生え抜きと組替えの難しい組バランス

 

本日は組替えにまつわる小ネタです。

 

現在、華優希&瀬戸かずや退団公演真っ最中の花組ですが、

実は今、珍しい組体制であるのをお気づきでしょうか?

 

柚香光、華優希、瀬戸かずや、水美舞斗。

トップ、2番手、3番手、そしてトップ娘役と、

ここまで全員が花組生え抜きという、稀に見る血の濃さなのです。

 

組替えは「空気の入れ替え」

 

当ブログで何度も申し上げている通り、

基本的に私は組替え賛成派です。

 

組替えとは企業における人事異動であり、

「空気の入れ替え」のようなもの。

 

いわゆる「組ファン」からすれば、

若手時代から見てきたメンバーがそのまま上がることが望ましいわけですが、

舞台興行の世界は、そうはいきません。

 

組替えにより、番手が整理されることによるマンネリ打破はもちろん、

異動する生徒と、それを迎え入れる側の成長を促すことで、

組全体のブラッシュアップに繋がるということ。

(最近だと綺城や紫藤、それを受けての天華の活躍なんかが良い例ですよね。)

 

そして従来のファンを連れてくるだけでなく、

新体制によって新たなファンも生み出す相乗効果。

組替えはまさにカンフル剤的役割を果たすものと言えるでしょう。

 

逆に言うと、私のような感性の人間からすると、

路線付近が生え抜きスターばかりで固定されてしまうと、

悪い表現で言えば「内輪受け」っぽく見えてしまうのも事実。

 

例えば、龍&愛希からの珠城&美園と

約9年間生え抜きトップコンビを頂点に置き続けた月組や、

(星ファンの管理人には申し訳ないのですが)

紅・綺咲・礼の生え抜きトリオで固めていた時代の星組なんかは、

正直、組ファン向けの色が強いですよね。

 

そしてそれは、今の花組も。『COOL BEAST!!』を見た際に、

私がむせかえるような花組圧に酔ってしまったのは、たぶん、これが原因。

 

なので、今の体制が2作で惜しまれる程度で終わり、

永久輝せあの番手を上げ、宙組から星風まどかを呼び寄せたことで、

濃すぎる花組感を薄めるのは、良い方向転換だと私は思います。

 

カラフルな雪組と宙組

 

花組、月組、星組は生え抜き志向が強い一方で、

その逆ベクトルをいくイメージがあるのが雪組と宙組。

 

先日『ヴェネチアの紋章』を配信で拝見した際、

今までの雪組のイメージとガラリと変わったと思ったのですが、

よくよく考えてみたら、それは当然。

 

なにせヒロインは花組から朝月希和、

2番手格は星組から綾凰華、そして娘役2番には宙組から夢白あや。

 

これで本公演から月組出身の朝美絢が合流すれば、

あーら不思議、雪組生え抜きの彩風咲奈と合わせ5組制覇となります。

 

雪組は、ひとりっ子政策に舵を切りながら、

なぜか路線をひょいひょい気前よく外に出してしまうのも特徴で、

最近では月城かなと、永久輝せあ、潤花が他組へ組替え済み。

 

いわゆる壮一帆時代から築いてきた雪組カラーというものが、

ほっとんど残っていない(継承者・彩風咲奈のみ)状況になりつつあります。

 

私はそれで良いと思っていますが、

確かに、ずーーーっと雪組を応援している組ファンからすれば、

面白くない展開とも言えるかもしれないんですよね。

 

そして宙組も、ようやっと生み出した生え抜きトップ娘役、

星風まどかを他組に出す結果となりました。

生え抜き男役はいまだ正2番手に上がったことがなく、

いつも直前で他組から降られてしまう、そんな歴史を繰り返し続けている。

 

熱い組ファンが花・月・星と比べると少なく感じるのは、

そんなバックボーンがあるからなのかなと思ったり。

 

いやはや、組替えが起き過ぎるのも考えものなのかもしれませんね。

 

生え抜きと組替えの難しいバランス

 

さて、新体制に生まれ変わる予定の雪組と月組。

雪組は前述の通りカラフルな感じですが、

月組は月城、海乃、鳳月、暁と生え抜き感が強め。

前の代からガラリと印象を変えて、というメンツではありません。

 

とはいえ男役メンバーをバラすとも考えにくいのですよね。

雪組は結局そのままで新体制がスタートしそうですが、

果たして新生月組はどうなるのでしょう?

 

そして生え抜きを偏重し過ぎても、

組替えを受け入れ過ぎても難しいのが宝塚人事というもの。

はてさて、次なる組替えはどのようなものになるのか、要注目です。

 

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コメント

  1. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しています。
    組替がジェンヌさんにとって、どのようなものなのか、計り知る事などできそうにありませんが、
    トップ就任が前提の組替と、他組への補充や押し出されたような(?)組替では、受入れ側の対応は、どうなんだろう、と気がかりではあります。これから起こり得るであろう組替で、トップありきの異動配属であったとしても、新たな場所で、さらに輝いてほしい、と願ってしまいます。

    全ツの「ヴェネチアの紋章」を観劇する際に、正直なところ、大人気のトップコンビが、続いた組だけに、ブレお披露目のお祝いに、くらいの気持ちで出掛けましたが、幕開けでの彩風さんをみて、組の雰囲気を無意識にまとっているのか、単に観る側に馴染みがあるだけなのか、御曹司のトップ就任って、真ん中にいる姿が、思ったより自然に感じられ、いいなぁ、と思いました。
    他組からの組替メンバーとの間に、新たなものが生まれ、スタートするんだ、と妙に納得しました。
    月・星・花の御曹司就任も、スターさんのファンと共に、組のファンが望むものなのかもしれません。
    祖母の影響で、花組と雪組を主に観劇してきたので、どうしても肩入れしてしまい、呆れますが、月城さんのトップ就任と、永久輝さんのその時を考えると、お二人が雪組育ちなのが、とても嬉しくて。
    堅実で、でも華やかにまたしっとりと魅せ輝く姿を、勝手に思い描いて、一ファンの祖母は益々元気で、人生を楽しんでゆくようです。

  2. まのみ より:

    早霧:宙組
    咲妃:月組
    夢乃:星組
    望海:花組

    実はちぎみゆスタート地点も同じ状況です。
    ただ大きな違う点は雪組生え抜き路線中堅層に彩彩がおりました。

    今なら学年的には諏訪/縣に当たるかもしれませんが、今となっては贅沢な話ですがやはり月城/永久輝(せめて永久輝/諏訪)がいてくれたらな、なんて思ってしまいます。