宝塚ファンの風上にも置けない!!と怒られそうだけれども、
実は1年近く「カフェブレイク」を見ていませんでした。笑
確か番組改変で放送時間が変更になった際に、
録画設定を変えなきゃなぁと思いながらもそのままにしてしまい、
しかもコロナ禍でまともに舞台が開かなかったために、
別にチェックすることも無いかなと放置していたという。
そんな中、ふと気になって久しぶりにカフェブレを録画して見てみると、
出演者が最近SNSでよく名を聞く天華えまだった。
というわけで本日は、そんな彼女のお話です。
98期の3番手だったはずなのに
98期生と言えば、男役娘役どちらも95期なみに抜擢者が多い学年。
その中でも暁千星と瑠風輝は、
98期の両翼としてスタートダッシュを決め続ていますが、
天華えまは、その2人に続く第3の男役として抜擢を受けてきました。
それもそのはず、実は彼女は98期の首席入学者。
入団成績も3番と優秀で、歌もダンスも卒なくこなす実力派。
同期の綾凰華を雪組に押し出したかたちで新公主演を重ね、合計3回。
しかもそれは、路線スターの証と言われる
退団公演とお披露目公演のどちらも取るかたちでの主演。
これは相当期待されていると、誰もが当然思うことでしょう。
ところが、ですよ。新公学年を卒業したあたりで、
その追い風がパタリと止んでしまいます。
路線スターとして次の一歩を進むには、
バウ主演しなければなりません。
が、それを阻んだのは95期生の瀬央ゆりあ、しかも3回連続。
『New Wave!-星-』『デビュタント』はまだしも、
『龍の宮物語』でバウを取られたのは、
この時点で天華よりも瀬央を確実に上げたいという劇団の明確な意思表示。
さらに同時期に、綺城ひか里が花組『Dream On』で
謎体制での中途半端な主演(主な出演者)を果たし、
それを切符に星組にやって来て、天華の上に降ってくることになりました。
実に計画的な人事だなと思います。
あの手この手でブロックされる中、極美慎、天飛華音の台頭もあり、
路線としては厳しい状況に置かれつつあったのでした。
背水の陣『ロミオとジュリエット』
星組は、人事上手な組です。
このままいくと天華は麻央侑希のように、
シレっと別格コースに移されるのかなと思っていました。
そんな状況下で上演された『ロミオとジュリエット』。
役替わりの配役は、死とマーキューシオ。
研10となった彼女にとっては、ラストチャンスに近い抜擢です。
彼女もそれをよくよく分かっていたのでしょう。
背水の陣で挑んだ本作は多くの人の心を捉える結果となります。
Twitterやブログに代わる新たな媒体としての「note」で、
天華の名前を見かけることが非常に多くなりました。
体感ですが、明らかに本作でファンが増えています。
これで路線スターとして道が拓けたかと言われれば、
そうでないのが宝塚の残酷なところ。
結局はバウ主演を果たさないことには、
路線スターとして立候補することすら出来ないからです。
しかも、宝塚の番手体制は遅咲きスターには非常に不利なシステムであり、
路線スターとしてバウ主演を果たすには、
研10あたりまでに声がかからないと間に合わない可能性が高いです。
(という内容を検証した記事がコチラ)
前述の通り、天華は現在研10。
今回の『ロミオとジュリエット』をラストチャンスと表現したのは、
そういう理由からです。
果たして彼女はそのチャンスを、掴むことが出来たのか。
本作での出来栄えを劇団がどう評価するのか、
すなわち「単独で」バウ主演を取ることが出来るのか、
その行方が気になるところです。
オールマイティスターの受難
ところで、彼女はいわゆるオールマイティ型のスターだと思うのですが、
何でも卒なくこなす人というのは、突出し辛いという意味で、
微妙路線としては不利な特性なのかもしれません。
例えば、同期の暁千星は圧倒的ダンス力があり、
瑠風輝は圧倒的な歌唱力がある。しかも2人とも高身長。
星組内では、目の上のたんこぶとなった綺城が高身長で歌ウマ、
自分が蓋している極美が高身長でキラキラ特化と、
それぞれ分かりやすい武器があります。
天華は、カフェブレで自身も話していた通り、
高身長過ぎず、顔立ちも中性的。
もちろん舞台技術は折り紙付きですけれど、
超得意なことも超苦手なことも無い。
スターとは、特出した「何か」があることで、
アンチからは嫌われ、それ以上にファンから好きに思われる存在になります。
そんな存在感があってこそ、スターはスターで居られるのです。
成績優秀、しかも新公主演を3回も果たしたということは、
劇団は彼女にそのスターの資質を感じたということ。
さらなる飛躍を遂げるために、自分の武器探しをすることが、
彼女のこれからを左右する鍵になるのかもしれませんね。
応援しています。
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コメント
ダンスは巧くて、
規定破りの動きはできない、
歌も巧くて
音をはずせない
マサに今回の公演でぴーすけくんに感じた、物足りなさ、ダメ出しでした。
私も、応援していますよ
どうする、組み替えでもしてもらいますかね?
