雪組全国ツアー、川越公演を観に行きました!!
私の悲願だった朝美絢×夢白あや、
しかも演目は、これまた大好きな『仮面のロマネスク』。
これほどまでに神に感謝したことはないかもしれない、
最高の組み合わせを無事見届けられました。
私の感想を綴っていきます。
朝美ヴァルモンが見られて、神に感謝
『仮面のロマネスク』は1997年、雪組で初演。その後3度の再演を重ね、今回約30年ぶりに雪組に戻ってきた大名作です。
そんな偉大な作品あるあるですが、とにかく初演の高嶺ふぶき×花總まりが最強で最高なんですよね。これまで大空祐飛、明日海りお、野々すみ花、花乃まりあ、仙名彩世と名だたるスターが果敢に挑戦したけれど、長きヅカヲタからすれば「初演を見ちゃうとねぇ」という評価だった気がします。もちろん彼女たちが作り出すカメロマも最高で、私は大好きで何度も映像で見たものですが、得てして初演は神聖で神格化されるものですからねぇ…。
そして今作、ついに初演を越えたかと聞かれたら、まぁそんなことはなかったかもしれない。けど私が声を大にして言いたいのは、これが見たかった朝美絢×夢白あやなのよ、ということ。令和のこの時代に、宝塚の様式美が詰まったこの作品を、私にとって最強で最高なこの2人で見られて、本当に本当に幸せでした。
まず何より、朝美ヴァルモンが想像と違い、大人の色悪に近かったのが良かったですね。もっと明日海ヴァルモンのようにこじらせボーイ風か、あるいは大空ヴァルモンのようにメルトゥイユへの愛が隠し切れない逼迫感があるのかと思ってました。
メルトゥイユの手の平に転がされるのではなく、あくまで対等な賭け相手として、時に強気に出たり時に翻弄されながら、社交界を生きる美貌の青年貴族を見事演じ切っていました。
つくづく、朝美絢って実は芝居の人ですよね。自分の得意な分野の方に引っ張るのではなく、ちゃんと物語に即した人物像を演じられる。さすが芝居の月組出身。そんな彼女の確かな実力が光って見えたカマロマでした。
夢白メルトゥイユの「美」
夢白メルトゥイユは、もう想像通りの、いや想像以上の「美貌」でしたね。貞淑さを装いながらも美貌が零れ落ちているような…そんな侯爵夫人の役を、立ち姿だけで表現出来てしまうのだから凄い。絵画のような静謐さ、気高さ、どれをとっても逸品でした。
けど…個人的に芝居におけるメルトゥイユは一部解釈違いだったかな…。特にオーラス、最後のスーパー名場面「あなたがいなくなる今日、私の命も終わるのよ」からの独白の部分。仮面を外して、ついに本音を愛する人にぶつけることが出来た彼女ですが、その仮面を取った姿すらも、貴族社会で生きていた女性の高潔さが(花總まり版では)地であったはずですが、わりかし乙女なメルトゥイユでした。まぁ、そんなヒロイン像は今の時代にそぐわないし、20代の小娘にはピンと来ない世界観なのかもしれませんね。とにかく、全編通して精神年齢が若めなメルトゥイユだったなーという印象です。
た、だ。朝美絢と並んで負けない美貌がとにかく強いです。皆さん、プログラムご覧になりました?あるいは先日発売されたブロマイド。もうほんと、すげーですよ。これぞ美の共演、いや、競争???とにかく迫力が凄いんです。様々なドレスを見事に着こなし、朝美絢と渡り合う夢白あや。これぞ私が見たかった彼女の姿なので、とりあえず大満足です。
その他、キャスト感想
個人的なMVPは、今回娘2格であるトゥールベル夫人を演じた希良々うみでしょう。これぞまさしく貞淑な妻、そして愛欲に飲まれそうになり困惑する女性を、良い塩梅で演じていました。もっとクドくなるのかなーと想像していたら、出過ぎず、目立ち過ぎず、イイ具合の「よろめき」芸でした。凄い。
あと、新進若手枠であるヴァルモンの従者・アゾランを取った聖海由侑も大活躍でしたね。礼真琴とか和希そらとか、小柄イケボ枠が好きな人には絶対ハマルであろう、イケイケボーイ感が良く出ていました。座り方や立ち姿を研究・工夫している様子が見て取れましたし、男役として物凄いスピードで成長している雰囲気が伺えます。単純にカッコ良かった!!
