星組『Eclair Brillant』感想

前回の記事で軽く触れましたが

紅ゆずる・夢物語の続きの物語

『Eclair Brillant』は紅ゆずる体制星組の最高傑作だと思います。

 

というわけで、さっくり感想参ります!!

 

『Eclair Brillant』全体の流れを追う

 

『Eclair Brillant』の良さを端的に言うと、

紅ゆずるの、そして彼女率いる星組の「個性」

宝塚らしい「クラシカル」が上手に調和し、

紅体制だからこそ表現できる「一つの答え」的作品であるということです。

 

例えば、プロローグ。

古典的宝塚らしいよく分からないスペーシーな衣装に身を包み

「Je t’aime」という一言で始まる幕開き。

 

代わる代わる星組生が次々と歌い継ぐわけですが、

その流れがシンプルかつゴージャル。

スターたちの個性が輝く、盛大なオープニングです。

 

そのまま紅が退団者らしくしんみりと一人銀橋で歌い、

礼&舞空の次期トップコンビが、卓越したダンス芸を爽やかに披露。

(詳しくは次の項で)

 

その後は、宝塚の王道・ラテンのシーンへ。

ひらひらした衣装を翻しながら、クンバンチェロのリズムに乗って、

熱く、激しく、でも気品を漂わせながら踊り狂います。

 

続いて「静」から「動」、そして「静」に帰っていく

コンテンポラリーダンス的な『ボレロ』に、

華形&退団者コンビ(如月&麻央)による

華やかなニューヨークを表現した餞別&ロケット場面。

 

そして最後は感動のフィナーレへ…。

というように、演出や展開は非常にありきたりで古典的。

 

だけど、星組生たちの個性がその古典の枠の中でさりげなく光っていて、

でもその個性が全面に押し出され過ぎることもなく、

ちょうど良い塩梅で楽しむことができるという。

 

改めて完璧で、死角の無いレビュー作品だなぁと思います。

 

礼真琴・水を得た魚になる

 

そして今作の大きな特徴を挙げるとすれば、

礼真琴の「精神的」安定が見て取れたことでしょう。

 

礼はこれまでのレビュー作品では全編通して

とりあえず歌わされ、隙あらば踊らされ、

舞台技術低めな星組を必死に支えてきた(ように私には見える)わけですけど、

 

そのガムシャラ&シャカリキ感が

もはや悲壮感に近い雰囲気を醸していて、

個人的には見ていて気の毒になるくらいでした。

 

だけれども、舞空瞳という超有能な娘役を相手に迎え

次期トップコンビとして今作では様々なシーンで組んでいましたけれど、

もうね、スターとしての輝きが全然違うんだなーこれが。

 

同じレベル&同じ志しで舞台を追求できる相手役を迎えると

彼女の男役としての余裕・懐の大きさみたいなものがより強く感じられて

本当にナイスコンビだなと舞台を通して思いましたね。

 

特に「パリ~恋する煌めき~」なんてその最もたる場面で

ほぼ2人きりでずーっと踊っているにも関わらず、

それに気づかないくらい舞台に花がある。というか、場面がもつ。

 

あの爽やかさ、吹き抜ける春の風のような一瞬の煌めきは

学年の若いトップコンビだからこそ表現出来るものでしょうし、

それと同時にあのクオリティの高い軽やかなダンスは

舞台技術が高くなければ表現することが出来ないわけで…。

 

まさに水を得た魚のように輝く礼が

本当に素敵なスターに見えましたし、

次期星組トップコンビへの期待がさらに高まりました!!

 

瀬央ゆりあ・大いなる成長

 

そんな礼を支えるスターは舞空だけでなく、もう1人。

それは95期同期生の瀬央ゆりあ!!

もうね、別人レベルでの大成長でしたよ。

 

宝塚において最も信用ならない言葉

「〇〇〇〇は本当に歌が上手くなった」

「〇〇〇〇の歌が安定してきた」に違いありませんが、笑

(だいだいはファンの贔屓目で、実際見ると「どこが?」と思ってしまうのはご愛敬です。)

 

いやね、これは嘘じゃなくて、

ほんっとーに歌上手になってた!!

