2024年の宝塚を総決算!!ルネサンス宝塚大賞2024①

 

年末恒例企画「ルネサンス宝塚大賞2024」と称し、

2024年東京宝塚劇場で公演された舞台作品の

全作レビューを書いていきます!!

 

なお、年間公演数が少なくなったことにより、

今年もミュージカル編、レビュー編を一緒に書いていきます。

 

ルールは以下の通りです。

・第2位~最下位、からの第1位(ルネサンス宝塚大賞)という順番に発表します。

・順位は私の好みだけではなく芸術性や大衆性を加味します。

・あくまで当ブログの独断と偏見によるランキングです。

 

詳細は昨日の記事をご覧ください。

それではさっそく参りましょう!!

 

2024年大劇場レビュー全作品ランキング

 

第2位:雪組『FROZEN HOLIDAY』
第3位:宙組『Le Grand Escalier』
第4位:花組『Jubilee』
第5位:月組『Grande TAKARAZUKA 110!』
第6位:星組『VIOLETOPIA』

 

「ショー作家不足」「マンネリ」と言われ続けた

最近のレビュー作品情勢において、今年は去年、一昨年に比べて

明らかに平均点が高かったように思います。

 

次々と新たな演出家をデビューさせるなど、

劇団も一応力を入れてきたわけですが、

それがついに実を結んだ、ということなのでしょう。

 

もっと言えば、今年は不祥事で退陣(?)した藤井先生が未登板。

それにも関わらずですから、地味に凄いことです。

 

その中でも、ポストとして盤石になった、

野口幸作先生による『FROZEN HOLIDAY』は、

クリスマスと年始のごった煮、雪組だから冬だし和物だしと、

構成力の高さが頭一つ抜けていたと思います。

 

そして宙組復活の狼煙となった『Le Grand Escalier』は、

さながら宙組絵巻走馬灯のような充実した内容でしたし、

『Jubilee』『Grande TAKARAZUKA 110!』は良くも悪くも無難な出来栄えで、

少なくとも見ていて辛い、ということはなかったです。

 

そんな中「宝塚らしさよりも自分のしたいことを優先した」ように見えた

星組『VIOLETOPIA』を最下位にしましたけれど、

でも今年の作品の中で一番インパクトがあって、

どんな内容だったかすぐに思い出せるものであるのも事実。

 

実は去年のジャガビもそうなんですよね…。←

傑作と駄作は紙一重、とはまさにその通りで、

もしかしたら1年後には私の中で再評価しているかもしれません。

 

 

それでは、ルネサンス宝塚大賞・レビュー部門の発表です。

 

ルネサンス宝塚大賞・レビュー部門 発表!!

 

第1位:星組『Tiara Azul -Destino-』

 

この作品の素晴らしさは、普遍性が高いことです。

最近は「その瞬間の組との調和」が優先され、

スターの名前をもじる歌詞なんて飽和気味でしたけど(野口先生あなたです)

今作はそのアンチテーゼのような一作でした。

 

舞台は南米、とにかくラテンでアゲアゲでフィーバーな感じ!!

だけど場面によっては清涼感が、あるいは切迫感があり、

それでも根幹はとにかくギンギラなフィエスタ感。

 

それでいて、本作がラストのなる舞空瞳への手向けの場面も多くあり、

特に最後のティアラを被せるシーンなんて感涙もの…。

 

レビュー作品として王道でありながら、

竹田先生のデビュー作品らしい瑞々しさも湛えた本作に

ルネサンス宝塚大賞を送りたいと思います。

 

2024年大劇場ミュージカル全作品ランキング

 

第2位:雪組『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』
第3位:花組『エンジェリックライ』
第4位:星組『記憶にございません!』
第5位:雪組『ベルサイユのばら』
第6位:花組『アルカンシェル』
第7位:月組『Eternal Voice 消え残る想い』

 

まず最初に言わせてください。

今年はレベルが高かった!!

 

本当に素晴らしい。

海外ミュージカル頼みじゃなくても、

ちゃんと高品質な演目が作れるじゃないですか!!

いやはや、灯を消してはならないという座付き演出家たちの底力を感じましたよ。

 

ハッキリ言って、今年は駄作ゼロです。

なので7位に月城海乃のサヨナラ作品を置いてますけど、

去年、一昨年の感覚だと9作品中5位くらいの出来でしたよね。

 

じゃあこのランキングはどう決めたかと言えば、

完全オリジナル作品が上位(2位、3位)で、

古参演出家の手癖が良くも悪くも感じた作品が下位(6位、7位)で、

あとは好み、という感じにしました。

 

『ボイルド~』『エンジェリックライ』みたいな、

話の辻褄が合いつつ物語の起承転結がハッキリしていて、

それでも宝塚らしさを失わない作品をオリジナルで、

しかも中堅(40代?)演出家が生み出すって、本当に素晴らしいと思います。

 

どちらも好きな作品でしたけど、

きちんと男女のラブロマンスを書き切った『ボイルド~』の方が

若者向け特化な『エンジェリックライ』より上かなと思ったので、

この順位にしました。けど、どっちも凄く良かったです!!

 

それでは、ルネサンス宝塚大賞・ミュージカル部門の発表です。

 

ルネサンス宝塚大賞・ミュージカル部門 発表!!

 

第1位:星組『RRR』

 

「でしょうねー!!」

って感じでしょうかね?笑

はい、人事案件じゃなかったとしてもこの口癖は使います。←

 

もはや細かい説明は不要でしょう。

礼真琴の、そして星組生たちの実力がいかんなく発揮出来るような、

歌って踊るハイエナジー・ミュージカル作品。

 

礼真琴の代表作案件として企画された本作は、

星組生たちの、そして歌劇団全体の叡智を結集し、

上がりまくったハードルをやすやす飛び越した逸品になりました。

 

…ま、個人的には2位・3位と結構迷ったんですけど、

3時間以上の原作映画を1時間半でまとめきった演出力にも脱帽し、

本作にルネサンス宝塚大賞を送りたいと思います。

 

2024年はやっぱり

 

ってことでミュージカル作品・レビュー作品ともに、

今年は星組のダブル受賞となりました。

やはりトップオブトップ円熟期を迎えた組は強いですねー。

 

次は本命のスター編の発表です。

 

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コメント

  1. YK より:

    いつも記事を楽しみに拝見してます。
    2024年のショー、劇のランキングありがとうございます。今年はRRRの年といっても過言では無いですよね。
    長時間の原作映画を1.5時間に上手くドラマチックにまとめた若谷先生の技量、主演の礼真琴を中心に全てのキャストが素晴らしかったのは勿論ですが、何といってもラーマ役のありちゃんが格好良すぎて見れるものなら何十回でも見たいと思わせる名作でした(星組はチケット難で3回しか見れなかった涙)。星組は礼真琴退団後もありちゃんを中心に引き続き大人気(チケ難)になるという事を確信させられた作品とも言えます。
    RRRのせいか他の作品の印象が薄かった年だったとも言えます。大劇場公演ではありませんが雪組全国ツアーのGatoBonitoのあーさと夢白あやが最高だったなぁ!あと去年のライラックレベルの悪い意味での面白作品も無かったのも惜しい(笑)
    これからも楽しい記事お待ちしております。