花組階段降りから見る最近の人事トレンド

 

花組『鴛鴦歌合戦』が無事開幕。

花組は大劇場公演において最もコロナ禍の影響を受けている組だと思いますので、

今度こそ千秋楽まで完走出来るよう祈っています。

 

さで、本日はそんな花組の階段降りから改めて見えてきた

最近の宝塚の人事トレンドについて書いていきます。

 

消えた3番手羽根の不思議

 

まずは永久輝せあが2番手羽根を背負ったそうですね。

本当におめでとうございます!!

 

うん、でしょうね。

ポスターに載らないだの波線上じゃないだのやんや言われてましたが、

これはさすがに固いだろって話です。

 

で、私が気になっていたのはむしろ、

聖乃あすかが3番手羽根を背負うか否かでした。

結果、背負わなかったようです。

 

うそーーーーーーー、マジ?

3番手羽根といえば御曹司スターの証みたいなもんで、

2023年の今、花組期待の100期生である聖乃あすかが背負わずして、

一体誰が背負うんだって話ですよ。

 

そりゃ、聖乃あすかが3番手羽根を背負ってしまったら、

和希そらと瑠風輝を抜かしてしまうことになるし…という事情は分かります。

けど、聖乃あすかってそういう扱いでも良いくらいの御曹司スターじゃないですか。

まさか劇団がこんな日和り方をするなんて思いませんでした。

 

で、ここから見えた確信が一つ。

木場理事長は敢えて色んなことをボカしていますね。

 

3番手のプログラムサイズ、3番手時代の永久輝せあの扱い、暁千星の謎羽根、

歌劇表紙の予告もなくなり、外箱ヒロイン判定における波線上ルールもなくなった。

何より、挨拶が定型文で必要最小限しか喋らないという。

 

個人的には、95期後続組とアンチテーゼ95期トリオのいびつな関係上、

その瞬間だけ人事をボカしているのかと思っていましたが、

どうやらそういう方向性で舵取りしていく模様。

 

「人事を読まれるのが嫌なのでは?」という意見も分かりますが、

それよりむしろ人事的にどう転んでも良いように

日和見な体制を維持しているように私には見えるわけで…。

 

このボヤボヤな感じが正解なのか否かはまだ分かりませんが、

とりあえず3番手の定義についてはまた改めて考えねばなりませんね…。

 

最近のトレンド?娘役バラン

 

あと、個人的に興味深いのが、

最近「娘役バラン」が頻発していることです。

 

これまで、年長者の非路線スターが退団する際に、

他の上級生を従えて真ん中で歌わずに降りてくるパターンがありました。

例えば花組『シャルム』白姫あかり雪組『ONCE UPON~』早花まこ、など。

 

これは例えると専科スターの降り方と同じであり、

人事的な意味合いは全く無く、

長年の務めにたいする労いのようなものだと考えられます。

 

が、『Gran Cantante!!』において音波みのりが瀬央ゆりあの後に降りてきた時に、

退団餞別の他に2番手ブロックの意味合いがかすかーに香ったわけですが、

まぁ結果どうなったかと言えば皆さんご存知の通り。

 

続く『ENCHANTEMENT』では華雅りりかがセンターで降りて退団餞別、

『ジュエル・ド・パリ!!』では諸事情により(感想編で書く予定)センター降り出来なかった、

野々花ひまりが娘2格として朝美絢の前に降りてきました。

 

ってわけで、路線系娘役が色んな事情で、

2番手スターの前後で降りてくる事案が頻発しているわけですけど、

この「前後」に違いがあるのかが最近の気になるトピックスでして。

 

で、今回は退団者である春妃うららが、

たぶん同じ降り方をしているのではないかと予想しているんですが、

残念ながらSNSで情報を拾い切れていません。

実際に観劇に行かれた方、どうでした???

