洒脱な変わり種・雪組『オーヴァチュア!』感想

 

朝美絢のトップお披露目公演を大劇場で見届けてきました!!

 

まずはショー作品『オーヴァチュア!』から、

各場面ごとに感想をさっくり書いていきます。

 

洒脱な変わり種『オーヴァチュア!』

My Overture

闇に沈む静寂な舞台。胎動音のようなリズムの中、一人、また一人とステージに進み出てくる。降りてくるゴンドラ、照明が当たるとそこには、新トップスター・朝美絢の姿がっ!!きゃー、素敵!!

ビートが独特というか、宝塚の年齢層的にノレるのか?と心配になるような変わった曲調ですけど、朝美絢はウィンウィン歌唱で乗りこなし、掴みはオッケー。黒・赤・紫というシックな色合いの中、雪組生が次々に歌い踊り繋いでいき、お召し変えした朝美絢が再登場。さらに転調してスキャットを披露。スタイリッシュかつエネルギッシュな冒頭は、まさにOvertureという感じ。

 

Passion

NYのダンススタジオで繰り広げられる、振付師(縣千)と生意気なダンサー(諏訪さき)によるダンスバトル場面。いわゆる『SUPER VOYAGER!』の「海の見える街」縣千verですね。縣千らしい切れ味の良いスタイリッシュで洗練された雰囲気が素敵でした。

ま、一番驚いたのがヒロイン格が音彩唯でも華純沙那でもなく、瑞季せれな(107期生)だったことですけどね。最初誰だか分からず、後でプログラムを読んでビックリ!!まさかの大抜擢でしたが、納得のダンススキルでした。

 

Super Audition!

スーパースター(華世京・華純沙那)がハネムーンに行くため、その変わりを探そう!!という宝塚あるあるのオーディション場面。ニュースターは瀬央ゆりあ、ニューヒロインは音彩唯。

特に変わり映えのない場面ですけど、瀬央&音彩の組み合わせが新鮮で楽しかったですし、何より音彩唯の衣装がきゃーわーいーい!!まさにリアルバービー。あんなデカいピンクのリボンつけて違和感ないってどゆこと???あと、個人的には奏乃はると、透真かずき、杏野このみの上級生3名の、ザッツイヤミートリオな恰好と小芝居が微笑ましかったです。

 

My Miracle!

暗転するやいなや、突然のバイクのエンジン音!!男役たちがスタイリッシュに登場し、つなぎスタイルの朝美絢が見参!!えーっと、仮面ライダーかな???さらにスレンダーでパツキンチャンネーな夢白あやも登場するのですが、彼女はどうやらバイクの化身のよう。「私を乗りこなしてみて」ってそういうこと???

うねるようなロック調の激しいダンスの果てに、まさかの衝撃のオチ。「お前だったのか…」というセリフに「ごんぎつね」を思い出してしまったのは秘密です。←

 

Intermission

ここからはお待ちかね、ザッツ王道なスーツ&ドレスのジャズ場面。まずは縣千と音彩唯with上級生チームが露払い、からの瀬央ゆりあが女装路線ズ(諏訪・眞ノ宮・紀城華世、苑利の5名…って咲城けいは???)を引き連れシックに歌い、そして中央に真っ白い衣装を着たキラキラ朝美絢がドーーーン!!これが盛り上がらないわけがない!!!ダンスが難し過ぎるのが難点ですが、客席降りもあり一番の盛り上がりどころですね。

で、終盤に瀬央・縣・華世が3名残って(わざわざ女装を解く華世京、恐るべし)一場面。この3人が新生雪組の2・3・4かと思うと感慨深いですね。

 

エトランジェ!

はい、皆さん。ここが神場面です。

荒廃したアルジェの植民地、革命家である朝美絢が囚われ、銃殺が執行される…かと思いきや舞台は一転、エキゾチックな舞踏会に。タバコをふかせながら踊る朝美絢、そこに一輪のカサブランカのような美しい恋人が現れて…。って最高かよ!!

