5月1日に観劇予定だった『ロミオとジュリエット』が
緊急事態宣言により中止に。
急遽決定された配信放送にて観劇致しました。
まずは改めて、通して見た全体の感想を
さっくりまとめていきたいと思います。
『ロミオとジュリエット』は「青春」
『ロミオとジュリエット』という作品を一言で表すならば、
「青春」という表現意外に私は無いと思います。
あらゆるものを振り切るようにひたすらに突っ走り続けて、
時に人を巻き込み、時に自身や他人を傷つけ、そしてあっけなく散っていく。
そこに描かれる未完がゆえの鮮やかさや切なさは、
まさしく青春意外の何者でもなく、ただ一言、美しい。
「たった一回会っただけの人と結婚するなんて馬鹿だ。」
「親に気に入られた金持ちの青年と結婚した方が絶対良いのに。」
「確認もせず勝手に死ぬなんで愚の骨頂である。」
きっと、宝塚を観劇される、ある一定以上の大人たちは
みんな心の中でそう思うはず。
だけどそれを青春真っ只中の人たちに言っても
「大人は分かってくれない」の一言で片付けられてしまう。
誰しもが一度は通った青春期の痛みを追想させてくれる、
そんなノスタルジーな作品であると同時に、
舞台作品である『ロミオとジュリエット』に求められるのは、
そんな青春期の痛みを無理なく表現出来ること、だと私は思います。
礼真琴と舞空瞳のコンビは、それが出来ると劇団から大いなる期待を寄せられ、
歌で、芝居で、表情で、そして得意のダンスで、
それをしっかり実現してみせてくれました。
望海&真彩が最高の『ファントム』を作り上げたのと同様、
歴代最高の『ロミオとジュリエット』という評価に
相応しい出来栄えだったと思います。
ジュリエット像の大いなる変化
過去の作品と比べての一番の変化は、
舞空瞳演じるジュリエットが、
現代的ヒロイン像に変わったことでしょうか。
(愛希ジュリエットを発展させた、という方が正しい表現ですかね。)
これまではあくまで主役はロミオであり、
ジュリエットはそんな彼に愛された敵対貴族の娘でしかなかったのに
今作では、むしろジュリエットがロミオを
愛と死の物語の世界に引っ張っているように見えました。
そしてとにかく元気で前のめり!!
幸せは自分で掴みに行くわと言わんばかりの、前傾姿勢です。
バルコニーので乳母に「今行くってば!!」とドスを効かせて返答したり、
毒入り小瓶を口に含もうとした際に大きく「あ」の字に開けていたり。
今までの宝塚的価値観では品格警察の方々に怒られそうな表現ですけれど
それを嫌味なく演じられたのが舞空瞳のスター性であり、
それが熱血型リーダー少年系ロミオと相性が抜群だったと思います。
2番手が死を演じるということ
あとB日程を拝見したからには触れねばなりませんが、
今回の役替わりでの大きな注目点は、
2番手スターである愛月ひかるが死を演じるということでした。
これまで死は若手スターの登竜門的立ち位置で、
作品に毒的スパイスを加味させる存在でしかありませんでしたが、
これが本作だとちゃんと2番手役に見えた不思議。
死に彩られた町・ヴェローナに始まり、
人々は死に操られるかのように次々と亡くなっていく。
その毒がはついにロミオの身にも迫り、彼も死んでしまうけれども、
ジュリエットとの愛によって昇華されていくのであった…みたいなね。
劇団的にはA日程が正史であって、
あくまでB日程は外伝的な位置づけなんでしょうけれど、
この解釈もなかなか面白かったなぁと単純に思いました。
さすがトレンドになるだけありますね!
