男役別格道・96期編 ~夢奈瑠音と紫藤りゅう~

 

ブログを書いていると、

どうしても正路線スターばかり取り上げがちになってしまいますので、

本日は滅多に語られない別格男役路線にフォーカスしてみたいと思います。

 

94期生までの別格男役路線たちは既に退団するか専科に行くかがほとんど、

かつ95期生は全員が正路線へと進んだため、

区切りとして96期生からスタートです。

(96期もう上級生と呼ばれる立場になったのね、としみじみ…。)

 

夢奈瑠音・手堅い別格路線の象徴

 

まずは月組の夢奈瑠音。入団成績7番。

珠城りょうのお披露目公演である『グランドホテル』にて

新公ラストチャンス主演を果たした彼女。

 

94期の珠城りょうと98期の暁千星の超路線、

そして微妙路線からの成り上がりである95期の朝美絢に挟まれ、

下級生時代は1期下の蓮つかさとニコイチ扱い、

いや、微妙に蓮つかさよりも扱いが下だった印象があります。

 

この微妙な差に逆転現象が生じて来たのは、

体感だと『ピガール狂騒曲』あたりでしょうか?

夢奈瑠音は鳳月杏のお付き役、蓮つかさは輝月ゆうま率いるモブ枠。

この絶妙な持ち味の違いが、次第に大きな差となっていきます。

 

夢奈は続く『ダル・レークの恋』で風間柚乃と役替わり(で合ってる?)を果たし、

『今夜、ロマンス劇場で』清水大輔、『グレート・ギャツビー』ラウルと、

別格枠の中でも綺麗どころポジションを抑えるようになりました。

 

そう、同じモブでも、蓮つかさが悪役や汚れ役に進むにつれ、

夢奈瑠音は綺麗どころやしっかり者、

分かりやすく言えば、とりあえずスーツを着ている役へと袂を分けたのです。

 

この変化に対し、彼女が2019年から「A2Care除菌消臭スプレー」

スポンサーがついたことは切って離せないでしょう。

 

もちろん、彼女自身のスター性や努力の賜物であることももちろんですが、

改めてバックがつくと路線戦線に大いなる影響を与えることが分かります。

 

夢奈瑠音は芝居もダンスもきちんとこなし、

かつ男役としての気品も持ち合わせた、

まさしく手堅い別格路線の象徴のような存在だなと思います。

 

トップ路線ばかりでなく、彼女のような存在が居るからこそ、

舞台や宝塚という存在自体にに奥行きが加わるもの。

月組の重要な戦力として、これからのさらなる活躍が楽しみです。

 

紫藤りゅう・ロイヤル枠は報われるのか?

 

続いて、星組出身で現在は宙組の紫藤りゅう。

入団成績16番、実は初詣ポスターモデル経験者でもあります。

 

研7『こうもり』にて新公初主演。

その後、同時は同じ新公主演1回の別格候補であった瀬央ゆりあとともに

『New Wave!-星-』にて主な出演者入りを果たします。

 

2019年に永久輝せあ→綺城ひか理からの玉突きで、宙組へ組替え。

宙組での初舞台が『FLYING SAPA』、

すなわちコロナ禍真っ只中だったことが、

彼女の苦難の始まりだったかもしれません。

 

このスポークスパーソン101役は、

彼女のスター性を打ち出すのにピッタリな役どころでした。

それは真っ白いロイヤル王子様枠。

 

アダルトな持ち味が多い宙組において、

ポッカリ空いていたポスト澄輝さやと枠にピタリとハマります。

 

しかしながら、路線詰まりを起こしている宙組において、

特に本公演ではなかなか美味しい役を与えられませんでした。

 

永久輝せあが花組の4番手、今は3番手として、

綺城ひか理がベンヴォーリオを取っているのを横目にして、

彼女は『アナスタシア』でモブに毛が生えた程度の役しか貰えず…。

 

組替えした生徒は、少しばかり美味しい思いが出来るはずなのに、

紫藤りゅうが貰えたものは、「Brilliant Dreams」くらい?

いやいやそれだって重要な枠1つだけど、そんなのあんまりだぜ!!

 

同期の和希そらが組替えしたこと、1期下の同じく別格枠の留依蒔世の退団、

そしてついにトップの真風涼帆が動くことで、

やっと目の前の道が拓けてくる、はず?

