ファンタジー路線再び・雪組『ROBIN THE HERO』さっくり感想

 

朝美絢のトップお披露目公演観劇感想、

続いては芝居の『ROBIN THE HERO』編です。

 

 

まだまだ幕が上がったばかりということで、

ネタバレは少な目に、全体的な感想を書いていきます。

 

【ショー作品の感想はコチラ】

まずは簡単に整理しましょう

 

低予算化なのか、最近のトップお披露目公演はオリジナル作品が続いていますね。永久輝せあ主演の『エイジェリックライ』新海誠風の現代邦画、鳳月杏主演の『ゴールデン・リバティ』90年代初期のB級ハリウッド映画、朝美絢主演の本作『ROBIN THE HERO』は、児童向け演劇、といったところでしょうか。

主人公のロビンは罪人の息子として投獄され(無実)、父の仇を誓い牢獄。迷い込んだ森の中で、民衆を苦しめる王族を倒すべく立ち上がった義賊たちと合流し、悪い役人達から金銀財宝を奪い貧しい民に分け与える。いつしかHOOD(フッド)という愛称とももに民衆のヒーローとなり、父の仇と愛するマリアンを取り戻すため、悪に立ち向かっていく…というお話。

齋藤先生作品の良さは、とにかくキャストが多いこと。今の雪組は珍しく男役も娘役も微妙路線&別格枠が乱立していますが、ほぼ全員にきっちり役をふり、そこそこ出番も与えているのが単純に凄いです。けど、これは裏を返すと「役が多過ぎて話が分かりにくい」とも言え、雪組ファンはまだしも、事前知識のない一般層は見分けることが単純に難しいだろうなと思いました(そこが日本人役の『CITY HUNTER』と違うところ)

ざっくり分けると、主人公サイドが朝美絢、相棒役の縣千、亡くなる父が叶ゆうり、父が仕えた元王様が奏乃はると。敵サイドが黒い服着た瀬央ゆりあ、悪い新王様の透真かずき、参謀役の諏訪さき、魔女の愛すみれ。緑色の盗賊団が真那春人、眞ノ宮るい、音彩唯、華純沙那、そして物語を動かす華世京。で、主人公サイドと盗賊団が合流する。ヒロインサイドが夢白あや、侍女が杏野このみ、そして同じカスティリアの血を引くヒロインを見守る妃華ゆきの。

この、奏乃はると(追われた王)、妃華ゆきの(見守る女)、透真かずき(悪い新王様)が3人兄弟で、旧王チームVS新王チームで争っている、というのが話の大筋なんですけど、果たしてこれが初見で理解出来るのか…と心配になったのが正直なところです。

 

つまるところ『PUCK』再び

 

ただ、主人公がヒーローで、顔も良いイケメンとひたすら連呼され、人々に支持されながら悪を打ち倒すというザッツ勧善懲悪作品なので、変なモヤモヤはなくすっきりハッキリ見えるのはファンとして喜ばしいことだと思います。

そう、本作はとにかく「明るくさっぱり」。男女の愛憎がないわけでもないのに、変にドロドロせずすっきり展開していくんですよね。例えば主人公が無実の罪で投獄された時も、ヒロインはあっさり「この罪人め!!」と怒る。いや、普通だったら「そんなわけない!!」と葛藤が芽生えたりするじゃないですか?けど、それがない。これが女流作家なら「なぜ?」「どうして?」を突き詰めるだろうし、私も正直初見時に「え?」と驚きましたけど、管理人からそれがサイトー作品の特徴と言われ納得しました。それらをひっくるめての私のパッケージが「児童向け演劇」です。

つまるところ本作は、朝美絢が初めて新公主演を果たした『PUCK』再びなんだろうと思います。再演じゃつまらないから何か新作を、似たようなファンタジーものでないか、と考えた時に行きついたのが、ロビンフッドなんだろうな、と。その期待に応えるように、本作において何より特筆すべきは、朝美絢の演技力です。冒頭の元気だけど少し臆病な少年と青年の芝居が、まぁハマること。あんなヘーゼルナッツを美味しそうに食べる研16がいます???

そして後半30分からサイトー先生の悪ふざけ(いわゆるウルトラソウッ!!の場面)が始まるわけですが…笑。あれは朝美絢がプリンセス役を、夢白あやが元気な青年役を生き生きと演じているのがミソで、これまた芝居上手な組み合わせだからこそ素直に楽しめる演出だと思います。…ま、彼女たちの(雪組の)ファンでない人から見たらお寒い演出なんでしょうけれね。

 

そして顔面の良さが凄い

 

あと、今の雪組の顔面レベルの高さに改めて驚きました。それぞれのコスチュームが凄く良く似合っていて、まさに眼福。個人的には音彩唯&華純沙那のキャラ分けか見事なのと、叶ゆうりたち老け役すらビジュアル高水準で静かに胸躍りました。あと、咲城けい白綺華の使われ方が良かったです(ネタバレ防止)。縣千もいままでにない役回りで、3番手として貴重な経験になったんじゃないでしょうか???あ、キャストに関する個別の感想は東京公演を見た後に改めて書こうと思います。

そして本作で退団する久城あすへの餞別もバッチリ。それを含め、新トップお披露目公演として過不足無い出来栄だったんじゃないかと思います。朝美絢と夢白あやが楽しそうにキャッキャウフフする様が、『仮面のロマネスク』『愛の不時着』とはまた違う趣があって良いなと(完全にファン目線ですすいません)。あ、中世ヨーロッパが舞台のはずなのに、台詞回しが完全に和物のソレなのは雪組だからかなと笑ってしまいましたが。←

とまぁネタバレ回避のためふわーっとした感想になってしまいましたが、新生雪組のお披露目公演、どうか最後まで完走することを改めて全力で祈っています。

 

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コメント

  1. コスモス より:

    こんばんは。お久しぶりのコメントです。
    雪組公演、初日をご覧になってうらやましいです!私は今回の雪組公演はチケット運が無く、いろいろ頑張りましたがダメだったので配信に期待しています。
    スカステの初日映像見ましたが、私もヘーゼルナッツにキュンとしました。
    実際にナッツを口に入れてるわけでもないのにモゴモゴ話す芝居がリアルで可愛くて、仰る通り少年っぽさが朝美さんにハマってましたね。雪組の美の競演を配信で見れるのを楽しみにしてます!

  2. より:

    「サイトー先生だなあ」に尽きますね。

    キャラが多い点、「実は○○だった」点、
    皆に見送られて下手花道から退場な点、映像の使われ方などなど
    「CHだなぁ…あのときはチョイ役だった(当時研2なので当たり前)華世くんが4年でここまで主要キャラになるなんて…」と改めて驚きつつ…

    先生の作品からは組子への愛を感じられます。