宙組『NEVER SAY GOODBYE』新人公演感想

 

本日の宙組『NEVER SAY GOODBYE』新人公演、

ライブ配信にて拝見しました。

 

西公演がコロナにより中止となり、

本日も舞台機構のトラブルにより上演が15分遅れたようですが、

無事上演出来て本当に良かったです。

 

本公演も既に観劇済みで、

本当は先にそちらの感想を書きたかったのですが、

鉄は熱いうちに打て、ってことで先に新公版を書いていきます。

 

宙組『NEVER SAY GOODBYE』新人公演・総評

 

私はこの『NEVER SAY GOODBYE』という作品が相当好きで、

それは映像を何度も繰り返し見るくらいでした。

 

今回、再演されると聞いて本当に嬉しかったし、

実際に本公演を生で観劇した時はマジで感激しました。

 

今の宙組で、そして今の舞台演出力で、

再び命を灯した『NEVER SAY GOODBYE』は本当に本当に素晴らし過ぎる!!

チケットが1枚しか確保出来なかったのが悔しいほどです。

 

…という熱量で見た新人公演だからか、

個人的にはイマイチハマらなかったというか、

演技の解釈違いみたいな点が多々あり、

特に前半は「何か違うなぁ」と思ってしまった、というのが正直なところ。

 

この作品は頭でっかちな女キャサリンが、

ナンパ野郎だと思っていたジョルジュの根にある信念に強く惹かれ、

ジョルジュもまたキャサリンの今まで会った女性とは違う何か、

つまり「同じ真実を見つめられる」女性に惹かれていく話だと思っています。

 

それすなわち愛の重さ(早さ)は、

キャサリン>ジョルジュだと私は解釈しているのですが、

今回の新人公演は、それが逆に見えたんですよね。

だってジョルジュがあまりにフレッシュで、キャサリンが賢過ぎるから。

 

んがしかし。

宙組生の実力、特に安定した歌唱力は素晴らしく、

途中から完全なる別物として割り切って見ていたら、あーら不思議、

違和感がなくなり「やっぱり素敵な作品やな」と思えたのでした。笑

 

みんな華やかだし上手かったですよね。

少人数なのにコーラスの厚さは、さすがの宙組!!という感じ。

宝塚で上演出来ずに本番一発目だったにも関わらず、

安定した舞台運びで感心しました。

 

という前置きで、各キャスト感想さっくり書いていきます。

 

宙組『NEVER SAY GOODBYE』新人公演・キャスト別感想

ジョルジュ・マルロー:風色日向

 

102期生、アンバサダーメンバーにして2度目の新人公演主演。

長い休演が響き、他の若手路線スターと比べ出遅れた感がありますが、

これで一気に巻き返しを図れたでしょうかね?

 

まずは見た目的に、相当垢抜けましたね。

高身長に長い手足と、いかにも劇団が好きそうな男役スタイルなのに、

顔がアイドル系というか今風なところが、

今までにいないタイプのスターで実に興味深かったです。

 

歌も芝居も安定していて、見ていて躓きが無く、

さらりとしている中にほのかな甘さがあって、良かったと思います。

 

和央&真風に比べると爽やかというか、

いけ好かないナンパ野郎感はありませんでしたが(学年的にしょうがない)

逆に若さがゆえに突っ走っちゃう感があって、

それが新たなジョルジュ像で面白かったです。

 

キャサリン・マクレガー:春乃さくら

 

102期生、エトワール経験者にして初の新公ヒロイン。

花總&潤花に比べると、今までで一番強い女感が有ったというか、

気高さ、賢さが感じられるキャサリン像だったと思います。

 

エトワール経験者だけあって、さすがの歌唱力。

特にアギラールに囚われた後の十字架の前での歌唱は、圧巻でした。

 

ヒロイン芝居だったかと言われたら「?」ですが、

しっとりとした強さが感じられる娘役芝居で、

上級生娘役が居ない宙組で、今後重宝される人材だろうなと思いました。

 

ヴィセント・ロメロ:鷹翔千空

 

101期生、新公主演2回経験者で、今作は2番手役。

今回の出演者の中で、良い意味で一番ビックリしたかも。

何に驚いたかって、その「濃さ」が。

 

鷹翔千空って、高い実力があるけれども、

上手いがゆえにさらりとしているというか、

引っかかりが少ない点が弱みだと思っていたんです。

 

けど、今回は新公学年の集大成を見たというか、

男役としての濃さを存分に見せつけに来た感じがして良かったです。

 

「風色にも亜音にも負けないぜ!!」という圧を感じさせる芝居でした。笑

死と覚悟を感じさせるマタドール、カッコ良かったです。

 

フランシスコ・アギラール:亜音有星

 

103期生、新公主演1回経験者。

ビジュアル特化スターのイメージがありましたが、

相当努力したのでしょう、本当に上手くなっていました。

 

同じような役どころ&本役:桜木みなとである、

『オーシャンズ11』新人公演ベネディクトの時に比べると、

その差は歴然、特に歌唱力の進化は素晴らしい!!

 

化粧で工夫したのか、いつものパッチリお目めではなく、

鋭い野心家の顔つきになっていて良かったです。

 

乙女にこんなこと言うの失礼ですが、少しふっくらしたかな…?

もうちょっとシュッとなるとスタイリッシュでよりカッコ良くなると思います。

これからのさらなる進化に期待ですね。

 

エレン・パーカー:愛未サラ

 

105期生。

ステレオタイプの頭からっぽなパツキンネーチャン像

凄く凄くハマっていて良かったです。

 

天彩峰里エレンは女のイヤな部分、

つまり「狡さ」が仄かに感じられ、それが良さだったのですが、

愛未エレンの計算出来ない直感型お高い女優感も良かったです。

 

同期の山吹ひばりに圧され気味ですが、

スタイルも良く、ビジュアルが華やかな彼女。

105期生のダークホースになれるか、期待大です。

 

その他のキャストについて

 

その他、印象的だったキャストをさっくりと。

 

パオロ役の104期生・真白悠希は、

見た目も良く、芝居も歌も上手で個人的大ヒット!!