レジスタンス属性の朝美絢ファムファタールがハマる夢白あやの、美貌と美貌、圧と圧のぶつかり合い。これよ、これが見たかったのよ!!ってことで大興奮。しかも終盤、夢白あやは髪を下ろし、さらにセクシーに舞い踊り、これ完全に16禁です。素晴らしいね、この場面を見るためだけにファンは通えるってもんですよ。

 

ヴィジョン・サン・シュルピス

そしてラスト、まずは若手のロケット場面から。ロケットガールは苑利香輝、さすが次期御曹司枠。たぶん「いつでも微笑みなさい」と指導されてるんだろうな、と分かるくらいニッカニカで踊ってます。ちょっと怖いけどご愛敬。

で、幕が開いて大階段。男女ペアを引き連れセンターに立っているのは夢白あや…ではなく音彩唯???どゆこと???娘2格が大階段ドセンで幕を待つなんて今までありました?ってくらい鬼ツヨ。しかも歌い出すし。で、瀬央ゆりあを中心としたダンス場面、からの夢白あや登場で今度は縣千×夢白あやが率いる群舞。そして朝美絢が一人出てきてエンド。デュエダンは無し、という構成でした。

 

総括:音彩唯と苑利香輝

まとめると、ファンとしては楽しい、スタイリッシュで洒脱な、大人な雰囲気の作品でした。ただ、三木先生作品は典型的な「考えるな、感じろ!!」系で、本作も漏れなく説明がほぼ無い雰囲気重視な場面が多く、初見さんは「?」という瞬間があるだろうな、とは正直思いましたよね。あと予算がかかってなさそうなのが丸分かり(前作の月組が豪華絢爛な野口作品だったので余計に)で少し悲しい気持ちになりましたけど、でもノープロブレム。私は通えますね。

ちなみに、人事的な話をすると音彩唯が鬼ツヨ過ぎて笑っちゃいました。トップ、相手役、2番手、3番手、で普通なら済ませる間奏場面みたいなところに毎回いるし、前述の通り大階段ドセンも驚きましたし、さらにエトワールまでやっちゃうという。しかもこのエトワールが凄いんだ、やっぱり上手いよ彼女。

他にも色々と気になったことがあるのですが、とりあえずここで一旦〆。次は芝居の感想です。

 

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コメント

  1. アイリス より:

    朝美さん2番手昇格の初日は星担の管理人さんだけで行ったんだ?と思っていたのが、実は体調不良で蒼汰さんは行けなかったと知り、朝美さんのトップお披露目こそは初日に行けますように、と願っていました。無事に観劇できて良かったですね!

    さて、おめでたいお披露目公演の記事にこのようなコメントをするのは気が引けるのですが、すみません。

    私は夢白さんのミュサロは退団に向けてのものだと思っているので、蒼汰さんやSNSのレポから推察される舞台構成の歪さ(例:お披露目公演なのにデュエダンがない)や音彩さんの強さを鑑みるに、やはり夢白さんが先に退団、音彩さんが順当昇格して引き継ぐというのを織り込んでいるのかなと…。

    以前、超路線たる夢白さんの強さを「潤花さんと同じようなもの」とおっしゃっておられましたが、その通りだなぁと感じます。中卒研4就任で長期任期を張った星風さん、舞空さんとは程度の違う強さですよね。

  2. テギル より:

    はじめまして!
    ベルばらの原作が大好きで、たまたまYouTubeの宝塚歌劇のチャンネルに目が向き、そこで今までに見た事が無い位美しいオスカル様扮する朝美さんに心奪われたものでございます。
    まだファン歴は3か月ですが、死にものぐるいでチケットを手に入れて、(友の会は本当に新参者には厳しいですね)来週初観劇予定です。
    観劇が楽しみなのは変わりませんが、予算がケチられていると知り、大変ショックを受けてしまいました。
    と、いいますのも、朝美さんのファンになりまして、雪組のいろいろな過去の公演を見ていくうちに、永久輝さんのファンにもなってしまい、先日お披露目公演のジュビリーをDVDで拝見しまして、まさにお披露目公演にふさわしく、衣装も舞台も豪華で、ウットリしてしまいました。
    ですので、きっと朝美さんのお披露目公演もきっと豪華に違いないとずっと思っておりましたので、一体何故、同じお披露目公演なのに予算が少ないのでしょうか…。
    まだまだ宝塚初心者で、あまり詳しくない状態でのコメントになりますので、失礼がありましたら、申し訳ございません。再度申し上げますが、観劇は楽しみにしております!

