3番手羽根論/続・人事は結局、羽根に表れる。

 

前回の記事の続きです。

 

 

ブログを続けてきて早5年。

前身ブログ時代から狂信的な「羽根至上主義」だった私ですが、

月日が経つにつれ、その考えはより強固なものになっています。

 

が、しかし。

それはあくまで小川前理事長時代の観測結果であり、

今の木場理事長による采配に通じるかどうかは、まだ未確定。

そんな前提ですが、今日は私が考える3番手羽根論を綴っていきます。

 

私が考える3番手羽根論

 

まず最初に述べてしまうと、

小川理事長時代の3番手羽根は「着脱可能」なもので、

一度背負ったことに強い意味があるものでした。

 

そもそも100周年前の宝塚の小羽根に特に重要度は無く、

ゼンター階段降り全員が背負うこともまぁまぁあった様子。

(瀬奈じゅん主演『Apasionado!!』なんて壮観ですよ!!)

 

これを小川前理事長が、

「正2番手スターの次に位置する強い3番手だけが背負うもの」に変え、

2番手昇格直前の礼真琴、柚香光、彩風咲奈などが背負ったことにより、

人事屋界隈で「3番手羽根」と呼ばれるようになったのでした。

 

では、着脱可能とはどういう意味かと申しますと、

例えば柚香光は『Melodia』で背負ったにも関わらず『金色の砂漠』でもがれたし、

例えば月城かなとは『BADDY』で背負ったにも関わらず『クルンテープ!!』でもがれた。

だけど2人とも、その後にあっさり正2番手に昇格しています。

 

じゃあなぜもがれたのかと聞かれたら、

それは演出家の美意識によるものなのかもしれないし、

あるいはそれぞれ花乃まりあ、美弥るりかの退団公演だったために、

彼女たちを目立たせるために配慮したのかもしれません。

 

が、一つ言えるのは「背負った事実こそ3番手昇格の証」であり、

その後の流れを見るに、例え羽根がもがれても、

そんなに大きな問題がないと考えられると思うのです。

 

人事は結局、羽根に表れる。

 

では、ここからが本題。

 

まずは花組の永久輝せあ。

『Fashionable Empire』まで3番手羽根を背負っていたにも関わらず、

『ENCHANTEMENT』でもがれてしまいました。

 

じゃあ人事的に弱いかと言われればそんなことはなく、

現2番手の水美舞斗が専科に異動し、

間もなく2番手昇格が迫っている現状です。

 

同じく、宙組の桜木みなと。

『Délicieux』まで3番手羽根を背負っていたにも関わらず、

『Capricciosa!!』でもがれたしまいました。

 

だけど『カジノ・ロワイヤル』では、

羽根治外法権のはずの一本物にも関わらずわざわざモフモフ羽根を装着し、

強い3番手であることを露骨にアピール。

たぶん彼女も、2番手にそのまま昇格するのだろうと思われます。

 

興味深いのは、次期トップ候補として同格であるはずの暁千星。

実は彼女は3番手羽根未経験者で、

『FULL SWING!』で背負っても良かっただろうに、無しのまま星組に組替え。

 

そしたら全ツ版『Gran Cantante!!』と『JAGUAR BEAT』では、

3番手羽根を通り越した飾り羽根を背負い、瀬央ゆりあと同格アピール。

同じく『1789』の次で2番手に昇格すると思われます。

 

こう振り返ると、やはり人事は羽根に表れているし、

3番手羽根は着脱可能という羽根論にも、

合致するんじゃないかと私は考えています。

 

3番手羽根は消えたのか?