やはり気になるビジュアル問題
とまぁ、そもそもが名作の呼び声高い作品なので、
内容については文句を言う点が一つも無いわけですけれども、
やっぱり気になったは、ビジュアルです。
散々言われていたロミオのフードはそこまで気にならなかったのですが、
仮面舞踏会のシーンのジュリエットの衣装は…さすがに…。
美少女戦隊モノ?女子プロ?萌え系メイド喫茶?やんけっていう。
ロミオの髪型も、いつもの短髪ヘア(フローリアン的な)で良かったような?
なんであんなアモーレ感強めにしちゃったんでしょう。
2人とももっと素材を生かした、
素敵なロミオとジュリエットになれたはずなのに
最高傑作を作りたいという熱意が空回ってしまったのかなぁ…。
あ、街の若者たちのヘアアレンジは凝ってて面白かったですね。
一番目に付いたのは小桜ほのかかな。
レゲエシンガー風味が意外と似合っていて、モブ役としての気合を感じました。笑
あと天音華音なんかも顔の良さ引き立ってて良かった記憶が。
下級生チームは美形が多くて眼福だなぁと思いながら見ていました。
残念ながら名前の知らない人たちばかりだったので
少しずつ覚えていきたいなと思います。
役替わり感想を書ける日が来ますように
というわけで思いつく限りつらつらと書いていきましたが、
今回はあくまで全体感想編。
キャスト別、というか役替わり感想は
出来ればA日程を見た後に書きたいんですけれど、見られるのかな…。
今回の配信は、客席は空席だし、拍手が一つも無いしで、
舞台の熱量は凄かったですけど、やっぱり寂しい公演でしたし、
礼真琴の最後の挨拶も私は泣けて仕方無かったです。
一日も早く公演が無事再開されますように。
☆★☆★☆
ランキング参加始めました!!
ぜひポチっとお願いします↓↓
コメント
蒼汰様
休演中にも更新され、ありがたく拝読させてもらっております。
私は大劇場でB日程を観劇できた一人なのです。ありがたいことに。
ビジュアルの件、アモーレ感強め、って、思わず上手い!と笑ってしまいました。
どうせ変えるなら、もっと派手にしていた過去のショーのヘアースタイルとかよかった、なんかあっただろうに‥‥心の呟きをここで吐き出してしまいます。
外部公演でも、ジュリエットの衣装が、古い時代衣装とかでなく、現代っぽいけれど、何か少女ぽさを強調しすぎてないか?と、わたし個人は好みでなかった。
本物の大人??愛月さんの死の誘う雰囲気が、めっちゃ好きです。
主たる人物達から、少し離れて立っている時も、メインの芝居より、愛月さんの死がどんな表情なのか、気になって、そっちばかり見ていた〜
トート閣下が出張でアルバイトしているのか?なんて、心の中で突っ込み入れたりして、完全に愛月ワールドに染まっていました。残念ながらながら、A日程の配信の時も、今回も都合が悪く、見てないので、残念ではありますが、観劇できたことが有難い。
シェークスピアの生きていた時代、十代の若者が、実際にあのような争いや、恋愛問題で命を落とすことが多々あったのかな‥何か大人達へ考えさせたくて??お芝居にしたのかなぁなんて、思いました。
仮死状態から、皆んな知っているお決まりの話ですが、昔々はハラハラして、多くの観客が固唾を飲んで見守っていたのかなぁなど、色々考えさせられました。
ロミオのヘアスタイルのアモーレ感www 笑いました!
