宝塚歌劇団、遺族と合意書締結へ。

 

年度末に合わせてくるかなと思っていましたが、

やはり来ましたね。

 

 

宝塚歌劇団宙組劇団員の逝去について、

遺族との間で合意書を締結したとのこと。

 

宝塚歌劇団、遺族と合意書締結へ

 

…本当はちゃんと吟味して書きたいところなんですが、わたくし現在絶賛年度末進行&送別会で、毎度のことながらW記者会見を見る時間がなく、酔った頭で公式に載った報告書を読み、寝る直前と起き抜け30分でこの記事を殴り書きしていること、そして更新間隔が不安定であることをご容赦下さい。←

 

まず、率直な感想としては、

現実的な落としどころとして妥当なラインかなと思いました。

というのは、重要なのは以下の一文。

 

劇団が経営陣の怠慢(現場における活動への無理解や無配慮等)によって長年にわたり劇団員に様々な負担を強いるような運営を続けてきたことがかかる事態を引き起こしたものであって全ての責任が劇団にあることを認め、かつ被災者に対する安全配慮義務違反があったことを認め、謝罪する

 

最も悪いのは、管理運営する立場でありながら、

パワハラが起こりやすい環境にし、

それを放置してきた宝塚歌劇団そのものですよ、

つまり、個人の問題ではなく全ての責任が劇団にあると罪を認め、謝罪し、

かつそれで遺族と合意に至った、ということになります。

 

そして遺族が提出した15の意見書と今回の合意内容をざっくり見比べると、

物凄く具体的な内容をパワハラだと認めながらも

管理責任的な内容が多くてスター個人の問題については深く言及していない。

 

この点についてモヤモヤしている方もいると思いますが、

自死に対する因果関係について、

労働環境が原因であることは認められても、

個人が「法的に」罰せられるのは極めて難しい。

 

だからこそ、当事者たちの処分については、

謝罪の手紙を書いて渡す、

という極めて感情的な解決法に至ったのだと思われます。

 

今後について

 

ところで、私が世間の不倫問題や不祥事に興味がないのは、

結局それは当事者間の問題であって、

私自身に何か降りかかるわけじゃないし、

当人たちが納得しているのなら外野は文句を言う必要はないし、

そうでないなら法的な場で徹底的に争えばいい、という考えだからです。

 

ですから、今回の問題についても

「大事にするなら裁判するべき」というのが私の持論でしたけど、

結局は裁判をしてもお互いの望む答えが出ないのだから、

現実的な落としどころで手打ちにしたのかな、と思ったのでした。

(なんせスター個人は社会的に相当罰せられていますしね。)

 

た、だ。

当事者たちが法的に罰せられることも、企業として処分されることもなく、

はい終わり、になるとは限りません。

そう、自主的な退団は起こりうるからです。

 

当初の予想通り、契約更新のタイミングであろう年度末に、

何かまた別個に発表があるかもしれませんね…。

 

一方で、遺族と合意に至ったのであれば、あとは前に進むだけです。

これだけ揉めたのですから、

舞台に立つのを「怖い」と感じる宙組生も多いことでしょう。

 

そんな彼女たちをどうフォローしていくか、

それが管理責任者である劇団の、これからの課題です。

 

「批判する」と「罰する」は違う

 

最後に、劇団からの悲痛なメッセージを掲載しましょう。

 

【皆さまへのお願い】

本件は、劇団の組織運営の怠慢等がもたらしたものであり、その責任を負うべきは劇団でありますので、本件に関する劇団へのご意見・ご批判に対しては、重く受け止めて改革に努めてまいる所存です。本件に関し、ご遺族に対するSNS等での誹謗中傷や、劇団員個人に対するSNS等での誹謗中傷が確認されておりますところ、このような誹謗中傷は差し控えていただきますよう、切にお願い申し上げます。

 

