ただ単純に感動した!!・星組『1789』新人公演感想

 

星組『1789』新人公演、ライブ配信で観劇しました。

 

西での公演が中止になってしまったたため、

1回こっきりのぶっつけ本番だったわけですが、

そうとは感じさせない素晴らしいクオリティだったと思います。

 

本筋の感想は本公演編で書くとして、

今回はいつも通り、キャストを中心に書いていきます。

 

星組『1789』新人公演・主役コンビ編

 

まず、主演を果たした105期生の稀惺かずと。想像以上にうまーーーーーーーーーい!!驚くほどのキラキラ感、よく通る発声と安定した歌唱力、青少年役が似合う爽やかな顔立ちと、何よりその芝居力と圧倒的な華!!!!!!とんでもないプレッシャーを跳ね除け、良く頑張りました。「~だぜ!!」というセリフがこんなに自然に発せられる男役、なかなかいません!!手塩にかけてゆっくりゆっくり育ててきた甲斐があったってもんですが、このスター性と舞台度胸は天性のものでしょう。カネコネ批判なんてなんのその、文句なしです。あまりにスター性がありすぎて、革命家チームよりよっぽど品があったのはご愛敬です。笑。そしてとんでもない実力とオーラで舞台を引っ張ったにも関わらず、最後の挨拶で学年らしさが出たあたりも可愛らしかったですね。いやー、素晴らしかった。

ヒロインのオランプ役は105期生の詩ちづる。これまた上手い。舞空オランプが全力体育会系なのに対し、詩オランプは控え目な淑女、という印象。この違いが実に絶妙で面白く、小柄な稀惺かずとをより男っぽく見せることが出来て良かったと思います。歌のデュエットも素晴らしく、まさに耳福。あ、個人的にはやっと顔が覚えられそうで、(前からうっすら思ってましたけど)正面顔は華優希風で横顔は美園さくら似?ですね。控え目なのに華があるという、娘役適正高めのスターなのだと改めて実感しました。

 

星組『1789』新人公演・主要キャスト編

 

アルトワ伯役は103期生の紘希柚葉。前半は緊張していたのか固いかな?と思いましたが、中盤あたりからグッと良くなりましたね。もちろん美形なのですが、鼻持ちならない感じがイヤな王族感があって役に合っていました。最終学年で大役が演じられて良かったですね。

デムーラン役は104期生の御剣海。初めてしっかり見ましたが、ダンサー枠なのかな?踊りがキビキビしていて良かったです。ロベスピエール役は106期生の凰陽さや華。同じく初めてしっかり見ましたが、とてもスタイルが良いですね。顔立ちがゆめ真音に似ている?この2人はカットの都合でだいぶ出番が減らされてしまったのが少し残念ですけど、名を売る良いきっかけになったように感じます。

そしてマリー・アントワネット役の103期生・瑠璃花夏。彼女も素晴らしかったなぁ。本公演でシャルロットを演じているとは思えない情感ある芝居で、物語に厚みを持たせてくれました。声もデコルテも顔も綺麗で全部が上手い、まさしくナイス支え。きっと良い娘2格に育っていくことでしょう…。本公演での今後の活躍も期待大です。

 

星組『1789』新人公演・他キャスト編

 

ペイロール役は105期生の大希颯。体格を生かした芝居が渋くてカッコ良かったです。稀惺かずととの並びは、まさに礼真琴と瀬央ゆりあのよう。少年系と渋顔系で、これから好敵手ポジとして育成されていくのでしょうか?歌がだいぶクセ強めでしたが、初演月組版を参考にしたんでしょうか…?

その同期枠で、ソレーヌ役の鳳花るりなも上手かった!!顔立ちはどこか潤花風?、歌が得意であることは前情報で知っていましたが、はすっぱな芝居も良かったです。いやはや、105期生は本当に人材の宝庫ですね。

そして個人的に応援しているダントン役の104期生・碧音斗和。とりあえず新人公演に出られて本当に良かったーーーーーー。そして、うまーーーーーーーーーーーーーい!!『ディミトリ』の時からいいぞいいぞと応援していましたが、男役としての技量が明らかに向上している!!最近の若手は爽やか路線が多い中、一人クラシカルで圧強めな男役芸してるのがツボです。歌も上手いしダンスもキレキレ。ビジュアルも洗練されてきてますし、このまま突っ走って欲しい‼︎

フェルゼン役は御曹司候補生の108期生・馳琉輝。ぶっちゃけ第一印象は「おっとっと?」って感じでしたが、正面から見たら爽やかイケメンで良い感じでした。笑。フェルゼンって期待の新生の初の大舞台としてはちょうど良い塩梅の役ですね。これからのさらなる進化に期待です。

