。

 

この2人はヴィンチ村時代の幼馴染(?)。

互いに幼い恋心を抱いていましたが、なんて悲劇的な運命なのでしょう。

グイド司教によって引き裂かれてしまったのです。

 

レオナルドはこの別れの時、

「神様なんて大嫌いだ」と、宗教と教会(つまり権力)を強く否定し

その思いは大人になった今でも、根深く残していました。

 

そんな中での、再会。

もちろん喜ぶレオナルドでしたが、

カテリーナの心は深い闇に囚われていました。

 

なぜなら、自分は様々な男の色欲を煽り、

罰せられるべき罪深き存在なのだと、

グイド司教から原罪の烙印を捺されていたからです。

 

その姿を見たレオナルドは彼女に言いました。

君は幼い頃の少女のままだ、何も変わっていない。

小鳥のように空も飛べるはずだ、と。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチは芸術家だけではなく、

建築家、科学者、発明家としてもその多才ぶりを発揮した人物です。

 

彼はオーニソプターと呼ばれる、

飛行機の原型と呼ばれるものを発明しています。

(これが具現化されるのはさらに300年後ですが)

 

これは鳥の羽ばたきを観察し、

空を飛ぶための道具として作り出したものです。

これをカテリーナに、小鳥のような少女の頃を思い出させるため、見せたのです。

 

カテリーナはこのような触れ合いを通じ、

本来の自分、無垢な少女の頃を思い出し始めます。

 

そして決心しました。

本来の自分を取り戻すべく、レオナルドとともに逃げると。

 

しかしながら、カテリーナは血にまみれた権力闘争に巻き込まれ、

レオナルドの腕に抱かれながら天に召されていきます。

 

その時彼女は、色欲ではない本当の「愛」を知ります。

そして初めて自分は堕天使ではない、天使なんだと自分を赦すことができ、

空へと羽ばたいていきました。

 

そしてとどめのラストシーン。

レオナルドはカテリーナをモデルにした聖母マリア画「モナ・リザ」を披露します。

 

その画を見て、ロレンツォは問います。

「なぜこの娘が微笑んているのか?」と。

 

それに対してレオナルドは答えます。

「彼女は真実の愛を知っているからです、貴方達と違って。」と。

 

レオナルドにとって「描く」ということは「愛する」こと。

 

そこに描いたのは、欲にまみれた穢れた原罪ではなく、

自分が愛し、そして真実の愛を知った、一人の無垢な少女だったのです。

 

「感想」なのか「妄想」なのか

 

そんな感じで、だいぶ拡大解釈をしながら舞台を見ておりました。笑

 

とりあえずですね

・当時の舞台背景(中世の文化や教会の絶対性など)

・なぜカテリーナが原罪を抱いているのか

・万能の天才と言われたレオナルドが飛行機の原型も作っていたこと

 

など、そういう説明がすっぽり抜けているから

なんだかよく分からん話になっているのかなぁ、というのが私の印象です。

 

特に原罪に関しては、物語のキモですので

グイド司教あたりに台詞で説明させても良かったのでは?と単純に思いました。

 

それから、レオナルドの翼の模型。

当公演では、カテリーナを無垢な少女に戻すための重要アイテムとして登場しますが

もしかしてレオナルドが芸術以外でも多才だったことって、そんな有名でない?

 

昨日の帰り道、女性2人組が

「あのコウモリみたいな羽、なんだったんだろうねー」的な話をしているのを聞いて

「そうか、知らない人は知らないのか」と思いました。

(いつもどれだけ聞き耳してるんだ、って突っ込みは無しで。笑)

 

まぁ、あれだけこの作品を紹介するCMや広告で

「万能の天才と歌われた~」とわざわざ絵を描く以外にも色んなことをしている人だと真風のイケボで説明されても

知らないもんは知らないですし、まさか伏線だとは思えないですよね。笑

 

 

それから「モナ・リザ」がデカ過ぎるという話がありますが、

史実では現物は彼が死ぬときまで手元に置いていたので、

我々が知っている「モナ・リザ」とは別の画を献上したのかな、と思ったり。

(当時はコピーという技術がありませんので、自分で描いて複製したのです。)

