さて、本日は朝美絢・路線スターの歴史を
超個人的に振り返っていきます。
題して、朝美絢出演舞台ざっくりレビュー‼
本日は前半の月組編です。
彼女のこれまでの舞台での歩みを
あくまでも個人的な感想として短文にまとめ、
6点満点の採点付きでご紹介していきます。
※点数基準はあくまでも、「朝美絢ファンが楽しめるか」であって
作品自体の評価ではありませんのであしからず。
基準は以下の通りです。
★★★★★★:朝美絢ファン以外の人も絶対に見るべき名作。
★★★★★:朝美絢ファンであれば絶対に見るべき作品。
★★★★:朝美絢ファンであれば見て損はない作品。
★★★:朝美絢ファンであれば暇な時に見て楽しめる作品。
★★:うーん、なかなか厳しいぞ。
★:ノーコメント、ある意味凄いかも。笑
なお、彼女の路線スターとしての始まりは
初新公主演『PUCK』からだと思うので、
そこから全作品レビューしていきます。
朝美絢・月組時代ざっくりレビュー
新人公演『PUCK』パック役(主演)
研6にして新公初主演。
パックという役は宝塚男役像の王道から著しく外れるため、
期待の御曹司である珠城、暁にはやらせられず、
ビジュアル的にもピタリとハマる朝美にお鉢が回った…
か、どうかは分かりませんが
それでも朝美にとって大いなるチャンスであったと同時に
劇団としてこの判断は、正解だったと言えるでしょう。
彼女の舞台に取り組む一生懸命さや丁寧さと、
新人公演らしい瑞々しさが『PUCK』という作品の持つ雰囲気と合致し、
「失われた青春」感みたいなものが全面に出ているのが面白いですね。
歌唱力含め、舞台技術はまだまだ及第点ですが
ビジュアルの華やかさはもちろん、
将来を期待できるには充分な出来栄えの公演だったと思います。
パックが大いなる試練とともに、
平和な妖精の国から金と欲望の人間界へ落とされたとき、
朝美絢の路線スターとしての戦いが始まったのでありました。
オススメ度:★★★★(4点)
バウ公演『Bandito』ピショッタ役
1期先輩・珠城主演のバウ公演では
同期の輝月ゆうまと3番手格を分け合うようなポジションでの出演。
(ちなみに2番手は宇月颯)
冒頭、メインテーマの歌い継ぎでは主演・珠城の次であったり
そこそこの出番の中で実は物語のキーパーソン(転換者)なことを考えると
劇団側からの期待が感じられないことも無いと思います。
このあたりの彼女は、「大人の男」に見せようと
一生懸命に奮闘しているのがありありと見えて微笑ましいですね。
滑舌も甘かったり、男声の歌もヘロヘロだったりするのですが
そんな躍動感と背伸び感がまた、美しい。
そしてこの公演では髭をつけているのですが、
当時からビジュアルを完璧に仕上げてくるのは中々に凄いと思います。
崇高な髭美絢(命名:管理人masa)を見られるので、お好きな方は、ぜひ。
ちなみに、この『Bandito』という作品は典型的なバウ公演であり
内容もアウトローな世界、血と絆、そして男の友情…という
見る人をだいぶ選ぶ作品であることを留めておきます。笑
オススメ度:★★★(3点)
本公演『1789』ロワゼル役
新公主演を果たし、本公演も役が上がる‼
…かと思いきやそうではなく、
美弥るりか演じるアルトワ伯爵の手先の3人のうちの1人(しかも一番格下)。
それでも少ない出番を一生懸命に演じ、
手足を大きく動かし「ヤンチャ枠」として涙ぐましく奮闘しております。
ちなみに、この時点で
3期下の後輩・暁千星はフェルゼン役、つまりきちんと出番が有り、
さらに階段降りまで果たしたことを考えると、物凄い抜擢ですよね。
このあたりから劇団側の朝美と暁のニコイチ育成
もとい、路線バトルの火蓋が切って落とされたのでありました。
