100期生の両翼・星風まどかと華優希【雑記】

現在発売中の「宝塚GRAPH」2020年3月号の表紙を飾るのは

星風まどか華優希の100期生トップ娘役コンビ。

 

すっかり忘れてましたけど、

この2人って同期なんですよね。

 

個人的には接点らしいエピソードを聞いたことがなく、

毛色が違い過ぎるので同期感が薄いコンビだったのですが、

とはいえ表紙で並ぶとやっぱり豪華。

 

顔の作りは全く違う2人のはずなのに、

意図的に似せてるんでしょうかね、

なんだか「Wink」みたいだなーなんて思って眺めてました。(古)

 

娘役版「御曹司と成り上がり」

 

さてこの2人、対談(というほどでもないが)でも話していますが

持ち味もトップ娘役への道のりも、

真反対と言ってよいほど対照的ですよね。

 

星風は配属前から期待されていた娘役の星であり、

組回り中に宙組公演『白夜の誓い』で

凰稀演じるグスタフIII世の少年時代役に大抜擢。

 

そこから初詣ポスター、

正式配属後3ヶ月後『王家に捧ぐ歌』で新公ヒロイン、

バウヒロ2回に東上2回というスーパー急ピッチ育成で、

研4にして宙組トップ娘役に就任。

 

宙組20周年に100期生から初のトップ娘役、

しかも真「風」涼帆と「風」コンビでシトラスの「風」再演という、

決められたゴールに向け一直線に走り続けてきたスーパー娘役です。

 

一方、華はというと、

入団成績23番と決して良いスタートではなく

初めての抜擢は…『金色の砂漠』の回想版アムダリアかなぁ?

 

今見返しても『金色の砂漠』の回想版コンビ、

つまり飛龍と華の組み合わせは、

爽やかでありながら芝居心も非常に感じられ、

劇団に「一度抜擢してみよう」と決断させるだけのものはあったように思います。

 

その後、研4にして『邪馬台国の風』の新公ヒロでチャンスを掴み、

『はいからさんが通る』の東上ヒロで特大ホームラン、

そして『ポーの一族』メリーベルでダメ押しの一手。

 

数少ないチャンスをものにし、

トップ娘役戦線へ一気に名乗りを上げ、

その座をつかみ取った、まさに成り上がり系娘役と言えるでしょう。

 

私はよく、人事考察の話題の展開として

「御曹司 vs 成り上がり」という構図を描きがちですが

この2人もその図式に当てはまるのだなぁと今更ながら気付きました。

 

いや、正確に言えばどちらもトップ娘役の座に既にいますから

「御曹司と成り上がり」という表現の方が正しいのですが、

とはいえ全く別の毛色をもつ2人の娘役が

同じタイミングでその座に就いているというのが非常に興味深いですね。

 

華優希・娘役らしさを極めて

 

個人的にトップ娘役というのは

スパルタ教育で短期育成する超路線型(例:実咲、咲妃)

タイミングと運でさらりとその座に就いてしまう棚ぼた型(例:妃海、美園

その隙間を縫うように稀に苦労人が就任する(例:仙名、遠野)印象ですが、

 

ここ最近は、数少ないチャンスをものにして

自分の得意武器で成り上がるトップ娘役がいるのが面白いなと思います。

 

例えば、組替え後にバウヒロと新公ヒロを経験し、

歌唱力を武器に雪組で望海風斗と再会を果たした真彩希帆。

 

彼女は新公ヒロたった1回でありながら、

現在雪組で望海とともに大活躍中。

宝塚に舞台価値と収益の両方をもたらしたのは皆さんご存知の通りです。

 

華はというと、確かに歌もダンスも不得手かもしれませんが、

とはいえ深い芝居力と、何より宝塚の娘役らしい可憐さは大きな武器です。

 

残念ながら『DANCE OLYMPIA』は見ておりませんが、

『A Fairy Tale』での芝居はやはり見事でしたし、

『シャルム!』のフルフルちゃんは彼女にしか出来ない芸風だと思います。

 

同期のトップ娘役が、

なんでも出来る優等生の星風まどかというのは

大きなプレッシャーでしょうけれど

(対談では同期とは思えないレベルで謙遜していましたし)

 

ぜひ自分の得意分野を生かし、

彼女らしい魅力で新生花組に華を添えて欲しいですね。

 

星風まどか・優等生の飛躍

 

さて、真彩希帆が退団発表したことにより

気付けば星風まどかが現トップ娘役の中で最長任期となる見込みです。

(学年では美園の方が上だが、就任は星風のほうが先。)

 

『アクアヴィーテ!!』では彼女が娘役を引き連れて一場面持っており、

「あんなおぼこい子がこんな立派になって…」と妙な感動を覚えました。笑

 

彼女は舞台上だけでなく、

普段の言動も含めなんでも卒なくこなす優等生スター。

 

