「サイコパス」
「一人っ子」
「調整上手」
「御曹司に降られ常に路線詰まり」
さて、それぞれ何組の人事を表現しているでしょう?
このテンションで花組人事を表現するならば、
「強烈な年功序列」。
本日はそんな花組人事のこれからについて考えていきます。
強烈な年功序列の花組
花組は宝塚の筆頭組として、人気スターを多く輩出。
各学年からポコポコと路線男役を生み出す一方で、
縦の序列が厳しく、色んな意味で渋い印象があります。
例えば、瀬戸かずやと鳳月杏が初めて階段一人降りを果たしたのは、
2018年夏に上演していた『BEAUTIFUL GARDEN』。
それぞれ研15と研13で、バウ単独主演してから結構時間が経ってからです。
【訂正】瀬戸さんは『宝塚幻想曲』研11-12が初めての階段降りでした。謹んで訂正します。が、そこから一旦複数降りに戻ってしまってたんですね…。
また、この2人のさらに下にいた、
水美舞斗が一人を果たしたのはなんと『シャルム!』から。
そう、柚香光がトップに就任するわずか1作前なんです。
この3人は、いまでこそ東上主演を果たした正路線ですけれど、
明日海りおが退団する頃までは、あくまで別格路線風味。
それと連動するように、階段降りだけでなく、
ル・サンクや舞台写真等のグッズ関連も非常に渋かったです。
もっと時代を遡ると、蘭寿とむ政権時代の、
愛音羽麗、華形ひかる、朝夏まなと、望海風斗の混戦時代も印象的。
蘭寿とむの落下傘による壮一帆ステイ真下で、
御曹司・朝夏まなとを『ファントム』役替わりで押し出しつつ、
『カノン』望海→『CONGA!!』愛音→『オーシャンズ11』華形と、
年功序列を守りながら3作連続で必殺・番手ぼかしエトワールを発動。
その間に朝夏まなとを宙組に避難させ、望海風斗にバウ主演させ、
数年かけて華形ひかるをやっと抜かさせたと思いきや、
明日海りおが降ってくるにあたり全員雲散霧消に散るという。笑
そして望海風斗が結局雪組に行き、黄金の小川時代へ…という流れでした。
さらに時代を遡ると、もっともっと混戦模様だった頃もありますが、
一つ言えるのは有望な路線が多いからこそ、
人材をひょいひょいと他組に輩出するのが花組の特色だったんですよね。
(逆に玉突きでその影響を受けるのが宙組という…)
横スライド時に下級生が上級生を抜かすことこそが、
人事的に最も軋轢の少ない人事なのですが、
それがコロナの影響なのか小川→木場人事の影響なのか、組替えが減少。
各組でより人事の滞留が起きているのが、今の様相です。
永久輝せあのこれから
で、永久輝せあ。
瀬戸かずやと水美舞斗に阻まれ、長く耐え忍ぶ時が続きましたけれど、
ようやっと2番手に上がれる時が来ました。
が、『二人だけの戦場』も『鴛鴦歌合戦』も波線上でなく、
ポスターにも載らない渋い扱いに、
ファンはヤキモキしていることでしょう。
…ここまで読んでくださった方々は、たぶん文脈的に、
「とはいえ花組は年功序列が厳しいからノープロブレム、仕方ないよ」、
と私が書くと思いますよね?
残念ながら違います。
さすがに扱い的に渋すぎるわ!!
永久輝せあって現在研13で、次の本公演中にもう研14に上がるんですけど?
トップになることは確実でしょうけれど、
早期就任と呼ばれる学年はとうに過ぎました。
「花組に馴染ませるために敢えてゆっくり上げている」なんて、
暁千星の活躍っぷりを見るにただの言い訳に過ぎません。
トップ就任間近なら、もっと大々的に売り出すべきでしょう。
…そう、これがキーなんですよね。
瀬戸かずやを残した時点で、
劇団(花組)は柚香光に長くやってもらうつもりだったし、
今もそのつもりだ、と私には見えます。
少なくとも『鴛鴦歌合戦』の公演中に退団を発表し、
次作任期7作目で退団し、永久輝せあにバトンタッチする、
そんな流れには全く見えません。
たぶん、劇団は永久輝せあに2番手を3作はやらせて、
ちゃんと段階を踏んで上げるんじゃないかなーと思います。
ファン的にそれを喜べるかは難しいところですが、
逆にこの流れであっさり花組でトップにあがったら、
音月桂の二の舞になってしまいますしね。
ま、『二人だけの戦場』を見るに彼女に不遇キャラって似合ってた気がするし、
思い出せば評判の良かった『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』の女役も、
初バウ主演の『PR×PRince』もそういう方向性だったので、
劇団的にはそれが売りだと思ってるフシもあるような気がします。
トップになれることは確実ですから、「果報は寝て待て」精神で、
美味しい2番手をこれから享受して欲しいなと思います。
花の御曹司の凄さ
ところで、年功序列の花組を書きましたが、
これに全く当てはまらずにあっさり上がったスターが、
少なくとも平成宝塚史以降で2人居ます。
それが、春野寿美礼と柚香光。どちらも生え抜きトップです。
春野寿美礼は新専科で上級生抜けたうえ、
愛華みれより御VISA様を引き継ぎ、
匠ひびきの1作退団であっさりトップに就任。当時研11でした。
柚香光は2番手昇格時の『ポーの一族』で、
トップ娘役を押しのけデカデカとポスターに掲載。
当時研9で、後に研11でトップに就任。
こう考えると、筆頭組花組の御曹司様ってスゲーって感じですよね。
春野寿美礼は9作やりましたけど、
さてさて柚香光は何作やるんでしょう?