【追記】コメント欄で教えて頂きましたがやっぱり同様の降り方をしたようです。情報ありがとうございました‼︎

 

仮に降りているとしたら、この「娘役バラン」は新たなファクターだと思うので、

長く観測していきたいなと考えています。

ま、娘役を一瞬でも目立たせていると思えば、

地位向上に寄与していると言えますので、良いことですよね。

 

新公ヒロとエトワールの合わせ技

 

最後に。

『GRAND MIRAGE!』でエトワールを務めたのが、

103期生の朝葉ことのとのこと。

 

ここ最近の彼女の躍進は面白いですね。

『殉情』でバウWヒロを(たぶん)実力で取り、

別格娘役路線になるかと思いきや、新公ヒロを取りながらエトワールまで取った。

 

ちなみに、この新公ヒロとエトワールの合わせ技は、

『ジュエル・ド・パリ!!』音彩唯、

『1789』詩ちづると3連続なのが興味深いです。

 

じゃあ彼女は路線系に方向転換したのかと言われれば、

まぁそんなことは無いと思いますけど、

けどそこから上がった仙名彩世、春乃さくらという例があるから侮れません…。

 

そんなわけで『GRAND MIRAGE!』の階段降りは、

木場人事の様々な新たな事象が見えてくる、

とても興味深いものだなぁと思ったのでした。

 

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コメント

  1. より:

    こんばんは。
    春妃さんは蒼汰さんのご考察どおり、永久輝さんの後で、まさにGran Cantanteで音波さんが降りてきた位置でした。
    97期、それも今まで厚遇とは言えない扱いのように感じられた彼女をわざわざそこで下ろしたことに意味があるのかないのか…とも思いましたが、星風さんと全く同じ堂々の2番手羽根でしたから、それを言うのは野暮ってものでしょうね。
    それより階段降りが、朝葉さん→帆純さん・綺城さん・一之瀬さん→聖乃さんというのにも少し驚きました。てっきり星空さんと美羽さんも降ろすかと思っていたので……希波さんの休演の影響もあるのでしょうかね。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      教えて頂きありがとうございます!
      星空美羽コンビは降りても良さそうなのにビックリですね。これについては考えがまとまり次第記事で書きたいと思いますー。

  2. じゃにー より:

    私も水美、瀬央、永久輝、暁あたりをぼかすために2,3番手(目)のプログラム写真サイズを同格にしたり、3番手(目)の東上増やしているのかかと薄々思ってました。
    本来は上記4人のぼかしが目的なのですが、花組と星組だけパンフの写真サイズを同格にすると露骨なため、他組も同様の処置が取られたのでは?とも思ってます。
    いずれにせよ和希(、風間、聖乃、瑠風)あたりはこのぼかしの恩恵で、これまでの3番手より扱いがよい(よくなる)のでは?とも思います。(逆に言えば、彩凪は3番手(目)を数年続けたが東上ができなかったのに対し、和希が現段階で2回東上確定しているのを見ると、時代の運が悪かったのかなとも…)
    このぼかしの良し悪しは私もわかりませんが、個人的には多くのジェンヌさんに東上やバウ主演機会を与えてほしいので、別箱の方針だけはこのまま行ってほしい(バウ主演やワークショップ主演のレパートリーも増やしてほしい)とも思います。(主演者数の増加は「主演与えたのに劇団はトップにしなかった!」みたいな炎上の種を増やすことにもなるので、劇団も痛し痒しかなとは思いますが…)

  3. 通りすがり より:

    春妃うららさん想像通り永久輝さんの後に歌なし真ん中おりしていました

  4. クリオネ より:

    蒼太さん

    いつも楽しく拝見しています。

    人事を意図的にぼかしてるのはなんとなく感じます。

    蒼太さんも以前書かれていたとおり、小川体制では計画人事の弊害もあるので、人気や実力に応じて調整しやすいという面では良いこともある…と信じたい気持ちもあります。

    なんかここ数年人事ブログ増えましたよね。
    何か人事が動くたびに、カード何枚持ってるのに可哀想!おかしい!みたいなヒステリーが起きるのもどうかなぁ、と思うのでカードから目を逸らさせたいんじゃないですかね。もちろんそれが宝塚の醍醐味だしファンの方は仕方ないですが…
    (こう書くと自分木場タイプぽい!?やだやだ笑)

    現体制へのフォローっぽいことを書きましたが、結局のところ問題を先送りにしてるだけにも見えるので、どうなるんでしょうか、これ…。このままいくとトップ就任の平均年齢上げるしかなくない?という。

    しばらくは3番手羽根がポイントですね。楽しくウォッチしたいと思います。

  5. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    とても興味深い考察、ありがとうございます。
    複数名でエトワールを務めた月組ですが、次回公演では、さてどうなるのでしょう。次期娘役1候補がうやむや模様(?)ですので、選別で卒団メンバーに役がまわってくるのか、な。
    それはそれで、少し期待してしまいます。

