祝・新生月組誕生!!博多座『川霧の橋/Dream Chaser』感想

 

月城かなと&海乃美月のプレお披露目公演である

博多座『川霧の橋/Dream Chaser』をライブ配信にて拝見しました。

 

予定があったため見られないかと思いきや、

なんとか調整して観劇にこぎつけたのです、が。

 

諸事情により最後10分が見られなかったので、

多幸感溢れるという噂のデュエダンや、

英かおと初の階段降りは見られず…残念!!

 

再演物ですので脚本ではなく、

キャストごとにさっくり感想をまとめていきます。

 

真ん中が似合う男役・月城かなと

 

改めて、トップ就任おめでとう!!

月城かなとは真ん中が似合うし、何よりも安定感が抜群ですね。

 

下町の若棟梁感・幸次郎は少し粗野で不器用だけど、

器が大きく包容力のある人物である、

というのを見事な芝居力と男役パワーで表現。

 

つまり、とてもカッコ良い。

みんなあんな男に「何処へも行くな」って言われたいでしょ?笑

まさに古き良き男前を体現していて素晴らしかったです。

 

そしてレビューの方も、とても良かった!!

第一幕、金と白の衣装で真ん中に立つ姿は、

まさに新時代の皇帝という様相。

 

ダンスが不得手&怪我の影響もあり、

ミロンガはどうなるかと心配していましたけど、まさに杞憂でした。

 

見ていて全然気にならない程度に踊れていたし、

何より顔が良い、紫のスーツが似合う、色香が半端ないの三段活用で、

本当は他のキャストも見たかったのに彼女に釘付けでした。笑

若きマフィアみたいな謎の迫力がありましたね。

 

全編通して、芝居では渋く堅実に、

レビューではフレッシュキラキラにと、

自身から発せられるオーラを器用に変えていて、

単純に凄いなと思ったのでした。

 

海乃美月・鳳月杏・暁千星

 

ヒロインを演じた海乃美月、

お光は想像よりも随分幼い役どころだったのですが、

無理なく自然な演技で良かったですし、

そこからだんたんと大人となっていく流れも見事。

 

レビューの方も得意のダンスで月城かなとを上手くフォローし、

美しきトップコンビ像を見せてくれましたね。

 

そして鳳月杏&暁千星。

役どころと本人のスター性が逆なのでは?という指摘もありましたが、

舞台で見るとそんなことなく、むしろピッタリだったと思います。

 

やはり暁千星はこういう闇側の役のが映えますね。

可愛らしい顔立ちだからこそ、庇護欲が湧くというか。笑

 

幸次郎を出し抜きたいがために女を口説き

出先では平気で女を作り、

大火にあった地元をそこまで心配するでもない。

 

暴行事件を起こすまでになり、流刑先から逃れるために人を手にかけ、

堕ちるところまで堕ちて、ついに古い友人を利用するようになり…

というどうしようもないヤツですけど、

それを魅力的に見せちゃうのがスター性というもの。

 

それはレビューの方のスパニッシュの場面でも光っていたし、

返す刀で「I’ll be back」でキラキラしちゃうのも流石でした。

 

鳳月杏は、もうザ・エエ男という感じ。笑

最後までお組の身を案じて側で見守り続けるし、

ラストは清吉を始末する決意をするという衝撃の展開に…。

 

この後の流れを舞台で見せず、ナレーションもせず、

想像に委ねるというのも粋な演出だなと思いましたね。

 

レビューの方の安定感は素晴らしいの一言。

月城かなとを支えるというより、むしろ伸び伸びとしていて、

それが彼女らしくて良いなと思いました。

 

2番手羽根を見られなかったのが残念ですが…

次の本公演で期待したいと思います。

 

その他のキャスト勢について

 

その他のキャストについてさっくりと。

 

蓮つかさ、とにかく上手い。

彼女が出ると舞台が締まるし、いなせな男役像がカッコ良過ぎて脱帽でした。

 

夢奈瑠音も上手い。今回はなんと老け役。

彼女のこういう役どころを初めて見ましたけど、難なくこなしていましたね。

 

英かおとも上手い。爽やか。

清涼剤な役どころで良かったですし、

火事の場面ではその全力疾走っぷりに笑ってしまいました。

 

光月るうは、さすが組長というだけあって上手い。

いつもの柔和な感じが封印されていて驚きましたし、

あんな上手い死に方はじめて見たってくらい凄かったです。

 

晴音アキ、さすが別格娘役のドン、スーパー上手い。

そして和物化粧が似合うこと。

純情なのか飄々とした役どころなのか、曖昧なのがまた良かったですね。

 

天紫珠李も上手い。

普段の元男役らしいゴツさは消え、お嬢様感が良く出ていたし、

そこからの堕ちモード、からの死に際という変遷の芝居が素晴らしかった。

 

結愛かれん蘭世惠翔は、上手いうえに可愛い。

その他、名を知らぬ若手勢がたくさんいましたが、とにかくみんな上手い。

そう、月組生はとにかく上手い。みーんな上手い。

ライブ配信を見ながら、そればっかりつぶやいてました。笑

 

月組の未来は明るい!!