声の芯が太くなり、安定していて、よく通るようになっていました。

 

さらに、娘役を引きつれて銀橋を渡るときも、

黒燕尾で目立つ立ち位置にいるときも、

礼の隣の立ち位置で微笑みながら一緒に踊るときも、

スターとしての余裕が感じられたんですよね。

 

これまでの彼女って、95期七福神の中で成績最下位、抜擢も遅めだったからか

目立つ立ち位置にいてもどこかおっかなビックリというか

「本当に私で良いんですか?」的迷いが見て取れたのですが、

今作ではそれが一切なかった。多分腹を括ったんじゃないかな?

 

そんな彼女のこの芯の安定は、

礼の精神的安定にもつながるわけで、

だからこそ星組の未来は明るいと断言出来ると思います。

 

95期生コンビのこれからの活躍にも期待したいですね!!

 

紅ゆずるの最高傑作をぜひご覧あれ!!

 

さらに、この作品の一つの特徴として

紅ゆずるの歌がソコソコ聞けるという不思議現象が起きました。笑

 

この理由は簡単で、メインテーマがほぼ中低音で構成されており

張り上げるところは他の歌ウマメンバーが担っているから

全員がずっと安定した歌唱を披露してくれてるように見えるんですよね。

 

…なんで最初からこうしなかったんだろう?笑

 

『Killer Rouge』は全体的に曲のテンポが速すぎて

礼と有沙以外誰も歌えてなかったし、

 

『ESTRELLAS』なんて「エストレーッジャス うーたいっだせぇー!!」って

紅が出せるギリギリの高音をずぅーーっと張り上げてるから

「おいおい大丈夫かよ」と心配していたら

案の定千秋楽で喉を潰しちゃってましたからね…。

 

「舞台技術なんて知らん、ギラギラしてナンボや!!」

という星組的価値観も確かに素敵ですけど、

やはり素敵なダンスに安定した歌、その中でスターの個性を感じると

「良い作品見ているなぁ」という気持ちにさせられますね。

 

だけどそれは、主題歌の旋律が安定しているからだけでなく、

それ以上に「紅ゆずるを素晴らしい作品で送り出そう!!」という、

星組生たちの、そして制作者側の熱い思いがあるからなのかもしれません。

 

とにかく全編通して熱く、

かつクラシカルで気品のある雰囲気が、本当に良かったです。

これからご覧になる方はぜひお楽しみに!!

 

次は芝居感想編です!!

 

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コメント

  1. 紅ペニ より:

    私はエストレージャスの方が好きですが礼真琴さんが素晴らしかったから
    BACK、世界レベルじゃなかったですか?あれだけの激しい振りを踊りながら、あれだけの声量で歌える人、他に知りません。何度みても鳥肌物でした。
    今回のデュエットダンスは素人でも上手い人は発表会で踊ってるよね、レベル。
    歌劇団だからダンスはその位のレベル、理解度で良いのかな

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      実はその「BACK」のシーンだけが唯一心に響いた場面なんですが、それを書こうもんなら怒られるかなぁと思いまして割愛しました。笑
      あれはK-popの再現、というじゃ宝塚の枠を越えちゃってて本当に凄いですよね。
      デュエダンはもう揺れてるだけって感じでしたけど、最後だから愛が感じられればそれでオッケーなのかなと私は解釈しました。笑

  2. May より:

    感想お待ちしておりました!
    舞台技術や個性ゆえに、色々と言われることも多かった紅・綺咲コンビでしたが、最後にショーでここまで花を咲かせられたというのは宝塚人生の良き集大成で、素直に良かったなあ…と感動しますね。特にショーは好き嫌いはともあれ、技術面でケチをつけるのは容易いものですから…。
    次期コンビについては、有能な相手役がつくとある程度自分のことに集中できますし、特に舞空瞳さんは相当肝が据わっていそうな気配を感じますので、しっかりと自立してがっつり舞ってくれるのが本当に楽しみですね。パリの場面は絶賛の意見が多数で、今から観劇が待ち遠しいです。
    同期支えの安定に専科からのアダルティさも加わり、今後が楽しみですね。
    芝居のご感想も楽しみにお待ちしております。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼全文同意です。笑
      技術面はどうしても批判されがちでしたけど、それを「気品」「キラキラ」で上手に包んだ素敵なショーだったと思います。まさに集大成ですね。
      パリの場面で付け加えるとすれば、ダンスに関しては高難易度のものをガツガツ踊るのではなく、風のような軽やかなダンスをしっかり揃えてくるあたり
      さすがの2人だなぁと感心してしまうような内容でした。まさに今後が楽しみな星組公演でした!!