やっぱり人事上手な星組・振り分け発表に思う

 

来年の星組別箱3分割の振り分けが発表されましたね。

それがまた実に興味深いものだったので、

一つずつ確認していきましょう。

 

星組別箱3分割・振り分け発表

 

まずは各箱の主な出演者をまとめていきます。

 

■礼真琴『Le Rouge et le Noir』
主演:礼真琴
男役:暁千星、碧海さりお
娘役:有沙瞳、小桜ほのか、瑠璃花夏、詩ちづる
■凪七瑠海 『バレンシアの熱い花/パッション・ダムール・アゲイン!』
主演:凪七瑠海、舞空瞳
男役:瀬央ゆりあ、極美慎、天飛華音、
娘役:水乃ゆり、綾音美蘭(104期ヒロイン候補)
■ 天華えま『Stella Voice』
主な出演者:天華えま
男役:碧音斗和(104期首席)、稀惺かずと、大希颯
娘役:藍羽ひより

 

やはり一番の特徴は、瀬央ゆりあと暁千星を分けたことでしょう。

凪七全ツの方で番手ボカシするのではないか?と予想されていましたが、

全くそんなことはありませんでした。

 

しかも、礼真琴の方に瀬央ゆりあ、全ツの方に暁千星ではなく、

敢えてこの振り分けにしたことが今回の鍵でしょう。

 

なぜなら、もし礼真琴と瀬央ゆりあが組めば「退団前の思い出作り?」と、

暁千星が舞空瞳とともに凪七瑠海全ツに帯同すれば、

「舞空残留からの暁トップのお試し?」と、

人事ブロガー(笑)にいらぬ嫌疑をかけられただろうからです。

 

今回の振り分けから、礼真琴と舞空瞳にとっての味変タイムであること、

すなわちコンビで長期であることが、なんとなく見えたと思います。

 

星組振り分け発表に思う

 

で、他にも色々と興味深いことがあったので、

以下、箇条書きで挙げていきます。

 

瀬央ゆりあは確固たる全ツ2番手格をゲット。ついでに広島凱旋。

暁千星は瀬央ゆりあと全ツ組に入った場合、いくらボカしても学年上3番手になってしまうのを回避。ついでに礼真琴ととのお試し。

天華えまは悲願の主演別箱をゲット。

・その隙間を縫って極美慎(たぶん)ロドリーゴをしれっとゲットし、アゲアゲモード開始。

・ついでに天飛華音(たぶん)アゲモード。

有沙瞳(たぶん)トップ娘役格であるレナール夫人をゲットし、ファンとスポンサーへのガス抜き。

・礼真琴は歌ウマを引き連れ新作海外ミュージカルを上演、かつ長期への布石を打つ。

・娘役は下級生本命候補を引き続き作らず、舞空瞳も長期への布石を打つ。

・若手バウで育成ついでに稀惺、大希、藍羽の顔見せ。

 

これを凪七瑠海へのお気遣い全ツと同時にやってのけるんですから、

さすが人事上手の星組ですよねぇ。

 

ついでに凪七瑠海が背負っても2番手羽根(2番手全ツ羽根?)ですから、

たぶん瀬央ゆりあが2番手羽根を背負うこともなく、

ポジション的な意味でもボカせるであろう、という計算も織り込み済み。

 

いやはや、恐ろしいです…。

 

番手をボカすのは何のため?

 

と こ ろ で 。

前述の通り『バレンシアの熱い花』の再演が発表された際、

瀬央ゆりあと暁千星の2番手ボカシのための作品だと思った方は多かったはず。

 

さらに一部では2番手格のラモンを暁千星が取り、

ここで番手を入れ替えるのでは?なんて声も聞こえてましたが、

私は正直それはないだろうなと思っていました。

 

なぜなら、同じく番手ボカシと言われていた『モンテ・クリスト伯』でも、

結果的に2番手ポジションを取っていたのは瀬央ゆりあだったし、

現在公演中の『JAGUAR BEAT』でも階段降りで明確に差がついているからです。

 

ではここで発想の転換をしてみましょう。

番手をボカしているのは、何のため?

御曹司育ちの暁千星が微妙路線である瀬央ゆりあをあっさり抜かすためでしょうか?

 

いやいや、もしかしたら

微妙路線である瀬央ゆりあを御曹司育ちの暁千星が抜かせないために、

2.5番手に近い作品を探している、と言えるかもしれないのです。

…勘の良いガキは嫌いだよって言われちゃいます?笑

 

なお、これは花組における水美舞斗と永久輝せあにも同じことが言えますが、

序列がハッキリしている花組と違い、星組は次の別箱だけでなく、

その次の『1789』も一本物で引き続きボカせることから、

番手レースの行方は2024年まで明らかにしない方針だと思われます。

 

ここも含めて星組は人事上手だな、と思うのですが、

とはいえ『Le Rouge et le Noir』がチケ難確実であるために、

星組ファンは大変だなぁ…と思うライトファンなのでした。

 

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コメント

  1. あやこ より:

    いい意味での意外性(蒼海さんが礼チームかい!紫門さんは何の役や?)がありながら『誰も傷つけない振り分け』に、唸りました。
    礼さんの長期トップを見据えた時、ヤング達が、タイプの違うリーダー(=凪七さん)と時間を共有できるのは、すごく有意義だと思います。
    さて困るのは、どこで有休申請するか、いやいやこのへん007もあるしやで。。。

  2. るるるん より:

    なぜぼかしてるんでしょうね
    私は、暁さんが余計な反感を買わないように、あえて暁さんに瀬央さんを抜かさせないようにしているのだと思いました。

  3. 五條 より:

    割り振りにそつがない…巧いっ…って感じです。これ決着つくの相当先?かもしれませんね。瀬央があっさりやめちゃうとかない限りは。
    で、その間に極美や天飛や末裔ら路線を育てると。愛月加入→退団までの流れも荒れた感なかったし、なんでしょうねこの余裕は…。瀬央暁でも一悶着おこすことなくスムーズに落ち着かせちゃうかもしれません。このタイミングでカチャ使ってってのも巧いですねえ。てかカチャって人事的にすげー便利だなあw

    さて明日は月別箱配信!月のコメディ凄い楽しみです。

  4. ずんだもち より:

    注目のスター達はバランス良く二手に分けられましたね。
    天華チームはもっと人数少ないだろうと思っていました。若手が、上級生チームでモブやるより、ずっと良いと思います。
    ひっとんは荷が重そうな海外ミュー出演で「やっぱりひっとんの歌が‥」と言われるより気が楽なのではないですか?礼もひっとんに合わせる必要がなく、思い切って唱えるでしょう。 ことちゃんチームは神に選ばれし者しか生観劇できなさそうですが、まさか著作権上映像なし なんてことはないですよね?不安だ。
     劇団は95期ブームをまだ引っ張らなければならないほど、フトコロ事情が厳しいということでしょうか。次世代にファンの注目を集めたくても、その機会を何度も奪われてしまいました。天華チームがとっても若いのはそういうことかな?とにかく顔を売らなきゃ始まらない!

  5. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、興味深く拝見しております。
    今回もまた、納得の記事で様々教わりました。ありがとうございます。

    星組の公演をみて…、瀬央さんは今のように礼さんの支えだけではなく、案外見送る立場なのかな、と漠然と思いました。ずっと在籍されるような(長くいてほしいとの願いもあり)気がして…。
    その公演を、凪七さんと朝美さんが一緒に観劇していたと聞き、星組での凪七さんの全ツ公演も観てみたいと思いました。
    礼さんのミュージカル、天華さんのバウ公演ともに、先の楽しみとして、いよいよ始まる雪組の東京公演が、無事に大千秋楽まで完走されるよう、祈っております。
    東京の前楽に祖母と姪と3名で行き、卒団の方々をお見送りして今年の観劇納めになります。
    明年の公演、いづれも楽しみですね。

  6. 12がつ より:

    すごくバランスのいい振分け、予想通りで納得と言ったところ。
    特に、主演に凪七さん、2番手格にせおっちなんて、まんま轟さんの時を思い出しちゃいましたけど、専科の上手い使い方も星組人事上手と言われる所でしょうか。
    ただ、前から思ってたんですけど、人事上手って、どういう所が…?
    2番手問題、羽根問題、星組だけが原因ではないにしろハッキリしないことでカレンダーや雑誌の表紙、掲載の仕方なども2番手、3番手が格差のない今の状況にモヤモヤの声も多いように感じますが…
    スカステビジュアルの時の騒ぎなんて、人事上手なら起こさないのでは…?
    組替えしてきた娘役が役付きがよくないまま卒業してしまうのも、なんだかもったいないなぁと思っています。
    さすがにスポンサーのついている有沙瞳さんや、劇団推しの詩ちづるさんは抜擢されてますけど。
    まぁ、卒業後ご結婚とか、おめでたいニュースがあったので、人事がどうこうという話でも無いかもしれませんが。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      ストレートな言い方をしてしまうと、スカステビジュアル騒動とかって一部の平等主義的ライトファンが騒いでいるだけだと思うんですよね。今の星組が示唆しているのは、現時点で瀬央さんをトップにする気は一切無いということ。だから2番手を空位にしてるし暁さんと誤魔化してる、というのはほとんどの方は察せてるんじゃないですかね?けど歌劇表紙を取ったことから一応2番目は瀬央さんだし、すぐ抜くようなことはせず2023年末まで引っ張った。もしかしたら七海ひろきさんのように最後の最後で正2番手になってフィニッシュ、という夢物語を紡ぐ予定なのかもしれません。少なくとも同じ学年状況なのに火薬庫化している花組と比べれば歴然かな、と個人的には思います。

      • 12がつ より:

        蒼汰さん
        解説ありがとうございます。
        なるほどと言いたいところですが、やっぱり感覚的にはしっくり来ませんが…
        どちらにせよ、星組のことも花組の問題もいつかは答えが分かることでしょうね。
        95期後発4人もこの学年まで路線スターとして活躍、このコロナ禍でも集客や売上に貢献してきたと思うので、どうかそれぞれが幸せな形で集大成を迎えることが出来たらいいなと思っています。
        また、彼女たちが卒業した後にもちゃんと次世代を担うスターが各組でうまく育てられていること、それこそ人事上手の手腕が光るところかなと期待しています。

  7. マーガレット より:

    星組振り分けの記事、なるほどと頷きつつ読みました。

    一つだけ:極美慎上げはすでに今の本公演でも本格化していますよ。
    お芝居でも実に美味しい役で、その図抜けたビジュアルの強みをアピールしています。
    ショーでは一本物の「歌唱指導」のように迫り上がり、なんともふわふわな「ふぁいてぃんぐじゃがぁ〜」を歌い、一番ツボったのが、真ん中からまさに王子登場!って感じで真っ白なキラキラの衣装に身を包みド〜ンと登場して、何もせずに「綺麗なボクを見て」って感じでニコニコただ揺れてただけというシーンでした。
    暁千星とのデュエダン場面もあり、超ダンサー柚希とダンスはアレな紅の組み合わせ再びの感でした。

  8. ももも より:

    コメントのお返事を拝見して、ひとことです。七海ひろきさんは3番手で退団でした。2番手はことちゃんです。ディープな星担より。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      言葉足らずですいません。七海さんのように最後の最後で羽根を背負って報われる的なことを言いたかったのでした。