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コメント
柚香ファンにとってはとても嬉しく読ませて頂きました。元々7作で終わるとも思ってないですが、真風さん9作やって柚香さんもそれくらいいってもおかしくないと思います。
花の御曹司ってほんとに凄いんですね。明日海さんが組替えしてきたのも、柚香さんとの並びが良いビジュアルが良いトップスターと並べたかったからではないかと思ってました。実際2人はショーやお芝居での絡みが多かったですし、並びも美しくて2人でなければ出来なかった場面がいくつもありました。
永久輝さん2番手の期間も2人の芝居の相性が良いのでとても楽しみですし、3作以上は見たいなと思います。
こんにちは。
初めてコメントいたします。
順調にいけばこのまま二番手に上がるであろう永久輝さんには、二番手経験を3作はさせるであろうと、わたしも同じように考えていました。
鴛鴦→海外ミュージカル→二本立て(仮にこれが柚香さんの退団公演としますと、本数的にもピッタリかと……)
95期箱推しの民からすると柚香さんにはもっと長くやっていただきたい気持ちもあるのですが、昨今各組各所で見受けられる居座り論や永久輝さんの学年的にも待てるのは鴛鴦含めて残り3作が限度なのかな、と思います。
鴛鴦の後に海外ミュージカルを挟んでしまったのは個人的な希望をかなり含んでいますが、やはり柚香・星風の並びでのエリザベートを諦めきれていないところがあります……(歌唱力を引き合いに出されることが多いですが、巡礼の年を経てのうたかたの恋以降、かなり歌の力が安定してこられたと思います)
うたかたとエリザ、似たようなというか同じ時代・同じ一族がテーマのお話なので可能性は低い気がしますが、星風さんのシシィが観たいのでどうにかやってくれないかな、と笑
仮にそうなれば、エリザベートで星風さんが先に退団されたあと三人目のお嫁さんをお迎えになるのか、その次の二本立てで花組らしからぬ添い遂げ退団になるのか……
流石に柚香さんから永久輝さんへの代替わりの際には星風さんも区切りをつけておられるのではないかと思います。
瀬戸かずやさんは2015年の宝塚幻想曲やMelodiaで階段単独降りされてますよ。
あと鳳月杏さんは2016年のME AND MY GIRLが初の階段単独降りですね。
それでも十分遅い部類だと思いますが
ご指摘ありがとうございます、ミーマイは毎度否定してるのですが、あれは演出上のものであって当ブログで言う「単独階段降り」とは種類が違うものです。瀬戸さんについては完全にその通りですね、謹んで訂正致します。
久しぶりにコメントします。
花組さん、やっぱり渋いですよね…
はいからさんの時に瀬戸(と水美)、バロクロで水美が切手で2番手スタートだったので今回も切手で入ると思ってましたが。
永久輝がポスターに載らない限り聖乃も載れないわけで、風間・極・縣はすでに載っているのに何だかなぁという感じです。
ポスター、波線以外では他組の路線と扱いに差がないように思うので何故そこだけ渋いのか謎です。
蒼汰さま
いつもありがたく拝読させていただいております。
なるほどねーーーーと叫んで膝を打ってしまいました。
「2人だけの戦場」のポスターに永久輝が入っていなかった時から違和感が
ありました。
加えて「鴛鴦歌合戦」のポスター、破線上にもインせず、、、
扱いが渋過ぎる、、、まさにそうだわ!