 

舞台の中央脇に立っていてもキラキラ発光してしまう立ち姿や、

スカステ等の番組での笑顔が爽やかなおっとり常識人な様子を見るにつけ、

ロイヤル枠として別格道を極める資格のある、

貴重な男役の1人であることは間違いありません。

 

新天地に異動し早3年、

彼女のこれからのさらなる活躍を期待したいとことです。

 

別格路線・それぞれの置かれた人生

 

そして96期はもう1人、新公主演経験者に優波慧が居ましたが、

彼女は既に宝塚を卒業していますので、今回は大きく取り上げません。

 

けど、悪役も汚れ役も厭わず、

安定した歌唱力で舞台を支えていた姿は記憶に新しく、

特に別箱において貴重な戦力として実力を発揮していたことを、

ここに記しておきます。

 

96期生は、別格の星として活躍が期待されていた和希そらが、

まさかの路線返り咲きとして現在雪組で大活躍中であることが印象深いです。

 

けど、残る彼女たち、つまり夢奈瑠音や紫藤りゅうもまた、

それぞれ置かれた場所で美しく咲いていることも、記憶に留めておきたいですね。

 

96期生も既に研13。

各々が男役道を極めようと走り続ける姿を、これからも応援したいと思います。

 

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コメント

  1. ジャスミン より:

    素敵な記事をありがとうございます。
    私、紫藤さん、大好きなんです…!!
    異動後の扱い、色々思うところはあります。
    でも、今の方が、良い意味で力みのようなものも抜けて、ずっと素敵だと私は感じます。

    次回作で真風さんや潤花ちゃんが退団、宙組も変化の時期ですが…できるならば、まだまだいてほしい。
    そう願っております。

  2. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    別格路線~、という名が意味をなしているのか、各組にその存在の有る無しで、舞台に深みや重み、また厚みが違ってくるように思えたりします。星組からの異動の際に、公演期間の谷間でお休みが長かった紫藤さんの、宙組での登場は、おっしゃる通り神々しいまでのロイヤル白王子様でした。よくわからないサパの世界の始まりに、スラリと白衣裳での立ち姿で、とうとうと長台詞の紫藤さん!魅せられました!
    歌劇誌の組レポも、毎号楽しませてくれています。
    月、宙とも、次期スターの若手に階段降りを抜かれてしまっていますが、いえいえやはり、この別格路線のメンバーがいてこそ、特に別箱公演で組の力量がわかるというものかと…。個人ファンの方だけでなく、組や歌劇団ファンにとっても、大切な存在であることは言わずもがな、ですね。

  3. おさかな より:

    蒼汰さん

    紫藤さん、星組時代から素敵だなと思っていたのですが、宙組生となってから更に好きになりました。星組では周りがギラギラしていたので、ロイヤルなのかギラギラなのか曖昧な感じがしていたのですが、宙組にきてからTHE☆ロイヤルを極めてくださり、ロイヤル好きとしてはありがたい限りです。性格も優しそうで、できる限り宝塚にいて欲しい存在です。

  4. ずんだもち より:

    今さらですが、96期は95期よりずっと人数少ないのですね!

    月組さんは詳しくないのですが、画面越しでも、やたら頭の小さいスタイル良い人が踊っているなぁと思うと夢奈瑠音だったりします。
    紫藤りゅうは、退団者告知に名前が入っていませんようにと祈ってしまう大好きなスターさんの一人です。
    「スヴィッツラハウス」のラディック役が一番好きです。「ホームズ」で演じたモリアーティ兄は悪役だけど貫禄ないわねぇと眺めてました。完全な悪役は任ではないのかな。
    月組も宙組も上級生が少ないということは、新たな役柄にトライできる可能性があるということ。夢奈も紫藤もまだまだ在籍していてほしいスターさんです。

  5. ルネ より:

    夢奈瑠音さんのことを、取り上げていただき、ありがとうございます。

    まず、ダンサーさんとして素晴らしい方ですが、
    お芝居では、
    アンナ・カレーニナのコスチャ役
    瑠璃色の刻のフィリッポ役
    どちらも、地味だけど優しい人を、素敵に演じていらして、気になる存在でした。

    歌も安定していて、最近の公演では、月城さん演じるグレートギャッツビーのご指名で歌っています

    今後も、ご活躍されることを願っています。

    なお、ダルレークの恋は、梅田公演時暁さんがミューサロに出たため、風間さんが暁さんの役、夢奈さんが風間さんの役になったのだと思います

  6. orange芋 より:

    ロマンス劇場で夢奈瑠音さんのスーツ姿にズキュんやられた者です、こんにちは!

    そもそも月組は贔屓組ではなく、面白そうな演目やれば観に行くという感じで、ロマンス劇場も映画が好きだったので観に行った次第でした。

    暁さんの大蛇丸に笑わせてもらいつつも気になったのは夢奈さん!
    なんとスーツの似合うスッとしたイケメンなんだろう、と惚れ惚れしました。

    以来、夢奈さんが気になって仕方ないです。

    宝塚の面白いところって観に行けば必ず誰か気になる存在を見つけてしまうところもありますよね。