明日はもう雪組『壬生義士伝』の千秋楽ですね…早いなぁ。
キャスト別感想、さっくり行きましょう!!
全体感想がこちらから
キャスト別ざっくり感想
吉村貫一郎/望海風斗
地味で真面目だけど愛情深く、
自分の実力と信念を持ってして、動乱の幕末の世を生き抜いていく…
という、本人のキャラとあった役どころでしたね。
トップ任期4作目ということで、
望海の円熟味を感じることが出来て本当に良かったです。
面白いのは、同じ「雪組」の「和物」の「悲劇」であっても
前代・早霧には得も言われぬキラキラ感があったのに対し、
望海演じる吉村は静かに青く燃える炎のような、燻る魅力があることでしょう。
地味な衣装だし、最後まで大活躍!!的な場面が無かったのにも関わらず
主役として魅力あふれる役で演じ切り、
公演を引っ張る姿は、まさにトップスター。
その存在感と芝居力に改めて感動してしまいました。
あと、個人的に感動したのは殺陣の美しさ。
特に若手たちに稽古をつけるシーンなんて、
その竹刀捌きが早いこと早いこと。
さすが和物の雪組を引っ張るだけあるなぁって感じでしたね。
しづ・みよ/真彩希帆
やっぱり芝居上手ですよねぇ彼女。
キャラの違う2人の女性、
しかも南部弁と京都弁を操りながら、見事に演じ分けていたと思います。
しづは口(セリフ)には出さないけど、
吉村を思う気持ちを歌(コーラス)と表情だけで見せてくれていたし
みよのお転婆感も非常に可愛らしかった。笑
たぶん彼女のキャラ的にはみよの方が得意分野なんでしょうけど
みよは自身のキャラクター性を押し出し、
しづはそれは押さえた芝居をしていたのが印象深かったです。
ちなみに、私が観劇したたった数回の公演全てで
あの少ない出番の中でも毎回ちゃんと涙を流していたのを見て、
「プロだなぁ」と感心してしまいました。
大野次郎右衛門/彩風咲奈
あまり出番が少なく、
今回は我慢の2番手としての立ち位置でしたが
重要な役どころを素晴らしく演じていたように思います。
吉村の竹馬の友として、望海の気迫に負けないような、
対等な立ち位置である男性像を見事演じ切って見せたのは、
彼女が2番手スターとして見事花開いているからに他なりません。
味付けが濃い目な望海に、さっぱり爽やか風味な彩風、
改めてそんな相性の良さを実感できた公演でした。
松本良順/凪七瑠海
毎回最初に登場する度、
その頭身にビックリしてしまいます。笑
主要キャストに一切絡むことなく、
ストーリーテラーとして物語を進行していく姿が
まさに「専科」的な登板だなぁと思いましたね。
あと、にじみ出る彼女の気品が
血なまぐさい本編を対比する中でよりリアルな世界に感じさせてくれたので
明治と幕末という時代の差を表現する上では
ナイス配役だったんじゃないかなと思いました。
土方歳三/彩凪翔
う、美しい…!!
それだけでなく、強くたくましく、静謐ささえ感じられる
土方歳三を演じられるのは彩凪翔だけでしょう!!
「面倒くせぇ」と言いながら、
でもにじみ出る武士としての器の大きさが感じられて
本当にイイ男って感じでしたね。
特に吉村入隊の宴会のシーンで
暗転した舞台の上で芸者数人を従えて座って酒を嗜む姿なんて
まるで日本画のような美しいワンショット。
ぜひ堪能して見て下さい!!笑
斎藤一/朝美絢
公演が始まる前から役得だと聞いていましたが
本当に出番が多かった!!
美味しい役、ありがたやありがたや…。
個人的にツボだったのは、声ですかね。
こんな低音ボイスを響かせる彼女を見たことなかったですし、
それがあのギラギラビジュアルとの対比で本当にカッコ良かったです。
吉村への嫌悪と憧れのような感情も持ち合わせた複雑さ、
「俺は死にたい」と言っておきながら生き続けてしまう矛盾、
クールな役どころなのに笑いのツボも押さえるという、
様々な事象が絡み合う役柄を、きちんとモノにしているなぁと思いました。
個人的には明治編の軍服姿も本当に美しくて、まさに眼福。
まったく老けてないやんけ、という突っ込みは野暮というものです。笑
沖田総司/永久輝せあ
物腰柔らかで爽やかな口ぶりなのに、
一切目が笑っていない沖田総司。
彼女にピッタリな役どころですよね。笑
斎藤演じる朝美との声の対比や、
土方&斎藤のクールでけだるげなキャラとの対比など、
互いが魅力的に見える役作りをされていたのが良かったと思います。
やはり一番の見どころは、爽やかな表情で
「切っちゃいましょうか」とさらりと言う末恐ろしさでしょうか。笑
彼女はビジュアル&立場的にキラキラ王者様が似合いそうな雰囲気でしたけど
こういった二面性、闇っぼいキャラも合うんだなぁと思いました。
大野千秋/綾凰華
明治編のあのスタイルの良さにビックリ!!