正直、嫌がらせをしているのかと思ってしまいました。
花組ファンとしては、これ以上意地悪なイメージを増したくないと辛い気持ちでおりました。
だとしても、柚香があと3作は長過ぎる、、、
蒼汰様
柚香光に長くやってもらうつもり、だったとしたら、VISAガールをなぜ花組に。VISAガールは花組こだわりより、一定の期間内でのトップ就任こだわりの方が、スポンサーにとっては有り難い気がします。年末の三井住友冠の男子ゴルフのCM、以前は明日海りおさんが踊ってましたが、ここずっと5組トップ並びのCM。VISAガールの顔、売り出せないままやん。
二人だけの戦場、素晴らしかったです。いっぺんに正塚先生のファンになりました。れいひと、お芝居の相性はいいと思いましたが、そのせいか2人の並び、永久輝さんが損してるようにみえました。1人でバリバリ演じた方が、絶対もっと素敵に見えるよなって。もちろん個人の感想です。鴛鴦の次作は、どうかエリザベートを。れいちゃんトートで、宝塚にかつてのベルばらブーム再来を。フランツは専科から水美舞斗。ルキーニ永久輝さん。れいまいだと、歌、弱いか、、、
ブログの更新がほんとに楽しみ。いつもありがとうございます。
コメントありがとうございます。
拝読して思ったのは、そのスポンサー的メリットを買うならVISAを永久輝さんじゃなくて柚香さん(月城礼真風芹香は既にスポンサー持ちで彩風さんは明日海さん退団時にかんぽの望海さんが居たから除外)にしとけば良かったんじゃないかな?と思いました。けど、VISA感があるのは当時のメンバーを見るに、やっぱり永久輝さんだったのは納得です。2番手になったことですし、これから売り出しして貰えるといいですね。
そうなんです。柚香さん、なんとなくVISAガールのイメージではなくて。永久輝さんを選ぶ劇団、さすがだなと思います。CMで1人踊りキラキラの永久輝さん、見たいなぁ。
いつもわかりやすい考察ありがとうございます♪
確かにこうやって時系列でみたら、花組の御曹司って特別強いですね。
しかし柚香が強く感じるのは、やっぱりVISAの永久輝をこれだけ抑えて(?)いるということです。VISAがこれだけ渋かったこと、私はあまり記憶にないです。
柚香光どれだけ強いの〜
しかしVISAの任期は数年のはず。
2024年に柚香が退団としても、イメガ就任からすでに5年経ってますよね。
永久輝のトップ中に任期が切れる、ということはさすがにないでしょうから、どうなるんだろうとは思います。
組替え以来ずっと、微かに期待しては砕かれの繰り返し、さすがに気持ちが萎えています。考えたくないですが、次作のフィナーレで2番手大羽根がなくても驚かないよう心を守っています。
渋い扱いに嬉々としたコメントが並ぶくらいですから、逆によかったらどうなるのか、フアシネイション再び?想像するのも恐ろしいです。
宝塚の王道男役ですから、いつかきっと大輪の花を咲かせてくれると信じ、その日を待ち続けます。
コメントありがとうございます!
さすがに次が渋いなんてことはないと思いたいですし、もし仮に渋かったとしたらそれこそ(柚香さんに対する素っ頓狂な)批判的意見も増えそうな気がしますけどね。やはり正統後継者には相当な扱いをした方が、どんな立場であれ見る側としては安心するものですし。
たびたび失礼します。
柚香さんの任期は元々8作くらい、ひとこ2番手4,5作と予想していました。歌劇表紙事件で考え直したのも含めて、予想は全く当たりませんが。
柚香永久輝の並びは見目麗しくダンスの相性も良いので、この組み合わせを生かした良い演目を切望します。
いつも楽しく、興味深く拝見しております。
次回本公演のポスターには載らない、配役波線上に名前がない。
なんだか、です。何を躊躇されているのやら、疑問です。
準トップで組替されて、超大人気組にした明日海さんは、やはり、相当に凄かったんだ、と。では、その方を越える組替トップではなく、御曹司トップは花組でいらっしゃいますか、と語気強めで発言します。
どうか、永久輝さんが中央で躍り歌い、お芝居にのめり込む姿を、今から楽しみにしております。
雪ファンなので、つい。申し訳ありせん…。
各組の若手育成方針ってどれくらい伝承されるものなのでしょうね。各組の育成にタイトルを付けられるくらいですから、とても一人(一代)の組Pの功績or暴走では無いと思うのですが。阪急内の派閥とか学閥とかあるんですか…?
二戦も鴛鴦も永久輝さんが破線上やポスターに載らないのは一部の水美さんファンの反発を恐れてではと推察してます。
初日前から永久輝さんを2番手として前面に押し出す形にすると、そのために専科へ組替えさせたのかと解釈されて永久輝さんへの誹謗中傷に発展すると考えての対処のように見えました。
さすがに次回の本公演では満を持して永久輝さんが正2番手になり2番手羽根を背負うだろうと確信してますしそうなるよう願っています。
率直な印象を言えば、花組内での永久輝さんへの評価が相対的になかなか上がってこないのかな、というところでしょうか。
柚香さんや水美さんの評価は、柚香さんトップ就任後に上がったように思います。
仮に柚香さんが8作以上の長期となった場合、それはトップに就任してからのパフォーマンスが評価された結果ではないかと。
水美さんも専科移動前に正2番手として羽根を背負った(≒スペア枠とはいえ、トップ就任の可能性を残した)のも同様でしょう。
とはいえ、永久輝さんは鴛鴦で二番手となり、より目立つ(≒評価される)時間を得るわけですから、これからではないかとも思います。
従前からの永久輝さんファン以外の人にも認められるようになると、次期トップとしてより安定できますね。