こんばんは。
いつも楽しく、拝見しております。
これからが気になる、95期生。次に、これからが、とても気になる、98期生。
ロミジュリでの二役で、魅力と力量を発揮され、天華さんは、98期トップランナーの煌めくスター・暁さんに、続くことができるでしょうか。
瑠風さん、綾さんと、個性が異なるジェンヌさん達。
チャンスを手繰り寄せてでも、次のステップへ上り詰めてほしいです。
憧れの、ロミジュリ・死の役を、演じた事を、思い出に終わらせてほしくない、です。
気になるジェンヌさんの記事を書いてくださって、ありがとうございました。
いつも楽しくブログを拝見しております。
天華さん、今回のマーキューシオが特に本当に素敵でした。陰を抱えた人物像で、瀬央さんティボルトとの対が見事で…私は実際の観劇ではそれほど顔芸とまで思いませんでした。映像での印象はかなり強そうでしたね。笑
B日程は愛月さんの死の影響も大きいでしょうが、A日程が陽ならB日程は陰の印象で、ファン同士の考察がSNSで大変盛り上がってました。カフェブレイクやビバタカラジェンヌのラジオでもお話されていたのですが、天華さん自身がこう作りあげたいと考えた芝居が、そのまま観客に伝わっているのを感じました。
100期生も聖乃さん風間さんとバウ主演が続き、星組でも極美さんや若手では天飛さんなどが控えている中、バウ主演がここで取れるかどうか、、ひそかに応援している身としては選ばれることを願うばかりです。
蒼汰様
いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。
記事を拝読して、天華えまに足りないものは「嫌われる勇気」ではなかろうか、と思いました。
贔屓を好きになる理由で「欠点が無いから」なんてつまんないこと言う人はそもそもいない。
「ほかでもない、その人だから」好きになるのであり、パーソナリティとは結局ジェンヌ本人が「ほかでもない、自分だから」を肯定しているかどうかだと思うんです。
オールマイティ型がイマイチ人気が出ないのは、「何らかの技能が特に突出していないから」だろうか。
いわゆる1点突破型は、たいてい宝塚受験前から「あちゃー」な欠点もあって、受験スクール時代からその欠点も含めて、「これが私だ」と基本自己を肯定しているような子でないとやっていけない。
かえって「欠点が無い優等生」なオールラウンダー型が、研5の試験が終わった後の、目に見える「成績」が付かないステージになって、自己の肯定の仕方に迷うんじゃなかろうか。
好かれるか嫌われるかは、結局他人が決めること。「嫌われたくない」では好かれない。
技術が上手い、だけでは代替可能ですからね。他のジェンヌでは代替不可能な「天華えま」になってほしいです。
こんにちは!
天華さんっていい意味でも悪い意味でも「目立たない」、なんでもそつなくこなす感じがします。優等生が一番目立っていいはずなのに、悪いところがある人がそれをカバーしてうまく物事をこなしたとき、優等生より褒められがち。なんかそんな感じがしました。
ロミジュリでの「死」はそんな彼女の芝居やダンスを集中して見られる役だったのではないでしょうか。注目されて嬉しいです。
愛月さん・天華さん、それぞれの「死」があって、お互いの評価を高めてる感じですよね。
いつも楽しく拝読させていただいております。
初めてコメントいたします。
まぁ様からの宙組ファンなので近年の星組はほとんど知らず、
でも今回のロミジュリは楽しみにしておりました。
そこで見つけてしまった天華さん!に落ちました。
情報を求めさまよっていると、やはりロミジュリで天華さんに注目された方が多いと感じます。
蒼汰様が記事にしてくださって「やっぱり!」と確信出来ました。
天華さんの死、マーキューシオに魅せられました。
誰かと比べる(役替わり)ではなく、天華さんにスポットライトが当たっているかのように目が吸い寄せられてしまいました。(これが落ちるってやつね)
配信でも、愛月さん同様に「死」がカメラでよく抜いてもらっていましたよね。
愛月さん効果か、それとも劇団が天華さん上げを狙って映したのか?と思うくらい。
なので、なぜ天華さんがくすぶっているのかと疑問になりました。
過去作品を少し拝見しましたが、星組は上級生が多いですね。
そこを突き抜けて上へあがる闘志が少なかったのでは?と推察します。
このロミジュリで何か変わる気がします。