前に劇団が「スターを誹謗中傷しないでね」とニュースに出したら、

「居直る気か!!」「隠ぺい体質だ!!」と、

あさってな方向に誤読してヒートアップしている方々が散見されたので、

馬鹿でも分かるようにかみ砕いた日本語で書いてあります。

 

遺族を誹謗中傷するのはもちろん論外で、

同じように憶測でスターを叩くのだってダメでしょうよ。

 

「パワハラはなかった」というお花畑理論を振りかざす人も相当ですが、

その人たちを同じ熱量で罵詈雑言し、ケンカし合っている様は、

まさしく「争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない(カンガルー)というものです。

 

ほとんどの宝塚ファンは静観というか、

成り行きを見守っていたんでしょうけれど、

SNSは悪目立ちする人たちが多くて、まさしく魔境状態。

謎の情報戦(笑)に辟易します。

 

「宙組が不快だから見たくない」という感情は人間として実に正常で、

もちろん個人の自由ですからどうぞお好きに、ですけれど、

自分が他人を(批判ではなく)罰する権利がある、というのは大きな勘違いだ、

というのを最後に書き記しておきます。

 

今後の発表を待つ

 

ってことで、あとは宙組の続報を待つばかりとなりました。

果たして芹香斗亜はどうなるんでしょうかね…。

 

少なくとも私と管理人個人としては宙組再開を歓迎していますので、

大人しく今後の発表を待ちたいと思います。

(なお、今回の件については落ち着いてからちゃんともう1回記事でまとめる予定です。)

 

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コメント

  1. アライグマ より:

    抑制の効いたコメント、同意です。

    当事者が合意されたのであり、ファンは、今後を見守るのみだと思います。
    合意内容を批判することはできますが、それ以上を関係者に求める権利は第三者にはありません。ご遺族が合意書以上の重い内容を求めて裁判にしなかったということに尽きます。

    納得できていないというファンがもし多ければ、そして、観劇から遠ざかることがあれば(それがファンがなしうる当事者や歌劇団に対するペナルティにはなると思います。)歌劇団にとっては非常に辛いところですが、それも含んでの結論だったと思います。

    私自身は、組子さんたちが、なんとか舞台に立てることを心から応援したいです。進退については、何も言えませんが、こちらも見守るのみです。

  2. エマ より:

    こんにちは。
    正直なところ合意に至ったとホッとした気持ちでした。

    私もほぼ蒼汰さんと同じ意見です。
    30年前初めて宝塚を見てあまりの夢の世界に感動してファンになり、
    そのうち宝塚がかなり厳しい上下関係やスパルタ方式であることを知り、本当は違和感がありました。

    しかしながら夢を楽しむためファンであるためには、それも文化として受け入れていくしかないと思っていました。
    そして積極的にそれも楽しんでおりました。

    全てが悪いとは思いません。雪組OG公演でターコさんがでてきた時、皆が感動して下級生になる姿など、微笑ましくこちらも嬉しくなります。

    ただ、これからはファンも建設的な意見を劇団に伝えていかなければならないと思います。
    違和感のあることはハッキリと伝えなければならないと。
    大変難しいことかもしれませんが、新たなスタイルで宝塚の芸の継承をしていってほしいです。

    今後の生徒さんの動向も気になるところではありますが、宙組の全ての生徒が悪というわけでもない。
    宙組が再開したら観劇は続けようと考えています。

    また失敗や過ちを犯した際には、法や心情に則った適切な判断がなされ、特定の個人への誹謗中傷は慎むべきと思います。

    最後にご逝去された生徒さんに心より哀悼の意を表します。ご遺族には心よりお悔やみ申しあげます。

  3. ものぴ より:

    蒼汰さんに
    「現実的な落とし所として妥当なライン」
    と言われると、そうかも、とも思えるんですが、結果的に司法を通さず何回も記者会見すれば主張が通る、の前例を作ってしまって、これからの世の中が怖いです。
    結果が初めから決まっている魔女裁判のようです。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      たぶん続か記事に書くつもりですけど、そのあたりは松本人志や伊藤純也、デヴィ夫人に期待しましょう。