2番手格・ダンスニーを演じた縣千は、まぁ想像通りのダンスニーだったかな。この役は舞台人としての達者さより、若さゆえの青さの方が重要なポイントだと思うので、その意味でナイス活躍でした。メルトゥイユの私室の場面での間男感なんて、よくもまぁ女性で出せるなと感心してしまいました…笑
3番手格・ジェルクール伯爵を演じた咲城けい、想像よりヒゲが似合っていて、ちゃんと別格男役風でした。いかにも男役やってます風な芝居も、今回のような古典作品にはハマっていたかなと思いますね。
その婚約者にしてヒロイン枠の1人、セシル演じた華純沙那。改めて彼女は芝居が上手いだけでなく、声も綺麗で歌も上手いんだからすごいなーと感心しました。
そして隠れた美味ポジション、小間使いのジュリーを取ったのが109期生首席入団&初詣ポスターの音綺みあ。個人的に結構楽しみにしていたのですが、まぁ研1でこれなら合格点かな、という感じ。めちゃめちゃピンと来たわけではなかったですけど、手堅かったです。舞台慣れするとより良くなるかな???
最後の瞬間が一番美しい
さて、名作中の名作である『仮面のロマネスク』。名場面はたくさんあれど、やはり一番は(前述しましたけど)オーラスの「二人だけの舞踏会」ですよね。
負けると分かっていても戦いに馳せ参じる決意をしたヴァルモンは、一人邸宅で佇むメルトゥイユに別れを告げにやってくる。互いに始めて、仮面を外して本音をぶつけ合う2人。貴族社会の終焉を予感させるような、真っ赤な黄昏の窓枠を背景に、2人だけで最後の舞踏会を踊る…。
あなたがいたから苦しくて~♪ あなたがいたから悲しくて~♪
あなたがいたから恋しくて~♪ あなたがいたから生きていられた~♪
という本作のメインテーマをバックに、くるくる踊る2人。
マ ジ で 見 て 。
怖いくらいに綺麗だから!!
このラストシーンは、まさに至宝。
ここだけでも「見て良かった…」と感じるくらい、綺麗な絵でした。
朝美絢と夢白あや、この2人だからこそ見られる美と破滅。
誰がなんと言おうと、この2人は最強で最高の組み合わせです。
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コメント
いつも楽しく、拝見しております。
この記事こそが、朝美さんと共に旅している(勝手に全ツを追っかけているだけの)姪や叔母を、歓喜させること間違いない、かと。
ありがとうございます。
私は始まりの梅田で見送って、最終を愛知で待ち受けております。
美の競演(共演)、心踊ります。
いつも記事を楽しみに拝見しております。
川越での観劇評ありがとうございます。やはり朝美&夢白は宝塚が誇る美の暴力ですよね(笑)
自分は幸運にも名古屋のチケットが手に入ったので、観劇が凄く楽しみです。特に夢白のメルトゥイユの美しさは絶品だろうと!そしてベルばらの夢白アントワネットも見たい!
これからも楽しい記事お待ちしております。
うわーい!私も、ウェスタ川越で最前列の階段前の席が当たってしまい、朝美絢&夢白あやコンビのあまりの美しさに顎が外れそうでした。(運を使い果たして、月組チケットはゼロです)
もちろん美しさだけではなくお芝居上手なお二人に、カメロマの素晴らしさを堪能させていただきました。
でもどこがどう素晴らしいのか相変わらず言葉に出来ないワタクシ、蒼汰さんの文章にそうた、そうど!と、いちいち納得しておりました。
ただひとつ•••なんで音響があんなにひどいのでしょうか?お金取る劇場で、あのレベルの音響は初めてでびっくりしました。まるで高校の文化祭レベルですよね。
最前列でも聞き取りにくく残念でした。
でも、雪組の皆さんの美と芝居力に大大大満足でございました。
梅田と磐田で観劇しました。
本当に素晴らしかった…!
私はこれまでの主演作品も大好きでしたが、ファンタジー系はいわゆる古参のファンの方からはウケが悪くて残念に思っていて、そろそろ王道のThe宝塚!な作品の主演を!と願っていました。
蒼汰さんはじめ多くの方からの支持を得ているこの作品、正直私にはツッコミどころ満載の自分勝手なお話だと感じてましたが、開けてビックリ、朝美さんの役の解釈、それに呼応する夢白さんの女優っぷりに、苦しく切ない物語として感動できました。
ストルーエンセでいまひとつ、釈然としなかった色々も、ヴァルモンの役作りの糧になったように感じます。
そしてショー!
初演ガトボニは黒塗りの女装猫祭りで正直あまり好きではなかったんですけど、肌色も加減してもらい、女装猫も縣さんの白猫だけになり、タンゴもデュエダンもバチバチに決めてきて、アドリブもバッチリと朝美さんの頼もしさ、率いるチームの上級生の安定感と若手の成長、チャウシーの場面での圧倒的な存在感は神々しく…!
厳しい古参の方も納得させ、各地で初見の方々をどんどん落としている評判の良さも、満を持しての全ツ主演にファンとして心から幸せを感じています。
あさあや、最高〜!!!