ポリニャック夫人役の103期生・星咲希。姉ゆずりの実力派でこういう熟女役がハマりますねぇ。本役よりマリーと歳が近い見た目だからか、美味しいとこだけ掠め取ってくズルい女感がありました。あと、顔立ちがどこか愛希れいか風なのが色んな意味で面白かったです。笑

シャルロット役の104期生・綾音美蘭も良かったですね。顔芸強めですけど役としては正解。何よりカワイイは正義!!同じく、リュシル役の107期生・乙華菜乃も安定した芝居力でした。下級生娘役は実力者がひしめいていて恐ろしいですね。

 

偉大なるトップの心情を(勝手に)思う

 

最後の稀惺かずとの挨拶を見て、私は勝手に柚希礼音と礼真琴の心情に思いをはせてしまいました。きっと現役時代の柚希礼音が礼真琴を見る時と同じを思いを、今の礼真琴が感じているのかな、と。トップ人生の佳境に差し掛かったあたりで託された期待の新星。「この子が次の期待のスターなんだ」と当然ながら分かったうえで、自分の全てを継承するような思い…。85期と95期、そして105期。本当に上手く出来ています。

今の星組路線陣は驚くほどの実力者の集まりで、かつ作品自体の完成度も高いからこそ、星組若手スターには本当に良い経験になったと感じます。極美&天飛が抜け、一気に代替わりした雰囲気ですが、全くもってノープロブレム、これからも非常に楽しみです。

そして同じ小柄少年系として、稀惺かずとは礼真琴からたくさんのことを学び、さらなる飛躍を遂げて欲しいなと感じた新人公演でした。

 

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コメント

  1. コスモスハート より:

    蒼汰様

    主人公の歌と芝居が、未来に花開く潜在力を感じましたね。正直、本人の恵まれた環境が、役作りには逆に不利かも、なんて思っていましたが、悩み苦しみが本人にもあると、滲み出ていたように感じ、共感できました。

    本公演が素晴らしいので、どうしても路線スターの役が新人公演では比較すると粗が気になるのですが、脇役に別の魅力を感じました。

    オランプ父、彩紋ねお、若いのに予想より老けてました。上手いなあと、私的MVP。
    彼女も105期なんですね。
    そして、星咲希、お姉さんに似てる〜、だけでなく、ポリニャック夫人のような娘役の中では悪女で強かな役ができると証明してみせたと個人的MVP。
    シャルロットの綾音美蘭は、アニメのキャラクターとかをイメージさせる敏捷さ、クラシカルとは逆の魅力があるように思い、今後の活躍を楽しみにしてます。
    ラマール役、世晴あさ、深刻なストーリーをちょっと、箸休め的に笑いを取る滑稽な所、舞台にない裏ストーリーを想像させられ、ラマールチームのコンビネーションナイス! 

    蒼汰さんのブログで路線スター序列による差、知りましたので、住み分け、とよく言われています意味も考えさせられ、それぞれ活躍してほしいです。

    以前は新人公演を見るのは困難でしたが、配信してくれることで新発見を楽しめるようになりました。千秋楽まで完走を願うばかりです。

  2. れいこと より:

    いつも鋭い考察と的確な文章力に唸りながら、楽しく拝読しております。

    蒼太さんと全く同意見です。ここ数年、ほぼ全組の新人公演をリアル観劇してきましたが(昨日は配信)『1789』の新公はズバ抜けて素晴らしかったです!!

    稀惺かずとくんの顔立ちの美しさと、外箱でのお芝居の上手さは前々から感じていましたが、冒頭、稀惺ロナンが現れた瞬間、その目力の強さとビジュアルから「あ、間違いなく今回は成功する!」と確信しました。そして、見れば見るほど期待以上。文句のつけようのないお芝居、歌唱力、品がありながらも堂々たる立ち振る舞いはロナンそのものでした。

    『1789』の作品自体がこれだけの大作で、個人的にもここ数年で最も見応えのある作品で、しかも、本役が何もかもが凄い礼真琴さん。そのうえ、稀惺くんは本物の御曹司な分、様々なプレッシャーもあったかと思いますが、それを堂々と跳ね返してくれ、圧巻でした。久しぶりに新人公演らしからぬ新公を堪能しました。

    そして、蒼太さんと同じように星組の偉大なトップは85.95.105と10年おきに来るのかなぁと思いながら見ておりました(笑)。稀惺くん、メイクすると柚希礼音さんにも似ていますよね。堂々たる舞台上の姿からは一転、ご挨拶の時の不安とプレッシャーが見え隠れした素顔にも人間味を感じてすっかり心を持っていかれました。

