本日、2回の月組公演観劇をして参りましたー。
書き残していた『PHOENIX RISING』の感想を綴っていきます。
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目につくところが多かった作品
野口幸作先生によるスペクタキュラー・シリーズ第7弾。野口先生の作品は私のツボにハマることが多く、今回は初の月組での上演とのことで期待していたんですけれど…うーん、印象としてはイマイチしっくりきていません。
「鳳」月杏だからPHOENIX。鳳凰だからアジアが舞台。アジアだからエキゾ路線で野口作品としては新境地、ここまでは分かる。だけど…なんで冒頭がエジプト?エジプトってアジアなのか???確かにフェニックスの起源は古代エジプトだけど、フェニックスと鳳凰は同じ「火の鳥」でも別物で、じゃあフェニックスがテーマなら舞台がアジアは違くない???みたいなクソ細かいところが気になってしまって…。
じゃあなんでそんなことに気を取られたかといえば、冒頭の総踊りの演出が、なんか全体的にグダグダだからんです。アジア各国(順番に中国・エジプト・タイ・韓国・インド・日本)をモチーフに大階段をズラズラ降りてくるけど、パッと見た衣装で違いが分からないし、毎回曲がぶつ切りされるのでノリづらい。続く3幕のボリウッドfeat風間柚乃の場面も、まぁ使い古されたコスプレファッションショーで、なんかうっすらスベッてる感じがこそばゆくて…と、野口作品といえば「掴みは完璧」という印象なんですけど、今作は没入できず躓いてしまいました。
あと一番気になったことが、野口先生の韓国文化に対する認知の古さです。韓服に羽根扇でひーらひらなんて遥か昔のドラマの世界観だし、途中で出てくるアイドルグループ「MoonZinG」なんて、これ20年くらい前のK-POPアイドル像ですよね???今で言うとタイやらインドネシアのアイドルじゃなくて???トドメが韓国だから「サランヘヨ」って言わせときゃいいみたいなテキトーな演出が、なんつーか、うーん。とりあえず野口先生ってがK文化に全っっっっっっく興味が無いことが良くわかりました。←
尻上がりに面白くなる作品
ただ、4幕の上海ジゴロ場面あたりからザッツASIAな雰囲気で惹きつけられましたね。まぁ鳳月杏×礼華はるって全然踊れてないやんけと突っ込みたくはなりましたが、天紫珠李は謎にゴージャスで良き。5幕のタイリゾートも華やかで楽しげだし、宝塚恒例の復活芸を経て、フィナーレへ。
このフィナーレ冒頭が凄く良くて、まずは別格上級生枠の夢奈&英が出てきて露払い。そこから退団者の春海&朝陽が銀橋に出てきて4人で歌うわけですけど、退団者2人と上級生別格2人がちょうど同期同士(96・99期)なんですよ。さっすがシンメ厨の野口先生、分かってるーーー!!個人的には英かおとが2推しなので、まさか彼女が銀橋で歌う日が来るなんて…とプチ感動してしまいました。←
で、彩みちるを中心とした娘役が11人出てきてアイドル場面その2に続くわけですけど、娘役たちにも「芸名もじり歌詞」をあげるなんて、野口先生優しいなぁ。そこから西城秀樹「君よ抱かれて熱くなれ」に合わせて大階段を使った場面になるのですが、ここからがサイコーなわけですよ!!テンション爆上がり!!やはりハイエナジーでハイカロリーな、歌謡曲コテコテなノリの方が野口作品の良さが出るなと感じました。
礼華はると中堅スターと
ちなみに、事前のウワサ通り、礼華はるが想像以上に出ずっぱりで、本当に大活躍でしたね。いつもの柔和な印象からキリっとした表情もつけられるようになって、男役として良い脂が乗ってきたなと感じました。あとはボリウッドで彩みちる、タイで花妃舞音、韓国で白河りりと、主要娘役へ順番に出番を上げているのも良かったですね(きよら羽龍は?とは聞かないお約束です)。
そして白雪さち花や佳城葵はもちろん、脇スターたちも順調に育っていってるのが月組の強さですね。個人的には大楠てらの目線で人を殺せるんじゃないかってくらい鋭い目つきと、桃歌雪のイイ具合のアネゴ感が良かったです。あとは先日の新人公演で活躍していた104期生の真弘蓮が、イイ具合にギラっていて目につきました。
