本日は、美弥るりかの宝塚大劇場卒業日ですね。
残り1ヶ月半のタカラジェンヌ生活、
最後まで彼女らしく輝いて欲しいと切に願っております。
さて、前身ブログにて私は
美弥るりかは「スペア」であると論じました。
スペア論と美弥るりか ~トップスターを3種類に分けて考える~
美弥るりかが退団を発表する少し前、
愛月ひかるが専科へ異動したことは記憶に新しいですね。
専科へ異動した後も着々と次の出演が決まり
『宝塚巴里祭2019』への主演も決定しました。
この主演が決まったことで、
劇団的には彼女のトップへの道筋を断ったわけではないのだなと思いました。
言い換えれば、次のスペア枠はきっと彼女なんだなと思わずにはいられません。
宝塚における「スペア」とは?
事業企画において、リスクヘッジのために
「保険」をかけておくのは非常に重要なことだと思います。
宝塚ではスターが大切な人材であり資源ですので、
その資源に何か問題が生じ、
事業が滞ってしまうなんてことは避けなければなりません。
スターといえど人間ですから、
ケガや病気、結婚や気持ちの変化など、
色々な「何か」が考えられます。
実際過去にも、様々な事情によって
短期で退団されたトップスターがいました。
ですが逆に、だからこそトップスターになることができた人たちもいます。
大和悠河の短期退団に伴い就任した大空祐飛。
音月桂の短期退団に伴い就任した壮一帆。
偉大なる柚希礼音と紅ゆずるの橋渡しとなった北翔海莉。
ラッキーと言われようが棚ぼたと言われようが、
素晴らしい存在感を示し、宝塚の歴史に偉大なるその名を刻むことができました。
しかしながら「スペア」とは悲しい存在です。
なぜならば、不慮な出来事が起きなければトップになれないからです。
愛月ひかるは北翔海莉になれるのか
そんな「スペア」組の中で、
専科へ異動した後にトップに立ったのは北翔海莉ただ一人。
というわけで、比較対象が彼女しかいませんので
スターとして経歴を比べてみたいと思います。
【北翔海莉・スターデータ】
新公主演:3回
バウW初主演:研6
バウ単独初主演:研8
宙組組替え:研9 ⇒ その後正3番手スターへ
東上初主演:研14
専科組替え:研15
■専科組替え後の出演経歴■
2012年:『宝塚巴里祭2012』主演
2012年:雪組『JIN』3番目降り
2013年:花組『オーシャンズ11』2番目降り
2013年:月組『ルパン』2番手羽根降り
2013年:月組東上公演『THE MERRY WIDOW』主演(2番手価格)
2014年:星組『眠らない男・ナポレオン』:エトワール(番手ぼかし)
2014年:ディナーショー『Music パレット』
2014年:花組『エリザベート』:2番手降り
2015年:花組東上公演『風の次郎吉-大江戸夜飛翔-』主演(2番手価格)
2015年:ビルボードライブ『MUSIC PALETTE』
⇒その後2015年・研18で星組トップスターへ就任。
【愛月ひかる・スターデータ】
新公主演:4回
バウ初主演:研8
東上初主演:研11
専科組替え:研12(2019年)
■専科組替え後の出演予定■
2019年:星組全国ツアー『アルジェの男』
2019年:外部出演『﨑憲治&岡田敬二 ロマンチックコンサート』
2019年:『宝塚巴里祭2019』主演
改めて見返すと、
北翔海莉出ずっぱり過ぎません?笑
専科時代の約3年間、本公演は年2本のペースで出演し
外箱公演は全て主演という超荒業です。
そして本公演の一本物や2番手不在の隙間をかいくぐり、
『ルパン』でちゃっかり2番手羽根を背負いながら、
トップへの道を着々と歩んだその過程がよく分かりますね。
それに比べて、愛月ひかるの状況を見ると
東上主演は果たしているが、正3番手ではない。
そしてそれ以上に気になるのは、だいぶ学年が若いということです。
これはスペアとして枠が開くまで待つという点で
非常に有利だと言えるでしょう。
愛月ひかるがトップに立つための具体的算段
さて、先に書いた通り
「スペア」とは枠が空かない限りトップになれません。
では、その枠が空く時とは具体的にいつなのでしょう?
現在の正2番手スターは芹香・彩風・柚香・礼の4名で、
この4名の上に愛月が立つことはありません。
つまり、5組中4組は既に枠が埋まっていることになります。
花組と星組は既にトップの退団を発表していますから、
残る1組は月組(珠城)か雪組(望海)か宙組(真風)のどれかですが、
いずれにせよ今のトップ陣が、今から見て2年以上トップを張るとは考えにくい。
ということは、少なくともトップは一巡するはずですので
次に枠が空くのは通常任期5作分より後だと考えられます。
ざっくり計算すると、トップ就任する最短ルートは
今から見て3年以上後になるわけですね。
北翔海莉も専科で修行した期間は「3年」なのですが、
愛月の3年後を考えると、少なくとも研15以降となるわけで…
うーむ、やっぱり若いと有利ですね。
愛月ひかるは北翔海莉にはならない
とはいえ、個人的に面白いと思うのは
北翔海莉と愛月ひかるは全く逆のスター性を持つ素材だということです。
北翔海莉は最後までビジュアルに文句を言われ続けましたが
だがしかし舞台の鉄人として歌もダンスも芝居も完璧にこなし、
その実力で文句をねじ伏せてきました。
愛月ひかるは何を言っているか分からないという致命的部分がありながら
生粋のタカラジェンヌとしての圧倒的な華とスターオーラ、
そして男役らしい風格を持ち合わせています。
つまり、もし彼女がトップの座につくとしたら
北翔海莉とは全く違うスター像を確立する必要性があるわけですね。
果たして、この3年間、もといそれ以上の長い期間を経て
トップとしての道が拓けるのか、長く辛い戦いは始まったばかり。
今後の活躍に注目したいですね。
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コメント
みちこさん、専科前、宙三番手時代に東上していていると思います。2011年3月『記者と皇帝』、バウと日本青年館公演でした。
コメントとご指摘ありがとうございます!!
なるほど、やっぱり主演されてましたよね…訂正させていただきます。
宝塚ファンとして日の浅い者です。恐れ入りますが、「2番手価格」ってどういう意味でしょうか?ご指南いただければ幸いです。
もしかしたら、「2番手格」の意味でしょうか?
私も浅い知識で申し訳ないのですが…
外箱公演は、主演者の「格」によって値段が変わります。
例えば、月城主演のラスパ、愛月主演の不滅は6800円。彩風主演のネモ、礼主演の阿弖流為は7800円です。
前者を3番手価格、後者を2番手価格と考え、劇団がスターをどういう位置づけで見ているかの目安になる、というものです。
相変わらず愛月ひかるの発声には厳しいですねぇ〜私は倍音のような独特の響きの声好きですし、ちゃんと聴き取れます。ただし単語の中で一音一音の強弱が激しすぎるというか、アンプが振り切れたように聴こえてしまいますね( 笑 )
今や宝塚の男役の至宝かと思います。愛月ひかるを観るために行きたいと思うし。トップ云々は厳しいかな・・・良いポジションで活躍して欲しいなと願うだけです。
コメントありがとうございます‼
あ、もちろん私も低音は聞き取れます。滑舌が悪いわけでも悪声なわけでもないのに…不思議ですよねぇ。
黒い瞳やルネサンスでは、彼女らしい圧倒的オーラに感動すら覚えました。
が、技巧派に傾倒している今の劇団方針に果たして合致できるかですよね。
ぜひこれからも応援したいと思います。