雪組『ハリウッド・ゴシップ』感想

まずは紅ゆずるさん、綺咲愛理さん、

ご卒業おめでとうございます。

 

管理人masaさんは無事紅さんをお見送り出来たようで

抜け殻のようになっております。笑

 

そんな中、昨日の蒼汰はといいますと

台風の影響で遅延だらけの電車をかいくぐって横浜まで行き、

雪組公演『ハリウッド・ゴシップ』を見てきました。

 

というわけでさっそく感想を書いていこうと思うのですが、

最初にハッキリ断言します。

 

意外と面白かったです。

…第一幕までは。

 

「いやぁ、これで『ネモ』の雪辱を晴らせたんじゃないかなー。

佳作の東上作品に出会えて良かったねー彩風さん。」と心から思いました。

 

… 第 一 幕 ま で は 。

 

※この感想はあくまでも個人的なものです。

※物語の核心には触れないものの、そこそこネタバレしてます。

 

これは喜劇なの?悲劇なの?

 

公演解説やポスター写真から見るにつけ、私は勝手に

「ハリウッドスターの輝きと悲哀を『ゴシップ』を着眼点に描いた軽快な物語

だと思っていたんです。

 

事実、第一幕はそんな雰囲気で進んでいきます。

私が勝手にまとめると…。

 

【第一幕あらすじ】

 

チャンスに恵まれない無名俳優・コンラッド(彩風)

これを最後にと新人発掘オーディションに参加するものの、不合格。

 

実はこの企画、最初から人気若手スターである

ジェリー(彩凪)の主演が決まっていた企画であり、

それを知り激怒したコンラッドは、

プロデューサーであるハワード(夏美)に抗議しようと重役室に押し掛ける。

 

そこに現れたのは、往年の大女優・アマンダ(梨花)

彼女もまた、決まっていた仕事を元愛人のジュリーの指金で

降板されたことに憤慨し、ハワードに抗議しに来たのであった。

 

まんまとハワードに逃げられたアマンダは、

コンラッドの身の上話を聞くうちに

彼を大スターに育て上げ、ジュリーの好敵手にする計画を思いつく。

 

アマンダの教育のもと、

徐々にスターらしさを身に着けていくコンラッド。

 

そして迎えた映画の制作発表会見の日。

ジュリーは、新人女優・エステラ(潤)と共に登場し、

恋愛関係を仄めかすゴシップ発言で、会場を大いに沸かせる。

 

と、そこへ颯爽と登場した一人の男。

彼こそ、スターの輝きを身に着けたコンラッドなのであった。

 

驚くジュリーたちを横目に、

コンラッドは「新人発掘オーディションでハワードに見出された」と嘘をつき、

感謝の言葉とともに彼をハグ。

 

一斉に焚かれるフラッシュ。

憎々し気なジュリー、したり顔のアマンダ。

栄光と虚構にまみれた、新たなスター誕生の瞬間であった。

 

 

ね、イメージ通りでしょ?

 

もともと宝塚はハリウッドと親和性が高く、

(雪組は『20世紀号に乗って』のノリで証明済みでしょう。)

エキストラや記者たちの小芝居やダンス等も、雰囲気バッチリ。

まさに1920年代・ハリウッド黄金期を良く表現していたと思います。

 

また、冒頭の「一人きりのオーディション中に照明が落とされてしまう」のと

第一幕最後に、「制作発表後に一人残され、栄光と虚構の狭間で揺れる間に

照明が落とされてしまう」リフレイン表現など、構成も完璧。

 

そしてオーラス、ゴシップ記者たちが焚くフラッシュの中、

スタジオに入っていくコンラッド。

第二幕は果たしてどうなるか、非常にワクワクする展開でした。

 

だけどまぁ、

まさか第二幕があんな ド シ リ ア ス な展開になるとは思いませんでした。笑

 

主題は「スターという虚像に振り回される悲哀」

 

最後まで見て思ったのは、今作の主題はたぶん、

スターという「虚像」に振り回される人間たちの悲哀なんだと思います。

 

