星組『ロミオとジュリエット』全体感想

 

ありがたや、ありがたや。

 

 

無事、星組『ロミオとジュリエット』を生観劇してきました。

このご時世でそれが出来たのは、まさに奇跡的。

 

残念ながらB日程を見ることは叶いませんでしたが、

A日程を見られただけでも、本当にありがたいことだなと思います。

 

配信で見た際の第一感想は既に書いていますが、

 

今回はその後、A日程を配信で見て、

かつ舞台で見たうえでの全体感想編としてまとめます。

 

生ロミジュリを見られたという感動

 

私にとってロミジュリは、先日発売されたBlu-rayボックスと、

配信で見たB日程とA日程(実は見てました)のみ。

 

すなわち、映像の中だけでの世界だったので

今回舞台で見たうえでの感想は

「ついにあのロミジュリを生で見られるなんて!!」というのが第一です。笑

 

生の舞台でも、礼真琴はどんな姿勢でも伸びやかな歌唱を披露し、

ビジュアル含め爽やかなロミオを熱演。

舞空瞳も歌唱力の大幅な向上が見られ、

元気で現代的なジュリエット像を作り出していました。

 

この2人を頂点に、劇団の「歴代最高傑作を作り出そう」という気迫と、

その期待に応えねばという星組生たちの熱いエネルギーが迸り

久しぶりに時間を忘れる程の名作に出会うことが出来ました。

 

そして、やっぱり生観劇は違いますねー。

今までは画面越しのロミジュリしか見たことがなかったので、

メインどころ以外の人たちが舞台上でこんなことをしていたのか、

的な発見が色々あって面白かったです。

 

例えば、2度目の「僕が怖い」では

死んだティボルトとマーキューシオが

あんなに舞台を走り回っているとは知りませんでした。笑

 

若手の青チーム、赤チームもそれぞれ小芝居をしてみたり、

かと思いきやシャカリキに踊っていたり。

いやはや、生で見られたことに感謝ですね。

 

A日程は王道、B日程は新視点

 

ところで皆さんはA日程とB日程、どちらが好きでした?

どうやら世間的にはB日程の方が評判は良さそうなんですけれども、

私が両方を配信を見たうえでの感想は、実はA日程派でした。

 

というか、A日程はいわゆるロミジュリでしたけれど、

B日程はこれまでとは違う、

新視点的なロミジュリだったと思います。

それはすなわち、ロミオ(ヴェローナ)VS死。

 

美しき小都・ヴェローナは死に魅入られ、憎しみと暴力の街となっていた。

そこに住むティボルトもマーキューシオも、ついにはロミオも、

運命に逆らえず、死の世界へと誘われてしまう。

 

けれども、ロミオはジュリエットへの愛によって死に打ち勝ち、

ヴェローナは愛に溢れた美しい都へと戻り、

ロミオの魂も救済されたのでした…みたいな?

 

愛月ひかる演じる死の比重が重くなったように「見える」ことで、

死がトートに見えてきたし、魂の救済というテーマも含め、

『エリザベート』に近い作品になったなと思うのです。

 

これは「若さゆえの愛の暴走」という、

ロミジュリ本来のテーマがA日程できちんと完成されていたからこそ、

新機軸としてのB日程が映えたんじゃないか、という印象。

 

つまり、私には全くの別作品に見えたので、

AとBどちらも別ベクトルで面白かったです。

 

惜しむらくは、やっぱりB日程も生舞台で見たかったなぁということ。

生観劇したら今以上にBをべた褒めしそうですよね、我ながら。笑

 

けどやっぱり、劇団が入念に準備したのであろう

王道中の王道であるA日程も捨てがたいなと思ったのでした。

 

唯一気になったのは「顔芸」

 

書こうかどうか迷いましたが、

やはりベタ褒めだけじゃつまらないよね、ということで…。

 

今回、見ていて気になったのは、

みんな全体的に顔の芝居が過剰過ぎません?ってこと。

 

名指ししちゃうと、特に瀬央ゆりあと天華えまの2人。

芝居の作り方が、完っ全に紅ゆずるでした。

(一番影響を受けたトップ様でしょうから当然と言えば当然ですが。)

 

そんな全力で顔面歪ませたり、目玉引ん剥かなくても…と配信を見て思い、

生舞台だときっと気にならないかなと思って挑んだら、

やはりめちゃめちゃ気になりました。笑

 

紅ゆずる一人だったら、スターの個性として楽しめたんですけれども、

大人数でやられると少し胃もたれが…。

まぁ星組はもともと顔芸過剰な印象がありますが、

紅政権下で生え抜き濃度が高まり、より強まった印象があります。

 