(しかし、いつだって若干暁の方が半歩上なんですけどね…)
オススメ度:★★★(3点)
バウ公演『A-EN』アーサー・キャメロン 役(主演)
やったね、ついに朝美絢が当たり役の1つをゲット。
オラついてるワルなイケメンが、
クラスの目立たない女子との触れ合いを通じて恋が芽生え、
ツンでデレなめくるめく胸キュン青春ラブストーリー…
という、りぼんだとかなかよしだとかの少女漫画の世界が大爆発、
おおよそヤマもなくオチもなくイミもない作品なんですけど
朝美絢のイケメンっぷりを楽しめればそれでいいのですよ、うん。
この作品の成功の結果、朝美絢の元祖イメージ
つまり「イケメン」「オラついてる」という要素が確立。
これが一つの大きな武器となるわけですが、
逆にアンチが思うところの「下品」という烙印が押された作品でもあるわけで
非常に痛しかゆしな公演だったと言えるのかもしれません。
それでもきっちりバウ主演をゲット。
たとえ週替わり主演の暁千星の風除けだったとしても、
路線スターとして充分な成果を得ることが出来たと言えるでしょう。
オススメ度:★★★★★(5点)
本公演『舞音』カオ役/新人公演:シャルル・ド・デュラン役(主演)
新公学年最終年にて2度目の主演。
この時点では暁か、もしくは同期の輝月ゆうまか、という選択肢の中で
あえて朝美を選んだということは、
劇団的に保険をかけたということに他ならないでしょう。
この新人公演は本当に素晴らしいですね。
彼女の研ぎ澄まされた芝居と、眩いばかりの若さ、美しさが
愛に狂って破滅に向かう海軍将校に、ピタリと合致。
ファンの贔屓目を抜いたとしても、
素晴らしい新人公演だったと思います。
本公演では反政府派の現地の青年たちの1人。
他にも同じ役で夢奈、蓮、暁といるわけですが、
その中のリーダー的ポジション、しかも物語上重要な役割を果たします。
着々と本公演での出番を増やし、
ここでついに舞台写真(東京公演)が登場することを思うと、感慨深いですね。
しかし彼女は、こういうレジスタンス的役が本当に似合うんだなー。
この成り上がり者・反逆者というスター適性は、
今でも続く彼女の本流の1つであることを考えると、非常に興味深いですね。
オススメ度:★★★★(4点)/新人公演は★★★★★(5点)
本公演『NOBUNAGA』妻木役、森蘭丸役
路線スターは誰もが通る道ですが、まさかのここで女役。
しかも同時公演『Forever LOVE!!』ではついに初の階段降り。
ということで、彼女のスター人生において
非常に大きいターニングポイントなわけです、が。
…ごめんなさい、実は個人的にこの作品、なんでか非常に苦手でして
何度挑戦しても途中で絶対に視聴断念してしまうのです…。
ということで、パス‼笑
オススメ度:測定不能
東上公演『アーサー王伝説』ランスロット役
月組新トップ・珠城のプレお披露目公演。
ここでハッキリ書いておきますが
金髪&短髪の朝美絢というビジュアルにハズレ無し‼
ということで金髪&短髪で聖騎士の恰好って
こんなRPGの世界をそのまま抜け出たかのようなスター、
本当に実在してます?と聞きたくなるほどの超クオリティ。
後に自分自身で「キラキラ感を意識した」なんて話していますが、
まさに王道らしさ爆発の、正統派キラキラ感満載の朝美絢を楽しめます。
しかも中盤、まさかの髭美絢まで登場しますので
まさに1度に2度美味しい公演と言えるかもしれません。笑
出番的には2番手格(美弥るりかは女役だった)かつ、
主役であるアーサー王の葛藤の鏡としての存在であるため
全編通して非常に美味しい役割なわけです、が、
これって内容的にプレお披露目で本当にええんか?