 

それから副題である「ダ・ヴィンチが描いた記憶」。これも面白いですよね。

 

もちろんこれは「モナ・リザ」を指していて

それは彼の中で思い出として眠っていた少女の頃のカテリーナであり

それが今のカテリーナと何も変わっていない、ということを暗示していたり・・・。

 

まぁたぶん、半分以上は私の考え過ぎ

そこまで深く考えず作られているような気がしてならないんですけど…笑

 

そんなわけで、

「モナ・リザ」の謎が上手にデフォルメされており、二次創作として楽しめたことを考えると

西洋美術史好きとしては、いろいろ考察できて面白い作品でした。

 

 

というかこの作品って、

いかにも宝塚的で非常に興味深かったですよねー。

 

そう思うのは私だけでしょうか?

という感想面の話はまた明日に続きます…。(次回予告風)

 

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コメント

  1. みぴよ より:

    蒼汰さんの考えすぎてはありません。
    私も同じように解釈して、ストーリーの展開を楽しめました。
    モナリザが誰であったかの発想、人物相関が宝塚らしく感じました。
    が、コウモリの件を聞き、正直驚きました。知らない人は知らない‥と言ってしまえばそれまでですが、そうした方々の為に説明セリフが多くなると野暮な舞台になるので、私は好みません。
    ただ、声を大にして私も言いたい!
    多くのブロガーさんの評価は今回低すぎ! 宙組公演、華やかでとても楽しかったですよね

    だって、エントランスのツリーにもコウモリ、シャンシャンもコウモリみたいなの‥になってしまう
    あーNHK様のお力を借りて一言。
    「お前らボーッと生きてんじゃねーよ!!」
    そしてもう一言。
    「なまじ美術史かじってしまうとモナリザの謎の現代解釈が‥知らぬが仏。
    ヅカオタ皆様。」

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      おっしゃる通りで、あまり説明的過ぎるのもそれはそれでナンセンスなので、そのあたりの加減が難しいですよね・・・。
      ただ正直今作は全体的に評価が低過ぎて、私もビックリしてしまいました。
      確かに万人受けはしないかもしれないですけど、普通に面白い作品だなぁと。

  2. ちかちか より:

    初めまして。
    にわかファンのものです。
    今回の解釈について、ちっとも「拡大」と思いません!
    私も観たときそう解釈してました!
    なので、とても面白く観劇できました。
    モナリザを、ダヴィンチを、田渕先生はこう解釈されたのか、と。
    なので、よくわからないと意見されてる方が多いのが不思議でなりませんでした。
    蒼汰さんが、この意見を書いてくださってスッキリしました!

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!そして感想に同意頂き、恐縮です。
      なかなか面白い解釈の作品ですよね。なるほど、こういう視点からモナリザを見るのかーという。
      なまじ美術史を齧っている身だと、本当に斬新で楽しかったです。
      少しでも皆さんの理解の一助になればいいかなーなんて思ったり・・・笑

  3. リコ より:

    こんにちわー、いつもブログ楽しく読ませて頂いてます!

    あたしも先月末に観てきました!昔、月組でチェーザレボルジアとゆうミュージカルがありましたが、なんとなく時代背景的に思い出してました。さて、グイド司教はカテリーナの翼を折り…(まあつまりカテリーナの処女を奪ったとゆうことになるのでしょう。)カテリーナを、罪深きものに仕立て上げ…その辺りがわかりずらかったけど、私的には楽しく観れた作品でした!とにかく愛月のグイド司教がハマりにハマってて、すっかり愛月のファンになりました!

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      なんせ「籠に眠る少女を抱く~♪」とか、「天使の羽をもぎり~♪」とか歌ってますからね。笑
      自分の手で汚しておきながら、それを原罪としてなすりつけるなんて、まさに中世(理不尽)的ですよね。
      実は自分も愛月さんのカッコ良さに若干心揺れております・・・。まさにハマリ役でした!!