宙組の桜木みなとさんが3番手に上がる時、それまでの弟キャラから脱皮し上へあがる自覚を持たれたのが伝わってきました。
ずんちゃんまだトップになっていませんが、大いに期待できるところまできています。
卒なくこなすキャラとして二人が重なるため、
天華さんにもトップを狙う自覚が持てるかどうかかな?と思います。
「男役スターの序列を勝手にランキング」に天華さんの名前が挙がるのを楽しみにしています。
天華さん。私も、今回のロミジュリまでは、正直可もなく不可もない、優等生ジェンヌさんだと思っていました。
でも、今回の替わり2役で、心をがっしり掴まれました。
他の誰でもない、「あなたにしかない魅力」を、見せつけて下さいました。
きっと数え切れない宝塚ファンが、マーキューシオに、死に、心を掴まれたと思います。
ご自身の努力で、掴まれたチャンスを、形にできますように。私も応援しています。
元宙組トップだった朝夏まなとさんが、下級生時代、花組で新公主演を重ねてましたが、新公卒業してからなかなか役に恵まれず、花組のキラキラ上級生に圧倒されてるような時代があったように記憶しています。新公卒業後の数年は、本当に大変のようです。(風間くんのように、しれっと上級生に紛れてる例もありますが笑)
星組は他組より上級生が多いですしね。しかも主要な役をとる上級生が多いように感じます。ロミジュリでは、退団する100期生さえAとBに分かれ全日程出演することはかないませんでした。
そんな状況なので、今回は今までにない数の役替わりがありました。色々大変だったとは思いますが、役替わりを経験した人は、その後急成長する事も多いように感じます。
天華くんは、今の星組では飛び抜けて色気のある上級生の愛ちゃんと、なんなんだ!このキラキラは!という下級生の極美くんとの役替わりを経験しました。天華くんに足りなかった色気とキラキラを、共に習得する大チャンスを得、そこに自分色を加えたら、もう鬼に金棒でしょうね。
こっからが勝負ですね。あとは支えてくれるファンのためにもトップを獲る覚悟ではないでしょうか。早くお茶会が復活してほしいもんです。
はじめまして。
今回のロミジュリで他の誰でもなく、天華さんの死とマーキューシオに魅せられてファンになりました。
他の方が言っているように、今までの天華さんはオールラウンダー型として「皆に好かれたい」人だったのかなと。星組という組織の中で目立とうとする意思やギラつきがあまり見えなかったように感じます。
贔屓目はあると思いますが、今回二役とも自分だけのものに出来たのは、まさに嫌われる勇気を持って自分の個性・特性を打ち出せたからなんだと思います。その結果多くの人の心に深く刺さり、私のようなファンが増えたことでしょう。
元々の技術はある方なので、あとは本人がどこまで意思と覚悟があるか。そしてチャンスを掴んでいけるか。
一ファンとしては大きな羽根を背負う姿を願ってしまいますが、彼女が満足する形で活躍できるよう、これからも全身全霊で応援していきます。
蒼汰さま
いつも楽しく拝見させていただいております。
ぴーすけは、下級生時代は何というか押しが強くて(多分番組などでニコニコし過ぎてどれだけ自分を売り出したいのと思ってしまった)苦手だったのです。
でも今はすごく好きです。何がきっかけで好きになったのか覚えてないのですが。。。いつからか自然と応援していました。不思議なものだし、ファンとはなんとも勝手なものです。
今回ロミジュリを拝見して死もマーキューシオもすごく良かったです。
ぜひ彼女にバウ単独主演取って欲しいな。。と思います。
なんでもできるというのは逆に難しい面もありますよね。
礼さんがオールラウンダー型だと思うのですが(全て上手過ぎますが)体型も似ていますし、目標にして頑張って欲しいなと思うところです。
私は高校の頃からじわじわハマって10年くらいのファンです。
舞台・ジェンヌさんがもちろん大好きなんですが、宝塚という組織が好きな気持ちもあるので(笑)組み替え・人事なども楽しみの一つではあります。
その中で蒼汰さまの書かれる内容は自分の中で思っていたことと似ていて。自分の考えをまとめて文章化して頂いた気分で(笑)勝手ながらいつも、だよね!わかる!と思いながら読んでおります。いつかお話ししてみたいくらいです。
これからも楽しみにしております。その気持ちを伝えたくて初めてコメントさせて頂きました。