公式HPの公演解説欄にもしっかり

「虚構の街で夢を紡ぐ人々の光と闇をドラマティックに描く。」とありますが、

にしても落差が凄かった。

 

スターとして本来の自分を見失っていくコンラッド。

第二幕はほとんど半狂乱状態のジュリー。

そして、まさかの身内から犯罪者まで…。

 

何より印象的だったアマンダの台詞。

「観客は美しいものだけを求めていて、醜い現実なんて誰も求めていない」(意訳)

なんて、宝塚に35年近くいる梨花ますみに言わせる面白さ、ね。

いやー、毒づいてるなぁ。

 

 

超ド素人の私が言うのもなんですが、

脚本の田淵氏は『異人たちのルネサンス』でも思いましたけど、

テーマが壮大過ぎて時間内に収拾し切れていないですよね。笑

 

スターという虚像に心まで売れる人、

それを売り切れずに自分を見失ってしまう人。

 

テーマとしては非常に面白いし、

見ごたえのある作品に成りえたんでしょうけど、

第二幕の約50分でそのオチを拾いきるのは、さすがに無謀だったかなぁと。

もう少し第一幕で伏線貼っても良かったですよね、たぶん。

 

そしてもし、その「心の闇」に主点を充てるのならば、

オチはコンラッドにゴシップの世界で生きることを選択して欲しかったし、

平凡エンドで終わるのならば、

全体的にもっと軽妙にした方が話が繋がったように思います。

 

 

とにかく、オチが非常に消化不良。

主題が面白いのと、雪組生たちの舞台姿が輝いていた分、

それが余計に気になっちゃいましたね。

 

全てを弾け飛ばす極上のフィナーレ

 

だ、け、ど。

その消化不良も、フィナーレを見たら何も文句など言えなくなります。

 

凄いよ、フィナーレ。

一分一秒も目が離せないから!!(断言)

 

冒頭、彩凪翔のスーパーキラキラ男役オーラと、

縣千とのまさかの男役コンビダンスは、まさに圧巻。

 

そして黒燕尾では、真那、煌羽の御庭番組の熟成された男役芸と、

諏訪、眞ノ宮、縣あたりの若手のスタイリッシュさ、

さらに途中から合流する彩風による、美しいフォーメーションダンス。

 

全体的にバキバキと角を立てて踊っているので、

非常に見ごたえがあります。

 

そしてラストのデュエダン。実はこれまで、

蒼汰は一度たりともデュエダンでときめいたことなど無かったのですが、

今回初めて「素敵だな」と思いました。

 

彩風&潤ペアは、2人ともダンスが得意なダンサーコンビ。

生抜き同士で学年が若く、フレッシュであることと、

もはやお互いを当確だと思い合ってるコンビでしょうから

その信頼感が舞台を通して感じられて良かったです。

 

というか、全体的にディズニーっぽかったかな。笑

ヤンチャなアメリカンボーイと、

それを掌で転がすおしゃま(古)なアメリカンガール的というか。

 

改めて雪組ってショーの組になりましたよね。

望海&真彩のトップコンビ不在でも、

ここまで目で楽しませてくれるんだから本当に凄い。

そんなわけで、これからの雪組も安泰だなぁと実感するフィナーレでした。

 

結論:2回見たら面白い作品だと思う。

 

NOW ON STAGEで煌羽が

「心象風景なのか実際のシーンなのか分かり辛い部分がある」と話していましたが、

本当によく分からないシーンが数ヶ所ありました。笑

 

そしてもう1つ、「喋っているスター以外も、脇で物語に関わる小芝居をしているので

ぜひ注目して欲しい」という旨を話していましたが

今振り返れば「あれは伏線だったのかな?」と思う箇所がいくつかありました。

 

というわけで、この作品はきっと

「2回見たら面白い作品」なんでしょけど、

残念ながらチケットは1枚しかありませんので、映像化を待ちたいと思います。笑

 

 

しかし彩風氏の外箱主演作品と言えば、

灼熱パルムネモコレって、

つくづく引きが悪いというか、残念ながら代表作に恵まれませんでしたねぇ。

 

一つの作品として話の筋が一番通っていたのは今作だとは思いますけど

やはりマトカパワーには負けてしまいますかね。笑

というわけで若手時代の代表作は『ネモ』で決まりかな?

