宝塚のイレギュラー人事・落下傘を振り返る

宝塚のイレギュラー人事を振り返ろうシリーズ第2弾。

本日は、みんな大好き「落下傘」についてです。

 

芹香斗亜&夢白あやのW落下傘説が消えたと思ったら、

やれ芹香斗亜&天彩峰里や愛月ひかる&有沙瞳のW落下傘だの、

芹香斗亜or凪七瑠海の月組落下傘だの、

愛月ひかるの宙組帰還落下傘だの、まぁ出るわ出るわ色んな落下傘説。

 

もう、みんな落下傘大好きなんだからっ!!(はぁと)

という感じですよね。笑

 

本日はそんな落下傘人事について

過去を振り返りながら今後について考えてみたいと思います。

 

※全て平成宝塚史以降の人事に限定しています。

※自力で調べてますので間違いや漏れ等ありましたら教えて下さい。

 

【前回はコチラ】

「落下傘」の定義について

 

そもそも「落下傘」とは何か。

 

私が勝手に定義づけしている内容で言うと、

組替え直後にそのままトップスターに就任する異動のこと、

ただし新専科制度によるトップ就任は除く、という感じ。

 

ちなみに「古巣に返るパターンは落下傘ではない」

という説を唱える方もいるのですが、個人的にはノーです。

 

なぜなら、基本的にトップ人事というのは

自組の2番手がそのまま昇格することが自然であるはずなのに、

わざわざ他組から唐突に取り寄せて就任させる荒っぽさこそが

落下傘の意義であると思うからです。

 

ここに古巣か否かって、

正直人事上は関係ないですよねっていう。

(もちろん気持ちや組馴染みの問題上は意味があるでしょうけれど。)

 

ということで当ブログにおける「落下傘」は

「組替え直後にそのままトップスターに就任する異動」という意味で

今後も使っていく予定ですので、ご了承下さい。

 

過去の落下傘人事を振り返る

 

そんな落下傘人事ですが、平成宝塚史以降で振り返ると

貴城けい・大空祐飛・蘭寿とむ・壮一帆・北翔海莉の5名が該当します。

※新専科制度を含めると紫吹淳、彩輝直、絵麻緒ゆう、湖月わたる、香寿たつき、あたりも該当するっぽい。

 

それぞれ確認してみましょう。

 

貴城けい(雪組⇒宙組トップスター)

 

研15就任、紫城るいとは同時就任同時退団。

雪の御曹司として新公主演4回バウ主演3回も務めながら、

まさかの落下傘、しかも(良くない意味で)伝説の1作退団。

 

匠ひびき(は持病が原因ですが…)、絵麻緒ゆうと、

劇団の計画上仕方ない場合に容赦無く1作で切るトップがいたのが

当時の人事の恐ろしいところ。

 

彼女の登板の意義としては、

和央&花總の長期政権から大和悠河へ引き継くための調整役、

だったんでしょうけれど…それにしたって、ねぇ。

 

後の20周年イベントで本人が

「突然やって来たのに宙組のみんなが暖かく迎えてくれて、

最初から宙組生の気持ちになれた」(意訳)的なことを話していて、

大人な方だなぁと思ったのでした。

 

大空祐飛(月組⇒花組⇒宙組トップスター)

 

研18就任、かつ野々すみ花とW落下傘。

もちろん同時就任同時退団。

元祖・満塁サヨナラホームラントップ。

 

大和悠河の任期が思いのほか短くなり、

ピンチヒッター的登板だったのではないかと思われる彼女。

高齢落下傘でありながら、6作任期を務めたのが興味深いですね。

(1作は東日本大震災で伸びたという説有り。)

 

蘭寿とむ(花組⇒宙組⇒花組トップスター)

 

研16就任。落下傘トップで唯一、

相手役:蘭乃はなとは同時就任同時退団ではないのが大きな特徴。

 

登板理由は、大空祐飛の任期が思いのほか長く、

古巣が先に空いたため戻った、ということなんでしょうかね?

