さてさて、現在の月組公演の芝居とレビュー、
どっちから先に感想を書こうか迷ったのですが、
サクサクいけそうな『FULL SWING!』から書いていこうと思います。
総評として、月城&海乃の持ち味にピッタリな、
大人な色香漂うジャジーでシックで小粋なレビューだったと思います。
とても素敵で良かったのです、が。
1回目見た後に公演パンフを読んだら、
「え、そういう設定だったの?」とツッコミたいところ多数。
今回は芝居仕立てな場面が多いのに、
それを分かりやすく提供出来ないってどうなのよ三木先生…、
ってことで軽くツッコミながら書いていきたいと思います。
月組『FULL SWING!』場面ごとの感想
第1景:The Beginning
冒頭、幕が上がると真紅の月が浮かび、
コートを纏った月城かなとが登場。
お披露目公演とは思えない、とてつもない貫禄にまずビックリ。
そこから主題歌「Full Swing!」を月組全員で歌い踊り、
次々と銀橋で歌い継いで行くという、王道かつ華やかなプロローグ。
衣装や舞台の色味は暗いけれど、
それが逆にシックな輝きが感じられて素敵でした。
話題となった裏箔は、私が見る限り結構揃ってましたねぇ。
私自身リズム感が良いタイプなので、珍しく拍手をお手伝いしました。笑
第2景:No Rain,No Rainbow
続いて、暁千星を中心に中堅&若手によるダンスのみで表現する一場面。
どこがジャズ?というツッコミは置いといて、
暁千星がしっかり芯を取れていて、実に頼もしかったです。
初見の私が読み取った物語は、
荒廃した土地で人々が祈ったら龍神が現れて恵みの雨をもたらした、
喜びの舞を踊ってたら依り代となった暁千星も龍の力を手に入れた、
的な話だと思っていたのですが、
プログラムによると暁千星は「虹」なんですって。
虹?!どゆこと?!(ツッコミ)
また、天紫珠李がギンギラゴールドの衣装で現れ、
そして一瞬で去っていくのが面白過ぎました。
これだけのためにあんなゴージャスな衣装を作ったんかい!!
第3景:Just a Gigolo
続いては鳳月杏を中心とした場面、
なんですが、相手役が晴音アキということにまずビックリ。
こちらも第一幕に続き、
みんなでジャジーに跳ねて踊って楽しい場面でした。
古き良きアメリカンな雰囲気が、鳳月杏とよく似合っていましたしね。
なんですけど、これってジゴロなの?
ジゴロというよりも、昔は名の知れたスター的な存在じゃなく?
しかも最終的にはマネージャー?らしき晴音アキと抱き合って、
大切な人は身近にいた、的なオチなのかと思いきや、
「You are Best Friend」ってどゆこと?????(ツッコミ)
第4景:Le Cafe~ジャンゴに捧ぐ~
まず軍服を着た月城かなとのカッコ良さよ!!
そしてパリのcafe…というよりは色味的にアルゼンチンかと思ったのですが、
とにかく故郷に無事帰ることが出来て、友人たちと喜びのダンス。
白雪さち花の堂々たる歌唱とともに、
これまた中堅&若手を中心(メンバー丸被りですが)に
アグレッシブに歌い踊ります。
と、個人的には結構しっくりいった場面なのですが、
プログラムによると白い蝶は「死の使い」なんですって。
「恋人はその手を取り、死の淵から彼を取り返そうと踊り出す」
ってそんな怖い場面だったの?!(ツッコミ)
なるほど、だから途中で軍服月城が虚空の彼方を見るようなフリだったのね…。
と2度目見たときに少しばかり理解出来たのでした。
第5景:ザ・ヴォイス!
中詰めは月組生が代わる代わるジャズの名曲を歌い継ます。
「New York, New York」「All Of Me」「Come Fly With Me」
「Night and Day」「Strangers In The Night」「My Way」…。
珍しくゆったりしたテンポの中詰めですが、
これが本作の大人感を出していて逆に良かったかもしれません。
そして一旦締めた後に、鳳月杏&暁千星&風間柚乃の3人が銀橋で
「It’s All Right With Me」を軽やかに熱唱。
この時の三者三様感が実に面白いし、
みんな歌唱力が高いうえに魅せ上手なので見応え充分!!
あと娘役のドレスの色味も綺麗でしたねぇ。
第6景:ミッドナイトイン巴里
暗闇に浮かぶ広告、夜の街のギャングと女と銃声。
まさにTHE・宝塚な世界観だし、
月城&海乃はこういう芸風の似合うこと。
で、ここからもよく分からなくて、
とりあえず海乃(ジャンヌ)は悪女で月城(モーリス)から宝石を奪った、
で、月城(モーリス)は銃を撃ち返すでなく、ただ地団駄。うそやん?
