娘役の肖像・星風まどかはプロトップ娘役

 

【追記】タイトルの名前を間違えていたので訂正しました。大変申し訳ございません。

 

少し前に書き換えになっていた娘役についての連作シリーズ、

「娘役の肖像」を再開させたいと思います。

 

【前回の舞空瞳編はコチラ】

 

今回は先日退団を発表した、星風まどか編です。

 

星風まどかはプロトップ娘役

 

星風まどかは究極理想のトップ娘役像を具現化したような逸材である、

という書き出して始めようと思いましたが、最近考えを変えました。

たぶん、プロとしてトップ娘役を演じ続けた努力の人なのかな、と思います。

 

まずはその実力。伸びやかで可憐な歌声、しなやなダンス、

芝居は好き好きとして、ヒロインだと一目で分かる華やかな居住まい。

 

そして万人受けするおぼこい顔立ちに、最近は大人っぽさがプラスされ、

しかもスタイル抜群でクラシカルな衣装から現代服まで、

なんでも着こなせる普遍的なビジュアル。

 

まさに最高にして最強、現代に生きる理想のトップ娘役なのですが、

特に宙組時代はほとんど自我が見えず、常に赤べこモード。

ニコニコしながらオウム返しする彼女しか見たことがなく、

イマイチ彼女の実像が見えなかったんですよね。

 

が、ドリタイで同期&下級生である優希しおんと鷹翔千空とのやり取りから、

実は姉御気質でサバッサバしている雰囲気が微かに感じ取られ、

「もしかしてこっちが彼女の素なのかも?」とうっすら思うようになりました。

 

で、花組にスライド組替え。

特に相手役とのやり取りが劇的に変わったという印象はありませんが、

星風自身の学年があがり、下級生が増えたこと、

そして自分の中で余裕が生まれ始めたからか、

なんとなく雰囲気が変わった印象があります。

 

特にCASTシリーズは素の姉御気質な彼女が透けて見えて面白いし、

素化粧や服がだんだん「強め」になっているのが、実に興味深いです。

 

こう考えると、彼女はある意味で自分を殺してまで、

ずーーーーっと理想のトップ娘役を演じ続けてきたのかな、と思いますし、

そのとてつもないプロ根性に改めて感服せずにはいられません。

 

「スゴツヨ」ってなんだろう

 

ところで、星風まどかは劇団愛が強い、

すなわち「スゴツヨ」と評されることがありますが、

果たして本当にそうなのでしょうか?

 

確かに、組配属後は流星のごとく猛スピードで育成され、中卒研4でトップ就任。

宙組20周年、花組100周年、そして宝塚110周年の顔を務める予定です。

 

けれど…実はいわゆる、宝塚娘役の代名詞的役に当たったことがないんですよね。

シシィとアイーダは新公で経験しましたけれど、

例えば愛希れいかは本公演でシシィ、マリーアントワネット、ジュリエット、サリー、メラニー、

そして花總まりのフォロワーとしてトゥーランドットカルメンまで演じている。

 

ちなみに、星風と同じ任期9作の実咲凛音ですら、

シシィ、マリーアントワネット、アイーダ、メラニー、マリーをやったことを思うと、

つくづく、作品運が無かったかな…というのが正直な感想です。

(演目は周年やトップに左右されるので彼女のせいではありませんが…。)

 

彼女の代表作を挙げるとすれば、

それは絶対『アナスタシア』のアーニャなんですけど、

いかんせん役の数が…特に路線が演じられるようなイケメン系が少な過ぎて、

残念ながら第2の『エリザベート』にはなれなかったのが非常に残念。

 

これで再演が繰り返されるようなスーパー大傑作になれば、

その初演ヒロインとして歴史に名を刻めたのに…稲葉先生め。(小声)

 

あとは新約『うたかたの恋』マリーなんでしょうけれど、

コロナ直撃でほとんどの人が見られなかったしなぁ…。

 

しつこいようで申し訳ないですが、

私は柚香光に代表作が欲しかったと繰り返し書いていますけれど、

同じくらい花組トップ娘役である星風まどかにも欲しかったです。

現代的な役だって似合うのに、なぜに柚香光と少女漫画をさせなかったんだ…!!