たしかにたしかに。音月桂のロミオみたいなビジュアルでいけば最高でしたのにね。でもビジュアルの不思議さを感じさせない、素晴らしい舞台でしたね。私も昨日のBは配信で初見でしたが、とにかくオープニングの愛月ひかるの死…に釘付け…。。。とにかく無機質で気付けば現れていて、不気味でかなり気持ち悪く、性別不明だしデカイしダンスはダイナミックだしwww なんかすごかったです。下手すると愛月さんだけを目で追ってしまい本筋を見失うところでした。
礼ロミオと愛月死の、僕は怖いがとんでもない名場面になってました。幕前の二人だけの場面なのに凄いオーラ…。今の星組の強さを見せつけられました。
舞空瞳ジュリエット、有沙瞳乳母がとにかく良かった!!!二人とも芝居が良い!舞空のリアルジュリエット感は感動さえ覚えました。有沙は歌も良いし、2人とも素晴らしい娘役です。
拍手がないのが泣けてきましたが、いつかこの宝塚初のライブ配信が星組のロミジュリだったよねー、なんて思い出語りできる日が来ること祈ります。
いつも楽しく、拝見しております。
無観客の上演でしたが、配信により、東京公演も観ることができて、劇団の配慮に感謝しています。
初演の星組のを、観劇して以来の、今回のロミオとジュリエットなのですが、礼さんと舞空さんに、ほんとに似合っていましたね。
長期就任を担う…という、お二人の前半の代表作なんでしょうね。
礼さん、綺城さん、天華さんの並び(瀬尾さん、極さんのA日程でも)も、素敵でした。
愛月さんの死は、流石に今までの経験が、糧となったかのようで。
礼さんの星組の熱量は、画面ごしでも、あっつい。
自粛GWに、感動をありがとうございました。
これ、緊急事態宣言の副産物とでも言えるのか・・・?
B日程東京公演の配信が急遽決定し、スケジュール通りそのB日程が先に配信されるという・・・
(多くの人は「先に観た方」が基準になってしまうので。)
このB日程の中毒性といったら!
まさに麻薬的なんですよw。
そうなんです、配役の8割はA日程が正解なんです。
が。
劇団か演出陣のいたずら心を叶えてしまったがために?、B日程がどえらい作品になってしまったと言わざるを得ないと思います。
管理人様に『人事が上手い』と言わしめた星組・・・確かに諸々が上手く噛み合い過ぎていて、別の意味での怖さを感じなくもありません。
まさに「僕は怖い」ですかねw。
愛月ひかるさんの死、絶品でしたね!カメラが愛月さんを追ってくれるので、思う存分楽しめました。
僕は怖いって、そりゃ後ろにそんなのいれば怖いわ!と、笑いたくなってしまいました。そして愛月さんは男役としては手が小さめなのですが、それでも顔を覆えてしまう礼真琴さんの顔の小ささといったら…。
礼さん、結婚式でジュリエットを迎える表情が素敵でした。愛おしげにジュリエットを見つめているんですが、幸せで泣き出しそうなのか、ああいう真摯な表情良いですよね。
瀬央ティボルトもちゃんと青春世代に見えました。ティボルトは龍真咲さんのキレた印象しかなかったんですが、瀬央さんは強さより弱さがよく見えて、ああ…こういう人だったのかと腑に落ちました。
ラスト辺りは愛ちゃんの死が喜ぶ様を見て、私もルキーニよろしくはしゃいでいたんですが、霊廟でジュリエットが亡くなったのを見た天寿キャピュレット卿の茫然自失した様を見て人の心を取り戻しました。天寿さん素敵でした。
B日程はティボルト・ベンヴォーリオ・マーキューシオの存在感が均一だったので、ロミオと死、ロミオとジュリエットの関係性が強く出ていて理解しやすかったです。A日程も観たいのですが、ゴルフシーズンも到来したので…。観られなかったら蒼汰さんの感想を楽しみにしています!
礼真琴くんのクオリティあってこそ愛ちゃんの死がいきてきますね。
大劇場で観劇したとき、一瞬、トートとルドルフに見えたりしました。「うたかたの恋」と「エリザベート」をミックスした、ルドルフとマリー、トートとエリザベートのW主演の物語を、どなたか書いてくださらないかな。
真琴くんと舞空瞳ちゃん、愛ちゃんと有沙瞳ちゃんで、それはそれはクオリティの高い作品が出来上がりそうです。
もちろん、別々にそれぞれ主演でみたいですが、愛ちゃんのトップがあるかどうか、ですしね。
大作1本ものは途中で寝てしまう私ですが、このロミジュリはとっても良かったです。
大劇場でB日程を見たのですが、感動でしたー!