  6. 五條 より:

    面白い視点ですね。真ん中降りする娘役(路線?非路線?)の順番と退団の関係性でしょうか。退団が発表済みだから発生するのか、はたまた今後退団が近いのか。単純に娘2だからなのか。
    まだ例が少なくまとめは難しそうですかね?期待しています。諸事情も気になりますねーw

    露骨な番手ボカシは現理事長の特徴なのでしょうか。3どころか2もボカしてましたよね。花月雪は2が出揃いましたし、星もまあ普通に考えれば暁。流石に桜木も背負う…と思うんですけども。宙組とはいえこの期に及んで…ねえ?
    まあ3ボカシとけば移動等扱い楽だよねーってのはわかりますが、2番手切りといい、2番手羽根を背負うという意味合いが…なんというんでしょうか。怖さを感じるんですよね。水美に背負わせて瀬央に背負わせない意味は、単に人気の差ってだけなんでしょうか。それとも何かに対する保険なのか。
    鳳月あっさり背負ったな→まあトップはないよね→…あれ?辞めないぞ…これは、なにが…なに?みたいな。風間は他組考えるとまだ早いってだけならわかるんですけども。

  7. ずんだもち より:

    どう転んでもいいように ってその方が怖いな。
    宝塚はタカラジェンヌあってこそ!なのでトップスターに相応しい演目を考える。もしくは演出家がやりたい企画を持っているが、ピッタリのトップが現れるまで待ち続ける─
    だったのが、先に外部エンタメ等とタイアップした企画が持ち上がる→それに合うジェンヌを選ぶ。企画から上演までの期間が短いため、上位スターは横並びにしておいて、その都度ピックアップ就任。
    あるいは演目が在任中トップに合うなら下にトップ候補が詰まっていようが任期延長する。
    になって行くのか?
    木場理事長一人で決めているわけではないでしょうけど、人事うやむやは永く続いて来たスター制度も崩れて行きそうで‥。
    それって魅力ある宝塚なんでしょうか?

  8. ジャスミン より:

    更新ありがとうございます。
    色々と興味深いですね。星空さんも美羽さんも階段降りなしって本当に驚きです!
    さて、朝葉さんの新公&エトワールについては、音彩さんや詩さんのケースとは意味が異なるでしょうが…とはいえ、朝葉さんはワンチャンあってもおかしくない実力がある方。
    だからこそ、顔見せはしておく、ってことなのかなとも感じます。
    (もし今後朝葉さんが別箱ヒロインを取った場合は色々と面白いことになる可能性はありますね。可能性だけは。)

    宙組の春乃さんの場合、やっぱり劇団側の“お膳立て”が明らかに足りなかったと感じます。
    時間的に無理だったというのは承知ですが、まず本公演スチール入りした後、もう1作別箱で(この際バウでもいい)ヒロインを取ってからの就任発表だったら…と思うのです。(それじゃシンデレラストーリーじゃない!!という意見も出るかもしれませんが)

    で、最近、亜音さんや希波さんの休演があったり…何か“緊急的”なことが絶対に起こらないとは言えないじゃないですか。

    ですから、カードとまではいかないかもしれないけれど、推したい人材は早めにファンへの顔見せはしておこう的イメージかと。
    エトワールって、そういう点では最適な役目ですよね。歌が得意でないと厳しいですけれどね。

    なーんて思っておりますが、まあ、現理事長様のお考えはよくわかりません(笑)

    どちらにせよ朝葉さんや月の白河さんは強い別格もいけるしワンチャンあってもおかしくない実力の持ち主ですし、活躍は嬉しいです!

  9. おさかな より:

    蒼汰さん

    朝葉さん、新公ヒロ決定からのスチール入り&エトワールで正路線ではないかもしれませんが大事に育てていきたいんだなと思いました。バウヒロも経験しているのでスチール入りは妥当だと思いますが、星組の瑠璃さんより先なんだなぁと。
    星組は水乃さんもまだなんですよね……。詩さんも公演での扱いはいいのに、スチール入らなかったのが驚きではありましたが、これは組の方針ってだけなのかなと思いました。