今の宙組が「古き良き宝塚の再現」という魅力の名の元に、

真風涼帆をたおやかに支え、芹香斗亜を自由に遊ばせ、

かつ桜木みなとに横恋慕されても何も違和感がないように、

上手にバランスを取って表現されているのは、間違いなく彼女でしょう。

 

華の持つ可憐さとはまた別ベクトルの、

何でも出来るけど、さも何もしていないように支えるお慕い芸という

彼女もまた宝塚らしいトップ娘役だなぁと改めて思います。

 

最近面白いのは、舞台上で少しばかり

「自我」を感じられるようになったことでしょう。

 

次作は彼女が舞台の鍵を握るであろう大作『アナスタシア』。

完璧なバランスの取れた今の宙組の中で、

彼女がどのような色を出していくのか、今後の飛躍に期待したいですね。

 

100期生の2つのタイムリミット

 

間もなく研7を迎える100期生たちですが、

男役スターは新公主演のラストランを目掛け、

現在必死に奔走中です。

 

聖乃、風間、極美という御三家的存在に、

今回一之瀬が初主演を果たしました。

 

さらに蘭尚樹、優希しおん、眞ノ宮るい、星加梨杏という

他組の同期たちはどれだけ続けるのでしょうか?

 

その一方で気になるのは、

既にトップ娘役に就任している星風・華の任期についてです。

 

一度トップに立ってしまうと、

あとはゴールを目指すのみなのが宝塚人事の悲しいところですが、

実はこの話が本題だったのですが長くなるので次に続きます。笑

 

いずれにせよ、100期生は娘役も

音くり寿、天彩峰里、桜庭舞とスター揃い。

 

まるで新公ヒロ&主演を12人も出した95期生のようですが、

そのトップランナーとして愛希・実咲の両翼が

それぞれの魅力を生かして先陣を切ったように、

 

星風・華という対照的な100期生ヒロインが

これからもさらなる活躍をしてくれることを祈るばかりです。

 

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コメント

  1. ちるちる より:

    うーん。まどかちゃんと華ちゃんを95期の2人と同じ両翼とするのは少し違うかなぁと思います。
    あと、真彩ちゃんは花組のときは、少し別格寄りのお役?だったのが、星組に組み替えして路線として育成され出しましたよね。そこには当時のトップ娘役が実力のある妃海さんだったことも幸いしてると思います。逆を言えば、当時の花組では軽く歌は本役超えしちゃうから、新人ヒロインさせられなかったのでは?この点を考えると、今後の花組は心配です。らんはなちゃんのときは、できる上級生娘役がいましたけど、今は本当に上級生娘役は薄くなりましたから。そのあたり、花組Pという方がいらっしゃるのなら、どう舵取りしていかれるかですね。

  2. 愛子 より:

    細かいことを申し上げるようで気が引けますが、一ノ瀬ではなく一之瀬かと思います。はなこちゃん好きなので思わず、、、すみません!

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      ご指摘ありがとうございます‼︎
      おっしゃる通りです…大変失礼致しました。訂正させて頂きます。

  3. こんちゃん より:

    蒼汰さま

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科に早く戻りたい地方民です。

    「偉人たちのルネサンスーダ・ヴィンチが書いた記憶―」で、星風さんが演じたカタリナって、ダ・ヴィンチのスケッチに何かが留められて、当の本人から何かが抜けて、1.2流の画家が描いた絵姿が歩いているみたいな、不思議な印象だったんですよ。

    星風さんの自我の芽生え・・・それ! 星風さんの実力に何の不満もないけれど、私が物足りなく思ってしまう「何か」

    星風さん、自分の自我を抑えて、抑えて宝塚の娘役を「演じて」いるのか、それとも優等生すぎて「自意識こじらせ系」とは縁遠いキャラなのか。

    そんな星風さんが、2作続けて「記憶を無くした女」の自分探しを演じるというのが興味深いです。娘役さんは、男役さんより早く上手くならなきゃいけない宿命なんだけれども、私はまだ星風さんに満足していないぞ。もっと上を見たいぞ。ウエクミ先生、ご指導宜しくお願い致します。

  4. めい より:

    愛希れいか×実咲凜音おふたりもグラフ表紙を一緒に飾ったことがありましたね。
    シックな黒白コーデで、アクセサリーも1人が黒ならもう1人は白、という対比がカッコ良かったです。

    グラフと歌劇の表紙については思うところがあり、ヘアメイクのせいなのか、カメラマンのせいなのか、冒険した結果なのか、「…誰?」って思うことがあります。(何様…すみません)
    ちょっと自分の目ひどいなと思いましたが、轟さんと明日海さんを判別できなかったり、誰とは言えないけど誰にも見えない表紙もありました。
    今では表紙を見て本人に見えればOKで、
    特に歌劇は初登場時の失敗に学んで2回目以降うまくいくパターンが多いので、次回がんばれ!と暖かく見守っています。

    蒼汰さんのお気に入りの表紙はありますか?
    私はグラフ2019年4月号の美弥さんです。
    美弥さんの美意識が炸裂してました。