  4. PY より:

    馬鹿でも分かるようにw

    双方譲り合っての落とし所でしたね。というか最初から、この落とし所しか無かったような。

    現トップさん、私は自主退団せずそのまま数作はやるような気がしています。

  5. トムヤムクン より:

    こんにちは。しばらくぶりにコメントさせて頂きます。トムヤムクンです。よせばいいのにXを読んでしまって、宙組現役生に対する多数の批判コメントを読んでしまいました。合意に至ったものの気分が重かったところに蒼太さんのブログを読み、気持ちが落ち着きました。。ありがとうございます。

    ひと足先に退団なさった、パワハラしたとされるジェンヌさん方の中には表に出てこない方もおり、ダメージは相当なものだと思います。勿論現役生の方々も同じ事、退団するにせよ、もうしばらく現役を続けるにせよ茨の道で、運営側は彼女達の心身のサポートも責任もって継続して欲しいと思います。亡くなられたジェンヌさんに想いを馳せながらも彼女達の人生は続いていくわけですから。。
    宙組生は現時点で他の組より10人近く少なく、この問題で更に少なくなるかもしらず、専科ジェンヌさん達のサポートがぜひ欲しいと思います。

  6. みししっぴ より:

    本問題と不倫問題を同列に扱うのは乱暴なのでは?少なくとも前者は刑事罰も考えられる問題ですか、後者は民事の問題なので。
    民事の問題であれば、たしかに「当事者間の問題」で片付けられますが、刑事罰の問題では本当に「私自身に何かふりかかるわけじゃない」ってことになりますか?

    たとえばジャニーズの問題でも、同様に「外野は文句を言う必要はない」とお考えでしょうか。私は当事者間の問題ではとどまらないと思いっています。なぜなら、この宝塚やジャニーズの問題を放置しておくと、「結局権力に抵抗しても無駄なんだな、しかも逆に避難されるから被害にあっても隠しておいたほうが無難だよね」となってしまうのが良くないと考えているからです。
    このような権力に対する抵抗が弱まると、結局それを支援する力も弱まるので、もし今後仮に自分の身の回りで何か同じようなトラブル(いじめ等)が起こったとしても、それを支援してくれる力が弱まる可能性が高まるという意味で、私は「自分自身に何か降りかかるわけじゃない」というのは短絡的な思考だと思います。

    少し規模を広げて、ロシアとウクライナ戦争でも同じことが言えます。この戦争でも、あなたは「外野は文句を言う必要ない」とお考えですか?この戦争を放置してしまえば、「結局力の強いものに抵抗しようとしても誰も支援してくれないから無駄だよね」という同じ力が働き、ウクライナと同じロシアの隣国である日本に影響はあることはもちろん、中国も「ロシアのように暴力的に振る舞っても問題ないよね」という認識になってしまうという点で、こちらも私は「当事者間の問題」にとどまらないと思います。

    「当事者間の問題」とはどのレベルだと「当事者間の問題」で、どのレベルからそうでなくなる、つまり「自分自身の問題」となるのですか。そこの境界はどこにありますか。
    私はこの宝塚の問題は、間接的にも「私自身に何か降りかかる」問題だと思っています。理由は先にも述べた通り、自分自身に何か問題が発生したとき、それを解決する社会的抵抗力が弱まると考えているからです。この点について、どのようにお考えかお答えいただけますでしょうか。

    • 蒼汰 masa より:

      き、キモい…。質問形式でありながら持論を主張したいだけのこんな長文コメント、よく寄越せますね…。単純に気色悪いです…。

  7. 甘栗プリン より:

    あーやっとこの日が来た、とほっとしたのが本音です。
    たった半年、でも長い長い6ヶ月でした。

    歌劇団側の記者会見を見て、やっぱりこの会社と渡り合うには最強の弁護士を付け世間に分かりやすく説明することで遺族側の無念を表すしかなかったのだと思います。
    誰だって自分の娘が被災者になって、相手側の会社がのらりくらり「あんたの娘が悪い」なんて言われたら同じように戦いたいでしょう。

