芝居の月組の継承・月組『GUYS AND DOLLS』新人公演感想

 

色々とブログに書きたいことが増えているのですが、

一先ずライブ配信で拝見した

月組『GUYS AND DOLLS』新人公演のさっくり感想を書いていきます。

 

主要キャスト感想

 

総評として、やはり月組の新人公演は全組の中でも頭ひとつ抜けて上手いなと改めて実感しました。特に印象的なのは、全員の芝居力。とにかく場が持つし、見ていて全く飽きない。特に今回はあえて本役とは違う役作りをしている若手が多く、その違いが無理のない、意味のある改変として成立していたので、それが本当に素晴らしいと思いました。

まずは主演の108期・雅耀。おめでとう、君はもうトップスター確定です!!笑。大味なのに甘めな顔立ち、溢れ出る気品と色香は、まさしく王道のキラキラ系タカラジェンヌ。そして前回の新人公演から大成長したようで、特に芝居の安定感が凄かった!間やポーズの取り方ひとつひとつに余裕があって、本当に良かったです。研4で既に眉間の皺や遠くを見やる視線を使いこなせるなんて、大したもんだ。ま、歌はアレレでしたけど、及第点でしょう。

ヒロインは109期生の帆華なつ海。彼女はとにかく舞台技術が高かったですね。洋画吹き替えのようなナチュラルで綺麗な発声、そして圧倒的な歌唱力。『ゴールデン・リバティ』新人公演の大一番で声がひっくり返ってしまって、アチャーという印象が残っていたのですが、これで完全に払拭しましたね。顔立ちはどこか美羽愛風?今後はポスト白河りりを目指す感じでしょうか?

そして大抜擢となった2番手ネイサン役を取った107期生の美颯りひと。彼女もまた想像以上に上手くてビックリしました!歌も芝居も立ち姿も、何より堂々としているのが素晴らしい。雅耀と同じく謎の余裕があり、リアル男性のような空気感を漂わせていました。あと髭も似合ってましたね。芝居も歌も高水準で舞台を引っ張ってくれていましたが、これで107期生3番手だったんだから恐ろしい…これからの活躍に期待です。

美味しいアデレイド役は109期生の乃々れいあ。彼女が本来持つ大味でゴージャスな雰囲気がアデレイドにピッタリ。ぶっちゃけ歌も芝居も不安定なタイプですが、長く見ていると惹きつけられる不思議な魅力がありますね。まさしく洋ドラに出てくる行き遅れ女感があって良かったです。

 

その他キャスト感想

 

3番手格・ナイスリーを取ったのが106期生の和真あさ乃。礼華ナイスリーとは全く違う、新種のナイスリーを形作ったのが非常に興味深かったです。大柄だからこそのまったりボーイではなく、ちょっと頭の弱い不思議ちゃん系として新解釈。トップと2番手の役がどちらもニヒルなタイプなだけに、舞台全体を華やかに彩る存在になっていました…ま、ちょっと変わってましたけどね。そして彼女といえば歌唱力。大ナンバーを余裕たっぷりに歌いこなし、若手ながらも舞台の芯としてしっかり支えていたと思います。

路線役だと夢奈瑠音演じるベニーを取った107期生の天つ風朱李。やはり彼女は芝居が好きなんですなぁ。とにかく小技の連発が凄く、それに隠しきれないギラギラ感も加わって、非常に印象に残りました。夢奈ベニーが可愛い系なら、天つ風ベニーは生意気ボーイ系。この方向転換が本人の持ち味にしっかりハマっていて、とっても良かったです。舞台上の動き方一つひとつに、自信と遊び心がありましたけど、上手過ぎるから別格という月組のクセに乗ってしまう危うさも…。果たして、美颯りひととの路線バトルの行方はどうなるのでしょうかね?

瑠皇りあ演じるラスティを取った110期生の翔ゆり愛、彼女もまた予想以上に上手かったですけど、周囲があまりにギラギラ過ぎて、今回は安定感が先に立った感じですね。休演が多かった分、まずは安定して舞台に立てること自体が大きな一歩でしょう。それでもビジュアルの完成度は高く、次世代筆頭候補として非常に注目しておきたい存在だと改めて感じました。

あとは105期生の七城雅が超路線の宿命・最後の新公で敢えての老け役を演じていて、それがまた新鮮で良かったです。佳城警部が嫌らしい系だとしたら、七城警部は大味系。そのバランスが絶妙で、雅ラスティと美颯ネイサンにしてやられる流れが自然に見えて良かったです。

他に印象に残ったのは、梨花ますみ演じるカートライト将軍を取った106期生の一乃凜。エトワール職人のイメージが強い彼女ですが、芝居も出切るんですね。指導者らしい威厳と、慈愛に満ちた声色のコントロールが見事で、脇役ながらも舞台全体をしっかりと支えていました。セリフ運びも端正で、落ち着きのある立ち姿が印象的でしたね。

 

若さが武器になることがある

 

そして、こんなことを書いてしまうとまた炎上してしまうかもしれませんが、個人的には今回のガイズの方が本公演より私の好みだったかもしれません…。正直、鳳月スカイと風間ネイサンがあまりアダルティでニヒル過ぎる大人の男過ぎて、女をひっかける賭け事なんてしていることに「何してんの?」とツッコミを入れたくなってしまったんですよね。逆に新人公演ではキャストが若くてキラキラしているからこそ、普通のラブストーリーとして素直に受け取れた。この瑞々しさこそが、新公版の大きな魅力だなと改めて思います。…ま、婚約14年のくだりは聞かなかったことにしましょう。←

そしてそれは、上級生たちの芝居力と指導の確かさがあってこそなんですよね。全体の演技レベルが底上げされているから、若手がここまでの完成度を見せられる。つまりこれは、月組全体の強さの証明でもあると思います。…というフォローもしましたので、鳳月・風間ファンの皆さま、怒らないでくださいね。笑

新たなニュースターが次々と誕生した今回の新人公演、改めてこれからの月組が本当に楽しみです。

 

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