配信でもう一回みて、あれ???と思ったのは、意外と男役の人(ジュリエットの父親、ティボルトの瀬尾、ティボルトに刺された人など)、
歌へた??礼さんがうますぎ?
公演で見たときは興奮して感じなかった。
舞踏会の衣装不評が多いけど、私は可愛いなぁと思ってます。
うん、可愛いです。
それより舞踏会のダンスが下手でした・・。
礼と舞空コンビ好きだな。でも、A日程開催はこのままでは難しそうかな。
こんばんは
ロミジュリ初演からずっと劇場で見てきたので、琴ロミオも絶対に劇場で見たいと願い滑り込みで見れました。
本当に琴ちゃん素晴らしい!私の中でみりおロミオを超えてきました笑
歌の安定感、若々しい伸びやかさ!ロミオでした。
だからこそ衣装はもっと考えていただきたかった…。
愛月死ですがかなり研究されていて良かったです!
しかし愛ちゃんが力めば力むほど、やはりベテラン過ぎた気がします。
ロミジュリの世界感においての死はもっと軽さのあるというか、トートの重量感とは違いますしね。
死に年齢は無いのだけれど死にも若さゆえの危うさがあるというか…。
ゆえに愛と死のバランスが崩れているのが残念でした
上手く言えなくてすみません。
私のロミジュリオールスター更新です!
ロミオ琴ちゃん
ジュリエットは該当者無しなんですが、13年のねねかなぁ
ティボは紅ティボがやはり良かったですね
死は真風ですね。あの歩き方といい、自然な死が側にいる感じ素晴らしかった
愛は琴ちゃんと言いたいのですがどいちゃんが忘れられません!
結局、ロミジュリは私の中では星組かなと思ってます
蒼汰さんのオールスターも聞いてみたいです笑
はじめまして。いつも楽しく拝読し、勉強させていただいています。
今回の星組のロミジュリ、脚本は今までとほとんど変わらないのに、まったく違う舞台を観るような新鮮な感覚が衝撃的で、非常によかったです。
陰キャラのロミオと陽キャラのジュリエットという描き方が、礼真琴と舞空瞳の持ち味に合っていて「互いが相手でなくてはならない」という運命の相手感がよく出ていましたし、若い故に盲目的に恋に突っ走ってしまう危うさは、やはり歴代最高の説得力を感じました。二人が可愛くて、純粋で一所懸命だからこそ、悲劇性が増しているというか。
初観劇の時には恥ずかしながら「ロミジュリってこんなに泣けるっけ?」と自分でもびっくりする位号泣してしまいました。
礼舞空コンビのロミジュリの最大の魅力はやはり「少年少女のリアル感」だと思います。ロミジュリは今まで苦手だったが今回観て好きになったという人が凄く多いのもそれが理由かなと。
間違いなく礼舞空コンビの代表作ですね。
他のキャストもほぼ完璧な布陣、はまり役で、今の星組でロミジュリやるの大正解すぎる。
衣装と鬘は、私も写真で見た時は不安でしたが、生で実際見たら全然気にならなくなりましたし、ジュリエットのバルコニーや仮面舞踏会の衣装はむしろ普通に可愛くて好きかもしれません。あとひばりのロミオの白シャツは大正解だと思いました。
私、ロミジュリの衣装って今までもそんなに良いと思ったことがないので、今回だけいろいろ言われているのが気の毒に感じます。むしろ雪組や月組で、ジュリエットがやたら手袋をはめていることのほうが嫌でした…。ロミオの手の温もり感じられないじゃん!と…。
今回のロミジュリ再演へのプレッシャーは想像を絶するものだったと思いますが、見事に期待以上の素晴らしい「令和のロミジュリ」を見せてくれた礼真琴と舞空瞳、星組生全員に拍手と感謝の気持ちを捧げたいです。