途中からビジュアルがまんま芹香斗亜で驚きました。笑

 

ラ・パッショナリア役の104期生・朝木陽彩、

本役である留依蒔世にも負けない、圧巻の歌唱で素晴らしかった!!

「ここが見せ場よ!!」という並々ならぬパッションが感じられました。

あ、市長役の101期生・雪輝れんやも良かったです。

 

オリンピアーダチームは期待の若手陣がたくさん!!

これまで105期男役は泉堂成派だったのですが、

今日見て大路りせのカッコ良さに気付いてしまいました。

流した前髪と工夫されたアイメイクが良かったです。

 

キャサリン孫役の105期・山吹ひばり、

相変わらずビジュアルが綺麗でしたけど、

ワンポイントリリーフだと特徴的な声が少し気になりますね…。

とは言え一瞬現われるだけでもオーラがあり、さすがの存在感でした。

 

宙組若手路線の本命は誰に?

 

まとめると、改めて宙組若手陣の地力の強さ、

実力の高さに驚かされた新人公演でした。

 

そして鷹翔千空、風色日向、亜音有星と、期待の新星が3人揃う宙組。

素晴らしいスターがたくさんいて将来が楽しみな反面、

こんなに粒を揃えて今後どうするつもりなんだろう?とも思ったり。

 

果たして、今後の宙組若手戦線の行方やいかに?

 

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コメント

  1. リピーター より:

    朝木陽彩ちゃん104期です。
    真白くん良いですよねー。

  2. おさかな より:

    蒼汰さん

    私は102男役では風色さん推しなので、今回初めて新公配信を見ました!新公をリアルタイムで見れるってライトファン的にはやっぱりいいですね〜。休演もあり勝手に心配していたのですが、垢抜けて帰ってきましたね!ハスキーで色気のある声×歌うま、男役体形×ベビーフェイス気味な顔なとこがいいなぁと。一本物の新公取れたのは大きかったなと思います。

    先日、本公演を観劇し、あまりにも感動しすぎて高ぶったおかげか帰りの電車で頭が痛くなりました笑。本公演の感想も楽しみにしてます!

  3. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    新人公演なので上演時間が短縮されましたが、アメリカから来た主演2人の世界と、スペイン市民戦争の世界がほとんど分離してしまって、主演コンビがスペインにいる意味がよくわからなくなってしまった気がします。

    真風氏のジョルジュは宿命的な影があって、おそらくワルシャワのゲットー育ちのユダヤ人で、それゆえナチスドイツが許せないんだろうな、という納得があって、

    「お前は写真撮ってるだけだろ」と言われたら

    「写真に真実を写したい。写真でしか言えないことがある!」と言い返しそうな哲学的ともいえる渇望を感じました。ラスト、カメラを置いて銃を取ることに客が「え、なんで」と思う。

    風色くんは、職業が写真家でなくても別にいい感じ。「おまえの説教はもう聞き飽きた お前は写真撮ってるだけだろ」と言われて「そういわれたらそうだな。俺も戦うよ!」って言ってそうな。

  4. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    宝塚大劇場での新公が中止になり残念に思っていましたが、東京では開催され配信もあり、本当に良かったです。

    宙組は下級生も、スターさんが揃っていて楽しい反面、目が忙しい…かも。
    いづれは、組替で他組へ羽ばたかれてゆく方もいる事でしょう。

    先頃、新公が行われたばかりの雪組は、縣さん・華世さんと、きっぱりとした御曹司育成で、本日の本公演では、特に華世さんの溌剌とした姿が印象的でした。
    成績優秀な若手が、新人公演を経て、さらに実力と自信が培われるのでしょうか、凄いなと思います。

  5. みみ より:

    いつも楽しみに拝見しております!

    宙組は主演格ヒロイン格以外にもしっかり脇を締められる若手が育ってきている(雪輝朝木ら)のかな、とだからこそ新公が一作品として引き締まって見えました。
    (時間に納めるためのシーンの取捨選択への疑問は別問題として)

    上級生がどんどんいなくなる現状は寂しいのですが、今回の本公演での若翔くんのような抜てきのように、そのポジを努められる中堅若手が育ってることを思うと悲観ばかりすべきではないなと思わせてくれた新公でした。

    スター制度が大前提な宝塚だからこそ、作品を面白くしてくれる、こういうポジションの育成を大事にしてくれる組でありつづけて欲しいな、と宙担としては思いました。

    また群盗のように「主演が経験豊富で、二番手以下がほぼ新公学年の育成演目」がきてほしいところです!

  6. こここってぃ より:

    新人公演生で見て、ホントに素晴らしかったです!!!特にこってぃ(鷹翔千空)がやばかったです。顔は小さく、もちろんスタイル抜群で、ものすごく顔きれい!!一人だけ本公演の人が混じっていたと感じさせられるぐらい色気たっぷり、ヴィセントでした。歌は圧倒的に上手く顔の表情も細かくキキちゃん超えていました!

    • たかつきし より:

      宙組の新人公演、レベルが高くて素晴らしかったですね!!風色さんはとても真ん中が似合う方で、アンバサダーに選ばれたのも納得です。私も今回の新人公演で大路さんのビジュアルの良さに気付きました!宙組はかっこいい下級生が多くて楽しいですね!!また宙組の感想書いてください!楽しみにしております!!