「娘役人事は水物」とはよく言ったもので、
比較的計画的に育成される男役と違い、
娘役は「え、この人が?」という大抜擢が起こりやすい傾向があります。
とはいえ、トップに据えると決めた超路線候補については、
しっかりガッチリ上げていくのが近年の流れ。
ここ数年は初詣3人娘(舞空・夢白・きよら)や
105期4人娘(音彩・詩・星空・山吹)といった括りで戦線が推移してきました。
そしてその105期娘役戦線が落ち着いた今、
いよいよ次の舞台が見えてきました。
それが…「阪急旅情ライン」 です!
新世代「阪急旅情ライン」
まだ5年程度の話であり、ソースは薄いとはいえ、
顔ぶれを並べると説得力のあるこのライン。
歴代のポスターメンバーは以下の通りです。
2021、2022年:詩ちづる(105期、月→星)
2023年:七彩はづき(107期、花)
2024年:星沢ありさ(108期、雪)
2025年:乃々れいあ(109期、月)
コロナ禍の影響か、
106期からの選出がなかったのは少々違和感がありますが、それでも納得の人選。
ここから現代の娘役人事を読むヒントが見えてきます。
まずは花組の七彩はづき、107期生の次席入団者。
花組らしい大人で気品のある娘役で、
既に『うたかたの恋』『アルカンシェル』で2度新公ヒロを務め、
聖乃あすか主演『Liefie』で東上ヒロも経験済み。
そう、ひと昔前の価値観で言えば、既にトップ娘役への支度は完了済み。
とはいえスーパー超路線だった音彩唯が、
やっとトップ娘役任命の「通知」が出る今の時勢的に、
東上ヒロ経験者なのにステイモードなのは仕方ないのかもしれません。
107期生は路線候補だった一輝翔琉が退団し、
もう1人の本命である奈央麗斗が「あの宙組」ですので既に黄信号。
唯一のトップ候補として大切に、慎重に、扱われるのではないでしょうか?
た、だ、し。
花組には後述しますが110期生の彩葉ゆめが入団していて、
永久輝せあ&星空美咲の後任という時期を考えると、
花組は極美慎&彩葉ゆめを狙っているとしか思えません。
よって、いずれ外に出ることになると思うのですが、
果たして誰の相手役の座を射止めるんでしょうかねぇ。
動き出した雪組娘役人事
次は108期生の星沢ありさ。
実はしれっと彼女を爆推しし始めているのに、
皆さんお気づきでしょうか?
新公ヒロはまだ『ボイルド~』の1回のみですが、
華世京主演『ステップ・バイ・ミー』でバウヒロを取ったことが大きい。
なぜなら、この振り分けで既に
東上ヒロも経験している106期生の華純沙那、
107期首席入団者の白綺華を速攻で下にしてしまったからです。
これは102期生の潤花が『PR×PRince』にて、
彩みちる(東上ヒロ済み)と星南のぞみ(バウヒロ済み)を
速攻下にした状況と似ていますね。
(雪組御曹司の初バウ公演という状況も同じ)
入団成績が20番とそこまで高くないものの、
白ワンピが似合う鈴蘭のような楚々とした雰囲気は、
まさしく清楚系ヒロインのそれ。
大人な持ち味の多い旅情世代の中では、特異なスター性と言えるでしょう。
ただ、超路線でも上げなかったり、他組へあっさり渡したりするタイプで、
順当自組昇格する音彩唯が結構珍しいパターンなくらいですから、
彼女がこのまますんなり雪組で上がると言えないのが気になるポイント。
学年的には105期世代の後任としてピッタリですし、
彼女もまたどう上がることになるのか、
その行方が気になるところです。
アンダー105期の娘役戦線
続く109期生の乃々れいあは、大味でゴージャスな娘役タイプ。
『Eternal Voice』で研2にして新公ヒロを務め、
その後の勢いも一応は止まらず、
『GUYS AND DOLLS』 新公ではアデレイドに抜擢。
次の礼華はる主演『雨にじむ渤海』でバウヒロを取れるのかが、
今後の注目点です。
ってことでこの阪急旅情ラインの3名と、
その1期上で唯一の路線娘役候補である月組の花妃舞音を考えた時に、
七彩はづき:エレガント
星沢ありさ:清楚
乃々れいあ:ゴージャス
と、それぞれ微妙に持ち味が異なっているのが、実に興味深いです。
で、この下に110期生首席入団にして超路線候補である、
花組の彩葉ゆめが加わった5名が次世代ライン、
すなわちアンダー105期娘役戦線の主戦場だと思われます。
ちなみに、これで彩葉ゆめが旅情ポスターに載ったら
ジンクスとしての盤石さが出るかなと思うのですが、
彼女は既に初詣ポスターにの載っているので、さすがに連投はないですかね…。
「娘役人事は水物」の真意
ただ。
初詣3人娘もいまだきよら羽龍はトップ娘役に就任していないし、
105期4人娘の山吹ひばりも昇格が危ぶまれる情勢。
その隙間を縫って、春乃さくらやら朝月希和といった、
意外な娘役があっさりとトップに上がる、
という事象こそが「娘役人事は水物」の真意であるわけで。
なので今挙げた5名も、当然ながらトップになれない人もいる、
といのが宝塚人事の面白いところであり、残酷なところでもあるのです。
新世代の戦いは、まだ始まったばかり。
彼女たちがどのようにチャンスを掴むのか、
その行方を見守っていきたいですね。
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コメント
いつも記事をお待ちしております。
男役路線は劇団の収益を支えるという性質上仕方ないのですが、最近の中堅・若手で冒険的な人事が見えず(=やや出来レース)些か面白みに欠ける一方で、娘役の人事は水物でありながら常にガチンコ感があり面白いですよね。当初は強路線と思われた七彩さんが東上公演の微妙な結果から冷飯を食らっている間に、超路線の彩葉さん登場により他組への組替を探るのなんて際たる例だと思いますが、彩葉さんがそのまま上がらない可能性があるのも娘役なので今後も興味深く注視したいと思います。
これからも楽しい記事をお待ちしております。
いつも記事を楽しく読んでいます。
個人的には華純沙那さんは芝居・歌・ダンスとどれも上手い印象なので、どこかのトップになってくれたらいいなと思いつつ、この段階で早々に下級生ヒロインの下に付くということは、娘役2番手の座に収まってトップの道は遠いのかな、と少し寂しい気持ちもあります。
ところで、華純沙那さんは双曲線上のカルテのヒロインで東上ヒロ1回と記憶しているのですが、いかがでしょうか。
これからも色々な記事を楽しみにしております。
ご指摘ありがとうございます、訂正致します…。
いつも楽しく、拝見しております。
阪急旅情ライン…。
素敵な娘役さんの名前が勢揃い、しましたね。
阪急路線圏内で生活している者の1人としては、旅ポスターには、出会う度に笑顔にしてもらえました。
また、104期、106期からも、まだチャンスはあるのか、あってほしいとも願っています。楽しみです。