朝美絢が世界の果てに行かされがちな件

 

本当は他にも書くネタが色々あったのに

スカステで放送された『ほんものの魔法使』初日映像を見たら

この記事を書かずにはいられませんでした。笑

 

というわけで本日は、朝美絢の歴代主演作についての

一ファンとしての雑記です。

 

世界の果てに行かされがちな朝美絢

 

スカステで放送された『ほんものの魔法使』初日映像、

皆さんもうご覧になりました?

 

映像冒頭一発目の歌唱フレーズが「この世の果てに辿り着きたい」で、

わたしゃもうズッコケましたね。(良い意味で)

朝美絢、どんだけ世界の果てに行かされがちなんだと。

 

真っ先に思い浮かんだのは、前作のバウ主演作『義経妖狐夢幻桜』。

主人公であるヨシツネが世界の果てを求める、魂のさすらいの物語でした。

 

さらに振り返ると、新公主演を果たした『舞音』は、

「私はどこに向かえばいい?」「どこへでも、己の心が求める場所に」だし、

『PUCK』は人間の世界に落とされた妖精が奮闘するファンタジー作品。

 

さらにさらに、現在放送中の『Brilliant Dreams +NEXT』は

地上に落とされた天使「J」が天界に戻ろうと使命を果たすドラマシリーズ。

 

とにかく製作者側の朝美絢のイメージが

「ファンタジー」「彷徨い人」であるのがよく分かります。

(この流れに唯一外れているのが彼女の初ヒット作『A-EN』であるのも面白いです。)

 

似たような作品は武器か否か

 

『義経妖狐夢幻桜』『ほんものの魔法使』の共通点は、

どちらもファンタジー作品であること。

 

かたや中世日本風、かたや中世ヨーロッパ風。

だけど色味は地味では無く、朝美絢の顔圧に負けないよう、

どちらも極彩色で目に鮮烈な舞台演出なのが特徴的ですね。

 

外箱で似たような作品が続くのってどうよ?と思われるかもしれませんが、

得意分野が分かれば一極集中して

スターカラーを盤石にするというのも立派な手段だと思います。

 

同じ95期内だと、柚香光の『はいからさんが通る』『花より男子』、

月城かなとが『THE LAST PARTY』『ダル・レークの恋』などが同例かな。

 

一方、礼真琴や桜木みなとのように、

敢えて(?)色んなカラーの主演作を振り、

イメージを固定させないというのも立派な戦略でしょう。

 

ちなみに93期だと、後者がカラフル路線の芹香斗亜で、

前者がコスチューム縛りの彩風咲奈にシック路線の愛月ひかる、でしょうか。

 

当然ながら、ファンとしては色んな役を見たいと思うもの。

どれだけ小柄だと言われようが、

私は朝美絢のスーツ姿や軍服も見たいわけですが、

今は路線スターとして得意分野を伸ばすことが大事な時期なのかもしれません。

 

目指すは苦悶のイケメン路線?

 

そして、彼女のキラキライケメンの顔立ちには、

どこか永遠では無い刹那的な煌めきを感じるというか、

虐めて彷徨わせたくなる気持ちも分からなくは無いというもの。笑

 

宝塚のザ・男役的なスタイルや恰幅があるわけでなく、

いぶし銀のような渋い男役芸が得意というタイプでもないので、

こういう路線に舵を切るのも、なるほどなという感じです。

 

こんなの宝塚っぽくないとお思いですか?

いえいえ「苦悶の美少年」という路線には、

朝海ひかるや明日海りおという偉大なる先人たちがいます。

 

もちろん、この2人に「似ている」という話ではありません。

朝美絢は彼女たちよりも年齢層が上というか、

レジスタンス的な立場の青年像がハマる印象です。

すなわち、苦悶のイケメン路線ですね。笑

 

そう考えると『ほんものの魔法使』は、

『舞音』や『A-EN』や『義経妖狐夢幻桜』では描かれなかった

レジスタンス的でない主人公の器を表現するのが大切な作品だと思いますので、

今までと似ているようで似ていない、

新たな一歩を踏み出す作品として重要な一コマなのかもしれませんね。

 