その影響からか、あの愛月ひかるですら、

時々顔芸過剰になってたことに驚きました。

(前述の2度目の「僕は怖い」で死に蹂躙(?)されてる場面とか、ね。)

 

逆に綺城ひか里なんかは、まだナチュラル路線ですよね。

それが逆に薄味に見えたりしなくもないですが、

ニュートラルな存在として、このままでいて欲しいなと思ったり。

 

と、ここまで書いて思ったのは、礼真琴ロミオも、舞空瞳ジュリエットも

実在的というよりはマンガ的な表現が多かった印象があるので

(間の取り方とか「今行くわ!!」に代表されるひと笑いを取る場面とか)

小池氏による演出なのかもしれません。

 

文句なしのロミジュリ最高傑作!!

 

とは言え、本作が文句なしの最高傑作であることは間違いありません。

こんな素敵な舞台を見せてくれて本当にありがとう!!

 

このまま千秋楽を迎え、多くの人に見て貰えますように。

キャトルが再開したらBlu-ray買っちゃおうかなー。

 

ということで(気が向けば)キャスト別感想に続きます。

 

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コメント

  1. 夜空の星たち。 より:

    私も、緊急事態宣言緩和にて、東京でロミジュリ観劇できました。
    だめかなぁと諦めていたので配信で楽しんでました。Blu-rayは予約してあったのが早めに届いたので観劇前にじっくり・・。
    日比谷は閑散としてましたが、気持ちは上がってました。(笑)
    ほんとに、良かったです・・。ロミジュリ。

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    無事生観劇できたのですね。貴重な感想をありがとうございます。

    ライビュ&配信では、「カメラに映っていないところは見られない」し、生で舞台を見る時に比べて「カメラワークによって芝居の印象が変わる」ことも当然ある。

    映画やTVドラマでは、監督は芝居をどういうカメラワークで伝えるかが腕の見せ所ですが、後日販売される円盤やスカステでは、たぶん演出の先生も編集をチェックしていると思うのですが、生配信だとそこまでできないですからね。

    個人的には、「宝塚で「ロミオとジュリエット」の一つの決定版を世に出した意義」としてはA日程、

    「400年以上演じ続けられた古典を、今演じる意義」として新解釈を世に提示したのはB日程、という印象です。

    あと今回配信が、宝塚大劇場、東京宝塚劇場とも先に「B日程」が先になったのも影響がありそうですね。採点競技でも、一番最初に演技した選手の採点が「基準」になって、それと比較して採点されていく傾向がありますからね。

  3. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    公演が再開して、本当に良かったです。
    顔の芝居…、確かに。
    いつも新たな気づきを、こちらの記事から、いただいています。面白いです。

    • funky より:

      AB含めた全体感想、楽しみにしておりました。顔芸うんぬん、には正直そうかな…?(生粋の星ファンですのでもう正常な判断はできません笑)と思ってしまったのですが、今回のロミジュリが歴代最高だというのには同意です。
      あと個人的に面白いなと思うのが、私の周りのB日程派には「愛ちゃんの死が良かった(年齢層高い方多め)」「綺城さん天華さんのベンマキュが良かった(ほぼ若い方)」で分かれており、両者が全く交わってないところです。
      また、B日程はスルメ演目だと思います。私も初回はA派で、3回見たくらいからB派になりました。今や幸運なムラ派の嫌味にすらなっちゃいますけどねー。ともかく、今の星はあかさんが目立ち始め天華さんも好評を博し、この辺りがしっかりしているから層が厚く見え、素晴らしい体制だと思います。

  4. すー より:

    生観劇おめでとうございます!
    無事ご覧になられて良かったですね。
    星組大好きな私ですがこの間の配信では確かに顔芸がすこーし気になったので今回のご指摘笑ってしまいました笑
    巷の感想でも段々と顔芸が強くなってきているというのを見かけましたので、Blu-rayだと収録されたのは序盤ですのでもう少しまろやかになると思いますよ。ただやはり芝居や歌などは東京と宝塚では東京の方が格段になっていました!
    それにしてもABともに本当に良かったですよね!
    キャスト別感想も楽しみにしております!

  5. はは より:

    観劇に感激・・・あっ・・・。

    フラットなファンの方だと、あの程度(?)の顔芸でも濃さを感じられてしまうのですねー。
    すっかり『くれなイズム』が身に染みたファンですと「いーや、まだまだですよ」という感じだったりしますw。