雪組『ODYSSEY』は思い出再演枠?

 

本日は小ネタを。

 

舞台の幕が開くことがなかった雪組公演『ODYSSEY』。

日比谷シャンテで公演パンフを購入したので、

毎日眺めては幻となった船出に思いを馳せています…。

 

で、パンフを眺めていて

以前からなんとなく予想しながらも確信に近づいたことを一つ。

 

この雪組『ODYSSEY』という公演、

実は彩風咲奈&朝月希和の思い出再演枠だったんじゃないか、ということです。

 

雪組『ODYSSEY』は思い出再演枠?

 

小川前理事長時代から主流となりつつあった思い出再演。

 

それはつまり、自身が新人公演主演を果たしたり、

あるいは悲願としていた公演を上演作品として選ぶことで話題作りし、

チケットを売上げ、かつトップの物語性に彩りを与えることを指します。

 

直近例だと、礼真琴『ロミオとジュリエット』や、

真風涼帆『オーシャンズ11』なんかが、それ。

 

で、最近はというと、

新人公演のリフレインという直接的なものより、

婉曲表現的なものが多いような気がします。

 

例えば真風涼帆が初舞台公演を踏んだ『NEVER SAY GOODBYE』、

月城かなと&海乃美月が初東上を組んだ

フィッツジェラルド作品より『グレート・ギャツビー』など。

 

では、彩風咲奈が上演すべき代表作といえば何でしょう?

ロミジュリ?ベルばら?それとも和物でJIN?

 

いえいえ、彼女の代表作といえば、

やはり『SUPER VOYAGER!』より「OCEAN-海に浮かぶ月-」の場面です。

 

若き2番手として将来を不安視されながらも、

その前評判を覆し、トップへの勢いを決定付けたものであり、

その素晴らしさに2017年度の団体賞まで受賞した名場面です。

 

その作品を演出したのは、野口幸作氏。

そう、雪組『ODYSSEY』の演出家でもあります。

 

朝月希和に課された使命

 

そもそも、なぜに朝月希和がおおかたの予想ゲームを覆し、

雪組トップ娘役に就任したのか。

 

その理由は当然分かりませんが、

彼女が課された使命は何となく推察出来ます。

 

一つは、コロナ禍の中で安定した基盤を作り、早めに次代に引き継ぐこと。

一つは、和物の雪組としての娘役の所作を次代に引き継ぐこと。

一つは、「OCEAN-海に浮かぶ月-」の思い出再演。

 

なので、任期2作目で和物『夢介千両みやげ』が来たこと、

別箱で雪組『ODYSSEY』が来たことは、まさしく想定内というもの。

 

…いや、野口作品は本公演でも良かったくらいですが、

スペクタキュラーシリーズは、まずは全組制覇することがゴールだと思うので、

今回は別箱で、というかたちになったのかもしれません。

 

裏を返すと、こんな早くに続々と朝月希和の使命を消化するあたり、

やっぱりそういうことなのかな?と邪推してしまうわけですが…。

 

このあたりは次の別箱、

あるいは本公演の内容を見て改めて考えたいと思います。

 

野口幸作の、本気と書いて「マジ」

 

ところで、今作の力の入れようったら凄い。

 

そりゃ、野口先生としても『SUPER VOYAGER!』の団体賞受賞は、

自身のカラーを評価されたと同じなわけで、

今作はそれをさらに上回るものを作らねば!!という気合とオーラが、

公演パンフからもとんでもなく発せられます。

 

まずもって彩風咲奈は、海賊。

こりゃもちろんネモ船長のオマージュなんだろうけれども、

とにかく凄い、ビジュアルがっ!!

この衣装の着こなしはまさしく宝塚であり、和製ジャック・スパロウ。

 

そして対になっている月の女神・朝月と太陽神・朝美の神々しさ。

単品としても完成されているにも関わらず

この3人が濃 厚 に 絡 み 合 っ て る ん で す よ ?

そんなの許されるんですか!!(白目)

 

ちなみに、野口先生渾身のテーマソングを一部抜粋したいと思います。

 

ひとりぼっちで切ない夜には
オレが温めてあげるから
美しい朝 太陽の下
生まれたまま抱き合おう
間違いなく オマエにマジ

月影さやかな この夜に
あなたを想い焦がれているの
何故だろう この胸がときめいている
キワキワな愛 求めてる

ODYSSEY-The Age of Discovery-より

 

歌詞を読んだだけで、誰が歌うのか、何に掛けているのか、

分かっちゃうのが野口クオリティ。

しかももう一つの主題歌が「どっせい ODYSSEY」ときた。

 

先生…あんた天才だよ…!!(グッジョブ)