遺品をしづたちに持っていった際の嘉一郎とのやり取りなど、
彼女も意外とアツい芝居しますよねー。
スターとしての成長が感じられた公演でした。
みつ&嘉一郎/彩みちる&彩海せら
可哀想な少女役がぴったりな彩に、
すっかり少年専科になりつつある彩海。
貧しい家庭のシーンが涙を誘うのは
この2人の安定した芝居力がゆえと言っても過言では無いでしょう。
特に彩海は、時間経過とともに成長していく嘉一郎の変化を
しっかり見せてくれたので流石だなぁって感じですね。
伊東甲子太郎/煌羽レオ
鋭い眼光に凛とした佇まい、そしてありありとしたクセ者感…という、
まさに煌羽レオ全開!!と言った感じで素晴らしかったです。笑
藤堂平助/諏訪さき
そんなレオ様の相棒(?)的役どころですが
切られて倒れるときの「目」の芝居はまさに絶品!!
この2人の芝居は生粋の雪組っ子って感じで本当に良いですよねー。
松乃/愛すみれ
やっぱり歌がお上手!!
そしてあの黒の着物が似合うこと似合うこと…。
芸者を引き連れ歌う姿には貫禄すらあり、
こういうしっとり系女役は貴重な存在だなぁと改めて思いました。
家臣/望月篤乃
私が地味に応援している101期生・望月篤乃は
彩風咲奈演じる大野次郎右衛門の家臣の1人。
向かって左の青い衣装を着てる人です。
和物でも分かる見目麗しさ、
雪組らしい立ち振る舞いの美しさをぜひ皆さんに見て頂きたい!!
望海政権雪組の円熟期
路線スターが変わらぬまま迎えた望海政権雪組の4作目ということで
舞台を通した安定感というものが本当に凄かったです。
はっきり言って脚本・演出の評価は「普通」でしたけど
それを歌唱力で、芝居力で、スターのオーラで「良作」に見せてしまうあたり
まさに雪組は円熟期を迎えていると言えると思います。
残念ながら今作で永久輝と朝月は組替えとなり、
徐々に体制が変わりつつあります。
宝塚に永遠は無いと思いつつ、
それを願ってしまうのがファンなわけですが
だからこそ、そんな今を十二分に楽しむしかないのだなと思いました。
次は小池氏の一本物『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』、
楽しみにしたいと思います!!
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コメント
雪組公演のブログお待ちしていました。
ムラと東宝ではかなりの時間差(へたしたら2公演見ていたりで)があり、いつもはフムフムほ~という感じ(当然進化しているの)で読んでいるのですが、今回は「ライビュ」へ行くので、可もなく不可もなくと感じた「雪組公演」をどのように斬って下さるのか、それを読んでから行きたかったので・・・
キャスト別に佐助さん(透真かずき)がない!!!
佐助あっての大野だと・・・ 出しゃばらずでも的確な芝居で大野の悲しみや苦しみに寄り添って「いい味出してる」と思ったものです。
「退団公演が続いて新作海外ミューもやるから、質素(舞台や衣装にお金かけられない)になるけどそこは望海さん以下皆さまでなんとかしてちょーだい」的な。で、みんな自家発電でキラキラさせて、地味な演目でも席埋めて、今の雪組はパーフェクト!ですね。
できれば望海体制の最後までこのメンバーでいてほしかったですが、それは贅沢な希望なんでしょうねぇ・・・名残惜しいけどこのメンバーでの最後の雪組を見てきます。
コメントありがとうございます‼ライビュ前に間に合って良かったです…笑
あー佐助さん!!ごめんなさい、書けば良かったですね。確かに大野への静かな寄り添いは素晴らしい芝居でした。
ファントムだけでなく、前後に大きな(退団)イベントが重なっているからか、舞台に笑っちゃうほどお金がかかってないのは私も思いました。笑
そんな地味ーな演出でも感動を魅せてくれるのだから、素晴らしいですよね。
蒼汰様
おもさげながんす。ライビュ専科の地方民でがんす。
銭、銭と言っている人斬り吉村貫一郎の「義」とは何だったんでしょうね?