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コメント

  1. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    私も朝美さんには「貴種流離譚」風味を感じておりました。他の男役さんでも、帰巣本能強い系とさすらいたがり系が分かれますよね。

    帰巣本能強い系:柚香(這ってでも帰る少尉、遠征大嫌いアウグストゥス)

    さすらいたがり系:月城(無頼漢ラッチマン、舞台をぶっ壊されてさすらうシャルル、今度の川霧の橋も「もう、どこへも行くな!」)

    真風氏は、放浪の果てに運命の女性を見つけたらあっさり定住して畑で鍬ふるってそう。

    今回の記事、タイトルが秀逸ですね。私だったら「世界の果てまで行きたがりすぎ問題」と付けそうですけれど、確かに「世界の果てに行かされて」ですわ。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      いつもコメントありがとうございます!
      真風さんの畑で鍬ふるってそうにめっちゃ頷きました。笑
      ちなみにこんちゃんさんからのコメントで後押し頂きましたので配信見ようと思います!

  2. めりり より:

    更新お疲れ様です。

    義経のように劇中でずっと世界の果てを目指し続けてるわけではないので…
    私も思いましたが笑

    配信をご覧になることにしたんですね。下級生の出番も多く賑やかな舞台なので配信を観てからの生観劇も楽しめる演目だと思います。
    観劇済みの私もあの世界観を味わいたく配信を購入予定です。楽しみですね!

  3. あず より:

    前々からあーさは学年が上がってきたらモンテ・クリスト伯がハマるんじゃないかと思ってたんですが、どうですかね。笑
    世界の果てに行かせたくなる気持ちはすごく分かるんですが、だからこそ閉じ込めて負の感情を沸々と燃え上がらせるあーさも見てみたいっていう、ただの願望です。笑

  4. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しています。
    朝美さんは、ポーの一族でのギムナジウムで、リボンタイの制服を着て、存在しそうなんですが。
    でも、やはり違いますね。
    ミック・エンジェルの金髪にスーツのポスターが、とても魅力的で。
    30日の配信を、心待ちしています。

  5. みかん より:

    蒼汰様
    こんにちは。
    子どもが時々、宝塚を観たいというので円盤で一緒に観ていたら「この人だれ?」と指さしたのが朝美さんでした。ほんものの魔法使に連れて行ってあげたかったなぁと思います。なので観にいかれた方のご感想、楽しみにしています。
    (「小柄だからスーツ・軍服が似合わない」、でびっくりしました。昔も今も言ってる人が変わらずいるということでしょうか。わたしの好きなスターさんも小柄な方でしたが、軍服姿で人気がでた方でした)

  6. めぐみるく より:

    はじめまして。
    いつも本記事、コメント欄ともとても楽しく拝見しております。
    雪組ひかりふるをきっかけに宝塚デビューした所謂ライト層で、私も雪組の朝美さんを応援しております!
    今回の記事は蒼太さんの愛溢れる分析とツッコミが痛快でコメントせずにはいられなくなってしまいました。
    レジスタンス的な立場の青年像と言えば、月組初演1789のロナンがぴったりで、朝美さんで是非見てみたい。
    農村からパリへ出てきて、自由と平等を知り、革命の波に飲み込まれる青年。焼き鏝で虐められる描写もあってバッチリですよね?!

  7. YUKIMARU より:

    永年、ファンタジー作品は企画が通らなかった。今、時代が変わり、ようやくファンタジー作品ができるようになったと、
    木村信司は(ほんものの魔法使い」のプログラムのメッセージに書いています。
    長いあいだ、温めていた作品、自分らしい演出のできる作品。
    木村信司の思いがあふれた舞台でした。

    それにしても、世界の果て、というフレーズは、Jブランドなんでしょうか。

    またいつか、世界の果て にまつわるショー作品に出会えるかもしれませんね。

    これからが楽しみです。

  8. ちゃぱげてぃ より:

    いつもブログを楽しく拝読しております。
    95期と朝美さんが大好きなものです。

    今回の記事に、盛大にうなずき笑いました!