 

改めて、月組生の地力が凄いことを実感した公演でした。

これに風間バウ組が合流し、

さらに層が厚くなるんだから凄いよなぁ。

 

月城かなと&海乃美月率いる新生月組がますます楽しみになりましたし、

月組生みんなの魅力が多くの人の目にとまることを願っています。

素晴らしいトップコンビの船出に乾杯!!

 

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コメント

  1. あやこ より:

    半次が短刀ちらつかせ、いよいよ川岸で決闘か?と、身を乗り出した私が浅はかでした。これぞ柴田ワールド。余韻の美学。
    ショーでの、鳳月×海乃リフトも良かった。月城さんに冷や汗をかかせない、円滑なフォロー体制を感じます。暁・英の『骨太センターゾーン』も、気持ちがいいですね。
    大劇場お披露目に、期待がふくらみました。

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    光月さんのお光の祖父役、すごかったですね。

    若い衆に職業人としての心得を語る江戸っ子の粋、孫娘の縁談を、過去の遺恨で断ってしまう矜持。

    説明せずとも脳卒中で半身不随となったことがわかる歩き方、震える手でいとおしそうに砥石に水をかける姿。もう歌舞伎の世話物の「型」のようにリアルかつ美しい。

    そして、火事から逃げる途中で川端で亡くなった時の姿、人が亡くなることを「仏になる」というけれど、こういうことか、とはっとしました。

    さすが山本周五郎、さすが円熟期の柴田脚本。

    山本周五郎は「雑木林とは人間が作った勝手な名前だ。”雑木”なんて名前の木は無い。1本1本の木に名前があるんだ」という言葉を座右の銘にしていたそうです。

    場面のつなぎ目に出てきて、ちょっと芝居する生徒さんの一言一言に、「庶民」ではない、固有の名を持つその人の人生が見える。

    正直、皆カツラ&着物で、出てくる生徒さんの見分けがつかないことも多々あったのですが、お話を味わうには何も問題がない。

    昨今の、やたら複雑な構成で「1回見ただけではよくわからなかった???」が多発する脚本を書く先生達、こんな脚本を書けるように精進してください。

  3. 華芽 より:

    不覚にも「上手い!上手い!」の連呼で、煉獄さん………?と思ってしまいました。

    初めて博多座まで遠征して観劇した本作ですが、本当に月組の現体制にぴったりな作品でしたね。
    予習無しで挑んだので、鳳月さんが短刀をチラ見せしてはけた瞬間の客席の拍手で、「あ!ここから先は察してね!!なのか!?!?」と驚いてしまいました(でもそこが良い…)。
    余韻から半さんと清さんの相討ちエンドを仄めかながらも、メイン2人のハッピーエンドで対比が憎いなぁ、と。でもこれだけは言わせて…妻の百箇日で他の女を口説くなよ…(小声)!
    あと名前を挙げられませんでしたが、麗泉里ちゃんも今回かなりおいしい役で良かったですよね!白雪さんが演じている姿が目に浮かぶような役でしたよね(笑)。月組は白雪さん晴音さんの二大お姉様が激強ですが、麗さんも新公エリザのゾフィから注目してるので、今後が楽しみです。

    ドリームチェイサー、ラストのデュエダンからの一連の流れをアレンジするだけど、トップコンビ売り感を出せるものだなぁ、と感嘆しました。でもミロンガの紫スーツなんかは、珠城さんの超絶スタイルの良い立ち姿が忘れられず、少し見劣りしちゃったかなぁ(私見)。次の大劇場での、月城さんのために作られたショー作品が本当に楽しみです!

  4. ふとしこ より:

    冷静な分析と溢れる宝塚愛。いつも楽しみに拝読しております。

    博多座に遠征して2公演、配信も視聴しました。月城さん、とにかく素敵でした。歌も本当にお上手。お芝居が素晴らしいのは知ってましたが、何よりショーでのキラキラにびっくり!眩いばかりのトップスターオーラを目の当たりにして、「月城さん美形だけど、少しお地味よね」と言っていた過去の自分を叱ってやりたいです。
    大好きな鳳月さんはもちろんのこと、皆さん上手い!風間バウでも感じたのですが、みんなが上手い!しばらくは月組追っかけることになりそうです。

  5. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    配信、みました。
    何かもう、月城さん・海乃さんトップコンビに、魅了されました。
    月組さんの皆さんのお芝居、名前とお顔がよくわかっていない私でも、小さな画面での観劇でしたが、知らず知らず見いってしまいました。
    クールビューティーかと思っていた月城さん!いやぁ、月の閃光は、東宝の雪と同じく熱っいんですね。

  6. kmabojp より:

    満を持して、配信の前日に博多座に遠征してきました。
    配信は自宅への移動中のため無理と諦めていましたが、
    「そうだ、機内でも観れる」と気づき、即購入、
    移動しながら前日の振り返りをしました。

    素晴らしい演目とメンバーに恵まれ、感無量でした。
    ちなつさんの二番手羽根も嬉しかったです。

    お正月の本公演も楽しみです^_^

  7. おさかな より:

    蒼汰さん

    博多座に行けなかったことが悔しすぎる、完成度高い作品でした。行きたかった〜!

    私は白河りりがやっぱり上手いなぁと。お芝居上手ですし、ショーでも結構見切れて映っていたので嬉しかったです。個人的に若手娘役では彼女の歌が1番好きなので、本公演エトワール姿を早く見たいです。願わくばもう一度新公きたらいいな…。