 

と、半分ネタに走ってしまいましたが、笑

つくづく、この公演の幕が開かなかったこと、本当に本当に残念です。

 

どういう形であれ、

まるで沈んだ難破船が夢幻の世界で蘇ったかのように、

雪組『ODYSSEY』の世界が、私たちの目の前に広がることを祈っています。

 

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コメント

  1. AKKO より:

    ODYSSEYは中止になりましたが、パンフレットは販売されていたんですね(中止決定前に購入されたのかな?)
    それにしても、野口先生の歌詞は面白いですねぇ~キワキワな恋って(笑)美しい朝はあーさ?生の舞台で聞いてみたかったなぁ。。
    でも、今年の公演予定はまだ全部決まっていないので、どこかでリベンジしてくれるのでは?と信じたいですね。NOW ZOOM ME の様に。宝塚ならきっと!

  2. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    野口作品を本公演で~、本当にそう思います。

    この記事を読んで、姪はじめ祖母、祖母の友人、私も、公演フラッグを激振りすることでしょう、ありがとうございました。

  3. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    幻(にしてなるものか!)の歌詞の情報をありがとうございます。一瞬「HiGH&LOW」の歌詞かと思いました(笑)野口先生、ヤンキーに内心憧れるマイルドインテリ君なんですね。

    ODYSSEYは、夢介の次の外箱が全ツか博多座なら、55分の併演ショーに再構築して上演、とかなら、他の舞台の予定への影響を最小限にしてファンの前で日の目をみられるのでは、とひそかに期待しております。

    ODYSSEY号、愛媛に向けて再出航!胸アツですわ。朝月さんがいるうちに、なんとか!

    あるいは、濃厚接触者の自宅待機が10日間に短縮されたのなら、22日まで会場を押さえているなら、なんとか無観客上演を撮影して、後日配信か円盤かスカステで放送するか。

  4. ルイ より:

    こんにちは
    私もプログラム入手後、歌詞を読んで崩れ落ちました。
    今回中止が決定したことで地味に損失が大きいのでは野々花ひまりなのでは?
    気がつけば上にいた娘役がゴッソリいなくなり、路線若手娘役達はバウ組なので、いいポジションで使ってもらえるのでは?と思ってはいましたが、プログラムを見る限り思った以上にいい扱いで少し驚きました。再演決定したとして、彼女が同じポジションにいれるかは色々と微妙だからなんか惜しいなぁと思いました。

  5. より:

    フラッグは買った(振付練習してました…)もののパンフは未購入だったので歌詞は初めて見たのですが、オマエにマジで吹きました。
    本物の魔法使の舞台挨拶といい、どこまでもついて回るのですね(笑)

    見たかったなぁ。

    いつか何らかの形で(2本立てのショーで一場面だけとかでも)陽の目を見ることを願います。

  6. May より:

    野口先生…!!笑
    泣き虫プリンセスを超えるテーマソングが!ジャニーズ顔にはジャニーズ風の歌詞を当てたくなるものですね!笑
    抜粋ありがとうございました。マスクの下でにやりと笑ってしまいました。

  7. 夏みかん より:

    私もプログラムを見て、完成度が高すぎるビジュアルに卒倒しました。放出されるオーラが尋常じゃない!作者も演者も本気なのがビシビシ伝わってきます。幕が開かなかった悔しさはどれほどかと…。
    ここまで完成されているものを劇団がお蔵入りにすることはないと信じます。普段なら買わないフラッグを買って飾り、キャストやシーン名を見て妄想しながら上演祈願しています。
    「どっせいODYSSEY」ってほんと天才!! むしろどっせいから連想してつけた題名じゃないのか?とも思いました(笑)

  8. コスモスハート より:

    蒼汰様

    雪組公演、全く幕を開けることなく、残念で、大劇場で演出プランを再構成して、ショーとしてやってもらえたらな〜。幻にはしないでもらえたら。話題作になるはずでしたからね〜

  9. kekko より:

    10日初日を観劇予定で、新幹線の中で中止の報を受け、頭が真っ白(目の前は真っ暗)になった雪組ファンです。
    プログラムはもう野口先生のご挨拶から泣けますね。
    歌詞は本当におっしゃる通り!
    あーさは安定のお前にマジ←歌詞をよく読むと結構恥ずかしい(笑)、キワキワな愛って何やねん!と、突っ込みたくなりました!
    プログラムからもビシビシ伝わる本気度、これをお蔵入りにはさせないでしょう。
    きっと何らかの形で日の目を見る事を信じています。 
    あぁ~それにしても、客席で一緒にフラッグを振って盛り上がりたかったなぁ(泣)