    • 通りがかり より:

      実際劇団から公になっているわけではないので、「たぶん」にはなりますが、
      スポンサーの違いもあると思われます!花組のお披露目は「三井住友VISAカードシアター」とお芝居ショー共についていて、これは、VISA様が公演のスポンサーとしてついているということです。スポンサーがついている公演はお金を出してもらえるので舞台セット共に豪華になりがちです。テギル様が初めて観られたベルばらも「三井住友VISAカードシアター」でした!
      ちなみに、「三井住友VISAカードシアター」はVISAガール(永久輝さん)だから必ずつくわけではなく、つかない公演の方が多いですし、VISAガールのいない他組につくことも多いです!(VISAカード公式ホームページにこれまでの冠協賛の公演が紹介されています!)いわゆる大作一本物や記念公演などにつきがちです。
      ただ、CASANOVAやポーの一族のように、(主演がVISAガールで)舞台にも相当お金がかかっていそうでも、冠協賛としてついていないこともありますし、蒼汰様がお話に出されていた月組のPhoenix Risingもスポンサーはついていなかったので、かならずしもスポンサーがついていないから豪華じゃないというわけではないですが、、、
      あとは、次回公演や年内公演との兼ね合いなどで予算が決まるのかなぁなどと思っております!
      (あくまで例えばですが、テギル様が出されていた花組は別箱の博多座も、お芝居ショーともに上演済みなので衣装セットなど新たにいらない/次回本公演も二本立てで特にショーは過去作品の場面が多くありそう&衣装も過去のものを持ってくることが多そうという面で予算があまりかからないのではないか、、
      逆に雪組は別箱御園座が海外ミュージカルの版権代と新たにセット衣装など必要/まだ発表になっていない次回本公演になにか話題作が来るかも、、、???(ほんとうに例えばの話です!)など)
      あとは演出家の先生の作品への好みやテイストでも衣装やセットもかなり変わってきます!

      以上長々と失礼いたしました、、、
      テギル様の初観劇が楽しいものとなりますように

      • テギル より:

        通りがかり様、とても分かりやすい解説を本当にありがとうございました。存じ上げない事ばかりでした。
        まだまだ初心者ではございますが、劇場まで15分の距離に住んでおりますので、これからは出来る限り劇場に通って、朝美さんや永久輝さんを応援させていただく予定です!
        今は来週の観劇が楽しみで仕方ありません!

    • masa 蒼汰 より:

      通りがかりさんがコメント頂いている通り(お気遣い頂きすいません)色んな事情があってのことなので、一々気にしなくて良い問題かなと思います。そもそも三木先生はシンプルな構成が多い(野口先生と逆)ですし、華美過ぎないのも一つの美点かと。

      • テギル より:

        蒼汰様、コメントありがとうございました。
        あまりにジュビリーの全てが綺麗だったので、ショックのあまりコメントしてしまいましたが、おっしゃる通り、気にしない様にします。
        死にものぐるいでチケットを手に入れ、4回観劇する予定です!とても楽しみにしています。

  3. orange芋 より:

    記事ありがとうございます。
    3月後半に観劇予定なのですが1枚しかチケットがなく、その一日に
    賭けてるのでこういう構成のお話はとてもありがたいです。

    後から思い出し思い出しパンフで「あれはこの人だったかな?」と
    記憶を頼りにするしかないのでこういう前情報を仕入れていると大助かり。

    デュエットがないというのは聞いていて残念だなぁと思ったものですが
    娘役トップとの同時お披露目ではないしババーン!と一人出てきてライトを
    浴びるのも一興ですよね。

    トップになってしまうとカウントダウンが始まってしまうようで、嬉しいやら
    少し悲しいやらですが何より贔屓なので精一杯お祝いしたいと思います。

  4. ヨハネスの恋人 より:

    蒼汰さん初日観劇おめでとうございます。
    私は昨日二日目を観劇してきました。

    朝美さんの良さがたくさん詰まっていてとっても良かったです。
    自宅に戻りスカステの映像を観て生観劇とはかなり印象が違うなと思いました。三木先生のショーはやっぱり生がいいのかもしれません。
    舞台全体を使った場面が多いので映像では追いきれないのかも。

    朝美さんも発光してました。

    そしてすごく難しい曲を何曲も歌い上げていました。
    素晴らしかった。

    個人的にはデュエダンの冒頭がチェロのソロから始まり終わりが低弦で最高でした。
    三木先生わかってらっしゃると思った次第です。

    遠方なのでそんなには行けませんがチケットのある限り通います。私は好きなショーです。

    一回目は装置が地味かなとは思いましたが、ソワレでは予算というよりあれは三木先生の趣味なのかもとも思いました。

    一徳先生、野口先生、齋藤先生、三木先生の諸先生方のコメントが全て愛情に溢れていて朝美さん愛されてる信頼されてると読んでいて泣けてきました。
    今後もきっと先生方渾身の作品を作ってくださると信じています。

  5. こころ夫人 より:

    いつも楽しく興味深く、拝見しております。
    祖母と姪は一階席で、私は二階席での観劇しで、若干の感覚の相違はあるものの(それぞれの年代も含め)、三人三様楽しく観劇しました。
    なんといっても、新トップスター朝美さんに魅せられ、舞い上がっておりまして、あげてくださった記事で、様々な発見が!(みてないのか、みえてないかー、その場にいたのか?)。
    ともあれ、雪のキッパリとした人の配置を(好みや、良し悪しは別として)確認でき、また、任に応える実力を持ち合わせている事に、新生雪の今後をさらにさらに、楽しみにしたいと思います。(姪は、早々と周到に準備して、通い続けております)。
    何度も言わせてください(すみません)!
    朝美さん、またファンの皆様、誠におめでとうございます。

  6. 12がつ より:

    プログラムには朝美さん夢白さん双方が、エトランジェの場面で銀橋に出て踊るところを「デュエットダンス」とおっしゃっていて、そう思って改めて見てみると、まるで洋画のようなおふたりの芝居力、そしておふたりのダンスとビジュアルの美しさに心奪われる素晴らしいひと時は確かに、愛を表現するデュエットダンスでした。

    つい先日大千秋楽を迎えた月組のフェニックスライジングがあまりに王道に近い展開で安心して楽しめたので、そこからの温度差はかなりあると思いますが、各組新トップ永久輝さん、鳳月さん、朝美さんそれぞれの個性を活かした、それぞれに愛のある構成だと思います。

    とはいえ、前作フィナーレでも男役群舞に朝美さんがいなかったこと、次の別箱がトップコンビ別々なこともあり、王道のものが観たかった気持ちはありましたが…
    そんな事情は三木先生が作品を作る時に配慮することではないし、好みはあれど先生なりの大きな愛は感じられました。

    衣装や装置の予算については、前の方も仰るように(内部のことなので想像ではありますが)『愛の不時着』『パリのアメリカ人』と版権ものの新作(宝塚での)が続くことも影響あるのかもしれないし、単純に三木先生の好みなのかなとも。
    確かに永久輝さんはVISAのイメガなので豪華なのはありますが、花組も月組もトッププレ、お披露目後別箱ともに再演なので…というやりくりもあるのかもですよね。

  7. ちゃま より:

    改めて蒼汰さんおめでとうございます!
    贔屓が大羽根お披露目初日を観劇なんて羨ましすぎますね(*^^*)

    さて、昨日私もやっと初見でした。
    ロビンはファンタジー王子の朝美さんにピッタリで、それぞれのキャラも立っていて’良いヨシマサ先生’でしたね(笑)

    一方ショーですが色々聞いてはいたものの…初見の感想は’ごった煮’でした(まぁあるあるですが私にはハマらず)

    トリデンテのビジュアルが最高なので良しとします(笑)

    にしても路線の押し出しがハッキリしてましたねー。個人的に音彩さんのフェイスラインと声が苦手で(本当にごめんなさい)朝美さんの後妻ほぼ確かぁと思いながら見てました^^;