    まだまだ納得出来ない部分もあったと思います。
    でも川人弁護士のアドバイスで「落とし所」を受け入れたのでは。
    やはり専門の弁護士の仕事です。

    加害者のされる生徒達も社会的制裁を充分に受けています。
    これから再び舞台に立って世間に姿を見せるのか、ひっそり退団するのか、私達は見守るだけです。

    また、被災者の妹さんの事も歌劇団は全力で守っていただきたい。
    本当に心から申し訳ないと思っているか、今後の動向で分かると思います。

  8. より:

    いつも分かりやすい文章ありがとうございます。
    裁判になって名前が出ている生徒が法廷に引っ張り出される、もしくはご遺族が謝罪要求された生徒名が公表されてしまうことを覚悟しておりました。。
    当初の大失敗はどの辺りに確認したかは分かりませんが、そのままに疑問も持たず守りに入り色々と公式発言した結果がここまで拗れたと言ったところでしょうか。。人1人亡くなっているのでもっと丁寧に真摯に向き合うべきでした。
    ここまで拗れたらどのような結果になってもファンや関係者全員がそれで良かったとなる事にはならないのでご遺族側が最低限で堪えて下さったと思っております。
    おっしゃる通り、劇団の改革する発言の結果は今後の劇団の動向で分かるので見守るしかないですね。半年以上活動出来てない組子が哀れすぎます。メンタル大丈夫かと心配ですが、活動再開して欲しいです。舞台に立つために入団している方々ですので。。
    こんなことがあっても音楽学校が定員割れにならずに生徒が入学式を迎えます。希望や夢いっぱいの未成年者をこのような事で絶望させる事の無いようにと心から願います。

  9. ななし より:

    「私は当事者ではないからそこまで興味はない、当事者間で解決すべきだ」という主張は2点疑問がありまして。
    ①宝塚は閉鎖社会で熱狂的なファンに支えられて、一般社会ではアウトなハラスメントでも、都合のいい情報しか発信せずそれをファンが盲目的に受け入れることで隠されていました。当然ハラスメントの証拠はないし、自浄能力は皆無だから民意に頼るしかなかったのだと思います(それの是非はおいておいて)。今考えれば真風・星風の件は、誇張されてる部分があるにせよ、おおかた文春報道通りなことがあったのがいい例です。
    ②我々ファンが望むことは「いい舞台」をみることです。選民思想的発想にせよ、ダイヤの原石が宝塚を選び、努力し、スターになってもらうことが、その根幹です。しかし今回の件で音楽学校志願者が減ったように、またもしくは今までもハラスメントで原石が磨かれずにダイヤになる前に辞めていたら、と考えると今回の報道は今後の宝塚舞台の質に関わります。特に良家子女が選ぶ芸能の選択肢が最近広がってることを考えれば、より民主的にしていかなければ宝塚文化は滅びて行くと考えています。

    • masa 蒼汰 より:

      分かり合えないであろう前提でコメント返しますけど、②については同意です。けど、①について、宝塚が清く正しく美しいのって「ごっこ遊び」の一環かと思ってました。「アイドルはトイレに行かない」のと同様、大多数が「んなわけねーだろ」と思いながらも、でもその設定を楽しむというか。だから頂いたコメントでいうところの妄信的なファン=お花畑ファンって、実際はそんなにいないと思うんですけど、どうなんですかね。多くのファンは、うっすらとパワハラや過重労働を認識しながらも、けどあのクオリティを維持するには仕方ないと思っていた。その禍根の果ての犠牲者が出てしまい、みんな自分のことのように傷ついている。だから批判もありのまま受け入れているけれど、でもそれを法の場ではなく、感情論の場である民意に問うのは、私は違うと思いますけどね。みんな極論に走り過ぎです。