 

トップ娘役の理想像として最高最強だったはずなのに、

振り返るとその実力が全開で発揮出来た作品が少なかったように思うのですが…、

そんな「前に前に」でない控え目に徹していたところもまた、

彼女の魅力であり、プロトップ娘役の居住まいなのかもしれません。

 

退団発表を経て、今思うこと

 

約15年ぶりのスライド案件に、約25年ぶりの花組添い遂げと、

まさに前例潰しで規格外だった星風まどか。

 

しかしながら最後は、花組恒例の1作残って永久輝せあとエリザではなく、

柚香光との添い遂げ退団となりました。

 

もちろんこれは彼女の強い意志である、という前提を信じながらも、

柚香光を先に退団させることへの反発や、

永久輝せあ体制で色んなものを一新させたいだろう、

劇団の思惑との咀嚼の結果でしょうが、

ここであっさり引き下がるのもまた、彼女のプロ意識がゆえと言えるでしょう。

 

柚香光以上に彼女はまだ若いですから、

宝塚という閉ざされた花園を出た後も、

きっと待ち受ける新たなステージがたくさんあるはず。

 

そんな輝く未来に向かって胸を張って一歩踏み出して欲しいと願う一方で、

平成以降歴代在位3位のトップ娘役の美しき終焉が一体どのようなものであるのか、

楽しみに待つと同時に、しっかりとこの目に焼き付けたいと思います。

 

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コメント

  1. 五條 より:

    彼女は花に来てイキイキしているように感じていました…素を出すようになった?というか。
    柚香とも人間的に相性が良かったのか、プライベートでかなり仲の良いエピソードが多数。寝る寸前まで互いにLINEやりとり(しかも舞台と関係ない笑える動画とか)しているなんて、トップコンビとして宙組では絶対に有り得なかったと思われ。まあこれがいい事かどうかはわかりませんがw
    これはもしや添い遂げ…いやいや花だしないない、と思ってたら本当にやるとは!ビックリしました。星風も本当に幸せそうですし、添い遂げに異論はないんじゃないかな、と思いたいです。

    しかし代表作に関しては本当にその通りで、2人でノダメとかやってくれないかなーと思ってたんですよね。天才指揮者兼ピアニスト!バイオリンも弾けちゃう俺様の柚香。天然ズボラのスーパーダメ人間だがピアノに関しては随一の星風。きっと人気作になった事でしょう。
    が、外部でやる(しかもドラマやった上野樹里で)みたいで…そっちには仙名彩世が出るようですし、宝塚でもワンチャンあったんじゃないかなーと。となると峰かシュトレーゼマンが永久輝、真澄ちゃんが聖乃かな?いやー見たかったw

  2. はる より:

    星風さんファンなので嬉しいです!!
    (タイトルだけ星空まどかになってますです……小声)

    そもそも宙の時は「並びが合わない」と言われることも多かったので、花組では少女漫画を劇画作品をというのは超同意です。少なくともバロックが決まった時はそういう展開を私も予想していました。
    ただ、「花男」に「ポー」に「はいから」と、とにかく実力よりもビジュアル、漫画原作が多かったトップに、宝塚の代名詞たる花組として、古き善き作品もやらせたかったのかなあ…と、ちょっとだけ思ったりもしています。
    エリザをやる予定があったのかは今ではもうわかりませんが、そういう作品をやる為に、トップ経験がある娘役をわざわざ取り寄せたのかな、なんて。

    コロナがなかったら、ウエクミや原田クラッシュがなかったら。
    考えても仕方ないことをついつい考えてしまいますね。

  3. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    星風さんは、自我を押し殺して、押し込めて、宝塚のトップ娘役を演じ続けてきた、という側面はあると思います。

    ひとつ思うのは、宝塚で中卒は実年齢が若くて有利、というのが定説ですが、

    就任まで年数がある男役に比べて、娘役で中卒入団、女子大生の年齢でヒロインを総なめしてトップ娘役に就任、大人の女性役を演じる時に、有利な点ばかりかどうか。

    もしも私が高校3年間の友達関係や学びの経験をスキップして社会人になっていたら、と考えると、どんな自我になっていたのだろう?

    星風さんは外部に出て引く手あまただと思いますが、インタビューでのボキャブラリーを増やし、自分と対話し、役の幅を広げるために、大学で科目履修生とか社会人学生として学んでみるのもありかもしれない、と思っています。

  4. ぽんさん より:

    柚香光と星風まどかは近年稀に見るベストカップルだったと思います。
    1、見た目のお似合い度、特に顔の小ささ!2人ともとんでもない小顔。身長差も9センチとベスト!体格は2人とも華奢。そして狐顔の柚香光と狸顔の星風。長と丸。まさに宝塚の男役と娘役の理想の顔立ち。
    2、ダンスがシンクロ。踊り方が似てます。呼吸バッチリ、特にデュエダンのリフトはすごい!星風の前任の華が全く踊らなかったので、星風にチェンジしてからストレスフリーで花組公演を見ることができました。