    たしかに、朝美さんは「レジスタンス的青年」感がありますね!
    レ・ミゼラブルのマリウスなんかもぴったりだな、思いました。

    [配役妄想]
    ジャン・バルジャン: 彩風咲奈さん
    フォンテーヌ: 朝月希和さん
    ジャベール: 専科からどなたか
    マリウス: 朝美絢さん
    コゼット: 夢白あやさん
    エポニーヌ: 彩みちるさん/野々花ひまりさん
    アンジョルラス: 縣千さん/綾凰華さん/彩海せらさん:
    テナルディエ夫妻:専科から輝月ゆうまさんと愛すみれさん

    素晴らしい歌がたくさんあり、いつか宝塚でぜひ見てみたいです!

  9. LAURA より:

    初めまして。
    いつも楽しく拝読しています。

    朝美さんは主演ではありませんが「アーサー王伝説」のランスロット役でも世界の果て(のような場所)に行かされていましたね。
    一度目は聖杯を探しに。最後には国外追放されて。
    やはりあの整ったお顔にはコスチューム物が似合うと思います。
    世界中のランスロット役者のうちでもトップ3に入るイケメンぶりでした。

    昨日スカステで見ていたところ、高校生の息子が覗いて
    「ドラクエみたいじゃん」と言っていたのがツボでした。

  10. はる より:

    タイトルを目にした時に思わず笑っちゃいました。
    私もそう感じておりましたので、、。
    KAATでの観劇はまだどうなるか未定ですので配信される30日はなんとしても自宅にいる予定です。笑

    新生雪組がいよいよ始まりますね〜。
    見守りたいと思います。

  11. より:

    作品解説を読んで、あまり興味がわかなかったので配信を観ようか迷いましたが、観て良かったです!
    世界の果てに行かされがちと拝読していたので冒頭の歌詞に笑っていましたが、今作を観てなんだか納得しました。主演スターさんって、ライトを目に入れた時に何か見ているように見えるんですが、見ているものが人によって違うのが楽しくてですね。例えば朝夏まなとさんだと眩い太陽の光、風。望海風斗さんだと闇の中にさしこむ一条の光。柚香光くんは想い人の笑顔。明日海さんは闇の中で光る目が更なる闇の深遠を睨むイメージでした。それが朝美さんは空の彼方を見ているイメージでしたので、世界の果てに行かされがちってなんだか納得しました。
    特別な空気感はやはり彼ならではだと思いましたし、金貨が降るシーンのがっかりした心情が伝わってきて寂しくなったり、物語をしっかり見せてくれる方だと思いました。
    黒燕尾は自分でも意外なほど感動して涙が出てきました。劇中の身だしなみシーンはこれが朝美絢か…!と思いましたし、白燕尾?タキシードはこれがほんものの王子様か…!と、朝美さんの魅力満載で楽しめました。最後のブルーレイ宣伝もユーモアがあって素敵でした。2番手としてこれから益々カッコいいお役をされるでしょうし、新生雪組楽しみですね!
    モプシー縣と星加トート閣下、ニワトリ羽織もめちゃくちゃ好きでした。
    良い作品でしたね!!

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!私の記事で配信を見ようと決断されたとのことで…ファン冥利につきます。笑
      感想を記事に書かせて頂いたのですが、残念ながら私のツボには入りませんでしたけれど、景さんのツボに入ったようで嬉しいです。
      個人的に「朝美さんは空の彼方を見ているイメージでしたので、世界の果てに行かされがちってなんだか納得しました。」という一文にハッとしました。
      なるほど、確かに。瞳はその心を映すと言いますが、他の方のイメージに納得すると同時に、朝美さんに空の彼方をイメージするというのは、おっしゃる通りだな、と。
      私もフィナーレは嬉しくて仕方ありませんでしたし、金貨のシーンのガッカリ感も良かったですよね。ありがたいことに今のところ神奈川で見られる予定なので、そのあたりを重点的に見たいと思います。
      ニワトリコンビも可愛かったし、感想編としては辛口に書きましたけれど、ファンとしては嬉しい東上作品でした。
      感想を寄せて頂いてありがとうございました。一個人として嬉しかったのでお礼を込めて。