「経済小説としての壬生義士伝」
南部藩がなんでそこまで貧しいのか、それは稲の生育に不向きな冷涼な気候なのに、農民に無理やり年貢米を植えさせては冷害で全滅、を繰り返したから。幕府の米本位制は破綻していて、それを改善できないまま隔年で収穫ゼロ、餓死者を出し続けた、天災というより人災でした。藩にも金はなく、貫一郎は剣術指導の役を得ながらも給金は現在なら年収100万以下のワーキングプア。バイトもままならず、妻子を養えなくて脱藩しました。
「義士」とは
貫一郎は武士であり、脱走兵が軍隊におめおめ復帰できるわけはないのは承知のはず。蔵屋敷に「助けを求めて」来たのではないでしょう。戦場で死んだら所持金は剥ぎ取られ、屍を拾うものなし。藩屋敷で切腹できるとは人として死ねること。遺族に遺品や最期の様子を伝えてくれる可能性があると思ったのかもしれません。
辞書によると「義士とは:人間としての正しい道を堅く守り行う男子。義人。」とあります。
次郎右衛門は南部藩のなけなしの年貢米をかき集めた大阪の蔵屋敷で、握り飯を握りながら
貫一郎は剣術の才能で人斬りしてでも妻子を食わせた。
自分は藩の勘定役として、民を食わせられない政治体制を変えられなかった。
貫一郎と自分とどっちが「義」だ、との思いに揺れ、その思いを遺族への手紙に綴っております。
「東北を救ったもの」
東北の飢饉を救ったのは、冷害に強い稲の普及でした。品種改良に成功した研究者の名は「吉村貫一郎」。父貫一郎が一度も顔を見ることがなかった末っ子です。しずはもう夫に会えないことを覚悟して、子に同じ名をつけていたのです。
小説のラストは、子貫一郎が稲穂が黄金色に実る故郷に帰郷し、次郎右衛門からの手紙を見つけて終わっています。
宝塚版のラスト、このあたりのことが鹿鳴館ズにさらっと語られて終わっているのがもったいない。もうちょっと演出を工夫したら、ナウシカのラストみたいな感動シーンになったかもしれないのになあと妄想しつつ、おもさげながんす。
コメントありがとうございます‼
原作の話の流れも、最後のオチも、人聞き齧りですがなんとなーく予習した身としては
「え、それでこの演出?」的な色々があって、いまいち腑に落ちなかったですよねー。
特に蔵屋敷に「助けを求めて」きたあたりなんて、それが観客に伝わりづらいのがまた悲しいところでした…。
ナウシカ…想像すると面白いですね。笑
こんばんは!
観て来ましたーライビュ!今までで一番広いお部屋でしたが、満席でした。勿論、地元ですもの。
一番の感想は、盛岡市民約30万人の皆様方、老若男女全ての皆様に観て頂きたい!市長さん!宝塚歌劇団にお礼のお手紙を書いてください!です。
日頃、陽の当たらない地方で暮らしている者にとって、タカラジェンヌさんが、おもさげながんすと言い、南昌山、岩手山、中津川と毎日目にしている風景を歌い、ラストは石割桜舞散る?!もう有り難くて、有り難くて、泣くしかありませんよ。
壬生義士伝は、大分昔に本も読みましたし、映画も観たので、内容を知っているためか、しづがいきなり川に入ったシーン以外は、内容にあまり無理は感じませんでした。
おもさげながんすという言葉で、笑いも涙も取っていて流石でした。
あと、皆さんが南部弁と言うので、私も前回そう書いたんですが、本当は盛岡弁と言うのが正しくて、その盛岡弁も自然でした。衣装も、ちゃんと南部藩の向かい鶴の紋がついていました。
朝美さんの低音良かったです。ひとこさんの目が笑っていないも納得。あと、だいもんの息子さんが、だいもんに時々似た表情するなーと思って観ていたら、彩海せらさんだったんですね。本当の親子の様でした。
ショーは、皆で歌うシーンが多くて素晴らしかったです。
最後にひとこさんの発案の雪組ポーズまで観ることが出来て、大、大、大満足で帰ってきました。
どんな時代でも、どんなに貧しくても、ささやかに生きて繋いでくれた人がいて、今があるんですね。感謝して、明日からも頑張らなくては!
コメントありがとうございます‼
地元の方が舞台を見て感動されて、そして盛岡弁が自然だと言ってもらえて、きっと雪組生も喜んでいることでしょう。笑
「おもさげながんす」がギャグみたいになってましたが、数少ない温かい場面として効果的でしたよね。
「どんな時代でも、どんなに貧しくても、ささやかに生きて繋いでくれた人」…これって私たちの世界も、宝塚の世界も同じだなぁと思って感動してしまいました。
確かにそうですね、お互い明日からも頑張りましょう!!
こんばんは。いつも楽しく拝見してます。
ついに壬生義士伝終わってしまいましたね。
蒼汰さんの解説を千秋楽ライビュ前に読めて、
また違った気分で観れました!
蒼汰さんの感想の中で一番嬉しかったのが、
望月篤乃さんに言及されていたことです!!
客席降りで望月さんと目が合って手を振って
もらった瞬間落ちました…
今後見守っていく所存ですが、
初心者のため応援の仕方が分かりません…
望海さん率いる雪組、とても充実していますね。
組み替えのある生徒さんも居て今後は変化して
行くとは思いますが、変わらず楽しみです!
コメントありがとうございます‼
えー羨ましいです!!客席降りの時のお衣装も目鼻顔立ちがハッキリしているからか、しっかり着こなしてらっしゃいましたよねー。
彼女は下級生だから、応援方法と言えば手紙を書くことくらいですかね…私も内部に詳しくないのでなんともいえませんが。笑
今後の雪組も楽しみですよね。ぜひ一緒に応援していきましょう!!