とまぁ、文句を言いながらも結局は楽しめたので、やっぱり野口作品と私は相性が良いのかもしれません。新体制らしく色んなスターにスポットが当たっていますし、このまま千秋楽まで突っ走って欲しいですね。
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だけどそれ以上に気になったのは、新進男役としてこんなに出張っているのに、書籍やグッズ関連では何が何でも正3番手扱いされないことです。本作も舞台写真が2枚据え置きで彩海せらと同格、同期の鷹翔千空は3枚出してますから、序列的には鷹翔>礼華≧彩海となる。これが不思議。
ま、絶対に別格コースだと思われた鳳月杏がトップを張っている今、彼女がトップになれるのか否かを論じるのは野暮というもの。アンダーアンバサ世代がガツガツ使われているのは良いことですし、礼華はるが元々持っていた温和な魅力だけではなく、イカつくギラついた表情も魅せるようになったいて、個人的には関心惹かれました。
あとは一輝翔琉が良い意味で男クサ芸に走っていたのが好印象。月組若手陣はサラっとした子が多いので、余計に目立ちました。うん、月組で燻るくらいなら花組へ行こう。←
ってことで新体制らしく色んな子たちにスポットが当たっていた本作。スルメ作であることを期待しながら、何度か観劇しようと思います。
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コメント
蒼太さん!熱量高いブログありがとうございます。
新生月組、エネルギッシュでよいですねぇ。
全組観劇派ですが好みのジェンヌさんばかりみてしまうのでいつもぼんやり観ていた月組。
キラキラジェンヌさんがたくさん隠れていた(気づかなかった)ようで今回のショーでびっくりしましたよ!
最近のジェンヌさんが美形なのか月組にたくさんいらっしゃるのか、名前を知らない綺麗な方がたくさんいますね、、、が歌って踊って素晴らしい!
路線の男役が今後どうなるか凄く気になります、、、。
天紫さんがもう少し聴きやすい声になるといいなあと思いつつ、ダンサートップ娘としてはピカピカでおそれいりました!
ところで蒼太さんも今の月(礼華さんの扱い)気にされてますよね!?いつもクールに分析されていらっしゃるのに気持ちがでてらして興味深く思いました!
組それぞれの事情、劇団の事情(人気?思惑?)があるのかな、って思いますよね、、、でも物販も大事ですが公演での役付きで差を出してほしいです。役付きで差があった方がファンは納得できると思うんです!!写真の枚数とかで役付き悪いのをリカバーより、反対の方がよくないですか!?と熱く叫ばせて頂きました。。
こんにちは!
私は観客参加型ショーが大好きなんですが、蒼汰さんはスティックポンポン持って参加されてますか?(^^)
私は両手にポンポンです*\0/*
初めまして!いつも楽しみにしてます!
冒頭がエジプトなのは、アジアだけでは手狭になるとのことらしいです笑 プログラムの野口先生コメントより意訳しました。確かに、今回のプロローグは主題歌がぶつ切りでイマイチのりにのれないなぁと思ったところがありましたね。でも、サビは何回聴いても楽しいですし、クセになる。夢奈さん、英さん、白河さん、羽音さん、きよらさんと別格チームが多くの場面で主な人物として登場してるのは熱くなりました。個人的に羽音さんのお顔がどタイプなので登場するたびに見惚れてました。ガイズアンドドールズは一本ものなので役が少なくなりますが、たくさんの方を発見していきたいです(^^)あと、最近の月組はグラタカ、フェニックスとゴールド系のショーが続いてるので爽やかな色のショーだと嬉しいです。中村先生のロック系とか嬉しいな。でも、この前、中村先生でしたもんね。稲葉先生かな??笑 次の発表が楽しみです!
興味深い記事ありがとうございます。
野口先生がKPOPに全く興味ないと書かれてますが、確信犯的なのではと私は思ってます。
宝塚のファン層って50〜60代以上が多くて、最近の韓流なんて付いていけませんから。そもそも韓国が好きでない女性も一定数いるので、敢えてマイルドな表現にして誰にでも楽しめるようにデフォルメしてるのだと思います。