 

何故先に花組に組替えしとかなかったのかは…正直分かりません。笑

「当時はそういう価値観だった」としか言えないのかもしれませんね。

 

壮一帆(花組⇒雪組⇒花組⇒雪組トップスター)

 

研17就任。愛加あゆとは同時就任同時退団。

 

音月桂の早期退団は、たぶん想定外だったのでしょう。

同期である蘭寿とむを花組で支えていた彼女が、

ピンチヒッター登板として雪組に戻っての就任劇。

 

元祖・ねぎらい人事であり、

そこから続いている雪組の復興はお見事の一言です。

 

北翔海莉(月組⇒宙組⇒専科⇒星組トップスター)

 

研18就任。妃海風とは同時就任同時退団。

平成以降では唯一の専科出身トップスター。

 

柚希&夢咲の長期政権から紅ゆずるへ引き継ぎつつ、

紅の海外公演調整用登板だったのでしょう。

 

専科としてしっかりカードを集めつつ、

悲願のトップスターという物語性も生み出すという、

ねぎらい人事が見事上手にハマったパターンでありました。

 

今後の落下傘人事の可能性について

 

振り返ると、落下傘人事というのは

・全員研15以上の高学年

・4/5が相手役と同時就任同時退団(例外:蘭乃はな)

・4/5が落下傘先の娘役を迎えている(例外:野々すみ花)

・たまたまでしょうけれど4/5が宙組関係者(例外:壮一帆)

という共通項があります。

 

で、ですよ。

月組次期トップ、あるいは宙組の真風涼帆の後任として

落下傘出来るであろう候補生は以下の3人。

 

・凪七瑠海(研19)

・芹香斗亜(研15)

・愛月ひかる(研15)

 

遅くとも就任は来年以降なので、

括弧内の学年は来年度の年次で書いています。

 

落下傘説を考えるとき、

「芹香斗亜って若過ぎない?」と考えてしまうことが良くあるのですが、

あーらビックリ、93期生って来年もう研15になるんですね。

 

貴城、蘭寿の学年を考えたら、芹香・愛月の学年問題は、

そう大した障害にはならないのかもなと振り返って思いました。

 

そして驚くべきが、凪七・芹香・愛月と、全員宙組関係者であること。

いや、本当にただの偶然なんでしょうけれど、もし落下傘が起きたら

「宙組なんかあるんけ?」と聞きたくなるレベルです。笑

 

と、こんなしょーもないことを書いているうちに、

宝塚グラフで芹香斗亜が単独表紙を飾ることが決まりましたね。

 

個人的には、これがトップが近い証とすぐに繋げられないとは思いますけど、

とはいえ動向は気になるところです。

 

トップ娘役は「落下傘」とは言わない?

 

さて、トップスターの落下傘について振り返ってきましたが、

落下傘って暗黙の了解で「男役限定」な印象がありますよね。

 

今回の記事を書くにあたり、

娘役の落下傘について調べてみたのですが、

まぁ事例が多いこと多いこと。

 

これだけ多いと、わざわざ落下傘などという仰々しい表現を使わず、

ただのありふれた日常だったからこそ、

娘役では「落下傘」という表現を使わないのかなと思ったりしました。

 

そんなわけで次回は娘役編です。

 

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コメント

  1. 甘栗プリン より:

    こんばんは!
    以前から思っているのですが、落下傘でもかなり上級生のトップ就任でも、私は劇団が「最適」と考えた人事であって、「報われ」「ねぎらい」という表現は好きではありません。
    「上級生に優しい配役」等もよく言われますが、劇団は上級生で退団するからご褒美で抜擢したのではなく、あくまでも「最適な配役」をしただけ。

    下級生の方が適任ならそちらを選ぶと思っています。

    つなぎのトップだとしても、「ねぎらい」ではなく、その時の最適な人事です。

    今後、有沙瞳さんや海乃美月さんがトップ娘になったとしても
    、報われではなく「最適な」人事です。

    今後、万が一(←)大好きな音くり寿ちゃんがトップになった時も、「報われた」などと言われたくありません!

    最適な人事なんです。

  2. ねこまさ より:

    余裕ある計画なら、明日海りおのように2作前に異動しますよね。

  3. ねこまさ より:

    共通点を見つけました。

    4/5が、組替え経験者!

    さらには凪七瑠海、芹香斗亜、愛月ひかるのいずれも既に組替え2回。

    組替え経験と高学年は、イレギュラー人事を平定するキーワードかもしれません。

    2番手経験の長さはどうでしょうか?
    長い2番手からの余裕感も落下傘の要素になりえそうです。

  4. MS より:

    芹香斗亜のグラフ単独表紙にはざわついているみたいですね。私は絶対宙組でのトップだと思ってましたが、自信がなくなってきました。
    珠城りょうの予定より早い退団と、コロナ禍での星組花組の早期就任トップたち、望海さんなきあと、落ち着いていて安心して任せられるトップは真風さん。宙組のトップ交代はもしかしたら予定より先になる?
    また、キキちゃんにとって、花組の明日海さんの下より、宙組の真風さんの下での2番手が、のびのびとキキちゃんらしく過ごせてとても良かったと思いますが、真風さんが退団した後は、同期がいるわけでもない宙組より、花組時代慕っていた鳳月杏さんがいて、すでに2番手でキャラも被らない月城かなとさんがいる月組の方が、2本柱に支えられて、安心してのびのびとトップを謳歌できるのではないかと思うようになりました。