そのまま噴水を前に踊る、のは分かるんだけど、
音も消えしーーーんとした舞台で一言「アデュー」、
そして男の悲哀を感じさせる背中で去っていく。
…これはカッコいい、のか?(ツッコミ)
んーと、何を見せられたのだろう?と本作一番の困惑場面でした。
いや、確かに月城かなとは死ぬほどカッコ良いんですけどね。
あ、暗闇の中スーツで歌い踊る月組生もすごーく素敵でした。
これまた第2景、第4景とメンバー丸被りだったけど、というツッコミは無粋かな。
第7~8景:センテニアル・ムーン&グランドフィナーレ
最後は怒涛のジャズ祭り!!
冒頭、まずは月にちなんだ名曲を各スターが歌い継ますが、
彩みちるの一人銀橋渡りに、雪組ファンとしては大感動。
月組でも頑張るんだぞー!!(保護者目線)
そして暁千星が全力全開のクルクル回転&スタイリッシュジャンプ、
からの「Crazy Cat’s」でロケット場面。
暁千星のスターっぷりが見事でしたし、月組から去ると思うと本当に残念です。
そこから大階段が出て来て、ジャジーなリズムに合わせて群舞が始まります。
既にスカステの生中継で見ていましたが、生でみるとより迫力があって良い感じ。
最後はトリオデュエダンという珍しい形でしたが、
これまた暁千星が大活躍で、
リフトで娘役をぐるぐる回しまくってたのが印象的でした。
今の月組の総力戦
正直な話、前作の『Dream Chaser』を見た際、
「もしかしなくても今の月組ってレビューに弱い…?」と感じました。
そりゃ一本物だらけで他組に比べて経験値が圧倒的に低いのですから
致し方ないといえばそうなのですが。
本作は逆に、その押し出しの弱さを「シック」な魅力に変え、
小粋でジャジーな作品としてまとめたのが、成功の鍵だったなと思います。
そして思いのほかなキャストも銀橋に出て来て歌い踊り、
まさに今の月組の総力戦!!という熱量があって良かったです。
なんかボロクソに書いてる風ですが、これも愛情の裏返しでして、
兎にも角にも楽しむことが出来ました。
後は円盤化の壁ですよね。
スカステ放送時に差し替え祭りにならないことを祈るばかりです。
☆★☆★☆
ランキング参加始めました!!
ぜひポチっとお願いします↓↓
コメント
いつも楽しく、拝見しております。
先日幕を閉じた花組公演・「The Fascination」で、花組100周年を祝したものだったので、月組は?と期待してしまいました。
「ジャズマニア」での曲も聞けたので懐かしく、トップコンビに似合っていて素敵でした。
ショーを引っ張る暁さんが、星組へゆかれてしまうのは、少し辛い。
それにしても、あらためて海乃さんは素敵なダンサーさんだなぁ、と。
舞浜公演も、楽しそうで今からワクワクしています。
月組贔屓のものです!
今回月組にここまで好印象持って貰えるとは以外でございました。またボロクソに書かれるのかとソワソワしてました笑
(桜嵐記に至ってどちらかというと演出家に関して好印象だったとは思いますが月組に関してはずーっと辛口だったとおもうので)
ツッコミ入れてらっしゃる所は私も右に同じくなので笑ってしまいました。
特に噴水のシーンはムラの2日目観劇でしたがお客さん皆戸惑ってる空気ビンビンでしたね
みちるちゃん初めましてな月組なはずなのにすんなり馴染んでて
お芝居のレベルも高くて今後もめちゃくちゃ楽しみです!(月組贔屓故、まずそこに目がいってしまいましたが本当に素晴らしかったのです)
お芝居の感想も楽しみしています!
こんにちは。
いつも更新を楽しみにしています。
私は1月に母とこの作品を観劇したのですが、70代の母は見事に裏拍が出来ずにおかしな事になっていました。
あまりに変なので、横に座っていた私は止めさせました。
ところで、第2章の天紫さんの衣装は今回の為に作られたものではなく、つかい回しかと思います。
私の記憶では、約30年前の雪組のショーで娘役トップの鮎ゆうきさんがフィナーレナンバーで鳳凰として着用していたドレスと同じかと思います。
もし、そのドレスならその後、白羽ゆりさんが「ソロモンの指輪」という作品のパンフレットでも着用しています。
約30年前の衣装を保管している宝塚も凄いですが、その時の記憶が残っている私も怖いですね(・_・;)
いつも楽しく読ませていただいています。
今回は特に、そうですね!と何度も思いました。
月組さんのジャズのショー、大人の雰囲気で、大好きです。
月城さんと海乃さんは、とても美しくお似合いですし、鳳月さん、暁さん、風間さん、それぞれの場面がありますが、3人とも歌が上手く、聴いていて安心感があります。
風間さんの力強いエトワールは、最高です。
今の月組、とてもよい雰囲気なのに、キラキラの暁さんが抜けるのは、さびしいですね。
砂漠のシーンは、スカイステージのナウオンで、暁さんが設定を詳しく説明されているので、機会があればご覧になっていただければと思います