    ヒロインの詩ちづるちゃんは『赤と黒』もよかったですし、今回も安心して見ていられました。歌をもっと聞きたかったですが、2幕ものは致し方ないですね。これまた同意見ですが、私も美園さくらちゃんに似ていると思っていました。声質も似ていて、目を閉じるとさくらちゃんです。あと、ペイロールの大希颯くんも強さが出ていてよかったです。

    私は花組&宙組ファンですが、新人公演も宙組は鷹翔さんや風色さんがいたときの新人公演はハイレベルでしたが、前回の『カジノ・ロワイヤル』の新人公演が、正直、学芸会みたいで落胆も大きく。今回のような新人公演を見ると、これからの宝塚も楽しみになります。

    星組は礼真琴さんをトップに、中堅も、下級生も実力もスター性も伴う方がいて、今、絶好調ですね。特に花組は中堅以下が様々に物足りないので、組替えでパワーアップしてもらいたいものです。

  3. May より:

    次世代の新星、稀惺かずと、ついにデビュー!!めでたいです。
    本公演で舞台に立っていても、パッとオペラグラスに飛び込む華、立ち居振る舞い。お声も良く、将来が楽しみです。
    このような大作で、実力者のトップのもと、大舞台にも関わらずプレッシャーに打ち勝ちやりきるその胆力。縁故などという声を吹っ飛ばす成果を出す仕事人。お見事であります。

    1789はダンス稽古に時間を割かなくても良いからなのか?、皆の歌唱力が飛躍的に向上していちミュージカル作品として高い完成度を誇る中、本公演を観て、改めてロナンというのは主役として難しい役どころだと感じました。というのも、礼さんの芝居が達者すぎて、むちゃくちゃフツーの田舎の兄ちゃんが、キラッキラしたブルジョア二人に挟まれて革命の兄弟をやっている図になるわけです…歌い出すと礼さんがこれまた上手すぎるのでアッやっぱり主役だ!となるのですが。この点、初演時に、絶妙に学がなさそう感を出しつつも抑えきれないご本人のキラキラのスター性だった龍さんは、また違う世界観で凄い人だったのだなと思ったりしました。
    というわけで、あくまで礼真琴さんの彼女らしいスター性はそりゃあもう素晴らしい、と思いつつも、どうにも隠しきれないスターの華というものも何にも代え難いものだなあ、と感じた新人公演でありました。

    ことなこコンビは踊り出すとダントツで目立ってしまうので、集団芸術としては、今回のような演目は逆に非常に良かったのではないでしょうか。
    …しかし、1789小桜ほのか嬢のパフォーマンスがあまりに良すぎて、かつフィナーレでの輝きも凄まじく、まさか辞めないよね…と心配になってきています。。そして言わずもがな、有沙さんも素晴らしい。

  4. やすす より:

    稀惺かずとさん、歌もお芝居も上手くて驚きました!キラキラもすごかった!
    私は少し前まで稀惺さんは明日海りおさんに似てると思っていたのですが、1789の新公を観たら彼女の中にものすこい礼真琴イズムを感じ、明日海りお➕礼真琴って、これからどれだけすごい男役に育っていくのかと今まで以上に楽しみになりました。
    これで低い男役ボイスが出るようになったら怖いものなしだと思いました。

    詩ちづるさんも、お上手でしたね!早乙女わかばさんと舞空瞳さんの中間のようなちょうど良い塩梅で、ヒロインとしてのオランプを好演されていたと思います。ただ、台詞の言い回しや表情や体の動きが常にスマートなので、「不器用」「いつも困難にぶち当たりながら必死で生きている」感じには見えなかったかも。私は1789は月組と外部役替わりすべて見てますが、舞空さんのオランプをみてはじめてオランプの不器用であるが故の魅力に合点がいったので、ここが今までと同じく見えなかったのは少し残念でした。しかしこれは彼女か何でもそつなくできてしまう(ように見える)持ち味のせいかもしれません…。

    度肝を抜かれたのはソレーヌの鳳花るりなさんです。
    歌もお芝居もあんなに上手だったなんて!ソレーヌの雑草魂の中にも色気を感じたし、かつらも本役さんと変えて自分の個性を出していたのがすごいと思いました。それが本当にソレーヌにぴったりで。
    彼女はエマエージェンシーですので、舞台度胸は満点ですし、これからの活躍がますます楽しみになりました!

    あとはマリーの瑠璃花夏さん、ダントンの碧音斗和さん(間に合って本垢によかった!)、ポリニャックの星咲希さん、ペイロールの大希颯さん、ピジェ中尉の彩紋ねおさん、ルィ16世の羽玲有華さんなどなど、目を見張った生徒さんかたくさんいて、今回の星組新人公演は本当にレベルが高かった。
    やはり1789という作品が、星組にあってるんですね。
    大劇場中止が悔やまれますか、皆さん本当に素晴らしかったです。星組の未来も宝塚の未来も明るい!