  5. AKIRA より:

    落下傘人事ですね。
     組織は人事異動が必須なので、大規模な会社員とか公務員は全国(海外を含めて)規模で転勤がありますよね。私も異動を経験した一人をして考えると、一番不安なのは、仕事内容はともかく、人と職場環境ですよ。同じチームを組む人を知らないと仕事の進め方で疑心暗鬼になるし、職場環境はそれぞれの慣行とかあり結構気を使いますよね。宝塚の場合はどうなんでしょうか?同期とかいれば気が楽になるでしょうけど、よくわからない上級生とか下級生が結構いると大変でしょうね。特にトップともなると組をまとめて行かなければならないのでしんどいと思います。また、組カラーもストレスになりますよね。最近記事で見かけたのですが、退団された早乙女わかばさんが星組から月組に異動になった時、自分は異端児で孤独だったと当時の感想を述べてました。外野はあれこれ言うけど、本人にとってみれば不安MAXでしょうね、きっと。
     本題ですが、月は芹香さんもしくは凪七さん、宙の次期トップは愛月さんと予想しています。凪七さんがトップになると芹香さんの線は無くなりますよね。短期でしょうが月城さんが控えていますから。その場合は宙トップで愛月さんの居場所が無くなってしまいます。愛月さんは花や星のイメージではないし雪も微妙ですよね。仮に、月城さんが雪の二番手に異動したら、月トップの可能性が出てきますが・・・。
     いすれにしても、トップ人事は異動をさせた時にその組運営へのアドバンテージが無いと無意味なものになってしまいますから、プロデューサーも頭の痛い事だと思います。果たしてどうなることやら。。。

  6. うらうら より:

    私もキキちゃんは宙組トップと信じて疑ってませんでしたが、わからなくなってきました。真風さんはアナスタシアの次で退団だと思っていたので、キキちゃんも待てるだろと思っていました。でもこの情勢の中、任期延長は大アリですよね。

    しかも月組チケットの売り上げをどうにかテコ入れをしたい場合、星→花→宙と来てるキキちゃんなら最適ですよね。組替えの良いところは、ファンをシャッフルできることだと思うんです。今まで月組はあまり観ていなかった人も観に行ってみようかな、と思いますよね。れいこちゃんファンも上に降られたというよりは2番手長くできる、と前向きに捉えるでしょうし。ご本人にとってどうか、さえ考えなければ、すごくいい案な気がしてきました。。

  7. みき より:

    古巣雪組に戻った壮さんのバトンタッチは本当にお見事でしたね。
    音月さん時代のもやもや感(音月さんのせいではありませんが)を
    吹き飛ばし、かつ、速やかに早霧さんに引継ぎ、爽やかでした。

    もう少しトップとして見たかったとも思いますが、大作ベルばら、
    名作近松、若き日、話題作シャルウイダンス、と、短い期間ながら、作品もバラエティに富み、充実していました。
    娘2だった愛加さんも報われたのも好感度を増しました。

    その後の雪組の繁栄も、個々のトップさんの力も勿論ありますが、しっかり足固めをした壮さんの力は大きかったと思います。

    見事な落下傘劇でした。

    • 宝塚ウォッチャー より:

      スカイステージで音月さんの舞台を見ました。

      現雪組トップの歌+星組トップのダンスを思わせる様子に「凄いなぁ~~」とただ只感心しました。

      そしてその後色々検索して「雪組のもやもや」を知り・・・。

      壮さん→早霧さんへのリレーも勿論素晴らしいのでしょうが、
      音月さんが禊ぎ的に退団されたのでは?と思いました。

      最後のステージで見えた「宝塚愛」が潔くも悲しく。

  8. せち より:

    宝塚、何があるかわからない。
    なので、なんとなく落下傘がありそうだな…と思いつつも、そうならないかもしれないと頭の中ぐるぐるしております。
    早く、発表してほしい。

    私は、芹香斗亜月組落下傘トップを推進したい派なのですが。月城かなとにはじっくり力をつけて、本人の1番良い時期にトップ就任してほしいんですよね。
    今じゃないだろう感が強いし、彼女は燻銀の男役像を観せられる素質があると思うので、あまり若く就任して欲しくない。
    芹香斗亜こそ、今が1番脂が乗ってる時だと思うので。タイミング、逃してほしくないですね。

    蒼汰さんは、落下傘あると思いますか?その辺りをぜひ聞きたいです。