    確かに2人で漫画原作やらなかったのは謎ですよねー。銀河英雄伝みたいな作品とか観たかったなー。
    その中では元禄バロクロが少女漫画風でとても良かったと思いますね。クロノスケとキラ、2人の花火の場面は少女漫画以上にキュンと来ました。
    プライベートも仲良しのようで、第二のタカハナばりにラブラブですね。2人で事務所とか立ち上げないでねwww www

  5. “ちぃさま” より:

    柚香光さんの記事嬉しかったです。柚香さんは客に夢を見させることの真のプロフェッショナルだと思うけど、退団会見で『これぞ女子の本懐』と思わせる星風さんも正にプロフェッショナルですね。花組100周年記念のショー【ザ・ファッシネーション】特にピアノファンタジーの場面は彼女だからこそできたと思っています。

    【うたかたの恋】は不評だったフィレンツェの代わりに全国ツアーで演ってくれれば、貴重な本公演を使えたのになあー

  6. ロバート より:

    まどかファンです。
    これ以上長期在位すると風当たりが強くなり過ぎると思われるので、いわゆる添い遂げ退団はベストな判断でした(僭越ながら、私が彼女でもそうする)。
    もしかしたら、新公で演じているからOKということで、退団後のシシィも内々で話がついているのではないでしょうか。

    素人ながら舞台技術について言わせていただければ、腹から出る歌声(低音・中音域)の力強さ、音にピシッピシッと合わせてくるダンスのキレの良さは出色でした(ダンスについては、花組に移ってからスポットが当たったような気がします)。
    その上で、TOPHATやバロックロックで見せてくれたキューティネスが、私にとっては他のトップ娘役との大きな差別化ポイントですね。

    柚香さんを盛大に輝かせながら、自らもあえて一歩下がって輝いている、まさにプロフェッショナルな娘役だと思います。

  7. ぽんぽこぴー より:

    柚香光さんはトップ任期中にきっと台湾公演をするに違いない!とずっと思っていました。なんとなくですが…紅さんパターン?
    コロナ禍の世間の状況と任期をにらめっこしつつ。トップに就任してから少し大人しくなられた光ちゃんにワーキャー台湾公演でイケ散らかしてほしい…と。
    そして星風まどかちゃんの組替え。エリザベートはさておき、まどかちゃんと台湾公演行けたらいいのになぁとか妄想を膨らませていました。
    相次ぐ公演中止に海外公演なんて夢のまた夢だなぁとしょんぼりしょんぼり。(そもそも突拍子のない妄想なのですが…)
    おふたりには退団まで公演中止など悔しい思いをすることなく充実した日々を過ごしてほしいものです。涙

  8. ポポロ より:

    蒼汰さま

    いつも納得しながら、拝読させていただいております。

    星風まどか、、、素晴らしい娘役さんですよね。
    私は、その可憐な歌声とセクシー過ぎない上品なスタイルが大好きです。
    麗しい柚香光との並びは、蒼汰さんのおっしゃる通り、作画的にピッタリ。
    バロックロックのキラが特に印象に残りました。

    外部で思いっきり才能を開花させてほしいなと期待しています。

  9. ちんちら より:

    いつも思っていることを的確に言語化してくださってありがとうございます。
    彼女スゴツヨどころか地味〜に不遇ですよね…大劇場でパレード下手先頭したことないですし…。
    宝塚人生最後のショーとなる今回のグラミラでは、どの場面も柚香さんとのデュエットダンス要員。直近の雪組月組星組のショーでトップ娘役が活躍していたのでかなり気になりました。
    プロローグとパレード以外歌ってすらいないような…?
    星風さんの歌が大好きなのですが(アナスタシアはすごかった…)、花組に移られてから余裕綽々と歌える歌しか回ってきていないように思いますので、是非コンサートと退団公演では難曲を歌いまくっていただきたいなと思います!
    海外ミュばんばんやってほしかった〜〜涙
    退団後のご活躍に期待します涙

  10. 蚊取りレーヴ より:

    本当に星風さんは非の打ち所がない娘役さんだったと思います。
    ただ惜しいのが良くも悪くも華があって技術もソツがないだけに「まどかちゃんだからこそ相手役が輝いて見える、かっこよく見える」っていうのがなかったような気もします。
    そこが舞空さんとの違いかな〜
    でもその分外部に行けば1人の役者として活躍できそうですね。