 

…なんだかボロカスにこき下ろしてますが、

雪組生は本当に良かったんですよ!!

というわけでキャスト別感想編に続きます。

 

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コメント

  1. 和世 より:

    台風の影響、関東方面はひどかった模様で、無事の観劇が何よりです。

    面白そうですね!!もちろん、チケットなんてありませんが…(笑)
    ドラマシティも瞬殺でしたから…。

    なんて言うか、今の雪組さん(今後しばらく?)は大きな不安(定)
    要素がない感じがします。もちろん、現トップコンビが退かれた後に圧倒的な歌唱力があるわけではありませんが、破綻は無いと思うので…。
    彩風さん・彩凪さんが「ハリウッド」組なので、ツアー版
    Music Revolutionのダンス(JAZZ)場面がどうなるのかと思っております。
    ご覧になられましたら、そちらもぜひ。

    梨花さん、専科へお戻りになりましたが、やはり雪組との相性が
    よろしいようで…。お芝居のみならず、歌声も結構好きでした。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通り、望海&真彩が欠けても組として成立するほど安定した体制であることが、今の雪組の強みだなと舞台を通じて思いましたね。
      彩彩コンビはもちろん、御庭番コンビに若手チームも含めて…本当に素晴らしかったです。
      実は来週全ツ見に行くんですーそちらも今から楽しみです!!
      梨花さんの歌声、実は私も好きなんです。ガトボニ冒頭とかいまだに見返すときがあります。笑

  2. めー より:

    こんばんは!
    宝塚歌劇団が関東で同じ時期に3カ所ってあまりない気がするのですが、台風のおかげで大変でした。

    何より星組公演が。。。

    私も関西から台風に向かって観劇に行きました(爆)
    残念ながら、雪組全ツは中止でしたが、KAATには行けました。

    ハリウッドゴシップ。
    脚本や主役に対していろいろ思うところはありますが、同じくフィナーレでオールオッケー!てなってます(笑)

    彩風さんと潤さんは似合いますね。
    今回はそれがハッキリわかったので、良かったなと思いました。

    ショースターですね!

    ドラマシティでどう変化しているのかが楽しみです。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      はるばるいらしたのに全ツご覧になれなかったとのこと…残念ですね。
      フィナーレ素敵でしたよね!!おっしゃる通り、潤さんとの組み合わせも期待以上でしたので今後が楽しみです。
      ドラマシティでご覧になられるんでしょうかね?羨ましいです!!ぜひ楽しんできたください。^^

  3. はるか より:

    こんばんは。
    ハリウッド・ゴシップ、脚本はともかく雪組生たちは安定の雪組だったようでよかったです!
    次期は特に波乱なく潤花さんになりそうな感じですね。
    望海さんの嫁選びのときは組内で3人も競わせた(そして誰も選ばれなかった)のが嘘のような無風ぶり、さすがサイレント御曹司の相手役だな~なんて思ってしまいました。笑 彩風さんは相手役選びが難しくないタイプなんでしょうかね。
    なんにせよ望海・真彩コンビはすごくお似合いで大正解だったと思うので、次期も素敵なコンビになるといいなと思います。
    そして全ツも観劇されるそうでうらやましいです…私はどちらもチケットがとれませんでした!よかったらそちらの感想も楽しみにしております。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      「サイレント御曹司」!!まさか覚えていてくれる方がいるとは…嬉しいです。
      まさしくサイレントトップコンビになりそうですね。笑
      なんだかんだ雪組の人事は「当たり」を引き続けてますので、次期が非常に楽しみですね。
      来週見終わりましたら頑張って書きます!!