ていうくらい後味が悪い…というか不気味な作品ですよね。
忠心を誓った腹心と、愛した女に裏切られ、それでも許し
「馬鹿だと思うなら笑うがいい…笑わんか‼」という
自嘲かつ逆ギレがオチであり、なんだか幸先良くなさそうな演目やんけっていう。
ドーヴ・アチア氏による音楽が良いだけに、なんだか不思議です。
オススメ度:★★★★(4点)
本公演『グランドホテル』エリック・リトナウアー役/ラファエラ・オッタニオ役(暁千星と役替わり)
後に「あの頃は泣いてばかりだった」と振り返るほどの
朝美絢にとって大きな試練、かつ壁となった公演。
それを知ってしまってから見ると、
まぁ確かに「迷い」みたいなものが感じられるし
役柄的に仕方ないにしても、これまでのキラキラ感が全く無い印象。
もちろん最後には、これまでの涙と努力をきちっと昇華し、
いわゆる「引く演技」として血肉に変えられたあたり、
もちろん無駄では無かった公演なのでしょう、きっと。
そして現在、公式ホームページの「好きだった役」に
このエリック・リトナウアー役/ラファエラ・オッタニオ役を上げているあたり
彼女の負けず嫌い根性が見え隠れしているのも面白いですね。笑
ちなみに同時公演『カルーセル輪舞曲』のパレードでは
ついに初の階段一人降り。
これをもって本公演での月組を卒業するのでありました。
オススメ度:★★★(3点)
博多座公演『長崎しぐれ坂』館岡役
月組時代、ラストは博多座での和物作品。
そして、和物でもイケメンっぷりが際立つ朝美絢。
既に組替えが発表された後だからか、
路線スターとしての覚悟、みたいなものが全編感じられ
これまで以上に地に足ついた「男役」としての頼もしさが見て取れますね。
まぁ出番も少なめだし、役柄も生真面目な人のはずが、
なんだか卑怯っぽく見える演出でよく分からんのですが、
それでも一本気通った役は、やっぱり似合うんだなぁという印象ですね。
オススメ度:★★(2点)
月組時代・総括
朝美絢の月組時代を端的に表現すれば
御曹司の隙間を潜り抜けて成り上がった時代、もとい
路線として暁千星と常に競わされた時代だった、と思います。
1期上に超御曹司(そして現トップ)である珠城がいますが、
彼女は早々にバウ主演を果たし、本公演でもするりと上がっていったわけで
そこまで路線として食い合うことはありませんでした。
が、暁とはバウW主演に始まり、
本公演では出番的に上がったり下がったりを繰り返し、
最後には役替わりまでしているわけですから、
これが意識すんなと言われても、それは無理なわけで。
それでも必死に食らいつき、なんとか路線スターとしての面目を保ちつつ
月組で得た素晴らしき経験を今、雪組で爆発させていることを考えると
月並みな表現ですが、まさに「必然の苦悩」だったのかもしれませんね。
ということで、次は雪組編です。
【雪組編はこちらから】
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コメント
嬉しくて思わず書いております。
昔あるスターさんに恋を?しておりました。それはいまでも大事な思い出です。
すっかりおばあちゃんになった今でも、宝塚は大好きです。
アーサさんは、きれいな方だなあと思っていましたが、スターロングインタビューを見て、正直に話す彼女が私の心の琴線にふれてそれ以来ひそかに応援しておりました。
蒼汰さんの(きやすくて御免)味のある洞察力と文章力が大好きで、毎日の更新をほんとに楽しみにしております。
アーサちゃん、良かったね、きっと読んでいるよねと心で呟いております。
次が楽しみです。
コメントありがとうございます‼宝塚を長らく愛してらっしゃる方にそう言って頂けて本当に嬉しいです。
ロングインタビュー私も拝見しましたが、ありのままに話されていて本当に印象的でしたよね。
これからもどうぞよろしくお願いいたします‼
NOBUNAGA、確かに何だかな~な作品でしたが(私は美濃の人間なので、あの信長と濃姫(帰蝶)の描き方は許せません。信長は美濃を「奪還」してくれた「英雄」ですし、濃姫はそれに協力し感謝しこそすれ、信長を憎むなどあり得ません。あれは濃姫ではなく「帰蝶」という別人だと思ってます)、朝美さんは女役とはいえ、事実上のヒロインでした。私はあれで(ショーも含め)完全に暁さんの上を行ったと思ったのですが、、
あの後雪組に逃がしてもらえたのがせめてもの幸運だったのでしょうね。
コメントありがとうございます。
確かに、そのあたりの歴史的改変はフィクションと分かっていても受け入れがたいものがありますよね…。
おっしゃる通り、雪組に逃がして貰えたことでチャンスが増えているわけですから
それを生かして大きく飛躍している今、本当に素敵だなぁと思います。
本人の努力ももちろんですが、タイミングもばっちりでしたからね。
はじめまして、いつも楽しく拝見させて頂いております。
私も朝美さんが好きな30代ライトファンです(天海さんで燃え尽きライトに)。
花詩集の新人公演は見られましたか?
私はスカステで見たのですが、あれで完全に朝美さんにやられました。
あの綺麗なお顔でオラオラ踊られてしまっては、もうファンになるしかなかったです。
もし見られてなければ、おすすめです!
コメントありがとうございます‼
実は見てないんですよー。最初の抜擢は『花詩集』だと知っているのですが、スカステ放送待ちです。笑
今度放送されたら絶対見ようと思っています‼