 

ところで。

桜木・永久輝・暁と同じ「ポスターカレンダー」メンバーにも関わらず、

和希そら風間柚乃はいまだ3番手羽根未装着状態。

 

この2人がクセモノなのは、グッズや掲載物の扱いを見る限り、

3番手羽根の有無以外が小川政権時における正3番手と、

ほぼ同じである、ということです。

 

これを、やっぱり人事は羽根に表れる→3番手内に序列がある、と捉えるのか、

木場理事長になって3番手羽根が消滅し敢えてボカシていると捉えるか、

現時点ではまだ不明瞭です。

 

この答えが見えるのが、次の花組『鴛鴦歌合戦/GRAND MIRAGE!』でしょう。

100期生ツートップの1人である聖乃あすかが、

3番手羽根を背負える大いなるチャンス。

 

同期の風間柚乃とは、まるで柚香光&礼真琴のように、

イタチごっこよろしく同時期に上がっていっているわけですから、

聖乃あすかが先に3番手羽根を背負っても誤差の範囲内でしょう。

 

そんな風間柚乃ですが、次作の月組『フリューゲル』にて、

波線上&ポスター掲載と思った以上の強さを見せています。

むしろ、いまだ3番手羽根を背負っていないのは逆に不自然のような…。

 

と思って気付きました。

もしかして『万華鏡百景色』が和風レビューで3番手羽根が背負えないから、

波線上&ポスターで強さアピールをしてるって感じ???と。

 

ほーん、そしたら聖乃あすかには鴛鴦で3番手羽根を背負わせず、

敢えて冗長に引っ張る可能性も有るかもな、と思ったり。

そもそも横並びで見た時、和希そらに3番手羽根をあげていませんからね。

 

だけどなー、雪組はそもそも階段降りや羽根に渋い組ですし、

聖乃あすかへの劇団の期待ぶりを見るに気にしなそうな気もするけどなー、

と、色々と考察の可能性が広がる気がするので、

改めて『鴛鴦歌合戦/GRAND MIRAGE!』に注目したいです。

 

蛇足:約10年越しに納得したこと

 

少し蛇足。

2015年に上演された雪組公演『La Esmeralda』にて、

彩風咲奈彩凪翔は同じ「小羽根」を背負いました。

 

時は既に小川政権時ですが、

サイズ的にあまりに小ぶりなことから、あれは3番手羽根勘定ではなく、

下級生の彩風咲奈が彩凪翔を抜く瞬間の配慮だと私は考えていました。

 

ところがその後、彩凪翔が羽根をもがれた後も、

後続の朝美絢には何が何でも最後まで抜かされることなく、

3番「目」として雪組に君臨。そして退団していきました。

 

そう考えると、あの羽根にもちゃんと意味があったんだな、と、

この記事を書き始めて約10年越しに気付いたのでした。

やっぱり「羽根しか勝たん」のですね。

 

小川期は羽根に強い意味がある=サインが明確だったわけですが、

これが木場期でどう変わっていくのか。

長期的な目線で観察し続けたいと思います。

 

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コメント

  1. ずんだもち より:

    「人事は結局、羽根に表れる」前後編楽しかったです。
    ミステリー小説を最後まで読んだように、ゴチャゴチャに見えていたものが統一されスッキリ整理されました。
    名探偵の決めゼリフ「羽根しか勝たん」いいですね。私いつものメンツ信者なもので笑笑笑
    あ!そんな話じゃなかった!
    「今の組内序列はこうで、その後はこうなるとはっきり示しています」という組Pさん達の声まで聞こえてきそうです。
    2・3番手の羽根は背負うべきタイミングで背負うのが大事なのはその通りですね。トップ育成は何年も前から計画実行されているのでしょうから。
    3番手羽根が付いたり付かなかったり、肩モフになったりするのは、衣裳デザイナーと組Pさんの攻防戦の結果かと思ってましたww
    「あんな中途半端な大きさの羽根、私のデザインが壊れる」
    「先生そこをなんとか!序列はきっちり示したいので」  なんてね
    風間柚乃に羽根が付かないのは9578期スターが2.5~3番手に留まっているのに配慮して。特に暁センパイにどいてもらったので早速 となるのもちょっと‥ってとこでしょうか。
    でもまずは“DEATH TAKES A HOLIDAY”で別箱2番手のおだちん観に行きます。